全てを切り刻む巨大フードプロセッサー!

作者:天木一

 棚や椅子といった家庭から出された粗大ゴミが積まれている空き地。その場に機械で出来た小さな蜘蛛の姿をしたダモクレスがやってくる。
 蜘蛛は捨てられたゴミの中をうろちょろし、ショッピングでもするようにゴミを漁っていく。そして一つの粗大ゴミの前でその動きを止めた。
 そこに置かれていたのは汚れているが元は白い機械の土台に、ひび割れた透明のガラス容器が乗った据え置きタイプのフードプロセッサーだった。
 その割れたガラスの中に蜘蛛が入り込むと、ギュィィィィイインッと機械音が響き、フードプロセッサーが巨大化していく。そのサイズが6mを超えると漸く止まり、周囲のキャスターをくっ付けてサイズを合わせ、ゆっくりと動き出した。
『ギュィイイン! どんなものも細かく切り刻んじゃうぜ!』
 音声を響かせながら、容器が横に倒れ、ブルドーザのようにその場にあった粗大ゴミをガラス容器の中に掬い上げ、中の刃が高速回転を始めると、木製も金属製も何もかもが等しくバラバラに砕け散った。そのまま上部の蓋が開き回転する刃によって飛ばされた破片が飛び散って弾丸のように周辺を穴だらけにした。
「野菜もお肉もバッラバラ! 果物のジュースだって作れちゃう! ぜーんぶオレにお任せさ!」
 陽気に歌うようなリズムでフードプロセッサーは道に出ると速度を上げて進む。町の中心である駅前に向かい、進撃を始めた。

「今度の相手はフードプロセッサーのダモクレスよ」
 本当に何にでもなるものだと、古鐘・るり(安楽椅子の魔女・e01248)の声には少し呆れが混じっていた。
「放置されていた粗大ゴミにダモクレスが同化して巨大化し、町で暴れる事件が起きてしまいます」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が事件の詳細を話し始める。
「ダモクレスは多くの人々を襲う為に町の駅に向かっているようです。それを迎え撃ち被害が出る前に撃破してください」
 敵は駅に向かう道を真っ直ぐに向かっている。今ならその進路上で迎撃できる。
「ダモクレスは6mはある巨大なフードプロセッサーの姿をしています。人を中に入れて回転する刃でみじん切りにして殺害したり、中でみじん切りにしたものを蓋を開けて散弾のように飛ばして攻撃してくるようです」
 一般的な調理器具であってもダモクレスと化したならば油断は出来ない。
「戦場となるのは千葉県の町で、迎撃する周辺の避難は始まっていますが、敵と遭遇する時点ではまだ完了していません。なので少しの間、一般人が狙われないように敵の意識を引きつけてください」
 避難は警察が行っていて、敵から逃げるように人々は駅の方へと向かっている。
「フードプロセッサーは購入されて、ほとんど使われずに捨てられてしまった物のようです。だからといって人を襲わせる訳にはいきません。何でも切り刻もうとする敵を倒し、町の平和を守ってください」
 よろしくお願いしますとセリカが一礼し、ヘリオンへと急ぎ向かう。
「買っても使われない道具の一つねフードプロセッサーは。人をミンチにするというのなら、こちらはスクラップにしてあげるわ」
 るりの言葉にケルベロス達も頷き、準備の終わったものからヘリオンへ向かった。


参加者
古鐘・るり(安楽椅子の魔女・e01248)
クリュティア・ドロウエント(シュヴァルツヴァルト・e02036)
ミルカ・アトリー(タイニーフォートレス・e04000)
ノイア・ストアード(記憶の残滓・e04933)
竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)
笹ヶ根・鐐(白壁の護熊・e10049)
小鳥遊・涼香(サキュバスの鹵獲術士・e31920)
ノルン・ホルダー(剣神姫・e42445)

■リプレイ

●フードプロセッサー
 人々が慌てて逃げ出す町中に、ケルベロス達が空から降り立つ。
「私のようなゲーマーにはお馴染みのカシナートの剣も、正体はハンドミキサーだしね。フードプロセッサーだって凶器になり得るものだわ」
 そんな凶器を人々に向けさせないと古鐘・るり(安楽椅子の魔女・e01248)が道路の真ん中で立ち塞がる。
「ダモクレス化してしまってまで切り刻みたいとは、とんだリッパーでござるな!」
 切り裂き魔の犠牲は出させないと、クリュティア・ドロウエント(シュヴァルツヴァルト・e02036)は殺気を放って人払いをする。
「フードプロセッサの構造って文字通り凶器だし、早々に撃退しないとな!」
 あんなものが人間相手に使われてはとんでもないことになると、ミルカ・アトリー(タイニーフォートレス・e04000)は想像してぞっとする。
「果物ジュースはともかく、血のジュースとなるとどうにも近づきたくないもんじゃのう」
 そんなものを作らせる前に終わらそうと、竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)は避難する人を背に守るように敵を待つ。
「ここを通さないようにしましょう」
「その為にもこっちに注意を引かないとね」
 ノイア・ストアード(記憶の残滓・e04933)は避難状況を確認しながら、一般人を巻き込まない立ち回りをシミュレートする。それに同意した小鳥遊・涼香(サキュバスの鹵獲術士・e31920)もどうやって敵を引き付けようかと考える。
「今回のダモクレスは大きいから、戦い甲斐がある。でも、大きいからこそ死角になる場所も多いはず」
 素早い己が本領を発揮できる相手だと、ノルン・ホルダー(剣神姫・e42445)は意気込む。
「ジュース作りにはいいんだが。まあ確かに、後片付けが面倒なんだよなぁ……。あれだ、天ぷらの後と一緒」
 作るよりも後片付けが大変だと笹ヶ根・鐐(白壁の護熊・e10049)はフードプロセッサーを使った時の事を思い出す。そうしていると、道の先から堂々と巨大なフードプロセッサー型ダモクレスが下にくっ付けたキャスターを転がしてやってくる。
『ギュィイン! みんな細かく切り刻んじゃうぜ!』

●切り刻む
「悪いな、君の思いを遂げさせる訳にはいかんのだ」
 鐐は扇を敵に向けて仲間に指示を出し、陣形を生み出して破魔力を与える。
「私達が相手だ! かかってこい!」
 敵の気を引こうとミルカはライフルを構えて光線を放ち、足元を凍らせて地面に縫い付ける。
「足止めは任せてください。流星のイメージファイルのダウンロード……完了。行きます」
 同時に駆け出したノイアはUSBメモリを肩のハブに差し込み、データのダウンロードと共に跳躍し流星の如き飛び蹴りを叩き込んだ。
『バッラバラにされたいのかな? よろこんでー!』
 ブルドーザーのようにガラス容器が傾いてアスファルトを削りながら迫る。それから皆を庇おうとしたミミックのアランとボクスドラゴンの明燦は中に放り込まれ、煩いモーター音と共に刃が激しく回転を始めてズダズダに切り裂かれて放り捨てられた。
「フードプロセッサーは硬い物を入れると故障するって聞いたけど」
 るりは神槍ガングニールのレプリカを召喚し、腕を振るうと宙に浮いた槍が飛翔してガラス容器の中に入り内部に突き刺さる。だが刃が回転すると外に弾き出された。
「金属もバラバラにするみたいだし、全てを切り刻むというのも嘘ではなさそうね」
 クルクルと回転した槍を手元に戻して後退する。
「ドーモ。初めまして。フードプロセッサー・ダモクレス=サン。クリュティア・ドロウエントにござる」
 片言で挨拶をしたクリュティアは手で印を結ぶ。そこへブルドーザーの如く敵が近づいてくる。
「まずはニンポ、木葉隠れ・ジツでござる」
 すると木の葉が舞いクリュティアの姿を消し去った。敵は目標を失いキュルキュルと旋回して探す。
「生憎じゃがここから先にはいかせんよ」
 精神統一により無我の境地に至った一刀は、無意識のうちに刀を抜き打ち反応できぬ斬撃を浴びせてキャスターを斬り離した。敵の体が前のめりになって地面に引っ掛かる。
「フードプロセッサーって何か一時凄い流行ったもんねー……でも洗うの結構大変なんだよね、あれって結局包丁で切った方が早いよねー」
 挑発の言葉を投げかけながら涼香は鎖を伸ばして地面に魔法陣を描き、仲間達を守護する力を発動させる。ウイングキャットのねーさんも翼を羽ばたかせ、清らかな風で仲間達を包み込んでゆく。
『みんなひき肉にしちゃうぞ!』
 地面を抉りながら敵は方向転換して突っ込んで来る。
「フードプロセッサー、わたしは使ったことないけど、こんな大きいのは、皆いらないよね。一般の人たちを傷つける前に倒しちゃおう」
 ここは通さないとノルンは魔法光線を手前のキャスターに撃ち込んで石に変え、真っ直ぐに走れないようにさせた。ずりずりと地面を擦ってビルの壁にぶつかった。
「フードプロセッサーとかって音がうるさいから苦手なのよね。おまけによく喋る……通販番組じゃないんだから」
 さまざまな事を記した魔導書を開いたるりは、黙らせようと石化光線を放って敵を照射してボディを石に変えていく。
「貫き通す」
 動きが鈍ったところへ一刀は刀に雷を纏わせ突き入れる。鋭く放たれる刃は本体の装甲を容易く貫いた。
「短期決戦で勝負を決めちゃうよ」
 続いて素早く反対側から駆け寄ったノルンは、獣の腕で殴りつけて装甲を凹ませた。
『みんな仲良くバッラバラに混ぜちゃうぜ!』
 一度バックした敵は加速してブルドーザーとして迫る。
「フードプロセッサーなら大人しく食材のみをカットしていれば良いのでござる。いずれにせよ、デウスエクス殺すべし。いや、この場合は壊すべしでござるか? ともかく慈悲は無いのでござる」
 無慈悲にクリュティアは氷結の嵐を起こして敵を包み込んで凍らせていく。だが超重量の敵は止まらずに迫ってきた。
「そうはさせん!」
 仲間を庇おうと前に立った鐐がガラス容器に掬い上げられ、ナイフカッターが回転してその体を切り裂く。
「思いの強さが伝わる刃だな……。ダモクレスなぞに利用されなければ。だが、私の盾を抜くには足りぬ!」
 鐐は体をメタルで覆い、刃を受け止め金属同士がぶつかり合い火花が散った。すると何かおかしなものでも入れてしまったのかと、容器が傾きぽいっとゴミのように放り捨てられる。
『バッラバラにしたものは外に出しちゃうぜ!』
 内部に残ったアスファルトの無数の破片が、開いた蓋から刃の回転によって散弾のように放出される。
「いや、だからこそシャレにならないし、絶対に真似しないで下さいってやつだなコレ!」
 ミルカは生み出した弾丸を撃ち出し、ガラス容器を凍らせると、中身がシャーベット状くっついて外に放り出された。
「その回転刃の動きを保存させていただきました。今度はあなたが斬り刻まれる番です」
 新たにデータをダウンロードしたノイアは動きを変え、腕を高速回転させて敵の装甲を削り取るように切り裂く。
「避難は終わったみたいだね。ならここからは攻めの陣だよ」
 周囲を確認した涼香がもう視界内に人が居ない事を告げ、扇を振るい仲間へ的確に指示を出して、上手く有利な位置取りをさせる。
「使い物にならないよう叩き割ってやる!」
 ドラゴニック・パワーを噴射してミルカは飛ぶように敵に接近し、ハンマーを横振りに叩き込んだ。ミシミシと音が鳴りガラスに大きなひびが入る。
『もっとバラバラにしちゃうぞー!』
 敵はビルに衝突して大量のコンクリを呑み込み高速回転を始め散弾となって放たれた。
「お主の行き先はステイションでは無くスクラップヤードでござる!」
 右へ左へ地を蹴り電柱を蹴って散弾を避けながら接近したクリュティアは、緋色の刀身をした太刀を抜き放ち敵を斬り裂いた。
「人肉ミンチの散弾とか、ちょっと御免こうむるわね……その容器は空のままにしておきなさい」
 るりは飛び退きながら神槍を飛ばしてゴミを消し飛ばし、ガラス容器に突き刺さって穴を空けた。
「フードプロセッサーで怪我をしないようにみんな気を付けて、私もフォローするから」
 涼香は鎖を展開して魔法陣を敷き、仲間達を癒し守りを固めてフォローする。
「覚醒、黒雷閃迅。捕まえられるものなら、捕まえてみるといい」
 体内のグラビティを高速で循環させたノルンは、リミッターを外して黒い雷を纏って神速の領域に入り、易々と敵の攻撃を回り込んで避け星剣のレプリカで斬りつけた。
「さあ、どんどん回って結構です。その動き全て保存してあげましょう」
 跳躍して躱したノイアは飛び蹴りを叩き込み、敵を傾けて攻撃を反らした。
『もっともっと!』
 ガラス容器が空になると、傾けて新たな素材を得ようとする。
「傾けなければ掬い上げられまい!」
 そこへ鐐が組み付いて敵の傾きを止めた。そして力が拮抗し両者動かなくなる。
「叩き切ってくれるわい」
 その隙に刀に霊力を纏わせた一刀は、傷口をなぞるように刃を走らせボディを深く斬り裂いた。

●騒がしい道具
『んー? バラバラにならないなー。刃がダメになっちゃったかな』
 急速に後退して引き離して間合いを取ったフードプロセッサーは、新たな刃を取り出して交換しようとする。
「刃の交換なんてさせないよ」
 飛び込んだノルンは星座の重力を宿す剣を振り下ろし、新しい刃を叩き折った。
『待てないなら、すぐにバッラバラにしてあげる!』
 ノルンに向かって敵が突進してくる。
「そんなものに入れられてたまるか!」
 ミルカは目の前の敵に銃口を突きつけて弾丸を撃ち込み、敵の体を氷漬けにしていく。動きを鈍らせながら迫る敵に明燦が突っ込んで、ノルンを押し出し代わりに中に放り込まれた。グルグルと回転する刃に裂かれて吐き出される。
「……今、洗わずに次の物を入れたわね? 駄目よ、使う度にちゃんと洗いなさい。これで消毒してあげるわ」
 るりは竜の幻を生み出し、大きく開けた口から炎を吐き出して敵に浴びせた。すると炎を突き破り散弾が放たれる。そこへ鐐が割り込み、代わりに散弾を受ける。
「私を倒したければもっと強力な弾を用意するのだな!」
 鐐は体で受け止めながらも前進しながらナイフを抜き、敵の傷に向けて突き立てぐりっと捻って抉った。だがその頭上から更に散弾が降り注ぐように放たれた。
「喝ッ!」
 裂帛の気合と共に一刀は気弾を放ち、散弾を吹き飛ばして敵にぶつけてガラス容器に割れ目を作る。
「大丈夫だよ、私が背中を守るから」
 涼香は鐐の背後から風を送る。それは前に向かう者の背中を押す追い風。その身を癒し動きを鋭くさせる。ねーさんも風を送って仲間達を癒してゆく。
『容器は割れやすいんだから大切に!』
 敵が後退して体勢を整えようとする。
「容器が割れればもはやフードプロセッサーとしての価値はなくなりますね」
 それを追いかけるように跳躍したノイアはハンマーを振り上げ、落下する力を乗せて思い切り叩き込んだ。ガラス容器に大きなひびが走った。注意が逸れている間にアランはキャスターに噛みついて砕き敵の体を傾けた。
「その隙は見逃さぬでござる!」
 壁を駆け上がったクリュティアは跳ぶと回転して勢いをつけ、零の境地を込めた拳を打ち下した。ガラス容器のひびが広がり砕けて穴が空く。
『大切に扱わなきゃ壊れちゃうぞ!』
 注意しながら容器を傾け周囲のものを呑み込みながら迫って来る。
 そこへすっと自然に間合いを詰めた一刀はまるで力を入れていないように刀を振るい、ガラス容器を綺麗に切断した。
「その無明しかと切ったぞ」
 そして中のものが漏れ出る前に飛び退く。
『もっともっとみじん切りにしちゃうぞー!』
 中の自転車やアスファルトを刻むと、弾丸として吹き飛ばしてくる。
「お主がミジン切りにするのではでは無く、拙者達が木っ端ミジンに粉砕するのでござる!」
「あなたをバラバラに斬り刻みます」
 分身したクリュティアは四方に散り、同時に攻撃を仕掛けて敵の全身を斬り刻み、周囲を回りながらノイアはナイフで切り裂いて、つけられた傷を深く広げていく。
「このまま一気に決めちゃおう」
 ノルンは金色になった瞳で敵を見て、黒い閃光の如くすれ違いながら剣を振り抜いた。大きな傷が横一線にボディを斬り、弱っていた装甲が剥がれ機械がむき出しとなる。
『……もっとオレはバラバラにするよ』
「使われたいのは分かるけど、人を傷つけるのは見逃せないんだよ」
 涼香は竜の幻を生み、その大きく開かれた顎から炎が放たれ敵を包み火だるまにして、内部の機械が火を発した。
「もういい、歪められし機材よ。せめて己を存分に発揮出来る夢に墜ち逝け……!」
 鐐は敵を抱きとめ重力鎖の力を流し込む。毛皮が暖かな布団の如き心地で敵の心を解し夢心地にさせて意識を朦朧とさせた。
「粉々に吹き飛ばしてやる! フォトンドライブ、モード・フレア!」
 そこへ至近距離からミルカは無数の超高出力ホーミングレーザーを一斉に発射し、敵の体を加熱して爆発を起こした。
『新しい刃があればまだ使え……』
 ガラスが砕け刃も曲がっている。それでもまだ刻もうとフードプロセッサーは新しい刃を用意しようとする。
「ゲームや読書は勿論、料理だって静かに集中したいの。だから黙らせてあげるわ」
 るりの頭上に浮かぶ神槍が真っ直ぐに飛び、敵のボディを砕き下の機械部分まで貫通して地面に突き刺さる。すると機械が大爆発を起こして粉々に爆散した。

●静かな町
「……やっと静かになった。これにてSOLD OUTよ、次回の入荷は未定です」
 るりはそう言って動かなくなった残骸を見下ろした。
「家庭にあるようなものでもダモクレスと化せば厄介なものじゃのう」
 刀を納めた一刀はやれやれと息をついた。
「危険な家電だったな。道具も使いようということか」
 ミルカは危ない道具を使う時は気を付けようと心に刻む。
「……あんな事言っちゃったけど、本当は便利なんだよね。フードプロセッサーって……」
 涼香は道具は結局使う人によってその意味を大きく変えるのだと、捨てられた道具を哀れに思う。
「次は愛用される道具として生まれ変わるといいな」
 道具の運命もさまざまだと、鐐は自分も使わない道具は買わないようにしようと戒める。
「一般人に被害は出ていないようです。後はこの場の片付けです」
「出来るだけ元通りに直さないとね」
 ノイアとノルンが周囲にヒールを掛けて壊れた建物を修理していく。
「このブレードはまだ使えそうでござるな」
 クリュティアが落ちていた刃を拾い上げ光を当てて確認する。
「ふむ、持ち帰ってカスタムしてみるでござるか」
 それを戦利品として貰っていこうと仕舞い込む。
 そうして元の町並みに戻すと、戻り始める人々の笑顔に見送られケルベロス達は帰途についた。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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