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仄暗いどこかの部屋。
妙に空気は湿っており、僅かな生臭さ。
そんな空間にスライム忍者・雷霧がオーク達にブヨブヨしたスライムを手渡していた。20体はいるだろうか。
「お願いします! 私のスライムも一緒に……どうか戦わせてください!」
オーク達に懇願する雷霧。
オークは手にしたスライムを見る。少しずつ形は崩れボタボタと、てかりのあるしずくを指の隙間から滴らせている。
手はあっという間にヌルヌルと光沢を放ち、オークの手はスライムまみれとなってしまった。そのヌルヌルした感触が癇に障ったのか、手にしたスライムを雷霧の顔面に無言で叩きつける。ノーモーションで。
「わぶっ! って、きゃああああああああああ!」
投げつけられたスライムはあっという間に雷霧の衣装を溶かしきっていた。たまらず、へたりこんで、手で『色んな』ところをギリギリのところで隠し切る。
その彼女のあられもない姿をじっくりと舐め回すように見ると、そのスライムの効果に満足したのか、グヒヒ、と下品だが満足した様子で他のオークたちとともに、その場を後にした。
場所は変わり、都内のフォトスタジオ。
プール付きのフォトスタジオという事で、写真家、コスプレイヤー、モデル達には人気のスタジオだ。
そこへ10名の若い女性達。やたらと際どい水着だったり、花柄をあしらった可愛らしいワンピースタイプの水着だったりと、女性達の個性を表しているようだ。
彼女たちは新人のアイドルグループで、雑誌のグラビア撮影のため、このフォトスタジオを訪れている。さほど広くもないプールな為、あっという間に彼女達の楽しげな雰囲気に満たされていく。
「すごいね、その水着!」
「ふふん、今年の新作水着すごいでしょ!」
お互いのスタイルやら水着の話題で、楽しげに盛り上がる女性たち。その時、一人の女性があることに気がつく。
それほど深くないプールの底に何かが見えたのだ。
「ね、ねぇ……なにかいない?」
「ホントだ……プールになにか……」
一人の女性がそう言い終わった直後、プールの水面を突き破る異形の人影。
その人影、オークたちは女性たちを品定めするように見回し、手にしたスライムを一斉に彼女たちへと投げつけた。
グチャ、っという湿り気を帯びた音が室内に響き、あたり一面はスライムの粘液と、服を溶かされた女性達。
「きゃああああああ!!!」
賑やかだった室内は一転して、悲痛な悲鳴が支配した。
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更科・久遠(サキュバスのヘリオライダー・en0258)は、眼鏡を指で整えながら、ケルベロス達を見回す。どうやら無意識にそうする癖があるようだ。服装も暑くなってくるこの時期にしては、肌の露出があまりない上にフードも取らない。彼女のポリシーだろうか。
そんな久遠の様子を機理原・真理(フォートレスガール・e08508)が横目に見つめている。
「真理さんが危惧していた通り、都内のフォトスタジオにて、オーク達が女性達を誘拐する事件を予知しました。オーク達は魔空回廊から女性たちが集まる場所に現れ、女性達を連れ去るつもりです。そこで、皆さんにはオーク達の誘拐を阻止してもらいたいのです。ですが、襲われる前に女性達を避難させてしまうと、別の場所に出現してしまい、被害が防げなくなってしまいますので、注意してください」
そこまで久遠はケルベロス達に言うと、ええと、と口ごもる。なぜか顔が赤い。
「な、流れとしては女性達の避難はオーク出現後に行う形になります。そ、その……オークは服だけを溶かす、と言うとんでもないスライムを使って来るようです。万が一、女性達の避難ができていない場合は……え、えと、あんなことやこんなことが!」
顔を真っ赤にさせながらずり落ちた眼鏡を直す。
具体的にはどんな事に? とケルベロス達から質問が上がるが、彼らから目をそらし説明を続ける。
「て、敵の数は20体、救助する女性達は10名になります。戦闘場所はフォトスタジオ内のプールということで、それほど大きい場所ではなく、オーク、女性、皆さんで戦闘するとなると、かなりの人口密度になります。また、出口は一箇所しかありませんので、注意してください。そ、その……あとスライムのせいで、足元が非常に滑りやすくなりますので、こちらも注意してください」
更に久遠は説明を続ける。多少、顔は赤いが。
オーク達の戦闘能力は大したことはなく数頼みで、背中から生えている触手を叩きつけたり、締め付けを行うのが主だという。
「と、ともかくオーク達の行為は到底、許されません。それとスライムは服だけを熔かすと消えてしまいますので、スライムと戦う必要はありませんし、すぐに消えてしまいます。また、皆さんの装備はスライムにも溶かすことができませんので、そこは安心してください。女性達の救助、よろしくお願いします!」
若干、頬を赤らめながら久遠は頭を下げると、ケルベロス達を送り出した。
参加者 | |
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赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103) |
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610) |
葛城・唯奈(銃弾と共に舞う・e02093) |
瀬戸・玲子(ヤンデレメイド・e02756) |
機理原・真理(フォートレスガール・e08508) |
神居・雪(はぐれ狼・e22011) |
マルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685) |
黒江・神流(独立傭兵・e32569) |
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フォトスタジオの狭いプールに若い女性たちの楽しげな声がこだまするのが聞こえる。
そしてややあって、女性達の切り裂くような悲鳴が、各々で待機していたケルベロス達に届く。
「キャー!」
「逃げて!」
女性達にそう叫ぶと葛城・唯奈(銃弾と共に舞う・e02093) が飛び出し、オークと女性達の間に割り込む。
服装は周囲に紛れるようにと、水色のビキニを来ている。
当の本人は煩わしいと思っているが、スタイルの良い瑞々しい肢体がオーク達の目に留まる。
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)も 唯奈に続いてオーク達の敵陣へと飛び出す。
青いドレスのスカートが翻る。見えそうで見えない。スカートから伸びている足が妙に眩しい。
「来な!端から地獄にブチ込んでやるぜ!」
そうオーク達へ吠えると、敵陣へと飛びかかって行った。
黒江・神流(独立傭兵・e32569) 女は、装備に取り付けられたブースターにグラビティを流し込み、高機動戦闘を仕掛ける。
高速で攻撃を仕掛けつつ、動き回る 神流にオーク達は必死に攻撃を仕掛けるが、完全に翻弄されているようだ。
その一方で、機理原・真理(フォートレスガール・e08508) も囮役として行動を開始する。
身につけたフィルムスーツを紺のスクール水着型に変形させ、逃げ遅れた女性達のうちの一人、といったように装う。
腰が抜けたかのように、四つん這いで必死に逃げようとする様子を見て、オーク達は大興奮である。目の前には 真理のお尻。
一体のオークはグヒヒ、と下卑た笑みを浮かべると、真理へと手にしたスライムを投げつける。
じゅっ、と短い音を立て彼女のスクール水着の一部が溶け始める。かろうじて、『あんなところやこんなところだけ』は残ったが、お腹周りの部分だけは、きれいに溶けてしまった。
「い、いやぁ……」
怯えた調子で、そして諦めも入った声色で真里はうまく演技する。そんな真理の様子にご満悦なオーク達の一体が触手を伸ばし、彼女をその汚らわしい触手を巻き付け、拘束する。
巻き付いた触手は、その先端を真理の胸元や、水着が溶けあらわになった彼女の色白の決めの細やかな肌をなでていく。
「っ、ふ……ぁあ……!」
やけに赤面し、思わず小さく喘ぐ真理。
(「こ、これは演技……え、演技です……」)
演技と言ったら演技なのである。心の中で抵抗しながら体中を這い回る触手にされるがまま、オーク達はそんな姿に大興奮の様子。
その結果、プールから逃げ出していく10人の女性達には気がついていない。
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)は入口付近に待機し、次々と女性達を避難誘導していく。
(「ほんとオークはどこにでも現れますよね……スライムも厄介ですし、退治しないとです」)
「み、皆さん、こっちです……!」
声を出しつつ、時にはラブフェロモン使用する。
囮役がオーク達をひきつけているのもあるが、いちご自身の年齢やら自分の大事な人以外には秘密にしている事があるために、オーク達の標的になることはなく、ベストなポジションと言える。
いちごとコンビを組む瀬戸・玲子(ヤンデレメイド・e02756)も女性達に慌てず避難するように声を上げている。
「皆さん、落ち着いて……落ち着いて、出口はこちらです!」
女性達はパニックになることもなく、出口へ向かっている。
ふと、視線をオーク達や囮役に向けると、中々に『大変なこと』になっているようだ。
(「オークにスライムって、酷い組み合わせもあったものだよね。うん、酷い組み合わせだから容赦なく殲滅しようか」)
と、密かに拳に力を込めるのだった。
神居・雪(はぐれ狼・e22011)は女性達にパニックにならないよう、慌てずに逃げるように女性達に言い聞かせている。
避難誘導しつつ、囮から離れたオーク達がこちらに向かってこないように注意している。
「螺旋忍軍も厄介なものオークに渡しやがって……そもそも何に使うやつなんだ、あのスライム」
最もな疑問をつぶやく。
マルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685)もその意見には同意のようだ。
「全くだ。オークだけでも厄介だと言うのに」
そう言いながら、ケルベロスチェインを入口付近の壁に打ち込み、ロープ代わりとしている。
「このチェーンに掴まって出口まで急いで!」
女性達はその鎖を掴み、他の仲間たちに促されるまま次々と脱出していく。
やがて、最後の一人が脱出したと同時に、マルレーネはオーク達の触手に良いようにされている真理の姿を捉えたのだ。
瞬時に、怒りが体を駆け巡り、オーク達へと弓が矢を放つように跳躍する。
「汚い手で真理に触るな!」
怒気をはらませ、ケルベロスバーストを解き放つ。
全方位に射出されたケルベロスチェインが、真里を拘束していたオーク、更にはその周囲にいた敵をも刺し貫いていく。うち、何体かは足を滑らし、プールに落ちる。
攻撃により、オークから拘束を解かれた真里が地面に横たわる。
「真里、大丈夫か?」
「あ…… マリー、あ、ありがとうございます……」
先程まで触手に色々されていたせいか、それとも恋人にあられもない姿を晒してしまった羞恥心か。あるいは両方か。
顔を赤面させ、どうにか真里はマルレーネに答える。
ホッとした調子で、優しく微笑むが、スライムで服を溶かされた真里の姿を見て、怒りが戻ってきたようだ。
手近にいたオークにその赤い瞳で睨みつける。
その赤い瞳で睨まれたオーク達が突如、同士討ちを始めた。
オーク達は触手による攻撃がメイン、つまり……ケルベロス達の目の前では、地獄のようなひどい光景が広がっている。それに反して、同士討ちを始めたオーク達の表情は嬉しそうであった。
そんなオーク達の恐ろしい光景に、ちょっと引きつつもアルメイアは、同士討ちから免れた一体のオークに肉薄する。
「ちょっと地獄を見ていけや!!」
手にしたバイオレンスギター『Starlight Himmel 』を大上段に振り上げる。
「好き勝手やりやがって……! 高く付くぜ! サヨナラバイバイの時間だおらぁ!!」
ギターを渾身の力でオークの頭部に叩きつける。体中の分子結合を破壊する振動がオークの全身を駆け巡り、そのままオークの体は粉砕し、霧散した。
「さぁ、かかってきな! 端から叩き潰してやるぜ!」
残りのオークに向かい挑発する彼女だが、その一瞬のスキを突いて、を横合いからオークがスライムを投げつけたのだ。アルメイアが気がついた時にはもう遅く、スライムは彼女の蒼いドレスの、スカート部分に着弾。みるみるうちにスカートは溶け、もはや布を履いているだけのような格好にさせられてしまう。
「ちっ、!やりやがったな!?」
そう言いながら、ふと気がつく。妙にスカートの中、というよりお尻の周りの風通しが良すぎるのだ。
「ええい……この……くぁ……ッ!?」
下着も溶かされてしまったことに気がついたのだろう。顔を羞恥に染め、地獄の炎をまとわせたギターでフルスイング、スライムを放ってきたオークをなぎ倒す事に成功するが、他のオークがアルメイアへ触手を殺到させてきた。
伸びてきた触手は彼女の両足を絡め取ると、ドレスの隙間から、その汚らわしい触手を侵入させる。
「ひゃ……、こらぁ!? やめ……!?」
体中を這い回る妙にジメッとした感触に小さな悲鳴を上げる。オークはそれには飽き足らず、触手のアルメイアの片足を釣り上げ、非常に羞恥心を煽るポーズを取らされてしまう。
さらに別のオークからスライムをアルメイアの顔に投げつけられてしまう。スライムの粘液がドレスの上半身をみるみるうちに溶かしていく。
「……んぐッ!? うぇ……くぉの野郎!?」
幸い両手は自由が効いたので、とっさに『色々』と押さえつけ隠し切る事ができた。
オークはそんな彼女の痴態に下卑た笑みを浮かべ、触手を更に動かそうとするが、それよりも早く、一発の銃弾がオークの側頭部を直撃、地面に倒れ伏す。
「危ないところだったな。立てるか?」
そう言いながら唯奈が、アルメイアに手を差し出す。
彼女の魔法の弾丸が、間一髪のところでオークを射抜いたのだった。
「……助かった、恩に着るぜ」
差し出された手を握り、立ち上がるアルメイア。
そして唯奈はリボルバー銃を構え直すと、残りが少なくなり始めたオークへと向き直り……はできなかった。
アルメイアに投げつけられたスライムが、辺りに飛び散っており、その粘液に思い切り足をすくわれたのだ。
「うわっ!」
そのまま尻餅をつく形で、ひっくり返ってしまう。
そこへ、ダメ押しとばかりにオークの放ったスライムが直撃し、身につけていた水色のビキニは布と、というか殆ど紐と化してしまう。
とっさに唯奈は手でその豊満な胸と下半身を隠す。
「うっ、うう、なんてことをしてくれたんだよ……!」
顔を真っ赤にさせ、目尻には涙。口調もすっかり普段のものに戻っているが、台詞の最後には怒りが戻ってきたのだろう。裸体を隠していた手をどけ、持っていたリボルバー銃が火を吹いた。
放たれた魔法の弾丸は不可思議な軌道を描くと、オークの眉間に寸分違わず直撃し、そのままのけぞり動かなくなる。
どことなく幸せそうに見えたのは気のせいか。
その一方、玲子と いちごのコンビはお互いをフォローし合いながら、オーク達の数を確実に撃破していた。
だが、いちごをそれとなく気遣っている玲子のスキを突いたのだろうか、一体のオークから放り投げられたスライムが思い切り彼女に直撃してしまう。
「きゃっ!」
「玲子さんっ?!」
いちごの目の前でみるみる服が溶けていく。
「い、いちごちゃん、み、見ないで!」
「すみませんっ?!」
上半身の服はすっかりボロ布と化し、慌てて玲子は自分の胸を手で覆い隠す。
赤面しながらいちごはスライムを放ったオークに向き直り、大事な人を辱めた敵に向かって駆け出そうとしたが、ヌルっとした感触が足の裏から感じたと同時に、足が宙を舞う。
「え」
玲子のあられもない姿を見たため、動揺したのか。そのまま直ぐ側にいた玲子ともつれ合うように地面に転がる。
少しの衝撃の後、お互いが目を開けると、二人の顔は直ぐ眼の前。そして、いちごの手は玲子の胸を思い切り掴んでいた。
「い、いちごちゃん?!」
「す、すみません?!」
大慌てで転がりながら離れるいちごを確認した玲子は力ある言葉を紡ぐ。
「……圧縮開始、銃弾形成。神から奪いし叡智、混沌と化して、神を撃て!」
全魔術を圧縮した弾丸が放たれ、先程のスライムを放ったオークを撃ち抜く。
そして、そのそばに立っていた別のオークも神流のガトリングガン 『GUX-80 』からのガトリング連射を浴び、全身を穴だらけにされ、仰向けに倒れ込み動かなくなる。
オークの数は2体程度までになっている事を確認した神流は、一気に叩き潰そうと身をかがめる。
「私からの贈り物だ、とっておきの「死」をくれてやる」
彼女の死を告げる声におののくオーク達。アームドフォート 『17式高機動強化鎧装改 』のブースターが唸りを上げる。
「行くぞ。っおおおおおお?!」
が、スライムに思い切り足を取られ、そのまま高速で尻もちを付きながらオークへ突っ込んでいってしまう。どうにか勢いは収まったが、そのままオークの足へコツン、と軽い音を立てて止まる。
オークと目が合う。
ニヤリとオークは笑みを浮かべると、神流へと触手を殺到させた。器用に触手を操り、彼女の非装甲の部分から触手を侵入させ、精悍ながらも女性らしい体をまさぐる。
「くっ、この……離せ!」
もがく神流だが、拘束は中々解けない。と、そこへ雪のライドキャリバー『イペタム』がホイールから轟音を立て、炎を纏いながら神流を拘束しているオークへ体当たりをする。衝撃と痛みから拘束を解く。
「なんとか間に合ったぜ。神流、平気かい?」
「あ、ああ。なんとか」
触手の這い回った不快感とダメージに眉をひそめながら神流が答える。
そんな神流に雪は満月に似た光球を彼女に与え、傷を癒やしていく。
そして、見回して見れば、オークの数は残り一体。ジリジリとケルベロスたちは間合いを詰めていく。それぞれの瞳に怒りの炎が灯っているように見えるのは気のせいだろうか。
ヤケになったのか、オークは手に持ったスライムを雪へと投げつける。
「うわっ?!」
ベトベトした粘液が雪の服を溶かし、服はあっという間に意味をなさなくなる。スラリ、とした裸身が顕になるが、彼女は羞恥に顔を染めること無く、一歩、また一歩とオークへ近づく。
そして、オークの眼前まで迫ると、跳躍。
そのまま無言で流星のきらめきを纏った飛び蹴りをオークの腹部に叩き込んだ。よろり、とオークはふらつくと、背中からプールに落下。そして、浮かんでくることはなかった。
浮き上がってこない事をしばらく確認すると、雪は盛大に溜息を吐いた。
「……念のために着替えもってきてよかったぜ」
やれやれと雪は小さくつぶやく。オークや女性達に見られることはある程度割り切っていたために、オークにトドメを刺すことができたのだ。
そんな彼女の視界の端で、玲子がいちごの目を塞いでいるのが見えたような気もしたが、少し首を傾げただけで雪はすました。
●
「機材は犠牲になったんだ……とか言ってないでちょっと休んでヒールするか。やれやれ……」
アルメイアはげっそりとした調子で、プールの周囲を見回す。辺りはスライムの粘液の残りと戦闘によるひび割れで、混沌としていた。
真理とマルレーネは静かにプールの脇で静かに体を休めている。
(「さすがアイドルさんなのですね……皆綺麗で、スタイル良いのです」)
避難していくアイドル達を思い返しながら、心の中でつぶやく真理。
ふと、横を向くとマルレーネの赤い瞳。
「……でも、やっぱマリーが一番なのですね」
真里はそうつぶやくと互いの肩をくっつける。そんな様子にマルレーネは静かに、そして小さく笑みを返すのだった。
いちごは、プール脇で玲子にお疲れ様と言いつつ、頭を彼女の方にあずける。そんないちごの頭を優しく撫で、お互いに緩やかな優しいひとときを過ごしていった。
作者:荒井真 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年6月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
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