スライム地獄のプール開き

作者:雷紋寺音弥

●汚豚とスライム
 どことも知れぬ暗がりの中、怪しく光る無数の瞳。
「ブヒヒヒ……。お前達、用意はいいブヒか?」
「こっちは、いつでもオッケーだブヒ!」
 今日も今日で、好みの女性を襲うために、魔空回廊を開いて出撃せんとするオーク達。そんな彼らの下に現れたのは、螺旋忍軍と思しき女性だった。
「あ、あの……どうか、私のスライムにも活躍の場を! この子達を、使ってあげてください!」
 スライム忍者・雷霧。螺旋忍軍の生き残りである彼女は、今やオーク達の客分である。そして、下手に出るしかない彼女のことを、オーク達が放っておくはずもなく。
「お望み通り、スライムを使ってやるでブヒ」
「その代わり、お礼はお前の身体でさせてもらうでブヒ」
 スライムを受け取りながらも、汚らわしい笑みを浮かべたオーク達は、雷霧の太腿や尻に触手を這わせ、好き放題に撫で回す。やがて、その場で恥ずかしそうに震える雷霧の姿に満足したのか、オーク達は意気揚々と魔空回廊の奥へ消えて行った。

●最悪のプール開き
 夏の代名詞といえばプールだが、まだ水泳の季節には少しばかり気が早い。
 本格的に水泳の授業が始まる前に、まずはプールを掃除せねば。とある女子高の水泳部員達が、ジャージ姿でプールを掃除しているところに、突如として魔空回廊が開かれた。
「ブヒヒ……折角のプール、そんなシケた格好は勿体ないでブヒ!」
「どうせなら、俺様達がコイツを使って、お前達を御開帳してやるでブヒ!」
 それだけ言って、悲鳴を上げて逃げ惑う女子高生達に、オーク達はスライムをブチ撒ける。粘性の高い半透明の液体を頭から被った彼女達のジャージは瞬く間に溶け、逃げる暇もなく、そのままオークの餌食になってしまった。

●悪夢の共演
「プール開きを前にして、オークの襲撃……。本当に、彼らの節操のなさには頭が痛くなりますね」
 その日、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)からケルベロス達へ伝えられたのは、服を溶かすスライムを使うオーク達が、女子高のプールに出現するとの話だった。
「赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)さんの懸念されていたことが、現実になってしまったようです。敵のオークが出現するプールは、水泳部の方々が清掃中のようですね」
 部員達の数は10名で、格好は色気のないジャージ姿だが、しかし敵は衣服を溶かすスライムを持っているため、あまり関係ないようだ。また、事前に部員達を避難させてしまうとオークが別の場所に出現してしまうため、彼女達の避難はオークが出現した後にしなければならない。
「敵のオークは20体。全てが攻撃に特化していて、明確なリーダーはおらず、個々の強さでは皆さんよりも少し劣ります。衣服を溶かすスライムを使いますが、皆さんの防具は溶かせませんので、そこは安心して大丈夫ですね」
 ただし、触手の先から発射される溶解液や、触手による突きを食らってしまえば、ケルベロス達も普通にダメージを受ける。その他にも、オーク達は触手で獲物を捕らえて身体の自由を奪う攻撃も使って来るので、集中攻撃を受けて倒されないよう注意する必要があるとセリカは告げた。
 唯一の幸いは、敵の使うスライムが、あくまで単なる道具であるということだろう。このスライム、服を溶かすと勝手に消えてしまうので、持ち帰って調査することもできない代物である。しかし、同時にスライムと戦う必要もないので、戦闘時はオークの殲滅にだけ意識を集中させて構わない。
「折角のプール開きを台無しにされては、これから先、水泳を楽しめなくなってしまいますからね。それを抜きにしても、オーク達の所業は許せません。一匹残らず、徹底的な殲滅をお願いします」
 女性の服を溶かして脱がすなど言語道断。破廉恥な豚には、情け容赦ない天誅を。最後に、それだけ言って、セリカは改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)
ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)
神宮・翼(聖翼光震・e15906)
エンジュ・グリオイース(醒天を駆けし刃翼・e21923)
フィアッカ・プラナス(クロックマネージャー・e25863)
アイリス・ベルフェゴール(気まぐれ千変万化・e43275)
シャイン・セレスティア(光の勇者・e44504)
翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)

■リプレイ

●スライムパニック!?
 夏を迎え、プール開きの準備をせんと、掃除に取り掛かった水泳部員達。だが、そんな彼女達の前に現れたのは、魔空回廊を開いて乱入して来た、醜い豚の怪物だった。
「グヘヘヘ……プール掃除とは、なかなか真面目な心がけだなぁ!」
「だったら、俺達が褒美にプールをいっぱいにしてやろう。……ただし、水じゃなくスライムでだけどなぁっ!!」
 開口一番、下品な笑いを浮かべながら、オーク達がスライムをブチ撒ける。それを浴びた水泳部員達のジャージが瞬く間に溶け始め、下着と柔肌が露わになった。
「きゃぁっ! な、なにこれ!?」
「ちょっ……服が溶けてる!? ってか、このままじゃ下着まで……」
 慌てて胸元を隠し、逃げ惑う水泳部員達だったが、そうはさせまいとオークの下劣な触手が迫る。だが、そんな彼女達から意識を逸らすべく、唐突に神宮・翼(聖翼光震・e15906)が横から声を掛けた。
「あなた達が期待してるのはこっちでしょ?」
 見れば、翼の格好は、一足早いスクール水着姿。もっとも、最初から服を溶かすつもりだったオーク達にとっては、ジャージだろうと水着だろうと、大して変わらなかったようであり。
「期待? ……勿論、しているでブヒ!」
「この女、誘っているでブヒ! コイツなら、一気に溶かして裸にしても、簡単に捕まえられそうだブヒ!」
 何を勘違いしたのか、オーク達が一斉に翼へと突撃し、四方八方からスライムを投げ付け始めた。まあ、その間に水泳部員達が逃げる時間が稼げたので、彼女の犠牲も無駄ではない……と、思いたい。
「現れましたね、オークとスライム! 皆さん、落ち着いて避難してください!」
「オレ達が来たからもう大丈夫だ。脱出口を広げるから、そこから避難してくれ」
 シャイン・セレスティア(光の勇者・e44504)が部員達を集める中、ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)が銃撃でオーク達を牽制し。
「出口が一ヶ所だと、避難しづらいですね。……たあっ!」
 すかさず、シャインがモップ型の槍でフェンスを叩いたが、同じく赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)も光剣を構え。
「わ、私もやります。下がってください」
 こういう場合は、思い切りが大切。勢いに任せて斬り捨て、そのまま軽く蹴り倒すと、フェンスは完全に倒壊した。
「さあ、こちらへ。皆さん、慌てずに急いでください」
 腰の抜けている者に手を貸しながら、エンジュ・グリオイース(醒天を駆けし刃翼・e21923)もまた部員達が逃げるのを手伝っている。そんな中、スライムのシャワーを翼に浴びせたオーク達が、何故か訝しげな表情になっていた。
「ん……おかしいでブヒ! この女の水着、全然溶けてないでブヒよ!」
「スライムでも溶けない服を着ている……さては、ケルベロスでブヒ!」
 さすがのスライムも、ケルベロスの防具は溶かせない。早々にこちらの正体がバレてしまったが、まだ全ての部員達が避難できたわけではなく。
「……あなた達の相手は、こっちだよ」
 時間を稼ぐべく、アイリス・ベルフェゴール(気まぐれ千変万化・e43275)がオークの頭を後ろからモップで殴り飛ばした。が、衝撃でモップの柄は簡単に圧し折れ、頭を叩かれたオークは下品な笑みを浮かべながら、今度はアイリス達の方へと向かって来た。
「グヘヘ……いい根性してるじゃねぇか、姉ちゃん」
「だがなぁ、そんなもんじゃ俺達は止められねぇんだよ!」
 アイリスのことを逃げ遅れた部員と勘違いしたオーク達は、今度は残るスライムを、彼女とその周りにいる者達目掛けてブチ撒ける。大量のスライムはアイリスの着ていたジャージを瞬く間に溶かし、おまけに近くに立っていた、翔羽・水咲(産土水に愛されしもの・e50602)にまでも降り注ぎ。
「ひゃあ、あっ!? ふ、服が溶けて……い、嫌あっ!?」
 本気で叫んでいるのか、それとも囮を演じているのか解らない程の悲鳴を上げ、水咲が思わず胸元を隠した。だが、そんな姿に興奮したのか、オーク達は次々に背中の触手を伸ばすと、その不気味な先端を水咲に向けて来た。
「オークも気が早いというか、玩具を手に入れてはしゃいでいるというか……。とはいえ、この子たちを未来の患者にさせる訳にもいかないわ。……さっさと切除しましょうか」
 さすがに、これ以上は黙って見ているのも限界だ。
 部員達の避難が終わりに近づいているのを確認し、フィアッカ・プラナス(クロックマネージャー・e25863)が溜息交じりに立ち上がる。
 こんなところで、下手に患者を増やされては堪らない。医師として、そして何より女性の敵を倒すべく、フィアッカは指先から情け容赦ない氷の弾丸を発射した。

●禁断の触手プール
 水泳部員達が避難する中、時間を稼ぐべく囮作戦に出たケルベロス達。壁に穴を空けて強引に避難させたことも幸いし、比較的早く全員を避難させることができたのだが。
「やめ、て、下さい……。いやらしい事しないで……」
 スライムでジャージを溶かされ、挙句の果てに触手で全身を巻かれた水咲は、今にも凌辱され兼ねない大ピンチだ。同じく、エンジュもまた手足を触手で拘束され、完全にオークの玩具にされていた。
「今は、耐える時………」
 そう、口では言っているが、しかし太腿に絡み付き、その奥まで迫る触手によって、なんとも妙な気分にさせられてくる。それは、さながら嫌悪と快楽の狭間と言ったところだろうか。こんな時にもサキュバスの本能を刺激されてしまう、自分の身体が憎らしい。
「だ、大丈夫ですか!? 今、助けに……っ」
 牽制はボクスドラゴンのアリカに任せ、いちごが自らのメイド達を助けんと走り出した。が、運悪くオーク達のブチ撒けたスライムが残っていたのを踏んでしまい、豪快に足を滑らせてしまった。
「た、助かりまし……んんんっ!?」
「はわっ!? すみませんっ!!」
 豪快に激突し、絡まる水咲といちごの二人。しかも、何をどう間違えたのか、いちごの手は水咲の胸を鷲掴み!
 これは事故だ。そう、弁解しようとしたところで、更なる触手が二人に迫る。
「お、お嬢様はまもらな、ふぁぁぁっ!」
 再び捕まり、好き放題にされてしまう水咲。丸見えになった胸元に触手が殺到したことで、危険な部分を見られてしまうことは回避されたが、その代わりに胸の先端を執拗に攻められることになってしまった。
「はいはい、ちょっとだけ顔を失礼……。聞こえたら、きっと恥ずかしくなっちゃうから」
 さすがに教育に悪いと思ったのか、フィアッカがいちごを白衣で包み、その視線を胸元に抱いて隠した。
「んんっ!? く、苦しい……です……」」
 なんというか、これはこれで教育に悪い気がしないでもない。そうこうしている内に、避難誘導を終えたロディが戦列に復帰したものの、あまりに凄まじい光景に、思わず赤面して顔を逸らした。
「みんな、大丈……って、なんだよ、これ!?」
 そこかしこに広がるピンク色の光景は、さすがに17歳の少年には刺激が強過ぎたようだ。ならば、せめて雑念を振り払って戦闘に集中しようとするが、そうはいかないのがお約束。
「一体でそんなたくさんうねうね生やしてるんだから、あんまり多いと邪魔じゃない?」
 狙われた翼がオーク達を煽っているが、目の前の欲望に忠実な豚どもには、大した効果もないようだ。連中の頭にあるのは、女性の服を溶かして全裸にし、そのまま美味しくお持ち帰りすることだけである。
「グヘヘヘ……さっきは、よくも騙してくれたでブヒ!」
「さすがに、ケルベロスの防具はスライムでも溶かせないでブヒ! でも……こういう手段もあるでブヒよ!」
 スライム作戦が通用しないと知ってか、オーク達は奥の手とばかりに、触手の先から大量の溶解液を翼目掛けて発射して来た。さすがに、これは防ぎ切れるものではなく、翼の水着が白い煙を上げて溶け始めた。
「……っ! こ、このままじゃ、ちょっと拙いかな……な~んてね」
 肩口を押さえ、翼がにやりと笑ってみせる。このまま水着の細い部分を溶かされれば、盛大なポロリをかましてしまうかもしれないが、その程度どのことは承知の上。
「これ以上、好き勝手はさせません! 邪悪なオークやスライムは、この正義の勇者シャインが倒して見せます!」
 そんな中、ロディと同じく避難誘導を終えて合流したシャインが、仲間達を救うべく自信満々にオークの群れへと飛び込んで行く。
(「ふふん。所詮、オークやスライムなんてRPGでは雑魚モンスター。勇者である私の敵ではありません」)
 こんな連中、力を溜めて一気に瞬殺してやろう。だが、実戦とゲームを同じに考えるのは、時に盛大な死亡フラグを踏むことにも成り兼ねず。
「……ふえっ!?」
 案の定、盛大にスライムをブッかけられ、瞬く間にジャージが溶け始めた。
「そっ、そんなっ! 某有名RPGじゃ、スライムにこんな能力はないのにっ!」
 雑魚だと思って油断していた。そう、言い訳したかったが、時既に遅し。
「ブヒヒ……。俺達を甘く見たツケは、その身体で払ってもらうぜぇ、姉ちゃん?」
 必死にジャージの破れた穴を隠すシャインへと、オーク達の情け容赦ない触手が迫る。
「そんなっ! RPGのオークには触手なんてないのにっ!」
 まあ、確かにそれは、ある意味では正しい。が、目の前の敵はゲームの雑魚キャラなどではなく、紛うことなきデウスエクス。変態性欲の権化であるオークとはいえ、油断するのは命取り。
「ヒャッハァァァッ! こいつは油断したお仕置きだぜぇ!!」
「……いやっ! そ、そんなところ触ったら……ひゃっ! そ、そっちも駄目!!」
 完全に身体の自由を奪われ、危ないところを触手で撫で回されたり、果ては顔面に溶解液をブッ掛けられたり。
「みんな……楽しそ……じゃなかった。少しはこっちも、相手してくれないの~?」
 さすがに、これ以上は遊んでいるのも限界だろうと、アイリスが再びオーク達へ誘うような視線を送る。だが、先の囮とは違い、今度は本気。調子に乗って、ノコノコとやってきたオーク達に、アイリスは全てを魅了する魔眼の一撃をお見舞いした。

●大掃除
 囮を買って出たことにより、オークに好き放題されてしまったケルベロス達。
 もっとも、それも最初だけのこと。水泳部員達がいなくなった今、本気で戦えば一気に形成は逆転だ。
「私の歌声は光とともに。どうか貴方に届きますように」
 足りない分はアリカにも手伝わせ、いちごが傷ついた仲間達の体力や、ついでに衣服を回復させて行く。対するオーク達もパワー重視の激しい攻めで応戦して来るものの、地力の上ではケルベロス達の方が一枚上手だ。
「御嬢様だけに、お任せする訳には参りませんね」
 攻撃はビハインドのビャクヤに任せ、エンジュもいちごのフォローに回った。騒霊現象で敵が撹乱される中、その隙を突いて花びらのオーラを散布し仲間を癒し。
「こ、これ以上は、やらせません!」
「生憎と、目の前で患者を増やされると、こっちの手が足りないのよね……。だから……そこで止まりなさいな?」
 巨大な刀に変形した腕で水咲がオークの触手を切断すれば、フィアッカもまた古代語魔法を詠唱し、石化の呪詛で敵の身体を固めて行く。
「よ~し、もう少しだね~。あ、ちゃんと敵を狙うのはいいけど、あんまりこっち、見ちゃ駄目だよ~♪」
 魔眼の力でオーク達を撹乱しながら、翼がロディに悪戯っぽく笑って言った。その言葉を聞いた瞬間、ロディは思わず視線を逸らし、言葉を濁らせて固まった。
「えぇっ! そ、そんなこと言われても……」
 度重なるオーク達の攻撃により、今や翼は全裸の一歩手前! さすがに、危険な部分が丸見えにはなっていないが、それでも布の面積よりも、露出している肌の面積の方が拾い気が。
「くっ……! こうなったら自棄だ! 持ってけ、ありったけ!」
 己の頭に浮かぶ雑念を払うようにして、ロディは目の前のオークに凄まじい連射で弾丸を叩き込んだ。哀れ、ハチの巣にされ、オークはプールの床に倒れ伏す。これでまた、一匹減った。敵の数は、もう最初の半分も残ってはいない。
 こうなれば、ここで一気に決めてやろう。満身創痍のオークにアイリスが手を差し伸べれば、同時にシャインもまた無駄に格好いいポーズで剣を掲げ。
「天国までイかせてあげる……♪」
「我が最強の必殺技を受けてください! 光の勇者の力よ、我が剣に宿り敵を討ち滅ぼせ!」
 死に掛けのオークにアイリスが唇を重ね、シャインは光の力を宿した剣で、豪快にオーク達を薙ぎ払う。凄まじい爆発と衝撃が敵を纏めて吹き飛ばす中、アイリスにより魔力を注入されたオークの瞳が、なにやら白く濁って行き。
「ブヒョッ! ヒュデブッ!? ブルヒュゥゥゥッ!!」
 凄まじくキモい断末魔の叫び声を上げながら、狂気と快楽の狭間へと沈んで行く。全身の穴という穴から液体を撒き散らして果てた様は、さながら潰れた水風船のようだった。

●危険な誘惑?
 戦いの終わったプールにて。
 ヒールのついでにオークの死体と、それからプールの汚れも掃除して、ケルベロス達は安堵の溜息を吐いていた。
「御無事ですか、お嬢様……」
「そ、その……あ、あまり無茶を、されないでくださいね」
 心配そうな表情でいちごに駆け寄るエンジュや水咲だが、彼女達の服は未だボロボロなまま。責任感が強いのは良いが、これではどちらが無茶をしているのか解らない。
「ねぇ、ロディ君。さっきの戦いで、私の裸……見ちゃったよね?」
 そんな中、翼はなにやら意味深な笑みを浮かべ、ロディに先の戦いでのことを尋ねていた。
「そ、それは……その……す、少しだけ……」
「ふ~ん、そうなんだ。見たのなら責任取ってね♪」
「なっ……! せ、責任って!? も、もしかして、結……いや、俺達、まだ成人もしてないし、そういうのは早いと……」
「あ~、酷いんだ~。うぅ……あたしのこと、遊びだったんだね。ロディ君が、そんな人だなんて思わなかった……」
 完全にしどろもどろになっているロディの前で、翼はあざとい嘘泣きをしている。もはや、完全にロディで遊んでいるのに等しかったが、何故かアイリスだけは、その様子を羨ましそうに見つめていた。
(「楽しそう……。なんか物足りないし……帰りに、可愛い子がいたら、誘惑しちゃおうかな……」)
 折角、女子高に来たのだから、そのくらいの役得はあってもいいだろう。オークの襲撃とは別の意味で危険な香りがするのだが……まあ、とりあえず女子高の平和は守られたので、結果オーライである。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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