梅雨の小雨に混じって、花の香りが立ち昇る。
ところは大阪市、淀川河川敷にある回遊式の庭園。緑の木々に囲まれた池には、色鮮やかな花菖蒲が咲き乱れていた。
白、青、紫――水面を覆うように開く花菖蒲の姿は、水を浴びる美女のように艶やかだ。
時は6月中旬。菖蒲園の開園期間もじきに終わるとあってか、園内は大阪の内外から訪れる多くの客で賑わいを見せていた。
と、そこへ。
妙に肌寒い一陣の風に乗って、謎の花粉のようなものが池の上に舞い降りた。それは幾本かの花菖蒲に取り付いて、瞬く間に異形の怪物――攻性植物へと姿を変えてゆく。
「デ、デウスエクスだ!」
「助けて!」
逃げ惑う市民に狙いを定めた攻性植物たちは、頑丈な緑の蔓で、花から放つ殺人光線で、地球人のグラビティ・チェインを収奪し始めた。
「攻性植物の動きは、とどまるところを知らないようですね……」
ジェミ・ニア(星喰・e23256)は沈痛さを湛えた面持ちで、ヘリポートに待機していた。
「先月、こどもの日に発生した竜牙兵達の襲撃事件。ニアさんの依頼で調査を進めた結果、大阪市内で攻性植物による襲撃事件が発生するようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は丁寧に一礼して、集合したケルベロス達に口を開く。
「爆殖核爆砕戦の結果、大阪城の攻性植物が一斉に活動を始めました。大阪の人々を排除し勢力圏の拡大を図っているものと思われます」
敵は花菖蒲型の攻性植物が5体。市民の安全のため、攻性植物の侵攻阻止のため、迅速な撃破が求められる。
「現場は大阪城の北に位置する回遊式庭園。そこに設けられた池の一帯です」
現地到着後は攻性植物の排除を最優先とする。事前にセリカが警察と消防の手配を済ませておくので、市民の避難は彼らに任せて良い。
攻性植物は一般市民の殺害を目論む危険な敵だが一旦戦闘が始まればそちらに集中する。逃走を図ることはないので対処は困難ではないだろう。連携に優れ、頭数も揃った敵ゆえ、油断せず確実な撃破を心掛けたい。
「彼らが使用する能力は、標的を捕縛する蔓、雌しべから発射する破壊光線、味方の傷を癒す黄金の果実の3つです」
蔓と破壊光線はいずれも射程が長いので、後衛のメンバーも十分に注意が必要だ。
「大阪の人々と、美しい街を守るため。速やかな排除をお願いします」
セリカはそう話を結び、ヘリオンへと乗り込んだ。
参加者 | |
---|---|
鉄・千(空明・e03694) |
ヴェルトゥ・エマイユ(星綴・e21569) |
ジェミ・ニア(星喰・e23256) |
左潟・十郎(風落ちパーシモン・e25634) |
アウレリア・ドレヴァンツ(瑞花・e26848) |
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322) |
エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731) |
アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の弾丸・e39784) |
●花開く侵略者
大阪市内、大阪城北のとある公園にて。
赤いパトランプに囲まれた花菖蒲の庭園は、普段とは違う不穏な空気に包まれていた。
「都市の中に、このように落ち着ける場所があるのですネ」
エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)は、髪の雨露をそっと払い、愛おしそうに花々を眺めた。
池の向こうには、警察の誘導で避難していく市民の姿が見える。それを遠目に見ながら、アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の弾丸・e39784)がうんざりした表情で言った。
「攻性植物もいい加減しつこいな……害なすからには早々に叩き切るまでだが」
「むう。折角綺麗なお花、なのに」
オリヴン・ベリル(双葉のカンラン石・e27322)は頭の寝癖を弄りながら、悲しそうに俯いている。
こういう静かな場所がオリヴンは好きだった。それがデウスエクスに踏みにじられることが、とても辛い。
「早く発生源をどうにかしないと、かな……」
充電を終えたテレビウム『地デジ』から充電器を取り外し、支度を整えるオリヴン。その向かい側の道から、ジェミ・ニア(星喰・e23256)が戻って来るのが見えた。
「庭園に残っている市民はいません。安心して戦えそうですね」
民間人が襲撃される事態を想定し一般客に紛れて潜入したジェミだったが、セリカが手配した警察の仕事は想像以上に迅速だった。おかげで心配は杞憂に終わりそうだ。
(「安心して戦う……か」)
ジェミはふと、敵となる花菖蒲のことを考えた。
時期は6月。そろそろ場所によっては花菖蒲の公開が終わる頃だ。そんな時期に攻性植物の事件が起ころうとは……。
(「花に罪はないのに……」)
項垂れるジェミの肩を、鉄・千(空明・e03694)がぽんと叩く。
「頑張ろうなジェミ。千も頑張るから……な」
「……そうだね」
笑顔で頷き返すジェミ。
と、その時。
ふいに前方の池で花菖蒲がムクムクと蠢いて、巨大な怪物へと変貌し始めた。
「……殺めるために咲くというのなら、刈り取るの」
池から次々這い出して来る攻性植物の行く手を、ドラゴニックハンマー『幽冥』を構えたアウレリア・ドレヴァンツ(瑞花・e26848)が遮った。
「最期まで、美しい花として散りたかっただろうに……」
「ああ。せめて、血を浴びる前に眠ると良い」
その両隣で、ヴェルトゥ・エマイユ(星綴・e21569)と左潟・十郎(風落ちパーシモン・e25634)が戦闘態勢を整える。
手袋を外したエトヴァが、愛用のルーンアックスを担ぎ上げた。銀色の瞳が捉える異形の攻性植物たちは次々に陣形を組み、今にも襲い掛かってきそうだ。
「再び、庭園が人々の癒やしとなるように……為すべき事ヲ」
かくして、ケルベロスとデウスエクスの死闘が幕を開けた。
●魔の紫花たち
可憐な蝶を連想させる花菖蒲の花弁は今や毒々しいドドメ色に変じ、大人を飲み込める程の巨大な魔物へと変わり果てていた。その数、5体。
息を合わせて放ってくる敵の触手を、光線を、ジェミと千、ヴェルトゥのサーヴァント『モリオン』が盾となって庇う。
攻性植物たちの狙いは後列のようだ。ジェミら3人の防御網を潜り抜けた光線が命中し、アウレリアが燃え盛る炎で包まれる。
「やってくれるじゃないか。北方より来たれ、玄武!」
アルシエルはリボルバー銃の弾丸に呪いを込め、敵の後列めがけて発射した。
『四獣降臨:黒水亀』。召喚された四神玄武が牙をむいて攻性植物の喉笛に食らいつき、攻性植物が身をよじってもがく。
ジェミはそこへ狙いを定め、変形展開した胸部の発射口からコアブラスターを発射した。最大出力で放たれたエネルギー光線を浴びた攻性植物の体から、血液を思わせる赤い液体が周囲に飛び散る。
液体の放つ悪臭に、思わず十郎は顔をしかめる。ダメージこそ受けないが、気持ちの良いものではない。気を取り直して、負傷した前衛の仲間たちにボディヒーリングを飛ばす。
「宜しくな、地デジ!」
十郎の挨拶に、地デジはぴょこんと飛び跳ねて、応援動画でアウレリアを回復してゆく。
「前の2体。けっこう、攻撃力が高いね……」
ジョブレスオーラで前衛にBS耐性を付与しながら、オリヴンが呟いた。
敵のチームはバランスが良く、攻撃側に偏った編成だ。恐らくは、近い株から生まれたのだろうか、連携も巧み。
後列の攻性植物は自分の傷も構わず、献身的に前列をヒールしてBS耐性を施している。
変わり果てても、彼らは生きていた。自分たちが生きるために必死なのだ。それを知ったアウレリアは、心でそっと花菖蒲たちに詫びを入れる。
(「……ごめん、ね」)
許してほしい。貴方達を狩ることを。
その言葉を飲み込んで、アウレリアはドラゴニックハンマーから轟竜砲を発射した。
狙いはメディックの攻性植物だ。まずは敵の生命線を集中攻撃で落とし、しかる後に後列から順に撃破していく。それがケルベロス達の作戦であった。
しかし、その時――。
ディフェンダーの攻性植物が盾となり、メディックへの攻撃を庇った。回避能力が落ちた様子もない。BS耐性によって足止めが弾かれたようだ。
「モリオン、前衛に属性インストールを施すんだ」
ヴェルトゥはモリオンに仲間のBS耐性の穴埋めを命じると、バスターライフルの照準を敵メディックへと合わせた。
「逃がさないよ。ここまでだ」
引き金を引くヴェルトゥ。攻性植物は今度こそバスタービームに焼き尽くされ、消し炭になって転がった。
「撃破確認。残るは4体デス」
「頼りにしてるのだ、エトヴァ!」
ブレイクルーンで自身に破剣を付与するエトヴァに微笑みかけると、千はエアシューズ『天駆』で大地を踏みしめ、敵のジャマーめがけて電光石火の蹴りを放った。
息を合わせるように、ヴェルトゥのハウリングフィストが唸りをあげて襲い掛かる。
傘のように大きな葉を切り裂かれ、大木のような茎を砕かれ、悲鳴をあげる花菖蒲。千の嵐のごとき猛攻はなおも続く。
「ジェミ! 一緒に攻撃するのだ!」
「分かった、千さん!」
掌に螺旋の力を込め、千の拳が花菖蒲を捉えた。ヴェルトゥの一撃が命中した箇所が螺旋の力で傷口を開かれ、メキメキと音をたてて態勢を崩す。
追撃で放たれたジェミのエクスカリバール『崩枝』が、回転しながら飛んで行く。
しかし、またもや敵のディフェンダーが縦となり、ジェミの攻撃を防いでしまう。
反撃とばかり、一斉に攻撃にでる攻性植物たち。触手と光線の嵐を浴びたジェミら前衛は瞬く間に生命力を削り取られる。
「中々に健気じゃないか。でも、もう終わりだ」
アルシエルはバトルオーラから練った気弾を、一斉にジャマーめがけて発射した。
もはや手立てはない。2体目の花菖蒲が、体中を蜂の巣にされて絶命する。
「皆、大丈夫か? やばそうなら早めに申告を頼む」
ボディヒーリングを前衛に施しながら、十郎が言う。
幸い、十郎と地デジの支援の甲斐あって、致命傷を受けた者はいない。完全に回復する事こそ出来なかったが、被ダメージはコントロール可能なレベルを維持している状況だ。
(「これで、残り3体か……」)
バールを紐で回収するジェミの隣では、オリヴンとアウレリアが敵のクラッシャーに攻撃を浴びせ始めていた。
「キミの心の傷を、抉り出す……」
オリヴンのかざした惨殺ナイフの刀身に我が身を映され、俄かに怯えだした攻性植物を、アウレリアのサイコフォースの爆発が巻き込む。
「さあ、お眠りナサイ」
奇怪な叫び声をあげる敵の前衛めがけて、叩きこまれるエトヴァのファイアーボール。
燃え盛る火球が攻性植物を包み込み、轟音と衝撃のカクテルがまき散らされてゆく。
●仇花に捧ぐ
炎にまかれて転げまわる攻性植物に、アルシエルが仕掛けた。
「抵抗しない方がいいよ。余計に苦しむ事になる」
エアシューズで滑るように地面を駆け、傷の深いクラッシャーを車輪で轢き潰す。
怒り狂った攻性植物は立ち上がり、仲間と共にアルシエル目がけて攻撃を浴びせてきた。
「庇えるのは、キミたちだけじゃ、ない……」
「そうだ! 私達を甘く見るな!」
すかさずオリヴンと千、モリオンが攻撃を庇い、アルシエルは無傷。
十郎は最もダメージの大きいモリオンをルナティックヒールで回復しながら、普段と同じ冷静な口調で仲間の背を押した。
「どんどん攻めてくれ。アタッカーにヒールさせるようじゃ、メディックの名折れだ」
「逃がさない、よ……」
オリヴンが担ぐように構えたバスターライフルの砲口から、フロストレーザーが最大出力で発射された。凍結した空気が水晶のようにきらめいて周囲を包み込む。直後、青い光線が攻性植物を捉え、その体を芯まで凍てつかせた。
「終わりです」
ジェミのゾディアックソード『双児宮星ノ欠片』が、金剛石のごとく輝く尾を引きながら振り下ろされ、攻性植物は粉々になって砕け散った。
残るは2体。ここでケルベロスは、攻性植物の標的を、仲間を庇い続けてダメージが蓄積されたディフェンダーへと切り替えた。
対する敵も自分が標的になったことを悟ったのか、守りを固めて攻撃の機を伺い始める。しかし、それを許すほどケルベロスは甘くはない。
「エトヴァ、一緒に」
「了解しマシタ、アウレリア殿」
そっと手を差し伸べたアウレリアの手から、緑の蔦が攻性植物へと這い寄っていく。
アウレリアの相棒『クロリスの息吹』が、エトヴァの歌う「幻影のリコレクション」に息を合わせるように、薄紅の花を咲かせて敵の体を締め付け始めた。
「凍ってしまえ」
「そして燃えろ!」
ヴェルトゥのフロストレーザーと千のグラインドファイアが、青と紅の螺旋を描きながら攻性植物へと襲い掛かる。
防ぐ術はない。攻性植物は体を引き千切られて地面に転がり、やがて動かなくなった。
「さて。残すは1体か」
アルシエルの気咬弾に体を抉られてもなお、攻性植物の戦意に衰えは見られなかった。
反撃で発射される発火光線。千はそれをガードすると、ジェミの方を向いて叫ぶ。
「ジェミ、今なのだ!」
「ありがとう、千さん」
ジェミが、跳んだ。
己の影から精製した無数の矢を、最後の1体めがけて引き絞る。
「餮べてしまいます、よ?」
降り注ぐ矢の嵐。『Devour』で奪った生命力が、ジェミの傷を見る間に塞いでゆく。
そこへ十郎の百戦百識陣で負傷を癒やした千とオリヴンが追撃。ブーストナックルが茎を砕き、ゼログラビトンが敵のグラビティを中和し、力を奪い去っていった。
千は萎れてゆく花菖蒲から視線を反らさず、まっすぐに見据える。
(「助けることはできないから……せめて、キレイな姿をしっかり覚えておくんだ」)
千はそう思いながら、瞬きせずに、敵の最期を見届けることにした。
それが自分に出来るせめてものはなむけだ、そう思ったから。
「Halten Sie……」
エトヴァの織り上げる『Tagtraum』の銀糸が、
「――行かせない」
アウレリアの『日花』の這い寄る蔦が、
「少し、じっとしていてもらおうか」
ヴェルトゥの『Stardust platycodon』の鎖が、三位一体となって攻性植物を包み込む。
大きな銀色の繭を埋め尽くすように、白花と桔梗が一面に咲き乱れ――。
その時、ふと千は気づく。
(「雨が、止んでる」)
差し込む太陽の光に照らされた花々が、雪解けのように消えていく。
後にはただ、花を散らした攻性植物の躯だけが残っていた。
永遠にも思える沈黙のあと、千はただ一言。
「……ごめんな」
散った花々に、黙祷を捧げた。
●また来年も
「さて、片付けはこんなものかな」
「うん。地デジも、よく頑張ったね」
ヒールで修復した園内を、十郎とオリヴンはざっと見まわした。
ひび割れた道路を塞ぎ、壊れた橋を直し、公園の建物はすっかり元通りだ。
「これでまた、人をお迎えできるね……むにゃ」
オリヴンは地デジと休憩所のベンチに腰掛けると、ぬいぐるみを抱えてうつらうつらとし始めた。味方を庇い続けて受けた負傷も、少し休めば完全に回復する事だろう。
十郎は静かにその場を離れると、庭園を片付けているアウレリアたちの所へと向かった。彼女らは先程から、花菖蒲を出来るだけ元に戻そうと手を尽くしているのだ。
「こっちの修復は終わりだ。手を貸す」
「手伝ってくれるの?」
「ああ。なるべく、元の姿に戻してやりたいものな」
アウレリアの問いかけに、十郎はぶっきらぼうに返す。
「ありがとう。これ、良かったら使って」
そう言って手渡されたのは、花菖蒲を整える道具だった。千が関係各所に連絡した際に、公園の管理者から借りたのだという。
「なるほど。確かに……こいつは手間だな」
悪戦苦闘する十郎の隣では、ヴェルトゥが丁寧に花菖蒲の手入れを行っていた。石を取り除き、根の生え際を調整し、花がらや散った花茎を切り取って……折れた花菖蒲は公園から譲り受け、小さな花束に拵えて仲間たちで持ち帰ることにした。
(「変わらずまた美しい姿が見続けられるように」)
そんな祈りに似た気持ちと共に、ヴェルトゥと仲間たちは黙々と作業を進めていく。
暫くして菖蒲園が元の姿を取り戻した頃、ゴミを片付け終えたアルシエルが戻ってきた。
「お疲れ様。皆はどうする? 私は花の写真でも撮って帰るつもりだけど」
ふと門の方角を見れば、園の客もちらほらと戻りつつあった。彼はお茶のお供を見繕い、のんびりと過ごすつもりのようだ。
「俺はモリオンと庭園を散歩してみようか」
と、ヴェルトゥ。
一方エトヴァとジェミ、アウレリアと千も、園内を散策することにした。
「水辺を彩る、涼やかな花弁に、日差しに映える立ち姿……美しいですネ」
「せっかく綺麗に咲いたのだから、ね」
「ええ。大切に飾って、沢山眺めまショウ」
ジェミは花菖蒲を眺めるうち、ふと、花々に微妙な違いがあることに気が付いた。
「こうして見ると一つ一つ花の色や形が違うんだね」
「と、言いマスと?」
エトヴァは不思議そうな顔をする。
「あっちのは濃い藍色、こっちは淡い青。花びらも、ほらフリルみたいにひらひら」
「本当デス……涼やかな色彩……綺麗ですネ」
「……今日の花達も咲いていた、だけなのにね」
花菖蒲の花束を見つめながら、ジェミはぽつりと呟いた。
「……ええ、花たちには災難でしたネ」
「でも! 千は今日の事は忘れない!」
エトヴァとジェミの話を聞いていた千が、口を開いた。
「今日の出来事は忘れないで、背負って進んでいきたい……」
「……そうね。きっとあの子達も、喜ぶわ」
アウレリアは千に微笑むと、花束を手に祈りを捧げた。
「来年もまた――美しく艶やかに咲くように」
花菖蒲の花々が、微かに湿った風にそよぐ。
ケルベロスたちの1日は、こうしてゆるやかに過ぎていった。
作者:坂本ピエロギ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年6月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 2
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