服溶けカーニバル

作者:大府安

「お願いします……! どうか私のスライムも一緒に連れていって活躍させてください!」
 スライム忍者・雷霧はオーク達に懇願していた。雷霧が所属している螺旋忍軍は本星が壊滅し、立場が悪くなっている。
 そのことをよくわかっているオークは、雷霧の尻を撫でつつ下品な笑みを浮かべていた。
「きゃあ!?」
「ブヒヒ……! この尻にめんじて願いは聞いてやる。俺たちにとっても都合がいいからなあ」

 雷霧はおらず、スライムだけを連れたオーク達が魔空回廊を通った先は、ビルが立ち並ぶ昼の繁華街。
 休日、若い女性たちが服を求めて闊歩するこの場所で、オークは高らかに叫びながらスライムたちを放った。
「ショータイムだブヒー!!」
「えっなに……!? ッキャー!!」
 スライムを被った女性の服がみるみる溶け出し、傷一つない素肌が露わになる。
「ブヒョ―!! エッチィブヒィ!」
「ブヒヒ……服だけを溶かすスライムよ、どんどん俺たちに女の痴態を見せるのだー!」

 衣鎧・レナ(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0217)が手に持つタブレットPCをタッチすると、背後のスクリーンにはオークが表示された。
「オーク達が日中繁華街に出現し、女性たちに乱暴を行う事件が予知されたわ。奴らの目的は女性の略奪。今回、あなた達の任務はオーク達の目的阻止、そしてオーク達の全滅よ」
 スクリーンには繁華街が表示された。多くの人が行き交い賑わっている様子だ。
「場所はここ、歩行者専用道路ね。幅は広く開けていて戦闘はしやすいでしょうけど、問題は民間人よ」
 休日の昼間だから人が多く、迅速に避難させる必要があるとレナは告げた。あらかじめ避難させることはできない。オークの出現位置が予測できなくなって、被害が甚大になってしまうからだ。
「オークが出現次第、戦闘及び民間人の避難という流れね」
「その隣のスライムはなんだ?」
 エリーゼル・バックストップ(レプリカントの鎧装騎兵・en0219)が、オークの隣に表示された液状の青い物体を指さした。
「今回のオーク達が使用するスライムよ。このスライムは相手の服を溶かす性質を持っているわ」
「溶かす……!? 奴ら、恐ろしい武器を持ってきたな……!」
「ああいえ、これは服を溶かすだけなの。当たってもあなた達の装備が傷ついたりはしないわ」
「へ?」
「……女性を裸にするためだけに持ってきてるのよ、こいつら。スライムも使用後はすぐに消滅するわ」
「ああ……」
 レナは咳払いして、オークの戦闘能力と付近の詳細について話し始めた。
「出現するオークは20体。ポジションはジャマー。攻撃方法は触手叩き、触手締め、欲望の咆哮の3つ。今回はボスやリーダー的な存在はおらず、それぞれ思い思いに女性を襲おうとするわ。この習性を利用すれば、戦闘を有利に運べるかもしれない」
「民間人たちを救う方法、自らの女性の武器を使えばあるいは……気は進まんが、考慮はしておこう」
「そうね。オーク出現付近にいる民間人は20名ほど……彼女たちさえ避難させれば、あとは戦闘に集中できるわ。オークも統制が取れていないから、人と敵が入り乱れる混戦になるでしょう。方法はあるはず、作戦は一任するわ」
「よし、私は最初避難誘導に当たろう。私もこの体だからな、いざとなれば彼女らの盾になるさ」
 エリーゼルが覚悟を決めたようにうなずいた。レナも語気を強し、激励した。
「女性たちを救い街に平和を取り戻す。あなた達にはできるわ。欲望に目がくらんだオーク達を、地獄に叩き落としてやって!」


参加者
ルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)
志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)
四葉・リーフ(天真爛漫・e22439)
臥待・菖蒲(小さなハートと大きなバスト・e22944)
マギー・クイック(キャリバー・e39679)
中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)
矢島・塗絵(ネ申絵師・e44161)
草薙・桜依(見習い巫女・e61789)

■リプレイ

 雲ひとつない青空の下の繁華街。道路を歩く一般人の中に混じったケルベロス達。
 その内のルピナス・ミラ(黒星と闇花・e07184)は、穏やかな表情の中に決意をのぞかせていた。
(「服を溶かすなんて、なんてエッチなオークなのでしょう。一般人に被害が及ぶ前に、倒してしまいましょう」)
 バスタオル、バスローブ等緊急のものは各所に用意してあった。
 お気に入りのダサTシャツを溶かされてはかなわないと、いつもとは違う無地のTシャツを身につけたマギー・クイック(キャリバー・e39679)はあきれ顔だった。
(「やれやれ、一体どっからそんな服だけ溶かすスライムっていう、薄い本案件なおもちゃを持ちこんできたやら。ホントエロのためならなんでもやるっていうかさ……」)
 ここで繰り広げられるであろうオーク達の所業は想像に難くない。志穂崎・藍(蒼穹の巫女・e11953)は表情に嫌悪をにじませいている。
(「オークに、服を溶かすスライムとか、本当に最低の組み合わせにゃ。さっさと汚物は焼却しましょう。ええ、徹底的にね」)
 反面、近くをうろうと歩いていた臥待・菖蒲(小さなハートと大きなバスト・e22944)は見るからに恐怖していた。
「ま、まさか服だけ溶かすスライムが実在したなんて……! そんなものを街の中で使われたら……ひぃぃ……!」
 そんな菖蒲に対し中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)は快活に笑いながら、
「大丈夫っす! 女性をオークどもの魔の手から護る為、不肖中村憐、身体を張って頑張るっす!」
 視線を正面に向けていた。オーク達が出現したのだ。
 矢島・塗絵(ネ申絵師・e44161)も店のディスプレイから目を離し、オーク達の元へ急行する。
「なかなか大量に出現したわねオーク。平和を守るためいざ出動よっ」
 オーク達は卑しく笑いながら、スライムをその手に、
「ブヒヒ! さあスライムよ、俺たちに女性の痴態を……!?」
 だが、明らかに一般人の動きではない10人の動きに気付いた。
「まさか、ケルベロスブヒか!?」
 草薙・桜依(見習い巫女・e61789)は胸の前で拳を作って宣誓し、
「女性の服を溶かして襲おうとする邪悪な妖魔は、巫女であるわたしが許しませんっ」
 四葉・リーフ(天真爛漫・e22439)は拳を突き出して宣戦布告した。
「ブタ共めー! 変なもん持って来やがってー! 服溶ける前にぶっとばしてやるー!」
「う、うるさいブヒ! お前たちもこのスライムの餌食にしてやるブヒー!」


 現れたオークと戸惑う一般人の女性達。完全武装したシオン・プリム(惑花・e02964)が女性らを後方へ導く。
「さあ、こちらに避難を」
「手出しはさせない!」
 シオンの安心させるような声色、エリーゼル・バックストップ(レプリカントの鎧装騎兵・en0219)も銃を構えながら支援した。
「逃がさないブヒ!」
 オーク達も避難者達を狙いに行くが、藍、菖蒲、マギー、塗絵があえて逃げ場のないオーク達の中心へ位置を取る。
「むむっ!」
 見た目麗しい女性ケルベロスたちへ、オークが注目する。
 藍はオークへの嫌悪を飲みこみ、笑みを浮かべて自身の巫女服を見せつけるようにクルリと回った。
「オークさん、スライムさん、ボクと神聖な儀式しません?」
(「背筋がぞわっとするけど我慢、我慢……!」)
「お……おお!」
 オーク達の視線は藍の豊満な胸へ、スライムを掴む手に力が入る。
 菖蒲はそんなオークにすり寄りながら、
(「その、街の人たちが服を溶かされちゃうくらいなら、わたしが身代わりに……!」)
「ねえ、面白そうなもの、持ってるね。それ、なぁに?」
 気弱そうな瞳のまま、スライムを握りしめるオークの手を指でなぞる。菖蒲の恰好は巨乳でありながらビキニ姿、スライムを浴びなくてもはち切れそうだった。
「ブヒヒヒヒ! たっぷりと教えてやるブヒー!」
 8匹のオークがあっという間に藍と菖蒲を取り囲む。
「おい、おいらも混ぜろブヒ! ん……?」
 囲いから一歩遅れたオークが伸ばした触手を、マギーが掴んだ。そして強引に自身の胸元にオークを寄せ、
「少し遊ぼうじゃないか、ええ?」
 攻めっけたっぷりにオークを誘った。
「もちろんだブヒー!」
 自身に好意的な女性には目がないオーク達。マギーの姿もオーク達の姿で阻まれ見えなくなる。
「さっそくお披露目してもらうブヒー!」
 好意的な女性ケルベロスたちへ、欲望に目がくらんだオーク達が一斉にスライムを放った。
(「一匹でも多くひきつけないと、そのためには」)
 塗絵は回避行動をとらず、放たれたスライムを正面から受ける。
「きゃあっ!? もう、なんてことをするのよ……エッチなんだから」
 服が半分とけてあられもない姿になった塗絵、豊満な胸を強調するように手のひらでおさえながら、谷間を見せるように前かがみになる。
「ブ、ブヒォオオオ!!」
 歓喜の雄たけびを上げるオーク達。囮組は計15匹のオークの誘因に成功した。しかし、4人共スライムが直撃している。
「んっ……Tシャツ着替えといてよかったけど」
「こ、こんな、あう、恥ずかしいニャ」
 マギーはTシャツが、藍は巫女服が半分とけて穴だらけに、
「ひ、ひい!? べちゃってしたですぅ……」
 菖蒲はもうビキニがただの布切れになってほとんど全裸だった。残された彼女たちへ、オーク達の欲望の触手が伸びる。
 また、放たれたスライムの一つは、逃げ遅れた一般女性一人に飛んでいた。憐は颯爽と女性を庇う。
「あぶないっすよ!」
「きゃあっ! あ、ありがとうございます……! てきゃあああぁ!?」
「ええっ男の服も溶けるんすかああ!? えっ、何でそんな誰得な展開になるっすか。お婿に行けなくなるっす! 止めてっす~」
 早速全裸と化した憐、握りしめた如意棒に怒りを込め、
「おのれ……かくなる上は、この不肖中村憐、恥も尊厳も捨て去って、お前等、全員焼き尽くすっす!」
 怒りのままオーク達へ突貫した。
「うわ、なんだこいつブヒ!」
「変な棒を振り回すんじゃないブヒ!」


 避難誘導を続けていたルピナス、リーフ、桜依達。
 ルピナスが隣人力を活かした成果もあり、混乱なく避難は進んでいる。
「オークはわたくしたちにお任せください。皆さんは落ち着いて避難してくださいね」
「ありがとう……頑張って!」
 避難者の顔も明るく、ルピナス達を激励して後方へ。
「むむこっちの女もレベルが高いブヒー!」
 だが残り5匹のオークが避難者を狙っていた。リーフは前に出て、裂帛の気合を重力震動波に変換し、敵群に炸裂させる。
「グワー!?」
「行かせないぞー! 近づく奴はぶっ飛ばしてやるー!」
 避難者たちの盾になるリーフを、桜依がキュアウインドで援護する。
「皆さんっ、妖魔は我々が相手をしますので、いまのうちに避難してくださいっ」
(「他のみなさんが囮になってくれている隙に、避難を完了させないとっ」)
「粘体妖魔に襲われないように気をつけてくださいっ」
 うまくいかず焦れるオーク、その矛先はケルベロスに向いた。
「くっそブヒ! お前達も素っ裸にしてやるブヒ!」
 放たれたスライム、リーフと桜依は射線上に避難者がいたため、避けることができなかった。
「にゃー!!!」
「ひゃぁっ!? こ、こんなときのためのバスローブをっ! って、持っていたバスローブも全部溶かされちゃってますっ!? いやぁっ、みないでくださいっ!」
「肌色たくさんの最高のショーだブヒー!!」
 ケルベロス内にスライムの被害者多数、オークの次の狙いはもちろん、
「じゃあさっそく触手で……ブヒヒ!」


 巫女服が溶かされてあられもない姿の藍。オークはシュルシュルと触手を藍の体に這わせ、鼻息荒く責め立てる。
「はぅぅ、そ、そこは、弱い……んぅぅ、が、がま、ん……」
「ブヒヒ……大きい2つの球が弱点ブヒかあ?」
「や、やめてそこは……ん、ああぁだめ、何かきちゃうぅぅぅ」
 藍はびくびくと体を震わせ力なくへたり込むが、触手は増えるばかり。塗絵もまたオークに囲まれ、素肌を晒した体は触手で見えなくなるほどだった。
「まっ待ちなっさいぃ! そこはんんっ、だめぇぇ」
「もーっと絞り上げて、前も後ろもひいひい言わせてやるブヒィ!」
「ま、まだ触手が増えるのぉ…!? だめっそれ以上はこわれちゃ……あぁああっ!」
 マギーと菖蒲も追い詰められていた。マギーのダサTはほとんど溶かされ、菖蒲はもう紐を身に着けているような恰好。当然その体にはいやらしい触手が迫っている。
「ひぃい……べちょべちょは、ほどほどにぃ」
「ちっ、そこまで許す気はないんだけど……!」
「ブヒヒヒ……!」
 その時だった。
「闇の精霊よ、鋭き剣となりて敵の全てを封じよ!」
 ルピナスが創造した無数のエナジー状の闇の剣が、オーク4体を串刺しにして吹き飛ばし、
「落下して、蹴ーる!!」
 空高く飛び上がったリーフが勢いそのままにオーク一体の頭部を蹴り飛ばす。
 ルピナスの『裁きの闇剣(サバキノアンケン)』、リーフの『落下天蹴撃(ラッカテンシュウゲキ)』によって、囮に引っかからなかったオーク5体の悲鳴が響き渡った。
 ルピナスは追撃の手を緩めぬまま言葉を続ける。
「避難は無事完了いたしました。皆さん、ありがとうございます。後は倒すだけです」
 触手悪戯に夢中になっていたオークもさすがに驚いた。
「し、しまったブヒ!? まさか作戦……?」
「そういうこったい! やーい! ブタ共ー! こっちこっちー!」
 自らのお尻を叩いてあからさまに挑発するリーフ。
「それじゃ、火遊びと行こうか」
 マギーも銃声と共に反撃の狼煙を上げた。オーク一体の額に風穴が空く。
「なっ!? ケルベロス共め! ん?」
「えいっ」
 菖蒲に抱き着かれたオーク。怒った表情はどこへやら、いやらしい笑みを浮かべて菖蒲の体を味わおうとするが、
「あなたの色々、頂きます……あの、できればあまり見ないでもらえると……」
「ブヒあ!?」
 菖蒲の『アブソプション』は直に抱き着いて生命エネルギーを吸い上げる。陶酔した表情で倒れたオーク、菖蒲は副作用で脂肪が増えたため、
「あっふえぇ……」
 紐状態だったビキニが完全にちぎれてしまった。
「ダメージを受けている方はすぐに回復します! えっと、憐さん!」
「うっす!」
「あわわ」
 最初から戦っては他を庇っていた憐。桜依がすぐにヒールで補助したが、相変わらず素っ裸で棒を振り回す憐を直視するのは厳しかった。
「さあオーク共! もうちょっとばかり続くっすよ♪」
「あの憐さんタオルをっ、あっ行っちゃったっ!」
 藍も即座に御霊殲滅砲で、自身へ伸びていた触手を薙ぎはらった。今まで悪戯されてただけで、ダメージもバッドステータスもない。
「あばばばば!? 痺れるブヒ!?」
「ここまで好き勝手やってくれたニャ! ここからはボク達のターン。女性に恥をかかした報いをたっぷり味わうニャ!」
 塗絵も同様ダメージ無し、紅潮した頬と色々な液体にまみれているのはさておいて、
「くっ……ふぅ、あなた達見た目けっこう地味ね。これで華やかな感じにしてあげるわ」
 得物を振るって触手から抜け出すと、そのままバラマキスプラッシュでオーク達の足を止めた。
「なっ、お前あんなに喘いでたくせにブヒ!」
「……囮のために決まってるでしょ、さあ、反撃開始よ!」

 シオンも黄金の果実で敵ジャマーの対策を行っていく。
「よし……あとは敵を倒すだけだ。援護する」
 オークにとっては天国から地獄、ケルベロス達の一転攻勢は苛烈だった。塗絵のペイントラッシュが次々と醜悪なオークを塗りつぶしていく。
「希望の色に染めなおす!」
「ブ……ブヒぉ……」
 リーフも相手の攻撃を受けながらもチビから援護を受け、サイコフォースで的確にオークを仕留めていた。
「ありがとチビ! 一気に殲滅だー!」
「突然背中がブヒァ!?」
 マギーもリボルバーを強化改造形態に変形させ、自身にスライムを浴びせたオークに狙いを定める。
「お、お前から誘って来たくせにブヒ!」
「いい思い出できただろう? これが代金だ、吹き飛びな!」
 威力も反動も規格外の50口径対神弾が直撃。オークの頭は文字通り吹き飛んだ。
 瞬く間に半数以下となったオーク達。しかし菖蒲には相変わらずオークの触手が体を這いまわる。
「ひぇえ……どうしてぇ……今はそんな感じじゃあ……」
「どうせなら最後にいいことするブヒ!」
「そうだそうだこんな極上の肉体ブヒ!」
「うう……二人でやっててくださいぃ……」
 菖蒲はそう言って催眠魔眼を発動。
「ブヒ!? ちょっおまっ」
 オーク同士の汚らわしい絡みは、真っ裸の憐が紅蓮大車輪で通りぬけざまに焼き払っていった。
「プギャアアアアア!!」
「丸焼きで失礼っす♪」
 残ったオークは2体。前には藍、後ろにはルピナスが武器を携え退路無し。
「地獄の底でたっぷり反省するにゃ」
「これで、もう終わりにします」
「ち、畜生ブヒィー!」
 がむしゃらに触手を突き出し突進してきたオーク達。
「ボディヒーリングします、止めをお願いします!」
 敵の攻撃には桜依が対応し、藍とルピナスは止めの一撃へ。
「地獄の底でたっぷり反省するにゃ」
 藍が指天殺でオーク一体の命を断ち切り、
「この一撃で、氷漬けにしてあげますよ」
 ルピナスがオークとすれ違いざまに放った、エクスカリバールによる達人の一撃。
「ブヒ……あっ……」
 体を凍らせて砕け散ったオークを尻目に、
「皆さん、お疲れさまでした。完全勝利、ですね」
 ルピナスは優雅に礼をして、決着した。


「素晴らしかった、尊敬するよ」
 エリーゼルは言いながら、藍とマギーへ替えの服を差し出した。
「ありがとさん。着替えといて正解だったよ」
「うう……ひどい目にあったにゃ」
 いつもの服装に戻るマギーと藍。
 シオンの声も穏やかだった。
「避難者にけが人はいない。無事、任務完了だ」
 塗絵も安心したようにルピナスからバスローブを借り、タオルで体を念入りに拭いていた。
「それはなにより、よかったよ。体をはった甲斐はあったね……」
「ええ、円滑に避難を行うことができました。改めて感謝します」
 ちなみに憐は戦闘が終わってから、
「オークどもを焼き尽くすのって、カ・イ・カ・ン♪」
 と、すごくイイ笑顔で真っ裸だったので、一部の女性陣によってタオルで簀巻きにされて転がっている。
「よーし! 後は周辺をヒールするぞー!」
「うん……周りの掃除はしないとね」
 リーフと菖蒲も平時の状態に戻り、道路のヒールを行っていく。
 桜依はバスローブ姿で、一般人の女性達から感謝を告げられていた。
「いいえそんなっ。他のケルベロスの方の協力もあってこそですし、あの……」
 恥ずかしそうな桜依。そのまま帰ろうとしたので、一般人の女性が慌てて上着を渡そうと追いかけていった。

作者:大府安 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
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