摘みたて苺をクレープで

作者:雨音瑛

●苺にうるさい少女
 奇妙な踊りを加えた歩行で、少女が歩いてくる。さらに、謎の歌も歌いながら。
「いっちご〜いちご〜あまくて〜おいしい〜どきどき〜めろきゅん〜ほわわ〜ん♪」
 少女の後方には、苺頭のマッチョマンが付き従っている。
 少女は甘菓子兎・フレジエ、苺頭はストロングベリー、という。
 珍妙な一行が訪れているのは、大阪府にあるいちご農園。
 くるりと回転して傘を肩にかけたフレジエは、実った苺をひとつ、もぎ取った。当然、農園に無許可で。
 とたん、フレジエの眉間にしわが寄る。
「甘いといえば甘いですがぁ……このイチゴは私にふさわしくないですぅ。こんなイチゴは必要ないから、めちゃくちゃにしちゃってくださぁい」
 フレジエにそう言われたストロングベリーたちは頷き、上腕二頭筋をアピールするポーズを取った。

●ヘリポートにて
 晴れ渡る青空の下、一羽の鳥がヘリオンの上を滑るように飛んでゆく。
 それをちらりと見て、ウィズ・ホライズン(レプリカントのヘリオライダー・en0158)は話し出した。
「爆殖核爆砕戦の結果、大阪城周辺に抑え込まれていた攻性植物達が動き出したようなんだ」
 攻性植物たちは、大阪市内への攻撃を重点的に行おうとしているらしい。おそらく大阪市内で事件を多発させて一般人を避難させ、大阪市内を中心として拠点を拡大させようという計画なのだろう。
「大規模な侵攻ではないが、このまま放置すればゲート破壊成功率もじわじわ下がってしまうことは確実だ。それを防ぐためにも、敵の侵攻を完全に防いだ上で、隙を見つけて反攻に転じなければならない」
 今回現れるのは『甘菓子兎・フレジエ』という名の攻性植物だ。配下を引き連れて現れる場所は、奇しくも香坂・雪斗(スノードロップ・e04791)が懸念していたいちご農園。
「甘菓子兎・フレジエはすぐに撤退してしまう。彼女と戦うことはできないが、配下のストロングベリーがいちご農園に襲い掛かるところに駆けつけるのは可能だ」
 戦闘となるストロングベリーは2体。両者ともに高い攻撃力を持っているという。
「使用するグラビティは3種類。ポーズを決めて戦意を高めるヒールと、石化効果もあるパンチ、麻痺効果もある衝撃波だな」
 なお、ストロングベリーとの会話は不可能。ここは速やかに撃破するのが良いだろう。
「ケルベロスの到着に気付けば、ストロングベリーたちは襲撃を止めてケルベロスに襲い掛かってくる。そのため、戦場はビニールハウスの入り口付近となるだろう。あとは……そうだ、ここの農園ではとれたての苺でクレープを作れるらしい。速やかに撃破できたら、苺狩りとクレープづくりを楽しむのもいいかもしれないな」
「クレープ! それは楽しみやね! ……でも、甘菓子兎・フレジエの目的は何やろね? ううん、ともかくいちご農家の人が襲われるのは黙って見過ごせんし、急いで現場に行こか!」
 人々を、苺を守るために。ケルベロスの仕事は、まだまだ尽きない。


参加者
ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)
香坂・雪斗(スノードロップ・e04791)
熊谷・まりる(地獄の墓守・e04843)
円谷・円(デッドリバイバル・e07301)
鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)
四条・玲斗(町の小さな薬剤師さん・e19273)
鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254)
遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)

■リプレイ

●農園襲撃
「よし、がんばろう!」
 ヘリオンから降下する直前、ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)は香坂・雪斗(スノードロップ・e04791)と鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)の二人を見た。
「今回もよろしく!」
「今回も頼りにしてる」
 雪斗と郁の応えにうなずいた後、ヴィは雪斗とハイタッチをして。
 勢いよく、ヘリオンから降下してゆく。
 着地した地点から見えるのは、丁寧に手入れされた苺農園。
 ビニールハウスに襲い掛からんとする苺頭のムキムキマッチョ――ストロングベリーたちへ、熊谷・まりる(地獄の墓守・e04843)が肉薄する。
 そうしてオウガメタルを拳に纏って正拳中段逆突きを繰り出すと、ストロングベリー1体の体が軽く吹き飛んだ。
 もう1体のストロングベリーは、口をぱくぱくさせながらその様子を見ている。
 そう、ストロングベリーとの会話は不可能だ。
「って言っても、そもそもお喋りしたい相手ではないなー。さくっとお引取り願いましょうねー」
 まりるがそう言ってストロングベリーとの距離を開けると、軽く吹き飛んだストロングベリーは体勢を立て直し、まりるへと突っ込んでくる。だが、拳を受けたのはウイングキャット『蓬莱』だ。
 続けてもう1体のストロングベリーが雪斗へ衝撃波を放つと、郁が躊躇なく前に出た。
「させない!」
 受けた衝撃波は想像以上に強いもので、郁はたたらを踏んでしまう。
 だが、蓬莱の送る風がすぐに郁の傷を優しく癒す。
「蓬莱、皆を守ってあげてね」
 そう告げるのは、蓬莱の主、円谷・円(デッドリバイバル・e07301)だ。円はストロングベリーと農園を素早く見て、表情を引き締める。戦意を高めて口にするのは、極大秘術の詠唱だ。
「冥月よ、勇ましき心を我らに!」
 召喚された月は前衛の仲間を照らし、彼ら彼女らの攻撃力を高める。
「折角実った果実になんてことを。おいし……コホン、農家のみんなが頑張った作品を壊させはしないんだよ!」
 咳払い一つ、その言葉に鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254)が大きくうなずく。
「だな! そんじゃ、まずは皆の攻撃が当たるように動くと――するか!」
 ドラゴニックハンマーを大雑把に振りかぶり、竜の砲弾を撃ち出した。
 また、四条・玲斗(町の小さな薬剤師さん・e19273)はケルベロスコートを翻しつつ、敵との距離を積極的に詰める。そんな玲斗が気にするのは、避難する農家の人々だ。
「もう少し、かかりそうね」
 タイミングを見計らい、玲斗はライトニングロッド「雷錐」に雷を迸らせてストロングベリーへと放った。
「君らの相手は俺達だ。決して好きにはさせないぞ!」
 巨大な剣を手にするのは、ヴィ。重量のママに振り下ろせば、ストロングベリーの腕に大きな傷を刻む。郁も同じ個体へと迫り、虹を纏った急降下蹴りを食らわせると、ストロングベリーは地に伏した。
「雪斗、頼んだ!」
「任せといて!」
 そう返答したものの、雪斗の視線はストロングベリーに釘付けだ。ムキムキの苺頭に恐怖を覚えつつも、怖がってばかりもいられないと、恐怖を振り払うように首を振る。
「美味しい苺も、大事に苺を育ててきた農家の人たちも、俺達が絶対に守るんよ!」
 撃ち出した弾丸は、ストロングベリーの太ももを凍結させる。
 また、遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)にとっても苺頭のマッチョは悪夢もいいところであったようで。
「もうちょっと可愛い造形になるまでリテイクよ!」
 なんて言いながら黒き鎖を展開し、前衛の仲間の防備を高めるのだった。

●人々と、苺クレープのために
 ストロングベリーの攻撃力は双方共に高い。そのため、戦闘が長引けば不利になるのは確実だろう。
 だから、今回ケルベロスたちは集中攻撃による各個撃破という作戦を採った。
 集中攻撃をされたストロングベリーの消耗は大きく、都度ポーズを決めて自身の傷を癒す。かたやダメージを受けていないストロングベリーはといえば、パンチや衝撃波といった攻撃を適宜繰り出してはケルベロスの体力を削ってゆく。
 当然、その度に癒しを担うケルベロスが回復に回る。
「篠葉ちゃん、手分けしていこうね」
「了解よ、円さん!」
 蓬莱の翼がはためくのに続き、円は桃色の霧を放って雪斗を、篠葉は溜めたオーラで郁を癒した。
「さあ、傷ついてる人はじゃんじゃんヒールするわよ! みんな、頑張って! イチゴクレープの為だし、本気出しちゃうんだからね!」
「うん、美味しい苺の為にクレープの為に! ……じゃない、えっと、人々の平和のために戦うぞ! 雪斗、次は任せたよ!」
 言い直したヴィは小さく拳を掲げ、その後はバスターソードを振り回してストロングベリーの加護破壊にあたる。
「任せられた、けど……ヴィくん、本音出とるよ……!」
 雪斗の苦笑にヴィは照れ笑いを浮かべ、剣を構え直した。その様子にまた笑みを浮かべつつ、雪斗は小さくうなずいた。
「でも、俺も気持ちはわかるんよ! しっかり倒して、クレープ楽しもね! さあ、行くよ――無慈悲な冷たさに……凍えてもらおか」
 ヴィや仲間へと向ける表情から一転、真剣な表情で雪斗はストロングベリーを見据える。
 起こしたの局地的な猛吹雪でストロングベリーを巻き込めば、彼の者の動きは制限される、のだが。
 その威力たるや凄まじいもので、吹雪はストロングベリーそのものをかき消した。
「よし、まずは1体! 次にいこか!」
「だな! ……と、その前に。ヒールって苦手なんだけど…ひとまずやれるだけやってみるか!」
 郁が出現させたのは、軽装備の小型兵達。体内のグラビティチェインで生成したものだ。小型兵達はチョコマカと動き回り、郁の体力や異常状態を回復する。
「集中攻撃はかなり有効っぽいしー、次も確実に撃破したいねー。そういやコレ、攻性植物なんだよねー」
 そう言うが早いか、まりるは2台のスマホを素早く操作する。文字をうちこみうちこみ、気付けば複数のサイトが炎上、そしてストロングベリーも炎上するに至る。
「流石に燃え尽きるまではいかないかー」
 残念そうに言うまりるだが、それでもしっかりと炎は灯り、ストロングベリーの肩を燃やしている。
 農園の人々が完全に避難した後、玲斗は敵との距離を適宜開けての攻撃に努める。
「大阪城に籠ったままでいてくれれば楽なのだけれど、そうもいかないみたいね。ロキと巨人の動きも気になるし、そちらから目をそらす為の陽動なのかしら」
 とはいえ、ストロングベリーたちを放っておくわけにもいかない。
「まずは手近な所からきっちり片付けましょう」
 掌に螺旋を籠め、玲斗はストロングベリーの腹部に触れた。ストロングベリーの体を構成する蔦ごしに伝わった衝撃は、内部で何かを弾けさせる。
「そもそも無許可で他人のもん取って、自分本位の批評の挙句に破壊行為なんて非常識にも程ってもんがあるだろうが!」
 玲斗に続く道弘は、再びドラゴニックハンマーを手に取った。
「被害なんざ出させねぇよ、きっちり防いでやらぁ!」
 振り下ろした凍結の一撃は、ストロングベリーの頭部を強かに打ち付ける。その後はやや距離を取り、周囲を確認する。
「……農園への被害は最小限に抑えたいところだな」
 攻撃を受ける際も、ビニールハウスをはじめとした農園の施設に被害が及ばないように。つぶやき、道弘は敵の行動へ気を配る。

●意思
「勝手な理屈で農園を破壊しようなんて……許せるものか!」
 達人の一撃を繰り出す郁は、満身創痍だ。積極的に前に出て仲間を庇い、攻撃を受けてきたためでもある。
 それでも一切怯まないのは、農家の人々がい大切に育ててきたものを破壊して苦しめる敵に対する憤りもあるからだろう。
 勢いを削がぬようにと、郁はすぐそばに立つ雪斗へと声をかける。
「このまま畳みかけよう!」
「よし、郁に続くよ!」
 駆け出しつつ、雪斗はフェアリーブーツに理力を籠めた。ストロングベリーの頭部に狙いを付け、星型のオーラを蹴り込む。
「さて、次は……負傷している人が多いわね」
 行動の阻害を主に動いていた玲斗であったが、今度はヒールへと回る。ヴィへと分身の術を纏わせれば、道弘も回復へと手番を割こうと大きく息を吸い込んだ。
「あと少しだ、気合い入れていくぞ!」
 ひときわ大きな声に気迫を乗せて打ち出した咆哮弾は、郁を癒し、状態異常を打ち消す。
 二人のヒールにより、仲間の回復は十分。ならば、と篠葉は虚無魔法を発動した。
「……直視するのキツいわね」
 狙いがそれない程度に目線を逸らし、篠葉は不可視の「虚無球体」でストロングベリーの体を一部消滅させる。
 ストロングベリーはよろめきつつも、円へと衝撃波を放った。少しばかりぼんやりしていた円ではあるが、一瞬にして強気の表情になる。
「なんて、ね」
 跳躍して回避できたのは、敏捷回避防具のおかげか。もしくは、さっさと戦闘を終わらせてクレープを食べたいという強い意思のためか。
「いちごの赤はおいしさの印。血の赤は痛みの証。あなた達が喰らうのはもちろん後者なんだよっ」
 円はゾディアックソードに星座の重力を宿し、体重を乗せながらストロングベリーを斬りつける。
 蓬莱の翼が起こす風にあおられ、まりるはスマホを取り出した。
「確実にいかないとねー……累次せよ 再来せよ 偶然という名の希望よ」
 スマホから繰り出されたグラビティを、ストロングベリーは回避できない。
 積み重ねてきた状態異常が、そして諦めかけても抑えようとしても終わらず繰り返す希望、それを『必中』というカタチで具現化したまりるのグラビティが、いまストロングベリーの息の根を止める。
「これでおしまい、だねー。みんな、お疲れさまでしたー」
 ぴこんと耳を動かし、まりるは仲間へと笑顔を向けた。
 幸い、ビニールハウスへの被害は皆無だ。ストロングベリーの衝撃波で荒れた土だけをすれば十分そうだ。
 道弘が叱咤の咆哮で、雪斗がオーラで修復をする中、まりるがしっかりと掃除をしてゆく。農家の人はもちろん、今後この農園を訪れる人々のためにも、ここは手を抜けないところだ。
「……どうやら、農園の人も戻ってきたみたいだな。うん、全員無事みたいだ!」
 胸をなで下ろすのは、郁。手を振れば、笑顔で応えてくれる。
 被害は軽微、農園の人も無事。修復が済めば、すぐにでも苺農園を再開できるだろう。

●苺のクレープ
 農家の人に報告をした後は、お楽しみの苺狩り、そしてクレープづくりだ。
「ミルクレープもどきを作りたいんだよねー」
 とは、まりるの言葉。
 ミルクレープ、すなわち千枚のクレープは、クレープの王様と言っても過言ではないだろう。しかしそんなに枚数を重ねるのは無理だから、あくまで「もどき」である。
 1枚目のクレープに生クリームを塗った後は、薄くスライスした苺を並べる。その上にクレープを載せ、チョコソースとスライスした苺。さらにクレープを乗せ、もう一度生クリームとスライスした苺。
「これを4等分に切って重ねて……千枚は無いけど贅沢だー。横に苺アイスも添えちゃえ!」
 手の込んだものができたら、さっそくぱくり。口の中に広がる甘さと酸味に、まりるは思わず笑顔になる。
 そしてケルベロスたちを見守る農家の人々へ頭を下げ、丁寧に例を述べる。
「農家の皆様、こんなに美味しい苺をありがとうございますー」
「いえいえ、こちらこそ農園を守ってくださってありがとうございます。ケルベロスの皆さんにも喜んでもらえるなら、頑張って苺を作った甲斐がありましたよ!」
「ふむ、見た目も良し、味もよしときたら、肥料にも気を遣ってるんだろうな」
 もぎたての苺をつまみ、道弘が感心したようにつぶやいた。
「実は、肥料はあまり使わないんですよ。過度に肥料を使うと、花が咲かなくなってしまいます。結果、実がならない……つまり、苺がとれなくなってしまうんです」
 そんな話を聞いて感心しつつ、道弘もクレープづくりに挑戦する。
「菓子作りなんざ、何年ぶりだろうなぁ……一丁気合入れっか」
 生地を焼き、苺を切りながら道弘が思い出すのは、亡き妻の『菓子は分量が命』という説教だ。十数年前のホワイトデーの際に言われた言葉を思い出しつつ、基本に忠実に、シンプルに盛り付ける。そのうえで、好みを反映させて生地を若干厚めに。
「なかなかしっかりしたクレープができたな。どれ、味は……おぉ、なかなか美味くできたな」
 そんな風にクレープ作りを楽しむ仲間たち。彼ら彼女らの様子を眺めつつ、玲斗は周囲の様子を観察している。甘いものは特別好きというわけではないが、妹たちへの土産話にするためである。
 各々の個性が出ているクレープづくり、ビニールハウスの中で実る苺の赤、これから実であろう苺の緑は、どんな風に話せば妹たちが喜んでくれるだろうか。
 目に付いたものを片っ端から乗せ、苺ももりもりにしているのは雪斗だ。ヴィも、クレープに苺どっさり、クリームも沢山盛っている。その様子に、雪斗は思わず笑ってしまう。
「欲張りすぎやない?」
「……あ、あれ? これどうやって食べようね? 苺が美味しそうなので、ついつい欲張っちゃった。雪斗も沢山入れてしまっているけど、だいじょぶ?」
「食いしん坊やからね」
 開き直りつつ食べれば、その味に二人は顔を見合わせる。
「食べにくいけど、一緒に作ったクレープは美味しい!」
「うん、一緒に作って食べると美味しいし幸せだね」
 そんな二人のやりとりに和みつつ、郁もクレープ作りに挑戦だ。
「うん、結構難しいな」
 少しばかり歪んでしまった生地に、生クリームをスプレーして。厚さが不揃いのスライス苺もまた愛嬌だと、乗せてくるんでできあがり。
 かぶりついたクレープの生地はまだ少し暖かく、ほんのり溶けた生クリームともぎたて苺の酸味は相性ばっちりだ。
「円のは……すごい生クリームと苺だな」
「でしょう? 最後にチョコソースをかけて、できあがりだよ」
 なかなかきれいに出来たから写真を撮っておこうと、円はスマホを取り出した。
「ほら蓬莱、もうちょっとクレープに寄って……って食べちゃだめー!」
 撮影した蓬莱とクレープの写真をSNSに上げつつ食べてみれば、まぁ予想通りの美味しさだ。一口二口と食べる間に「いいね!」がいっぱいついて、こちらもご満悦の円である。
 篠葉もクリームと苺をたっぷり盛るが、どうにも仕上げに迷ってしまう。
「チョコソース……、いやキャラメルソースも捨てがたいわね。うん、両方いっちゃおう!」
 破れないように注意しながらくるっと巻いて、更に上から追い苺とクリームも。それを口いっぱいに頬張れば、幸せの味がする。
「お仕事の後の甘いものは格別ね。1個といわず何個でも食べられそうだわ」
 篠葉は苺をつまみ、太陽にかざした。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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