種胚の臙棘

作者:雨屋鳥


 半透明の花弁には、細胞分裂を繰り返す最中の胎児のような影が浮かび上がる。
 動かない視線は、ただそれを虚ろに見上げていた。
 腹を貫いて、胸部を裂き、喉元まで食い込んだ暗い赤褐色の刃先は、意識を失う事を拒むように揺らめいている。思考する事も出来なくなった脳へと全身の感覚器官が最期の信号を送る。
 崩れ落ちていく街の瓦礫。
 逃げ惑う人々の怒号。
 無数に蠢く根の先に繋がれた人々の体。
 低空に漂う攻性植物は、それでも足りないと言うように悠々と街を蹂躙していく。
 大阪の繁華街、その上空に突如として表れた、空中に根差すクラゲのような多肉植物によって町は狂乱の渦中にあった。
 事切れた男性の体を無造作に投げ捨てたそれは、次なる獲物目掛け、その巨大な体を移動させ始めた。


「大阪城の攻性植物、その動きは未だ停滞をみせてはいないようです」
 ダンド・エリオン(オラトリオのヘリオライダー・en0145)は、そう零して攻性植物の出現を告げた。
「攻性植物、サキュレント・エンブリオの出現が予知されました」
 サキュレント・エンブリオ。ケルベロスの抵抗によって大阪城周辺からの侵攻が足止めされている攻性植物の次なる一手として表れているこの攻性植物は、大阪城で事件を引き起こして人々を避難させ、拠点の拡大を目論んでいると推測されている。
 7m程の体を持つこの攻性植物は、巨大な胚と無数の蠢く根を持ち宙を揺蕩っている。
「それを防ぐには、魔空回廊より現れる目標を出現直後から撃破する必要があります」
 今回の作戦の目標は、このサキュレント・エンブリオの撃破だ。
「出現位置は誤差数十m程と予測されています。今回、事前の大規模な避難行動は取れませんが、既に警察・消防等の組織と連絡を取り、避難協力を仰いでいます」
 十分な人員を動員でき、避難誘導に手を割く必要はないとダンドは言い、ですがと続ける。
「ですが、出現したサキュレント・エンブリオに自由に移動されてしまえば、避難を妨げられてしまうかもしれません」
 サキュレント・エンブリオの移動速度は素早くはないが、脅威である事には変わらない。出現位置にくぎ付けにすることが出来れば、心配も少なくなるはずだ。
「それが出来なくとも周囲の建物等を利用して立体的に利用して、効果的に攻撃を行って移動経路を変更させることも出来るでしょう」
 建物への被害はヒールによって回復することも出来る。そちらの損害は気にする必要は少ない。
 大阪城周辺は、多くのケルベロス達が警戒を厳にしていた場所。
「この動きの察知は、皆さまの警戒の結果でもあります。この結果を更に良い結果に結びつかせる為にも、侵攻してくるサキュレント・エンブリオをここで撃破してください」
 ダンドは、そう締めくくった。


参加者
ディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121)
春日・いぶき(遊具箱・e00678)
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544)
新条・あかり(点灯夫・e04291)
佐々木・照彦(レプリカントの住所不定無職・e08003)
月杜・イサギ(蘭奢待・e13792)
ブランシュ・エマイユ(春闇・e21769)
斬々・マイ(乂・e44965)

■リプレイ


「よっ、ホイ!」
 ビルの隙間に作られた空間は落下防止のネットに日光を遮られて、昼間にも拘らず薄暗さが蟠っている。鉄のきしむ音と間の抜けた声が、壁面工事の狭足場を駆け抜けていく。足場を甲高く靴底で鳴らしながら、高高度の不安定な場所を彼は走っていた。いつ体を足場を支える支柱に引っ掛け、落下するか。
 肩に小さな影を乗せたその男は、しかし機敏な動きで狭い空間を難なく駆ける。飛び跳ね支柱を片腕で握ると、速度を落とさず軽くはない体を上段の足場に跳ね上げると、肩のそれをむんずと掴んだ。
 足場は彼の数歩前で途切れている。速度を緩める事無く走る彼の未来はこの十数階の高さからの自由落下だろう。
 だがその前に、華麗な投球フォームに上乗せされた速度でその物体、否、彼のテレビウムは斜め上へと投げ出された。直後、男性は躊躇なく足場の端から速度を上げ跳躍した。
「頼むで、テレ坊!」
 佐々木・照彦(レプリカントの住所不定無職・e08003)が声を上げる。無慈悲にも空中へ放られたテレビウムは、しかし慣れた様に持っていた傘を振り上げた。雨合羽を来た幼子のような姿からは想像もできない程強烈に振り下ろされたそれは、コンクリート製の壁に深々と突き刺さると、ロープが巻き付いている体を繋ぎ止めた。
 そして、それは落下の最中にあった照彦に繋がれており。
「ほぉおあー!」
 張ったロープが照彦を振子軌道に乗せると落下と疾走の勢いを上昇に転化し、テレ坊が傘を引き抜くと、ビルの屋上へとその体を放り出した。
 日光が彼の視界を眩く照らし、ビルの狭間からは見えなかったサキュレント・エンブリオの巨体が姿を現す。
 と同時、触手が、照彦の転がったビルの屋上を1フロアごと薙いだ。
 瓦礫が埃を上げて飛散する。その中を裂いて、宙に浮かんだその巨体の更に上。蒼銀が靡く。
「……」
 空の魔力を纏わせた直刃の刀が、上空から巨体の胚を縦一文字に深い傷を刻み込んでいた。
 月杜・イサギ(蘭奢待・e13792)は、開いた傷が空気の抜ける様な音を立てながらも、即座に閉じていくのを一瞥すると、即座に宙返りして黒い翼を広げた。胚の再生速度の速さに中身ははっきりとは見えなかったが、それに執着は無い。高度を下げて、巨体の下へと潜り込んでいく。
「デカいクラゲやなあ、イサギくん」
 そこに瓦礫のように吹き飛んだかと思っていた照彦が巨体から離れるイサギと入れ替わるように現れた。
 見ればテレ坊が触手に傘を突き立て、繋がったロープを片手で握る彼は、背負っていた槍を構えていた。
「……ああ」
 と、無造作に返す頃には照彦の姿は無い。蠢く触手に振り回されながら、雷電纏う槍と踊っている。イサギはそれを特に気に留める事無く、視界に映った見知った赤髪に意識を割いた。
 小さな体に装着した装置からワイヤーフックが射出され、今はイサギよりも高い場所を駆けている。
 友人が慣れぬ感覚に、不思議そうな顔をしている事に少しだけ笑みを零すと、刀を跳ね上げる。赤黒い棘が、瞬時に呪詛を纏わせた刃に抉られ軌道を逸らした。更に襲い来た根を躱し弾き飛ばし切り飛ばし、最後に突き出されたそれが脇腹を切り裂いた瞬間、刀を突き刺すと呪いを注ぎ込みながら宙を駆け、触手を乾竹割りに斬撃した。
「全く、どう振るっても外れる気がしない」
 そして、途中で刃を抜くと旋回し根を両断したイサギは、顔にかかる長髪を掻き上げながら嘆息する。
「振るい甲斐が無いじゃないか」
 だがその言葉とは裏腹に、薄らと口元は弧を描く。裂けた脇腹から血がにじんでいく。その痛みと刃が根を断った感触だけは悪くなかった。
「さあ、次だ」
 彼は、翼を休める事無く自由気ままに宙を駆けた。


 空気を足場に跳躍を重ねた後、彼女は落下の勢いと装置の巻取の勢いに体を任せ地面すれすれを高速で宙を駆け抜けていく。
「……っ」
 体制を崩せば、アスファルトに表皮を削られる痛みが走るだろう。ケルベロスである彼女にとってそれは然したる傷にはならないが、痛みがある事には変わりない。
 日頃考えもしない、落下速度と固定先との距離、高度差。それらを常に計算しながら新条・あかり(点灯夫・e04291)は赤い髪を荒ぶ風と遠心力に乱されながらもサキュレント・エンブリオの周囲を移動する。
 空を飛ぶってこういう感じだろうか。などと体を装置に引き上げられる感覚に疑問を抱きながら、あかりは少し乱れがちなロープ組の位置取りを細やかに補助するイサギ達翼飛行組の動きを見て、違うな、と少し口を尖らせ否定した。
「飛べなくたって」
 構わない、とあかりは空中姿勢を解くと、両足を高速で過ぎる地面に接地した。疾空を妨げることは無い。彼女のエアシューズのローラーが慣れた対地の体勢を許し、却ってその速度を高めていた。
「攻撃に移るね!」
「ええ、お願いします!」
 言葉を受け取った男性は、宙を駆ける速度を彼女とは逆に抑えながらワイヤーの先端を崩れかけたビルから引き抜くと、体を慣性に任せた。回る宙空で仲間の位置を再確認すると、周囲に炎を灯す。
「さて」
 春日・いぶき(遊具箱・e00678)が灯した淡い色のそれは、柔らかな光を放ち脅威を感じさせない。
「好きにはさせないですよ」
 その炎は、邪を払うもの。サキュレント・エンブリオから仲間を、そして人々を守るためのものだった。立ち上るグラビティの気配に反応したのか、彼目掛け触手が迫る。
 一本だけでなく、続けざまに放たれる棘に体を穿たれたいぶきは、しかし、既に加護の炎を仲間へと届けていた。全身に走る痛みを噛み締め空を跳躍し、未だ無事なビルへとワイヤーを射出する。
 四方に展開した仲間へと補助を行った後の余韻を残す杖を軽く回すと、あかりはその先端を真上へと向けた。ジェットコースターさながらの速度で蠢く根の根元へと潜り込んでいたあかりの杖先から空気をぶち破る音と共に雷樹が立ち上った。更に、煙を上げる触手へとローブを白銀の羽のようにはためかせ、オウガメタルを拳に纏い猛烈な勢いの中で直角に上昇する。
 だが、いぶきの視界には、彼女の体を打ち返さんと束ね振るわれる根が映っていた。
「危……っ!」
「大丈夫」
 その時、いぶきの側を影が過ぎていった。
 桃色の髪の少女が、ワイヤーフックを繰りあかりの元へと駆け付けていた。手には夜闇の鎌の刃先に朝焼けを滲ませたような独特の巨鎌。それを盾にあかりを叩き潰そうとしていた根を受け止めた彼女の体は、猛烈な勢いでアスファルトの大地へと叩き落された。
「……っ」
 無数の触手が彼女の体力を奪っている。いぶきは、周囲を人々の生活の場だという事を厭わず破壊する巨体の敵に対する不愉快さを高めながらも、打ち据えられた彼女の元へと降下していった。


「……っ」
 まるで粘性を持つ液体に落とされたように地面にめり込む感覚に、肺から空気が潰され逃げ出した。
 仲間を庇い攻撃を受けたブランシュ・エマイユ(春闇・e21769)はすぐさま起き上がると体に乗っていた瓦礫を払い除ける。サキュレント・エンブリオは見た目のままにその一撃が重い。数分の戦闘で周囲が瓦礫の海と化しつつあるのがその証左だろうか。
 続けて攻撃を受けた彼女の体が軋みを上げていた。
「見た目はああなんですけど」
 とブランシュは冗談交じりに独り言ち、口を埋める血の味に顔を顰めた。そこへ、彼女のすぐ傍にいぶきが着地する。地面で勢いを殺しながら、彼は素早くブランシュの傷を癒していく。
「ありがとうございます」と礼を言いながら、ブランシュは体の装置を確認する。弾き飛ばされる瞬間、変な衝撃が伝わってきたが無事だろうかとみると、どうやらワイヤーが切れたということは無く、ただフックが攻撃の衝撃で、ビルの壁面を砕いてすっぽ抜けただけだったようだ。
「使えますね」
「ええ、気を付けて」
 彼女は、いぶきと短く言葉を交わしそれぞれ分かれると、ダブルジャンプを駆使しながら瓦礫の山を駆け上る。重力に逆らいながらブランシュは、周囲を見渡しながら元の位置取りへと戻っていく。
 7mの体を宙に浮かばせるサキュレント・エンブリオは周囲を瓦礫に変えながら、ゆっくりと移動している。それに合わせて囲うように展開しているケルベロス達は攻防の中で位置取りは変わっていっていた。
 ディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121)は翼を羽ばたかせながら、仲間の位置取りを見て隙間を埋めるように飛んでいた。
「……止まれ」
 重く響く低い声を発しながら、掌をサキュレント・エンブリオへと向ける。そこから竜の幻影が形作られると、爆炎を纏って飛翔した。
 振るわれた根を焼き払いながら、それはその巨体へと突貫し激突する。炎を散らしながら爆散した幻影は、衝撃にサキュレント・エンブリオを押し戻していた。
「動かさない……事は、適わないな」
 ディディエは、少しずつではあるが街に瓦礫の軌跡を描く巨体に呟いた。はじめはサキュレント・エンブリオの動きを翻弄していたが、一つ所で戦闘を行っていた余波で支えとなるビルが崩壊すると、ロープによる立体的な動作を行っていた仲間の動きが制限され始めたのだ。
 それと同時に、サキュレント・エンブリオは高度を僅かに上げている。攻撃方向を考えなければ攻撃は届くが、狙った場所に留まらせる事はもはや困難を極めていた。
 それでもディディエに焦りはなかった。
 この周辺の避難は済んでいる。飛散した瓦礫が気がかりではあるが、それは幸運に任せるしかない状況だった。翼によって常に適切な位置取りを得られるディディエが第一に考えているのは、被害を最小限に抑える事だ。
 低空を駆けるブランシュも同様に考えていた。彼女の体を地面に縫い留めようと突き立つ棘を着地と跳躍を交え躱しながら、比較的無事なビルの壁面にロープを穿ち、更に走り上がる。その途中で狙いすましたような棘の一撃が彼女の体を貫いた。
「今、ですね」
 だが、その攻撃は彼女の鎌に逸らされ、ビルに深々と突き刺さるが、彼女には浅い傷を残すのみ。そしてビルの壁を蹴飛ばしたブランシュは根に降り立つとロープをまた射出し根元近くに埋め込ませるとそこまで一気に駆けた。
 焦げたその根元を、鎌の刃が一太刀に刈り取った。粘液を散らし落下する触手から退避するため、数階上部が吹き飛んだ半ばのビルへと跳躍する。
 根を蹴り、宙を蹴り、ロープを伸ばそうとし、しかし、それに耐えられそうな場所が見当たらず彼女の体は落下する。
 と思われた所に、彼女の手首をディディエが掴んでいた。その腕に弾みを付けたブランシュは無事破壊されたビルのオフィスへと着地した。
「……問題ない」
 彼女の礼に無表情に返したディディエは、油断なく周囲に向ける。
 すでに触手も大半が機能せず、少しずつ高度すら保てなくなっているサキュレント・エンブリオの影から染み出すようにブラックスライムの網が地上から伸びて絡み付いた。


「お先にっ」
 瓦礫と砂ぼこりに塗れた状況に似合わない軽々しい声を吐いて、彼はブラックスライムを足場にしてサキュレント・エンブリオに肉薄していく。影色の髪が楽し気に跳ね、定まらない笑い声が漏れ出ている。
 服の大半を濡らす血は、この戦闘でついた傷か、いつかの古傷が開いたのか。痛々しい風貌にも関わらず斬々・マイ(乂・e44965)は軽薄な笑みを絶やさず、刀を握る。
「いったいなあ、もう」と静電気を受けたような声色で痛みを訴えるマイの血が、蛇のようにのたうち刃に纏わりついた。
 ブラックスライムから跳躍すると、射出したロープで胚を突き刺し残る根を目指す。胚が即座に再生しフックを押し出すが、その時には既に、マイの血に濡れた刃が触手に突き立っていた。何かが泡立つような音が響いて、塗れた血の色に反して肌が青白く見えるマイは刀を引き抜き地面へと落ちていく。その痕から零れたのは、サキュレント・エンブリオの体液ではなく赤い液体。
「さあ、エサの時間だよ」
 落下しながら、マイが口ずさむ。それに応える様に小鳥の囀りのような音が連続して響き渡り、マイの突き刺した根から無数の鋭い棘が生まれ出でた。注ぎ込んだマイの血液が内部から根を串刺しにしていた。それはまるで蛇の胃袋を遡っていくように触手を侵食していき、更には胚へとその棘を突き刺していた。
 それを見届けたマイは、全身で衝撃を和らげ地面へと着地する。
「上ったネー」
 そして、その上に行った仲間の姿を仰ぎ見るも、胚に隠れて見えない。
「それじゃ、ボクはコッチかな」と、サキュレント・エンブリオの囲みを維持するために再び動き出す。
 その頭上。細く伸ばしていた体をトカゲの姿に凝縮し戻ったブラックスライムが、触手を這いあがり、その胚の上に立っていた主の元へと帰る。
「ありがとうwith」
 褐色の肌に白い髪の男性は胚に突き刺して抜けたワイヤーを巻き取りながら、半透明な胚に浮かぶ何かの影を見つめていた。
 ヒトのようでありながら、だが、その規格は人間の胚ではありえない。
「さて、殻の厚さは……、っ」
 ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544)が腕を構え、爪の紋章が赤く光る。その彼の背中に残る触手が迫り、そして、その体を確かに貫いた。
 衝撃に言葉が跳ね、口からは血が飛沫と飛ぶ。軽くはない傷、だがそれにディークスは動じない。雷が奔った。
 紋章が綴る術は、強烈な雷撃を鋭い竜爪へと変化させる。
「如何なものか」
 直後、膨大なエネルギーの塊で出来た爪がサキュレント・エンブリオの胚を焼き、閃光が周囲を瞬かせた。
 雷撃がサキュレント・エンブリオの巨体を焼き貫いて、蠢く根は力なく垂れ下がり、その巨体がゆっくりと浮力を失っていった。


 ディークスは応急処置だけを施し、ゆっくりと衝撃も少なく墜落した巨体の上に立っていた。
「……」
 最後、雷撃の爪に切り裂かれた胚だけは再生できなかったのか、潰れているように見える。中を検める事も可能だろうか。
「っ!」
 そうディークスが考えた矢先、足にわずかな振動が走った。それは加速度的に増幅していく。その原因はディークス目には明らかだった。胚が一斉に膨らみ始めていたのだ。ディークスは、地上に待機させていたブラックスライム、withの伸ばした手に捕まると即座に死体から退避した。
 直後、豆電球が集まったように限界まで膨らんだその胚は、鼓膜を破るような爆竹めいた炸裂音を響かせて破裂した。
 そして、輝く細かい何かが拡散して、消えていった。
「やはり、か」
 と照彦やブランシュに視線を送ると、彼らはその行方を追うように空を見ていた。作戦の前、同様の事件で起こったこの現象を気にかけたのだ。
 ディークスは、引き起こされるだろう新しい事件へと意識を傾け、宙へと視線を飛ばした。

作者:雨屋鳥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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