イレギュラーな苺摘み

作者:baron

『らんらら、ららららるるるんるん、るぅるるる、るるのる~♪』
 鼻歌を歌いながら少女が農園を歩く。
 その服装は場違いなほどで、フリルがフリフリ、色彩はケーキの様に派手だった。
 後ろに引き連れて居るナニカは、もっと場違いだが。
『美味しい恋しい嬉しい楽しい、いっぱいたくさんこんなにあるですぅ』
 鼻歌から即興詩に変わり、ステップも振り振りの横方向からスキップへ。
 ホップステップジャンプで縦方向にスカートが揺れる。
『ふんふふ、ふふふん。ふふふのふ~♪』
 暫く行ったところで再び鼻歌に戻ってリズムを刻むが、ッステップ込みで先ほどとはまた別パータン。
 何か練習して居るのかもしれないが、あまりにも無節操だ。
 そして農園の苺畑まで来ると一摘み。
『甘くなーいですぅ! このイチゴはいまいちですぅ、私にふさわしくないですぅ。こんなイチゴは必要ないから、めちゃくちゃにしちゃってくださぁい』
 先ほどまでの明るい様子から一転。
 美味しくないのか、単に自分の好みに合わないのか一口だけ齧って捨ててしまった。
 不機嫌な声で連れて居る連中に声を掛けたのである。


「爆殖核爆砕戦の結果、大阪城周辺に抑え込まれていた攻性植物達が動き出したようですわ」
 ユエ・シャンティエが攻性植物と書かれた巻き物を広げながら説明を始めた。
 開かれた場所には大阪に関して綴られている。
「攻性植物たちは、大阪市内への攻撃を重点的に行おうとしているようです。おそらく、大阪市内で事件を多数発生させ人の行き帰きをなくし、大阪市内を中心として拠点を拡大させようという計画かもしれませんなあ」
 ユエはそう言いながら、大規模な侵攻でこそないが、このまま放置すればゲート破壊成功率も『じわじわと下がって』いく可能性を告げた。
 それを防ぐ為にも、敵の侵攻を完全に防ぎ、更に、隙を見つけて反攻に転じなければならないだろう。
「今回現れるのは、甘菓子兎・フレジエという名の攻性植物で、配下を引き連れて、大阪府近郊のいちご農家に現れるようですわ。甘菓子兎・フレジエは自身はすぐに撤退する為、戦う事はできのやけど、配下のストロングベリー二体が、いちご農家に襲い掛かるところに駆けつけるのは可能やと思います」
 最初に現れるた苺畑を荒らす為、なんとか間にあうらしい。
 油断こそできないが数は多くないので壊滅を避けることは可能だと教えてくれた。
「攻撃方法は蔦で絡めるとゆうか、関節技を掛けて来ます。他にも殴りかかるとか見た目通りのマッチョみたいやね」
 だからこそストロングベリーなのかもしれない。
 パワフルで強いのかもしれないが、誘惑したり毒が無い事もあって戦い易い様だ。
「それとですなあ。いちご農家では、いちご狩りもやっているようなので、無事に事件を解決したら、いちご狩りを楽しめるかもしれません。畑と微妙にズラした収穫期の差で甘さ重視や酸っぱさ重視もあるそうです。それらを守るためにも、よろしうお願いしますえ」
 ユエはそう言って締めると、出発の準備を整えるのであった。


参加者
水無月・鬼人(重力の鬼・e00414)
平・和(平和を愛する脳筋哲学徒・e00547)
朝倉・ほのか(フォーリングレイン・e01107)
ガロンド・エクシャメル(災禍喚ぶ呪いの黄金・e09925)
浜咲・アルメリア(捧花・e27886)
北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570)
彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)
ソールロッド・エギル(影の祀り手・e45970)

■リプレイ


「この辺でいいか」
 水無月・鬼人(重力の鬼・e00414)は苺畑の柵と柵の間に、テープを張りつけて封鎖した。
「食べ物を粗末にするってのだけでも許せねぇのに、ある意味、同族相手に乱暴が出来るその根性が許せねぇ。地球に居る以上、骨の髄までそいつを叩き込んでやるぜ」
「苺と言うたら甘いのが当然と思ってる辺りで既にダメじゃの。とても同じ植物とは思えぬわい」
 鬼人の言葉に彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)が頷く。
 今ではあまり知られていないことだが、本来はそこまで甘くない(砂糖の普及前なら十分に甘いイメージだが)。
 あくなき追求の結果、品種改良や間引き育成され今の甘さなのである。
「むっ。あれか、この度の話に納得いったわ」
「ストロングベリー、とても強そうな雰囲気です。油断せずにいきましょう」
 行く手に現れた緑色の化け物に戀は唸り、朝倉・ほのか(フォーリングレイン・e01107)は息を呑みながら散開。
 ケルベロス達はそれぞれ距離を取って接近し、戦いに備えた。
「ストロ(ング)ベリー、ね。ショートケーキの上に乗ってるぐらいの苺で良かったんだけどな。かわいげも何もねぇ」
「大阪生まれって割には笑えねぇな」
 とても、ムキムキです。
 ガロンド・エクシャメル(災禍喚ぶ呪いの黄金・e09925)はブレスでも吐きそうなポーズで呆れ、鬼人は肩をすくめて回り込んだ。
 その様子はプロレスでメンチを切って退治しているようにも見えるが、シリアスに戦うには辛すぎる。

 だがしかし油断できる相手では無いというのが笑えない。
「本命には逃げられてしまったようじゃが、放っておくわけにも行くまい。……ほれ、そこの苺の成り損ない、丁寧に料理してやるわい、覚悟しとくのじゃ」
 戀は青白い下僕を召喚し、飛び込みながらの蹴りを浴びせさせる。
 幽体に近い筈なのに、片方のマッチョが厚い胸板で受け止め、ぼよんと跳ね返されるのがコミカルだ。
「出来れば苺を守りましょう。せっかく農家の人とたちが大切に作ったものだもの」
「無事に終わったら皆さんと苺摘みを楽しみたいですからね」
 浜咲・アルメリア(捧花・e27886)は仲間に声を掛けながら流体金属を散布し、ほのかは頷いて回り込んだ。
 命令に従って苺畑を台無しにしているようだが、ここの苺は酸っぱさをウリにしているだけで失敗作では無い。
 農家の血と汗が染み込んだ大作であり、食べる為に人々が訪れるのを心待ちにして居る筈なのだ。
「……戦いを始めます」
 ほのかは意識を切り替え、敵の足元に切り込んで動きを止める。
 先歩までなら畑から出て行けとばかりに斬撃を放つのだろうが、今は冷静に一刻も早く倒す為だ。
『……』
「うひいぃ。蔓とか切り落としたいなぁ」
 体をしならせ植物の強靭さで放たれる触手の束縛がガロンドを蝕むが、蔦の触手感と咽そうなほどの臭いが気色悪い。
 カバーに入ったガロンドは嫌そうな顔をしながら、とっさに精神力の障壁を広げて我身を守り、闘気の剣で切り裂いて脱出する。
「喋らない……それとも口が効けないのか? まあいい。話す機会ならまだあるさ」
 鬼人は少しだけ不満そうにフンと鼻を鳴らすと、愛用の刀を抜いて斬り掛る。
 みっちりした歯応えだが攻撃役ゆえに言うほどの堅さは無い。
 抜き切りながらグラビティを乗せてバランスを崩すことに成功した。
「すあまは回復したげて。かすり傷だったら放っといていいからね」
「ひどいっ。僕だって必死に守ってるのに……。まあかすり傷じゃないから治して欲しいな」
 アルメリアの指示で翼猫のすあまがゴロンと転がって、撫でて。とおねだり。
 その様子にガロンドは溜息をついて、あとで何か買ってあげるからとヒールしてもらった。
 こうして戦って見て想うのだが、今回の敵は知性なさそうであるが強力なタイプだ。真面目に戦い抜く必要があるだろう。


「丹精込めて作られた食べ物を粗末にするなんて……絶対に許せねえ!」
 北條・計都(凶兆の鋼鴉・e28570)は畑の畔道を苦労して避けながら、キャリバーに乗って前線に移動して居た。
 それがどうだろう、敵はそんなこともおかまいなしに暴れ回って、それこそ苺を踏みつけながら戦っているのである。
「この農園で苺摘みするのを楽しみに待ってる人だっているのによ。……俺はイチゴ狩りの男! 北條・計都!」
 計都は謎のポーズを決めながら、鉄槌を敵に押し当ててシリンダーを稼働させる。
 ドーンという音と共にパイルシューターが轟音を放ち、零距離で砲撃を掛けた。パイルバンカーとして使用された後、杭と撃破発式の炸薬が放りだされるのだが、計都はソレが畑に飛びこまない様に可能な限り気を使っていた。
「イチゴ摘み(じゅるり)。……はっ! ま、まったくもってけしからん攻性植物なのです!」
「……そうです。苺は病気に弱かったり、味を安定させるのが難しい繊細な果実です」
 平・和(平和を愛する脳筋哲学徒・e00547)とソールロッド・エギル(影の祀り手・e45970)は当初、ぼーっと敵を眺めて居た。
 前者は美味しそうな苺に心を巡らせ、後者は自分の知る作物と攻性植物との差に驚愕して居たのである。
「丹精込めて育てた苺、大切な畑に無体は許しません。もちろん、農家さんにも傷ひとつ付けさせませんとも! ……友よ、少しだけ力を貸してください……後でお水あげますから」
 ソールロッドが大地に手を着くと、周囲の苺から蔓が伸び始める。
 ここは故郷の森ではないが、それでも緑は彼の見方であった。友の呼びかけに答えて攻性植物の侵略的行為に対抗するのだ。
「農家の方が丹精込めて作った作物を打ち壊すは不届き千万なのです!」
 和はよたよたと大きなハンマーを掲げ、砲撃モードに設定。
 えーい。ぺちこーん。
 と轟音(?)を立てて放ち、グラビティによって炸裂させた。
 音は音波と成って駆け抜けて、見た目の可愛らしさに反してグラビティさんが仕事したので効果はちゃんと発揮された。

 そして取り囲もうとするケルベロスに対し、敵はマッチョがムキムキに打って出た。
『……』
「やらせんっ。いくぞ、こがらす丸!」
 計都はキャリバーのこがらす丸に乗って加速し、仲間を襲う触手の前に飛び込んだ。
 そのまま強烈な力で首を絞められてしまうが、アクセルを吹かせてからくも脱出! ダメージこそ受けたものの捉まりはしなかった。
 お返しに冷却材をまきながらドリフトして、凍らせながらタイヤの一撃を浴びせる。
「アドウィクス、このまま押さえるんだ」
 反対側からガロンドがミミックのアドウィクスと共に押さえつけ、同時に仲間へ迫る攻撃を遮断する。
 そして触手による裏拳を防ぎつつ、盾役の攻撃ゆえにダメージが少なかったので拳を振るって反撃に出た。
 オウガメタルで作った巨大な手によって引き千切っていく。
「このまま被害の方も抑えたいですね……」
「そうですね」
 ソールロッドは意識を活性化させて攻撃力を高めるが、ほのかは戦いに意識を集中させているのでそっけない返事だ。
 虚ろな力を刃に宿し、切り込んでいく。
「貴方はまだ本当の絶望を知らない。……その力を奪います」
 その言葉は誰に向けたモノか。
 虚空の力を宿した黒い刀が踊り、ストロングベリーの力や生命力を奪い始める。
「今です。ぎっちぎちに叩きのめしてやるのです!」
「うむ。ここがチャンスじゃ。逃がすでないぞ」
 和が槍を構えとてとてと奪取して行くのを見て、戀は可愛らしいのうと言いながら下僕を出動させた。
 槍が突き刺さってうんうん言って居る所に、青白い幽体がバールのようなナニカをバットのように構えてフルスイングしたのである。
 こうして敵は強大ながら、二体しか居ない事もありケルベロス有利に戦いは進んで行った。


「大丈夫? もしそうならなるべく急いで治療するけど」
「痛いことは……痛いが、どっちかというと、動き難い方をなんとかして欲しいねえ」
 何度目かの攻防が過ぎれば、カバーが必ずしも成功しないこともある。
 アルメリアは敵の手に絡み取られている鬼人の様子を確認すると、面倒くさそうに花を咲かせ始めた。
「磨け、《不語仙》。叢雲流霊華術、弐輪・蓮華」
 アルメリアの気を吸って紅の蓮が咲き始める。
 すあまあの治療もあって鬼人の体力は一気に回復し、首に絡みついてスリーパーホ-ルドー状に締めつけて居る蔦に力を入れることが出来た。
 徐々に指先に力を入れ、同時に腹や足へ活力を取り戻させる。
「あんがとさん。そんじゃ我流剣術『鬼砕き』、食らいやがれ!」
 鬼人は一気に蔦をひき剥がし、蹴りを入れて敵と距離を取る。
 体勢を立て直した僅かな間に、左切り上げ・右薙ぎ・袈裟斬り。
 最後に三連の刃筋が重なる中心を、刺突でぶち抜く荒業を見せたのである。ミッチリと分厚かった肉体もこれまでの攻撃と、鬼砕きによる猛攻に寄って滅び去った。
「おっと、話す前に殺しちまったが……。まあ会話しそうにないし良いか」
 黒幕の方でも探そうかと、鬼人は樹液で濡れた刃を振るって汚れを落とした。

 これで残るは一体、数だけならばまだ半分だが盾役ゆえに少なからぬ傷がある。
「さっきは驚いちゃったけど、パパっと倒しちゃうのです」
「そうだねえ。首や腕を付け帰るとか悪夢だったよ。まあ直ぐに倒せるだろうけどね」
 苺の為にやる気を出した和は、闘気(食欲)を集中させて解き放つ。
 ガロンドは頷くと爪に刻まれたルーンを開封して行く。
「こいつでいこうか。またキショイことされちゃ叶わないし」
 爪に宿ったルーンは黄金の輝きを見せ始め、両腕を媒介に顕現する。
 そして突き立てた瞬間にガロンドからストロングベリーに移動し、まるで食らいつく様に刻み始めた。
「合わせます。一気に畳みかけましょう!」
「回復も不要そうだし。ちょっとだけ、ね」
 ほのかは猛る刃を制御しながら、『斬れないものは殆どない!』と斬撃を浴びせに飛び出した。
 それに合わせてアルメリアは流体金属を伸ばして鉄拳に変えて、ほのかと挟み討ちを掛けたのだ。
「行ってください。援護します」
「良いだろう。見せてやる……これが北條・計都の精一杯だ!」
 ソールロッドが影の刃を突き立て内側から傷つけると、計都は己の胸に指先を這わせてナニカを掴んだ。
「うおおお!! 行くぞ、こがらす丸!」
 計都は自分を苦しめた古傷を力に転化し、グラビティチェインとして取り出して行く。
 そしてキャリバーに騎乗したまま速攻を掛けると、彼をケルベロスたらしめている師の教えを元に一刀の鋭い斬撃を浴びせた。
 炎のような刃紋を持つ刃はストロングベリーの痛みの記憶を強制的に想い出させているのか、ビクビクと飛び跳ねるのであった。
「妾自身が往くのはいつぶりかのぅ……往くぞ、妾の忠実なる下僕共。この身は世の為、人の為万物の為、万物の神々の為に捧ぐ者成り。星より出し命の灯火、此処に集いて、妾と共に撃ち抜かん。いざ参ろうぞ!」
 防備や探知を司る全霊の契約を一時的に解除、全ての幽体群を我身に召喚。
 戀の体を通して力を顕現させ、蒼き光を発しながら彗星の様に飛び込んで行った。
 魂の蒼は夜の蒼、夜の黒を青と呼んで称える安息の神々の力を持って死者の怨念は、ただ力の塊としてデウスエクスを打ち砕いたのである。それこそが死者の怨念を晴らすレクイエムであるかのように。


「もし必要であればどうぞ使ってください。直り切らないところもあると想いますので」
「必要になったらそうさせてもらいますよ。それよりも美味しいところを摘まんで行ってくださいな」
 ソールロッドはケルベロスカードと地域密着型秘密結社のティッシュを農家の人に渡した後、その案内で苺畑の一つに向かった。
 そこは植えた時期や日照量こそ違えど、特に調整されていない場所だ。
「カカッ! これは良いいちごじゃのぅ? 丁寧に管理されておるのじゃろうな」
「無理に育てて無い為か、甘やかに色づいた果実が宝石のようですね。少しだけ、お土産にしたいです」
「ええ、いつでもどうぞ」
 戀やソールロッドは畑に感心した。
 植物と言うのは与えれば与えるほど良いと言う物ではなく、適度に調整せねばならないのだ。
「さあ、採れたてのイチゴで戦いの傷を癒すとするか!」
「苺……」
 鬼人は早速畑に入り、アルメリアは別人のように目を輝かせる。
「あうぅ……しゅっぱいのです……」
「甘い物と酸っぱい物があるみたいです。う……これは酸っぱい気がします」
「皆、美味しい苺を食べたければムラがなく鮮やかな赤色のものがよいぞ。ハリと艶があるものだとなお良いのじゃ」
 和が摘まんだものは酸っぱく、ほのかは視線と指先をウロウロさせて確認する。
 戀はそこに助け船を出してあげた。ちょっとした見分け方が打、誰もが知っている訳でもない。
「ふむ。まずは一通り味わってみないとね」
「食べ比べとかしてみたいね」
 ガロンドや計都は教えてもらった物の他に適当に摘まんだ後、食べ比べに入った。
 やはり自分の舌で確かめてこそだ。
「ヘタにも注意するのじゃぞ。元気に反り返り、ヘタと粒が離れているものが良いの」
「うみゅー……おいちい」
 戀のお陰で、しょんぼりしていた和も甘い物を摘まんでうっとりと表情を変える。
「青いのはちゃんと育つまで待つ! 取り過ぎない! それがマナー! って感じですね。彼女への御土産はどれが良いかなぁ」
「折角の旬の果物だし、俺も彼女に少しお土産に持って帰えるとするか」
 計都と鬼人は恋人の事を考えながら、持ち替えるまでの時間も計算に入れて赤過ぎる物は止めておいた。
「こがらす丸、これなんて色も大きさも良さそうじゃないか?」
「おっと、そろそろ大きいのを探さないと取られちゃうかな」
 計都がキャリバーと相談しながら選定を厳しくしたところで、ガロンドも選び始める。
 八人なので大丈夫だとは思うが、狙ってるのを取られるのは悲しい物だ。
「後は残りはみんなと一緒に……」
 ソールロッドは食べて居るのが丁度美味しかったので、丁寧に包んで取っておくことにした。
「そうだ。アイス……最初に集めるのは敢えてすっぱめ狙ってアイスに合わせてみようかな」
「……!! これが、アイスとのコラボ……あの酸っぱかったイチゴが、食べ方次第でとても美味しいのです!」
 ガロンドが酸味の強い苺を絞ってアイスに掛けると、和も真似してパクリ。
 きゃっきゃと愉しそうにみんなで苺摘みを愉しんだ。
「これは甘いです。そのままでも美味しかったです」
「これも甘いよ。お返し」
 ほのかがくれた苺を食べながら、アルメリアもお返しに一粒。
 そして御土産用の容器に包んでから……。
「……いつも、闘技場や何かで世話になっているから。……ありがとう」
 アルメリアはなんとか無表情を克服しながら、感謝と共に苺をほのかに贈ったのである。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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