求めるものは極上の愛

作者:秋津透

「あ、あれ?」
 神奈川県海老名市、某ターミナル駅前の空中回廊。
 回廊につながる何処かに特に用があるというわけでもなく、春の日差しの中、ぽやぽやとお散歩していたリディア・リズリーン(想いの力は無限大・e11588)は、ある区画を曲がったところで、急に周囲に人の気配がなくなったことに気が付いた。
「こ、これは……もしかして」
「はじめまして、リディア・リズリーン。あなたのことは、アホの「コーディアライト」が送ってきた情報で知ったんだけど……うーん、直接会ってみると、確かに他人の気がしないなぁ」
 妙に馴れ馴れしい口調で、ピンクの髪に赤紫を基調とした衣装をまとった少女が告げる。
 天真爛漫な表情と容姿だけなら、軽くて可愛い今どき女子で通りそうだが、いかんせん、その手に携えられた禍々しい形状の漆黒の大鎌が、この少女が極めて危険な存在であることを雄弁に語っている。
 そして、あまり目立たないが、胸元にかけたメダルの一部を覆うモザイクが、彼女の素性を示してる。
「……ドリームイーター?」
「ええ、激情の紅煌石「ユーディアライト」よ。よろしくね」
 まるで邪気のない笑顔でドリームイーターは名乗り、そのまま一方的に言葉を続ける。
「あたし、あなたの持ってる極上の愛が欲しいの。アホの「コーディアライト」が、消え際に何だかんだごちゃごちゃ言ったみたいだけど、そーゆーの一切抜きで、ドリームイーターの本分に則り、あなたの感情をもらいたいのよ。くれない?」
「……あげない」
 表情を引き締め、リディアは夢幻の大鎌『ラ・クラルテ』を構えて応じる。その傍らに、サーヴァントのテレビウム『ナノビィ』が姿を現わす。
「私が極上の愛を持ってるのかどうか正直わかんないけど、もし持ってたとしても、ドリームイーターなんかにくれてやるつもりはないわ」
「あっそ」
 じゃあ力づくでいただくわ、と、「ユーディアライト」は笑顔のまま、漆黒の大鎌を振りあげる。髪の色こそ金髪とピンクで異なるが、確かに「ユーディアライト」の闘気はリディアに酷似し、しかも狂猛さだけは大きく勝っていた。

「緊急事態です! リディア・リズリーンさんが、彼女の持つ極上の愛を狙う強力なドリームイーター、激情の紅煌石「ユーディアライト」に襲われるという予知が得られました! 急いで連絡を取ろうとしたのですが、連絡をつけることが出来ません!」
 ヘリオライダーの高御倉・康が緊張した口調で告げる。
「彼女は海老名市駅前の空中回廊にいるはずなので、今すぐ全力急行します! 一刻の猶予もありません!」
 そう言って、康はプロジェクターに地図と画像を出す。
「現場はここです。ドリームイーター「ユーディアライト」は漆黒の大鎌を装備し、簒奪者の鎌のグラビティすべてを、非常に高い威力で駆使することができるようです。更に、この鎌はドリームイーターが持つ鍵の機能も備えています。また、外見上モザイクが目立ちませんが、モザイクヒーリングも使えるようです。ポジションは、キャスターではないかと思われます。恐ろしいほど強い相手ではないようですが、それでも一対一……いや、サーヴァントを加えた二対一ですが、やはりリディアさんの勝ち目は薄いでしょう」
 そして康は、一同を見回して続ける。
「幸いというか何というか、敵は単体で、増援は呼ばず、撤退もしません。相手を斃すか、リディアさん……と、救援に入った皆さんが全員斃れるか、どちらかになります。どうかリディアさんを助けて、ドリームイーターを斃し、皆さんも無事に帰ってきてください」
 よろしくお願いします、と、康は深々と頭を下げた。


参加者
八蘇上・瀬理(家族の為に猛る虎・e00484)
ミツキ・キサラギ(剣客殺し・e02213)
斎藤・斎(修羅・e04127)
上野・零(焼却・e05125)
リディア・リズリーン(想いの力は無限大・e11588)
南條・夢姫(朱雀炎舞・e11831)
ディオニクス・ウィガルフ(否定の黒陽爪・e17530)
藍川・夏音(死塗れの悪逆・e44239)

■リプレイ

●愛を求め、怨みを受ける
 神奈川県海老名市。ターミナル駅を囲む空中回廊の一角で、大鎌を構えた二人の少女……ケルベロスのリディア・リズリーン(想いの力は無限大・e11588)とドリームイーター『激情の紅煌石「ユーディアライト」』が対峙する。
 一見無垢で無邪気な、しかしどこか狂気を孕んだような笑みを浮かべるドリームイーターに対し、リディアは表情を引き締めて言い放つ。
「私が、あんたが求める『極上の愛』とやらを持っているのかどうかは分からない。むしろソレは、私自身が日々求めているモノだから……だけど、一つだけハッキリ言える事があるよ」
「なあに?」
 笑みを浮かべたユーディアライトは、優しく訊ねる。リディアは気合を籠め、切りつけるような口調で応じる。
「愛っていう気持ちは……決して、他人から奪い取れるモノじゃないッ!!」
「……ふぅん」
 無邪気な笑みを崩さず、ユーディアライトは小首を傾げる。リディアはそのまま、勢いよく言葉を続ける。
「私はケルベロスになって、色んな人に出逢った。自分より大事な仲間達が沢山出来た。世界で一番大事な人も出来た。そうやって、自分の心に自然に宿ったモノだからこそ! 凄く大切で! とっても強い、感情(チカラ)なんだッ!」
「ええ、わかってる。だからこそ、是が非でも、どんな危険を冒してでも、奪い取りたいの」
 笑みを浮かべたまま、ユーディアライトは応じる。
「あたしは、ドリームイーター。他人から奪わなければ、どんな感情を持つこともない。喜びも、怒りも、怖れも、感激も、侮蔑も、嫉妬も、怨恨も、憎悪も、渇望すらも、すべて他人から奪って身につけた」
 そう言うと、ドリームイーターの少女は大鎌を構えたまま、軽く肩をすくめてみせた。
「実はね、愛という感情そのものは、既に奪って手に入れてあるの。だからあたしは、何かを愛おしく、大切に思うことはできる。でも、自分自身よりも大切に思うことはできない……それができるのは、極上の愛の持ち主だけ」
 そしてユーディアライトはリディアを見据え、笑顔のまま小さく舌なめずりをしながら妖しく告げる。
「ほしいわぁ……ちょうだぁい……」
「やだーっ!」
 リディアが思わず、悲鳴のような声をあげた瞬間。
「……そうか。ドリームイーターは他者から奪わないと感情を持つことができないのか。……しかし、すべてのドリームイーターが、そうなのかな?」
 呟きながら、降下してきた上野・零(焼却・e05125)が、リディアとユーディアライトの間に割って入る。
「……ともあれ、リディアさんは確実に助ける。……君が、極上の愛を手に入れることはできない」
「やっぱり来ちゃったのね、助っ人のケルベロス……まあ、助けが来るのは当然かもしれないけど、どうしてこうも早々と襲撃がバレちゃうんだろ?」
 仕方ないわね、と、笑顔のままで零に向き合い、ユーディアライトは訊ねる。
「で? 助っ人は何人ぐらい来るの? あなた一人だけ?」
「……いいや。……君の望みを砕くに足りる程度の人数は確実に来る」
 あくまで大真面目に零が告げ、同時に八蘇上・瀬理(家族の為に猛る虎・e00484)が降下、着地する。
「自力で愛を育むことがでけん種族か……可哀想やけど、しゃあないわな」
 ま、うちらがおる以上、リディアさんには手出しさせへんけどな、と、瀬理は言い放ち身構える。
 更に南條・夢姫(朱雀炎舞・e11831)が、リディアのやや後方に着地する。
「前回の相手よりは、手強そうな感じですね」
 ユーディアライトを鋭く見据え、夢姫は呟く。
 するとドリームイーターは予備動作なしで、いきなりリディアに斬りかかる。
「もたもたしてると、不利になる一方……さっさとやっちゃいましょ!」
「やらせへんわ!」
 瀬理が素早く飛び出し、身を以てリディアを護る。
「わあ、すっごく献身的ね……ねえ、もしかして、あなたも極上の愛を持ってる? あたしにくれない?」
「やらんわ!」
 瀬理は相手を睨み据えながら、分身術を自分自身に仕掛け、ダメージの治癒と状態異常耐性を付与する。
 そこへ零が鉄塊剣『聖鉄十字剣』を振るい、容赦なく攻撃を仕掛ける。
「……誰を狙ってる。……君の敵はこちらだ」
 淡々と告げながら、零は力任せに『聖鉄十字剣』を叩き付ける。ユーディアライトは大鎌で受けようとしたが受けきれず、身体をくの字に折って吹っ飛ばされる。
 メディックの夢姫は、瀬理へ治癒を飛ばす。そこへ降下してきた斎藤・斎(修羅・e04127)は、オリジナルグラビティ『みんなの恨み(ミンナノウラミ)』を発動させる。
「ねえ、手伝ってよ」
 告げる斎の声は穏やかだが、それに応じて出現したのは無数の人型の黒い影。砂嵐のような颶風とともに、ユーディアライトに襲い掛かる。
「怨恨の塊? でも、これであたしを傷つけることはできないわ」
 告げるドリームイーターへ、斎は淡々と応じる。
「ええ、直接ダメージを与えることはできませんが……いいんです。邪魔ができれば」
 そうは見えないかもしれないが、これは命中率を高める治癒グラビティ。前衛の攻撃を当たりやすくするとともに、瀬理のダメージ回復も行っている。
「よっしゃ、当ててやろうじゃねぇか!」
 斎の直後に降下したディオニクス・ウィガルフ(否定の黒陽爪・e17530)が、獣化した拳を振るい、強烈な一撃を叩き込む。斎が召喚した黒い影にまとわりつかれたユーディアライトは、鳩尾に痛撃を受け、再び身体を折る。
「くううっ……」
 呻くドリームイーターの表情から、笑みが消える。そこへミツキ・キサラギ(剣客殺し・e02213)が、オリジナルグラビティ『朔月(サクゲツ)』を放つ。
「狐月三刀流、ミツキ・キサラギ。いざ参る! イヤァァッ!」
 気合とともに鞘走る喰霊刀の一撃を、ユーディアライトは黒い影の妨害を振りほどいて躱す……と見えた瞬間、右の抜刀をフェイントにして左から無拍子の一閃が放たれ、ドリームイーターの胸元を大刀『今月今夜』が真一文字に斬り裂く。
「うくっ……!」
「前回の……なんて名前だっけ。まあいい、こいつが例の選り抜きの刺客とやらだな」
 ミツキの言葉に、ユーディアライトは再び表情に笑みを浮かべる。
「アホの「コーディアライト」の戯言を真に受けてるの? お生憎様、あたしはあたしの意志だけで動いてる。リディア・リズリーンを問答無用で抹殺しようなんて……そんなもったいないこと、できないわ」
「感情を奪うのと殺すのは、同義じゃないの?」
 リディアが訊ねると、ユーディアライトは笑顔で答える。
「ええ、感情だけ奪って殺さないという技もあるわよ。それなら受けてくれる? 感情を奪われた定命者は、意識を失うけど死なないわ」
「お・断・り・し・ま・す!」
 パッチワークの魔女たちが使ってたアレね、と、リディアは身を震わせる。感情を奪われて意識を失いっぱなしなんて、ある意味死ぬよりタチが悪い。
 そして、最後に降りてきた藍川・夏音(死塗れの悪逆・e44239)が、リディアを見やって告げる。
「初めまして、リディアさん。ご無事のようで、何よりです」
「あ、ありがとう。来てくれて感謝よ! もちろん、他のみんなもね!」
 リディアは改めて、参加の一同に礼を述べる。一方、夏音はユーディアライトに視線を向けて呟く。
「愛……愛……私にはまだ、よく分からないけど、とりあえず斬ればいいのね。難しく考えなくていい分ありがたいわ」
 言い放つと、夏音は虹を描く飛び蹴りを叩き込む。
「くっ……斬ればいいと言っといて蹴ってくるって、反則じゃない?」
 笑みを消して唸るドリームイーターに、夏音は昂然と言い返す。
「そうかもしれないけど、デウスエクスからの抗議は一切受け付けないわ!」

●愛を持つのは誰? 愛を求めるのは誰?
「……参ったわね。ちっとも攻撃が通りゃしない」
 ユーディアライトは、忌々しげに唸る。何回か攻防が繰り返され、ドリームイーターはリディアを狙って攻撃を繰り出すが、瀬理と『ナノビィ』に阻まれて一撃も通らない。
「まったく、大事に護られているのね。嫉妬しちゃうわ」
 だけど、それなら、こうしたらどうかしら、と呟くと、ユーディアライトは大鎌を振りかざし、いきなりディオニクスへと振り下ろす。
「おっと、来るかぁ!」
 猛々しく笑ってディオニクスは身構えるが、そこへリディアが飛び込んでくる。
「させない!……うぐっ!」
「もらった!」
「おいっ! 狙われてるお前が飛び込んでどーすんだよっ!」
 大鎌の柄、鍵状になっている部分で肩を刺し貫かれて呻くリディアに、ディオニクスが慌てると呆れるが混ざったような声で叫ぶ。
「皆が私を護ってくれる……! だから私も、皆を護る……!」
 健気に応じるリディアだが、トラウマが発動したらしく、頭を覆って呻きだす。
「極上の愛……ほしいのよ、私が、ほしいの……持ってるわけないじゃない……こんなに愛に飢えているのに……皆からもらってる……たくさんの愛をもらってる……でも、それでも……私は愛がほしい……」
「……え?」
 リディアの反応に、攻撃したユーディアライトが、あっけにとられた表情になる。
「なにこれ? 愛を自分で育んで、満ち足りてるんじゃないの? 愛をもらいながら、愛に飢えている?」
「……理解し難いか。まあ、そうかもしれんな」
 私自身、愛について的確に語れるかと言われれば、まったく自信はない、と呟きながら、零がオリジナルグラビティ『疑似混沌(ワイルドリプロダクション)』を発動させる。
「……愛の理解については何も言えることはないが……代わりに、我が最悪を実感していただこう」
 一時的にワイルド化した青い瞳でドリームイーターを見据え、零は「暴走時の身体特徴」を「一時的」に「一部だけ」発現させる。強欲・憤怒・傲慢……三つの大罪、三つの地獄を叩き付けられ、ドリームイーターが悲鳴をあげる。
「何なの!? 何なの、これは!?」
「……これが、我が最悪……未知の感情だと思うが、私から奪ってみるかね?」
 淡々と告げる零に、ユーディアライトは怯えたように身を竦める。
 一方、瀬理はリディアに気力を送り、トラウマを消し、ダメージを治癒する。
「大丈夫? ……無茶せいへんといてな」
「ごめん……でも、護られてばかりじゃ……」
 荒い息をつきながら告げるリディアを、瀬理は複雑な表情で見やる。
 そして夢姫はリディアに向けて、サキュバスの種族治癒能力である濃縮した快楽エネルギーを桃色の霧として放出し、すみやかにダメージを消す。
 一方、斎は混沌を纏わせたエクスカリバールを振りあげ、相変わらず彼女が召喚した黒い影に付きまとわれているドリームイーターを一撃する。
「怨恨は未知の感情ではないのでしょうが……だからといって、舐めないでくださいね。怨恨で直接デウスエクスを殺すことはできないかもしれませんが、殺すための手助けならできるんですよ?」
 自分の手で引き裂くことができなくても、数が減るなら同じこと。誰かが引き裂いてくれるなら、喜んで支援に回りますよ、と、斎は淡々と呟く。
 そしてディオニクスが、オリジナルグラビティ『魘獄煉爪夢(オモイダセ)』を発動させる。
「よくもヒトをダシにして、リディアにトラウマ喰らわせてくれたなぁ? 倍にして返すぜぇ?」
 言い放つと、ディオニクスは爪に絶望の獄炎を灯す。
「過日の幻、薄暮の現、黄昏の夢、宵闇の真……汝が脳裏に刻まれし、棄て去れぬ者の面影よ……今一度、会い見える時……さァ……」
「ぎひぃ!」
 狼爪の一撃により獄炎を流し込まれたドリームイーターが、表情を歪ませる。
「許して! 許してくださいお母さま! もう我儘は言いません! お母さまの命令にはすべて従いますから、助けて! 助けてください! ああああ……ああああ……」
「……やれやれ」
 まさかこれで、母石とやらが救援の手を差し伸べるとは思えんが、と、ミツキが複雑な表情で呟く。
「だが、予断は禁物……情報が取れるとも思えねぇし、変な邪魔が入ったりする前に、とっとと片付けるとするか」
 踏ん切りをつけるように言い放つと、ミツキは右手の指の間に打刀二本を挟み、左手に大太刀『今月今夜』を持ち直して異形の三刀流を形成する。
「いくぜ……喰霊殲神剣、狐月三刀!」
 通常は二刀で放たれる喰霊殲神剣が、三刀で放たれる。もっとも、三刀目は敵に斬りかかるまでには至らないので、威力は二刀の場合と変わらないが、少なくとも見た目は凄まじく派手になる。
「ぎあっ!」
 トラウマに苛まれているユーディアライトは、もはやまともに躱すこともできず、喰霊殲神剣に切り刻まれる。身体のあちこちから、血液ならぬモザイクが溢れ、傷口を覆うこともできずに宙へ散る。
「リディアさん……」
「いえ、とどめが取れるなら……むしろお願い」
 声をかけた夏音に、リディアが応じる。トラウマの影響か、少し顔色が悪い。
 そして夏音は、満身創痍のドリームイーターに向けてオリジナルグラビティ『裂き誇れ、忌まわしき彼方の君よ(サキホコレイマワシキカナタノキミヨ)』を放つ。
「淀みの中より見るは一閃の先。この剣を以っていつか、神さえ屠ろう」
 喰霊刀『朋喰丸』に蓄積された呪いを一時的に自分へと伝播させ、夏音は見えてはならないナニカを捉え、異常なまでに洗練された剣撃を放つ。
 ドリームイーターの首がすっぱりと両断されるが、切断面から大量のモザイクが溢れ、強引に繋ぎとめる。
「……すみません。及ばなかったようです」
「とんでもないわ、ありがとう。やっぱり、私がやらなきゃいけないね」
 笑みを浮かべてリディアは夏音に応じ、もはや虫の息のユーディアライトを見据える。
「あなたは言ったわね。私が他人の気がしないって。その時は、何をバカなと思ったけど、今は私もそう思う。あなたは、愛を奪おうとして得られなかった。私は、愛を求めて与えられた。違いは、それだけ」
 呟いて、リディアはオリジナルグラビティ『【想いの力は無限大】(エモーショナルバースト・インフィニティ)』を、手にした夢幻の大鎌『ラ・クラルテ』から発動させる。
「これを受け取って、冥府へ行くがいいわ。全力全開を飛び越えろ……これが私の、愛! これが私の、無限大ッ!!」
 漲る想いと感情の奔流。その無限の力を蒼き炎として、宛ら荷電粒子砲のように撃ち出して相手に叩き付ける。
「ああ……」
 強大なグラビティエネルギーに直撃され、ユーディアライトは一瞬モザイクの塊と化したが、それはすぐさま宙へ溶け消える。漆黒の鎌も粉々に砕けて散り、後には何も残らない……かと見えたが、何かがキラリと光った。
「……」
 リディアは数歩前へ進み、きらりと光った何かを拾い上げる。それは、深紅の宝石。母性愛の象徴とされる紅煌石の欠片だった。

作者:秋津透 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月6日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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