深緑の侵略者

作者:雷紋寺音弥

●強襲の多肉植物
 それは、いつもと変わらぬ光景であった大阪の街に、突如として魔空回廊を開き出現した。
 浮遊する、全長7m程の巨大な植物。大阪城近辺に突如として現れたそれは、浮遊しながら周囲の建物を崩し、電柱を薙ぎ倒しながら市街地を目指して進んで行く。その様は、まるで巨大な空飛ぶ多肉植物か、はたまたクラゲと言った方が正しいか。だが、のんびりとした動きとは裏腹に、その行動は極めて攻撃的なものであり。
「う、うわぁぁぁっ! く、来るなぁぁぁっ!」
「ひぃっ! な、なんだこいつ! は、離せ……ぎゃぁぁぁっ!!」
 触手状の根に捕まったら最後、それから逃れる術はない。哀れ、捕獲された人々は次々に殺され、そのまま巨大な攻性植物に吸収されてしまうのだった。

●新たなる脅威
「召集に応じてくれ、感謝する。爆殖核爆砕戦の結果、大阪城周辺に抑え込まれていた攻性植物達に、新たな動きがあったようだ」
 至急、現場に向かって事態の収拾に努めて欲しい。そう言って、クロート・エステス(ドワーフのヘリオライダー・en0211)は集まったケルベロス達に、自らの垣間見た予知について語り始めた。
「今回、攻性植物の連中は、大阪市内への攻撃を重点的に行おうとしているようだ。恐らく、大阪市内で事件を多数発生させて一般人を避難させ、大阪市内を中心とした拠点の拡大を考えているんだろう」
 大規模な侵攻でこそないが、このまま放置すればゲート破壊成功率も徐々に下がり、攻性植物との決戦が不利になる。それを防ぐ為にも、まずは敵の侵攻を完全に防ぎ、その上で隙を見つけて反攻に転じなければならないとクロートは告げた。
「今回、現れる敵は、サキュレント・エンブリオと呼ばれる巨大な攻性植物だ。全長、およそ7m……。巨大ロボ型のダモクレスに匹敵する大きさの相手だな。敵は魔空回廊を通じて大阪市内に出現し、そのまま人間を求めて市街地へ向かうところまで予知できたぜ」
 幸い、敵の出現位置は特定できているので、出現後の避難誘導は警察や消防の協力を要請できる。だが、それでも市街地での戦闘となる以上、被害を減らすためには短期決戦での撃破が望ましい。
「敵はサキュレント・エンブリオが1体のみで、配下の類は確認されていない。武器として用いるのは、触手状に発達した多数の根だ。これを絡み付かせて動きを封じたり、一度に纏めて周囲を薙ぎ払ったりする他に、相手に突き刺して体力を奪うこともできるから、注意してくれ」
 その動きこそ、のんびりと浮遊しているようにしか見えないが、しかし敵の得意とする間合いは攻撃特化。油断していると思わぬ大ダメージを受け兼ねないので、地の利も考えて上手く立ち回る戦い方を要求される。
「サキュレント・エンブリオが出現する地域の周囲には、中高層の建物も多いからな。電柱やビルを立体的に使って、攻撃時の移動経路の確保や3次元的な戦い方を工夫すれば、少しは有利に戦えるかもしれないぜ」
 市街の被害は、最終的にヒールで回復する事ができる。大切なのは、確実かつ迅速な敵の撃破だと、クロートはケルベロス達に念を押し。
「今回、敵の動きが事前に察知できたのは、お前達ケルベロスが警戒を続けていてくれたおかげだからな。この行動を無駄にしないためにも、確実に敵を撃破してくれ」
 未だ攻性植物の脅威に晒され続けている大阪に、これ以上の涙は要らない。最後に、それだけ言って、クロートは改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
ペテス・アイティオ(ぺてぺて・e01194)
燈家・陽葉(光響射て・e02459)
ロウガ・ジェラフィード(金色の戦天使・e04854)
スヴァルト・アール(エリカの巫女・e05162)
真上・雪彦(狼貪の刃・e07031)
八神・鎮紅(夢幻の色彩・e22875)
折平・茜(モノクロームと葡萄の境界・e25654)
灰山・恭介(地球人のブレイズキャリバー・e40079)

■リプレイ

●謎の浮遊植物
 真昼の市街地を浮遊する、巨大なクラゲを思わせる攻性植物。サキュレント・エンブリオ出現の報を受けて出動したケルベロス達であったが、いざ実際に対峙してみると、その大きさと異様さは報告で聞いていた以上であった。
 その1本1本が意志を持った生き物であるかのように、獲物を探して揺れ動く多数の根。それら全てを束ねている本体もまた、まるで複数の球根が融合したかのような姿をしている。
「何を想い、何処を目指しているのか、気掛かりではありますが……」
 物言わぬ敵を前に、しばし思案する八神・鎮紅(夢幻の色彩・e22875)であったが、直ぐに首を横に振って気を取り直した。
 敵は言葉を語らない。ただ、ひたすらに繁殖と侵食を繰り返すのが、攻性植物の性なのだとしたら。
「いえ、愚問でした。……早々に、幕を下ろしましょう」
「よし! それじゃあ、風穴開けに行こうか!」
 鎮紅の言葉に、燈家・陽葉(光響射て・e02459)が頷き弓を番える。弓の左側ではなく、敢えて右側に矢を添える構え。それが意味するところは即ち、命中よりも速射性を重視したということに他ならず。
「攻性植物、ずっと鳴りを潜めてましたけど、ようやく動き出しましたね。みんなで命がけで守ったこの街、もうあなたたちに渡したりしないです!」
 降り注ぐ矢を触手根で懸命に払おうとするサキュレント・エンブリオの様子を見て、ペテス・アイティオ(ぺてぺて・e01194)が堂々の宣戦布告。そんな彼女が身に纏っているのは、大型ミサイル……ではなく、巨大なタケノコの形をした鎧だった。
「対植物戦争装備……そう、これしかないです! たけのこ着ぐるみアーマー! 全世界の皆さん、心を一つにしてパワーをたけのこに……って、これ重くて飛べないですよ!?」
 そう言って高々と飛び上がったのはいいが、しかしアーマーが重過ぎた模様。哀れ、ペテスはビルの上から真っ逆さまに落下して、そのまま豪快に舗装道路へ突き刺さった。
「うぐぐ……抜けないです……。これじゃ動けな……あぅっ!?」
 完全に丸腰無防備状態のペテスに、サキュレント・エンブリオが容赦なく触手根を突き刺した。ケルベロスの専用防具でも何でもないアーマーは一瞬にして大破し、触手根の先がペテスの身体から、恐ろしい勢いで生命力を奪って行く。
「予想以上の攻撃範囲ですね。ならば……」
 触手根のリーチの長さを考慮しつつ鎮紅が長剣を掲げて星辰の紋様を呼ぶが、しかし前衛に味方が固まり過ぎているのか、思ったように効果を発揮してくれなかった。だが、それでも多少の効果はあったのか、ペテスがなんとか立ち直ったが。
「危なかった、倒されるかと……って、たけのこ着ぐるみアーマーまでヒールされてる!?」
 残念ながら、アーマーまでヒールされたことで、再び地面に突き刺さっていたが、それはそれ。
「未だ侵略と戦争の傷跡残るというに……それを広げようとするのか、何と酷いことを……!! だが、この地は必ず護り抜く。この盾に誓って!」
「散々命を弄んでおいて、まだ飽き足らないか! 絶対に貴様らの勝手は許さん!」
 未だ地面に突き刺さっているペテスのことはさておいて、ロウガ・ジェラフィード(金色の戦天使・e04854)と灰山・恭介(地球人のブレイズキャリバー・e40079)が同時に仕掛けた。
「煌めけ!! 闘志を宿した破壊の光!!」
「人々の命を脅かす攻性植物! 俺が相手だ!」
 ライフルから放たれた膨大な魔力の奔流。それが敵の中心を捉えるのと同じタイミングで、恭介が雷の霊気を宿した刃を突き立てる。だが、深々と刃を刺し込んだにも関わらず、敵は少しばかり揺れて体勢を崩しただけだ。
 サキュレント・エンブリオは、その巨体故に鈍重ではあるものの、見た目に違わぬ高い耐久力を誇っているようだった。高い攻撃力も脅威ではあるが、それに臆して仕掛けるタイミングを逃してしまえば、戦況はより不利な方へと流れてしまう。
「こちらにも居ますよ。斬って燃やしてぶっすり潰してやります、デカブツ」
 すかさず、恭介に続けて折平・茜(モノクロームと葡萄の境界・e25654)が敵の巨体を蹴り飛ばしたが、その衝撃は肉厚な表皮によって殺された。だが、それでも敵の足を止めるという目的であれば、十分に果たせていたのは幸いか。
「なりはともかく、浮遊している事とリーチの長さは厄介ですね」
 冷静に状況を分析しつつも、スヴァルト・アール(エリカの巫女・e05162)もまた潜んでいたビルから窓を割って飛び出すと、淡い桃色の蝶を纏って一気に敵へと肉薄した。
「秘密のひとときはいかが?」
 美しい花には、美しい蝶がつきものだ。もっとも、その美しさに見合う者でなければ、激しい痛みに貫かれるだけだが。そう結んで、痛烈な一撃をお見舞いしたところで、すぐさま敵から身を離し。
「市街地まで行かせねえよクラゲ野郎。墜落まで、カウントダウンと行こうじゃねえか」
 続けて、ビルの上から飛び掛かった真上・雪彦(狼貪の刃・e07031)が、真上から敵に刃を突き立てる。雷鳴が弾け、緑色の汁が溢れ、青臭い肉片が返り血の如く飛散した。

●触手根包囲網
 真昼の市街地に響き渡る轟音。およそ7mの巨体を誇るサキュレント・エンブリオの攻撃は、その1つ1つが凄まじく重い。四方八方へ伸ばされた触手根に死角は少なく、地上に貼り付いていては真上を取るのも一苦労だ。
「うわわ! こ、こっちに来ましたです!」
 薙ぎ払うようにして繰り出された触手根を、ぺテスが済んでのところで身体を屈めて回避した。だが、それで目測を失った触手根は周囲の建物を纏めて薙ぎ倒し、仲間を庇うようにして立ち塞がったロウガでさえも、盾諸共に吹き飛ばした。
「……貴様なぞに、この盾は通せぬよ」
 それでも、不敵に笑って立ち上がるロウガだったが、言葉とは反対に消耗は激しい。味方の大半を前衛に特化させた超攻撃型の布陣は、同じ隊列を一度に狙われた場合、庇う側の負担も増大するのだ。
「……っ! やってくれたな……」
「まさか、ビルごと薙ぎ払うとは……。建物の中に身を隠すのは自殺行為ですね……」
 崩れ落ちた瓦礫の中から這い出す恭介を見て、ビルの中に身を隠そうとしていたスヴァルトは思い止まった。
 攻撃を食らわせ、次の瞬間には建物の中に身を隠す。それで敵の射程から逃れられると思っていたが、甘かった。サキュレント・エンブリオからすれば、石の箱の中に相手を追い込んだも同じこと。建物諸共に破壊したところで、攻性植物には何のデメリットもないのだから。
 グラビティ以外ではダメージを受けないケルベロスとはいえ、これは少々厄介な話だった。確かに、崩落するビルの瓦礫に潰されても、ケルベロスであれば死なないだろう。しかし、ここで瓦礫に阻まれて足を止めてしまったら最後、敵から執拗に狙われるのは目に見えている。
「ま、まだですよ! 神にネクタルあろうとも、地には人の叡智たるウーロンがあるです!」
 このまま纏めて一掃されては堪らないと、ペテスが霧状になった大地の精髄を散布した。が、前衛の数が多過ぎたのか、霧は大きく拡散してしまい、本来の効果を発揮しなかった。
「回復は、こちらで行います。皆さんは、その間に攻撃を」
 同じく、スヴァルトが薬液の雨を降らせてフォローするも、やはり対象が多過ぎる状況では、いつものように事が運ばない。射手に回るはずのものが、本来予定していた間合いとは異なる場所から攻撃を仕掛けているため、中衛や後衛と比較しても前衛が多過ぎるのだ。
「舐めやがって……。こうなりゃ、攻撃あるのみだ! 速攻で倒しゃ、同じことだぜ!」
 未だ癒えぬ傷口を強引に抑え、雪彦が叫んだ。歯車の狂ってしまった部分はあるが、それでも物は考え様。当初の予定より火力は上がっているのだから、それに任せて押し切るのも容易なことだと。
 先の攻撃で、足場に使えそうなビルは倒壊していた。しかし、やはり物は考え様だ。真っ直ぐに建っているビルだけが、敵へと繋がる足場ではなく。
「デカブツが! これでも食らいな!」
 崩れ落ちるビルの瓦礫を仮初の足場にして飛び回りながら、雪彦は一気に敵へと近づき斬り付けた。雷ではない、空の霊力を帯びた斬撃だ。単発では効果を発揮しないそれは、しかし既に与えられた傷口があれば、そちらを大きく広げる力を持ち。
「正面は任せてください。鎮紅さんは……続けて頼みます」
「ええ、分かりました」
 答えも聞かずに突っ込んで行く茜に苦笑しつつ、鎮紅もまた愛用のダガーナイフを構えて地を駆けた。
 一瞬、壁を垂直に駆け上がり、そのまま宙を蹴って茜が肉薄する。続く鎮紅は、こちらは斜めに倒れた電柱を駆け登ると、弛んだ電線に足を掛け、ゴムのように反動を利用して跳び上がった。
 唸りを上げて襲いかかるチェーンソーの刃が、歪な濃紺のオーラを纏う二振りのナイフが、それぞれにサキュレント・エンブリオの身体を斬り付ける。さすがに、これは効いたのか、敵は多数の触手根を大きく揺らすと、巨体を震わせながら隣の建物に激突した。
「また飛ばせはしないよ。響け、大地の音色」
 間髪入れず、陽葉が弓の弦を鳴らせば、それは巨大な力の奔流となって敵の足元を砕き崩す。
 鳴弦。弓に矢を番えずに、弦だけを鳴らす技だ。共鳴する音は崩れた瓦礫を巻き上げて敵の真下から襲いかかり、再び浮上するのを許すことなく。
「まだだ! これも持って行け!」
 好機とばかりに、恭介が地獄の炎を宿した日本刀を片手に瓦礫の山を駆け上がった。
「これは蹂躙された人々の怒りの炎だ! 存分に味わえ!」
 燃える刃が、触手根の先を纏めて斬り落とす。消えぬ炎は瞬く間に敵の身体へと燃え移り、徐々にだが確実に、その身体を蝕み始めていた。

●爆散する胚
 戦いの流れは、いつしかケルベロス達の優勢へと変わっていた。
 互いに死力を尽くした殲滅戦。真っ向勝負の殴り合いになれば、最後に物を言うのは火力と手数。
「まだ、行けますか?」
「ええ……なんとか……」
 鎮紅の問いに頷いて答える茜だったが、既に彼女は満身創痍。見れば、前衛に立っている者の大半が、何故立っていられるのか不思議な程にまで消耗してしまっている。
 だが、それは敵も同じこと。度重なる攻撃の雨を受け続けた結果、もはや宙に浮いていることさえ難しいようで、徐々にだが確実に、その高度を落としつつあった。
「正面……捉えた!」
 すかさず陽葉が矢を番えて放つが、少しばかり威力が足りない。属性のバランスを欠いた状態では、最大火力とは言い難い。
 もっとも、この技の本領は破壊ではなく撹乱だ。実際、矢を受けたサキュレント・エンブリオは、もはや敵味方の区別さえついていないのか、無茶苦茶に触手を振り回して無意味に暴れているだけだ。
「どうやら、そろそろ向こうも限界みたいですね」
「なにを萌芽させる気か知りませんけど、絶対に止めてみせるです」
 スヴァルトの投げ付けたバールの一撃が敵の身体の中心を確実に捉え、ペテスの呼び出した火竜の幻影が激しい炎で触手根を焼く。
「よし、このまま一気に押し切るぞ!」
「ああ、任せろ! 欠片も残さず、消滅させてやる!」
 ロウガの言葉に、恭介が俄然やる気を出して、地獄の炎を燃え上がらせた。
 このまま無駄に、命の削り合いをするつもりはない。決める時に決めなければ、それだけ街の被害も増す。
「煌めけ!! 決意を宿した略奪の光!!」
「貴様の肉片……いや、葉の一枚たりとも残さん! 全て焼き尽くしてやる!」
 全てを凍らせる閃光が、全てを焼き尽くす炎の竜が、それぞれに天を駆け、目の前の敵へと襲い掛かる。凍結し、脆くなった箇所を砕くようにして、火竜は文字通り敵の全てを焼き尽くさんと奮闘するが。
「……まだ、足りてない。だったら……」
 やはり、相手が巨大過ぎるのか、少々手間取っているようだ。ならば、これは駄目押しだとばかりに、茜は異形の羊を具現化し。
「……具現化するは魂の異形……。その爪牙をもって……命の炎、戴きます……!
 群がる羊がサキュレント・エンブリオの肉体を食らえば、その力は炎として排出され、後に残るのは凍てついた傷痕のみ。もはや敵に抗うだけの力はないと判断し、最後は鎮紅と雪彦が上下から仕掛けた。
「其の歪み、断ち切ります」
「禍に狂え、月に酔え……AAAaaAAAAAaaaa!!」
 敢えて触手根の多い真下から、鎮紅は迫り来る根の先端を捌きつつ、深紅の刃で斬り付ける。その一方で、雪彦は刃片手に敵の上へ舞い降りると、本能に任せて滅多刺し!
「落ち、やが、れェェェェ!!」
 荒れ狂う獣さながらに、徹底して相手の杯を潰し続ける。そんな雪彦の気迫に気圧されしてか、とうとう敵も力無く大地へと落下して。
「あ、やりましたようで……えぇっ!?」
 思わず駆け寄ろうとしたペテスの前で、盛大に爆散して息絶えた。

●束の間の休息
 戦いの終わった市街地にて。
 街のヒールを終えたケルベロス達は、改めてサキュレント・エンブリオが倒された場所へと目をやった。
 今のところ、何か目立った痕跡のような物は残されていない。だが、その場にいた何人かは確実に感付いていた。この戦いは、ほんの始まりに過ぎないであろうということに。
「……最後のあれ……。胚が……爆発したように見えましたけど……」
「ああ、俺にも見えた。恐らく、あれは……」
 攻性植物の胞子かもしれない。茜の言葉に重ねるようにして、ロウガはそこまで告げると言葉を切った。
 単に倒すだけでなく、徹底して焼き尽くせば良かったのか。否、それでも無理だろう。最後に、雪彦の一撃を食らって倒れたサキュレント・エンブリオは、まるで示し合わせていたかの如く、自ら爆散したようにも見えたのだ。
(「……圧倒的な力とその巨大さに蹂躙される……。そんな光景は、あってはならない。……もう二度と」)
 これから先のことを考えて、スヴァルトは大きく息を吸い、天を仰いだ。
 再び始まった、大阪の街への攻性植物による大侵攻。そう遠くない内に次の戦いが始まることを予感しつつ、ケルベロス達は修復された街を後にした。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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