重装小兵デストロイヤー・ソルジャー

作者:木乃

●ちみっこ少女の好奇心
「戦士とは斯くあるべし、と……最後に言われたのはいつ頃じゃったかのう」
 マリー・ビクトワール(ちみっこ・e36162)は市街を離れ、郊外を宛てもなく散歩していた。
 『なんとかなる』を信条に地上へ飛び出し、多くの出会いと経験が『由緒あるドワーフの戦士』として成長させてくれている。
 ぼんやりと歩いているうちに、廃棄された工場群の近くに来ていた。
「…………たまには寄り道するのも面白そうじゃな!」
 見ればフェンスに破けた穴があり、ドワーフのマリーなら通れるサイズ。
 未知の廃墟群への潜入を好奇心が後押しする。
「勿体ないのう、遊園地や動物園に改装すれば……………む?」
 さわさわと風の音に混じる、微かな異音。
 ――好奇心の塊となったマリーは発生源を探し、奥側の廃工場で足を止める。
 まだ稼働している機械でもあるのか? 一体なにが動いているのか?
 興味は尽きることなく、遂に工場内に踏み入らせた。
「なんじゃこれ?」
 音の出所はマリーより僅かに大きい機械だった。
 ロボットアームがついた姿から、廃棄された作業用ロボットだろうか?
「しっかし、珍妙な作業ロボじゃのう……コンコン」
 興味本位で小突いた微かな衝撃が――――『それ』を起こしてしまった。
「…………高濃度の、グラビティ・チェイン、検出――コレより、状況を、開始スル」
 独り言ちる『それ』は、収納していた推進器を展開。ホバリングと同時に加速装置を起動させる。
「な、なんじゃああ!?」
 目覚めた機械はマリーを轢殺しようと突撃を仕掛けるが、すかさずドッチロールで回避し向き直る。
 機械――否、機動兵器は収納していた兵装を次々と展開させ、バックパックから巨大な戦斧を取り出し、機械腕で器用に構える。
「デストロイヤー・ソルジャー。コレより、作戦ヲ、開始スル」
「わらわよりほーんのちょっとデカい分際で、同じ得物を使うとは……イイ度胸じゃな寝ぼクレス!!」
 感情的なマリーの態度と対照的に、再起動した重装兵は無感情に刃を向けた。

「マリー・ビクトワール様がデウスエクスと遭遇してしまう情景を予知しましたわ。どうやら廃墟となった工場群で、休止状態だったダモクレスが再起動した直後に襲いかかるようですわ」
 オリヴィア・シャゼル(貞淑なヘリオライダー・en0098)も少し戸惑った様子で話を続ける。
「連絡をとろうと試みたのですが、もう外出していらっしゃったようで……連絡をつけることが出来ず、このままではビクトワール様が危機に晒されてしまいます」
 オリヴィアのヘリオンも発進できる状態だという。大至急、マリーの救援に向かって欲しいと要請される。
「ビクトワール様は、長らく放棄されていた工場群でダモクレスと遭遇しますわ。周囲に市民は立ち入っていないため、避難誘導は必要ありません。戦闘に専念するようになさってくださいませ」
 マリーが遭遇したダモクレスは『デストロイヤー・ソルジャー』という。
「頑健な肉体をもつドワーフをモチーフに製造された試作機のようですが、随伴機もなく単独で行動しています。おそらく局地戦用の特殊モデルと思われますわね。休止状態で潜伏していたようですが、ビクトワール様と接触したことで再起動したものと思われます」
 つまり作戦行動に移る前に、ケルベロスと遭遇してしまったとも言える。
 運がいいのか、悪いのか……とにかく、市民に被害を出さずに対応出来るのはありがたい。
「戦闘方法はドワーフとレプリカントを合わせたようなタイプ、でしょうか……。メイン武装の巨大な大斧で動きを鈍らせ、回転式のミサイルで広範囲に対応。さらに防衛機構を最適化することで装甲を強化するようですわ」
 頑健な肉体を再現したせいか、特に耐久性に優れている点が難点だろう。
「ですが、強化装甲が増えたところでダメージは蓄積されますわよ。とにかく攻撃、しかして後方支援も忘れずに。油断せず対応なさってくださいませ」
 デストロイヤー・ソルジャーの情報もなしに戦闘すれば、持久戦に持ち込まれたときにマリーは圧倒的に不利になる。
「私も迅速にお連れいたしますわ。ビクトワール様の救援は手早く、頑丈な相手は強化装甲が増える前にどんどん解体してしまいましょう」


参加者
アイン・オルキス(矜持と共に・e00841)
穂村・華乃子(お誕生日席の貴腐人・e20475)
スノードロップ・シングージ(抜けば魂散る絶死の魔刃・e23453)
サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)
天羽生・詩乃(夜明け色のリンクス・e26722)
桔梗谷・楓(オラトリオの二十一歳児・e35187)
マリー・ビクトワール(ちみっこ・e36162)
レムル・ドルクルス(重砲機攻・e37058)

■リプレイ

●垂直落下型救援スタイル
 マリー・ビクトワール(ちみっこ・e36162)、そして目覚めたデストロイヤー・ソルジャーが廃工場で睨み合い、相対する。
 互いの視線で火花が散り、緊張の糸が張り詰めていた廃工場内部――その空気を豪快に粉砕するかの如く、天井代わりのトタン板が轟音と共に降り注ぐ。
 無論、この程度の崩落でケルベロスもデウスエクスも怪我はしない。
 舞い上がる土煙が薄れ始めたとき、7人の人影が輪郭を露わにしていく。
「マリーちゃんの危機と聞いて、重力に引かれたお姉さん達……ただいま参上よ!」
「怪我はねぇか!?」
 穂村・華乃子(お誕生日席の貴腐人・e20475)が高らかに口上をあげている間に、桔梗谷・楓(オラトリオの二十一歳児・e35187)がマリーの元へ。
「う、うむ…………怪我はない、のじゃ」
 突然の展開に目を丸くしていた少女だが、鮮烈な橙の瞳に見つめられ、小さく頷き返す。
 安堵する彼らに僅かな猶予を作るように、堅牢な機士へ助太刀の志人が速攻をかける。
「市民の危険を気にせず立ち回れるのは幸いだ、覚悟しろ小兵――――電磁兵装展開。モード、『斬』」
 腕部に秘めた機能を解き放つ。アイン・オルキス(矜持と共に・e00841)の両手を高圧電流が迸り、二種のオルキスウェポンが導線代わりに凶悪な電流を斬り込んでいく。
 続けざま、スノードロップ・シングージ(抜けば魂散る絶死の魔刃・e23453)が最上段から唐竹割りの如き両断をかける。
 さすが『頑健な肉体』を再現しようとしただけあり、叩きつけた反動はスノードロップの全身に響くようだった。
「高濃度の、グラビティ・チェイン。多数検知」
 ソルジャーも黙って受け続けている訳ではない。システマティックに状況判断し、アインへ反撃を仕掛ける。
 重装兵と思えぬ機動力で突進を防いだのは、サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)
 質実剛健のソルジャーに対し、流麗絢爛の言葉通りにサロメは衝撃を受け止める。
「危ないところだったね、ステイもお嬢さん方の援護を。 ――魔術師なのは君か私か 教えて欲しい」
 サロメは寂れた廃工場内に、華やかな歌劇場を思わす壮麗な歌声で満たす。天羽生・詩乃(夜明け色のリンクス・e26722)も、感情の昂りを感じながら弓を番えた。
「デウスエクスの好きにはさせられない……スノードロップさん、受け取って!」
 妖精の祝福を受け、矢は吸い込まれるように目標へ到達する。
 ライドキャリバーのジゼルカもエンジンが焼けつく勢いで突撃をしかけた。
 最適化するソルジャーの装甲を轢き潰し、華乃子もオウガ粒子の光で領域全てを覆うほどの輝きを放つ。
「お姉さんがフォローするわ! みんな、ガンガンいっちゃってっ」
「世話をかけるのじゃ、華乃子……わらわも参るかの!」
 燃え盛る獄炎を纏い、マリーがドワーフ伝統の高速回転式突撃術を見舞う。
 体格はほぼ互角。突き飛ばされるソルジャーは廃材に叩き込まれるが、すぐさま姿勢制御から回転式ミサイルを連続で放出する。
 詩乃とサロメが互いのサーヴァント共々、前に突出することでミサイルの爆撃を受け止める、その隙。
 レムル・ドルクルス(重砲機攻・e37058)が滑走しながらまっすぐ距離を詰めていく。
「……格闘装備 構え……突、撃……」
 携えるは不死の理を穿つ杭打ち機。装填された杭は放つのみ。
 装甲に風穴を開けようと狙った射出口は、直前でスラスターを噴出され、空を打ち抜く。
(「ほんとに……ドワーフが、モチーフ……?」)
 ドワーフのレムルにとって、自分達を模した外観でないことは疑問だが、そこはそれ。
 相手はあくまで効率性と合理性を追求する機械群。
 ドワーフの代償が『成長』ならば、この重機兵の頑丈さの代償は『鈍重さ』だろう。
 だが、ダモクレスには代償を補う技術力があった。
 豆戦車より重厚な外装を、戦場を駆る為の推進器を――まさに単騎で局地戦を制す為の設計。

 マリーが一人で相手するハメになっていたら……楓の怒りが沸点を超すには充分過ぎるもの。
 今日は野郎抜きの救援チーム。レディ達、そして大切な人の為に『本気の本気でやってやらぁ!』と楓は怪気炎をあげる。
「てめえ、誰の許可を得て襲いかかってやがるんだ!?」
 大地の宝杖が火花を散らす。青い宝珠は雷光を受けて煌めきを伴い――、
「鉄屑にしてやるからな!」
 宝杖の柄を地面に叩きつけると同時に、アイン達を稲光の障壁が包み込む。
 爆音と閃光でくらんだように怯んだ詩乃達も、感覚を取り戻すと再び動きだす。
 外装の隙間から伸びる、節足じみた細いアームで装甲の補強を行なうソルジャーだが、そのたびに強化装甲を削ぎ落とされ、強健な外装に傷を増やされていく。
 装甲を撃ち抜くレムルへ大斧による殴打を見舞い、小兵が軌道修正する一瞬……華乃子が懐に飛び込む。
「良いサンドバッグになりそうね――お姉さんの愛は痛いわよ!」
 液体金属が棘の突き出す篭手に変化する。
 愛という名の物理。物理という名の原稿ストレスを込め、華乃子のラッシュが外装の亀裂を増やしていく。
 重い連撃からアインの音速の拳が追加装甲を破砕する。
 頑丈すぎる装甲を打ち破る拳はまだまだ続いた。
「乙女の柔肌を傷つける凶刃は、速やかに取り除かないとね」
 ステイの応援を背に受け、サロメの流れるような手刀が装甲の亀裂を深めた。
 反撃のミサイル群を浴びながらも、スノードロップは果敢に得物を振るい、楓の放つ極光のカーテンが広範囲に広がる。
(「さすがにこの人数だと、ヒールが上手く行き届かねぇか……!」)
 前衛はサーヴァント含めて8人。
 ミサイルの威力は分散させられるが、楓1人で支えきるにも負担が大きく、治癒効果が充分に発揮できない。
 一発ぶん殴ってやろうという腹づもりであったが、口惜しさを噛み殺し、詩乃に緊急治療術を施す。
「ジゼルカ、こっちへ!」
 血だらけになりながら相棒を呼び寄せ、飛び乗る詩乃がアクセルをフルスロットルに引き絞る。
 マフラー部分が火を噴き、炎を纏う猛烈な突撃を仕掛け――激突直前に離脱する詩乃は発火装置を擲つ。
「小さくても強いってコンセプトなら、いっそう負けられないんだから!」
 着地と同時に、Code:Regulusを通して発火装置を起爆させていく。
 炎の連携で内部に熱気がこもったか。装甲の隙間から細い黒煙がもうもうと立ち始める。

「損傷、中破――攻撃を続行スル」
「えぇい無駄に頑丈な奴じゃのう! 今日のわらわは一味も二味も違うのじゃぞ!!」
 崩れた廃材を踏み台に頭上から飛びかかるマリーの一撃に、ソルジャーも大斧をぶつけ相殺したのを皮切りに、巨大な戦斧同士で切り結ぶ。
 華乃子の放ったオウガ粒子により命中率は五分五分。
 しかし、一撃の威力は攻撃的なスタンスのマリーに軍配が上がった。
 混沌が渦巻く斬撃で弾き飛ばすと、楓がすぐさま裂傷を縫合し、アインが追撃をかけようと一足で距離を詰める。
「パワー自慢も厄介だが、こうも守りが堅いとな……少しばかり喰らわせてもらう!」
 魂喰らいの刃によって本体の装甲の一部が宙を舞う。
 修繕箇所が増えたことで、最適化しきれない部位が増えてきたことが窺える。
「ダメージ……蓄積、されて……修復、厳し、そう……」
 ミサイルの雨に晒されそうになるレムルの前にステイが身をさらけ出し、着弾と同時にとノイズが走ったように固定化が崩れかける。
 爆風を突き破るように滑りこみ、レムルが小型ドローンの無数に展開する。
「――……行って、スティンガー……」
 鋭角に移動する小型無人機達はソルジャーの頭上を旋回し、搭載するレーザー砲で追い立てた。その砲撃するサマは群れを成し、狩りをする獣のようでもあった。
 回避しきれず被弾するソルジャーに、スノードロップも真っ白な花と漆黒の羽を顕現させる。
「死ト希望ヲ象徴する我が花ヨ。その名に刻マレシ呪詛を解放セヨ! ――――スノードロップの花言葉、アタシはアナタノシヲノゾミマス!」
 その光景は神々しくも、恐ろしいほど呪わしい。
 死の匂い立つ雪待草の花びらと、黒羽は不可視の一撃を伴って装甲を歪ませた。
「だいぶ足取りが鈍ってきたようだね、私からもプレゼントを贈ろう!」
 パチンッ! ――黒手袋で包んだ指が音を立て、重装兵の周囲に爆破が生じる。
「損傷……――パー、セン……要整備、じょう、た」
「てめぇは自分で修理できんだろうが、すぐにぶっ壊してやるけどな!!」
「意外とおしゃべりよね、おかげで状況把握しやすいわ!」
 再び最適化を図るソルジャーに華乃子は、回復の手が回りきらぬ楓をフォローしようと、再びメタリックバーストでアイン達をサポートする。
 研ぎ澄まされる集中力。追い込むべきタイミングこそ、一撃の命中率は重要な意味を持つ。

 戦斧に薙ぎ倒されるジゼルカも、ブスブスと煙と火花をあげ始めた――互いを意識せずにいる者が少なからずいるため、連携は思った通り噛み合わない……だが。
 だが、押し切れないほどの状況ではない。
「もう少しだけお願い――内蔵兵装起動、魔術回路と接続……完了」
 応急用のマニピュレーターを解放し、詩乃は相棒にグラビティを再装填させる。もう少し、あともう少しだけ耐えて欲しい!
 サロメが大斧の対処に回り、離れ際を狙ってレムルのライフルが電熱線を凍らせるほどの凍結レーザーで装甲板に一撃を撃ちこむ。
 堅牢な城塞といえど、幾度も打撃を与えればいつか朽ちるもの。
「孤独な小機兵、そろそろ終わりをくれてやる」
 モノであるが故に、限界があった――――アインのオルキスウェポンが清流の如き一閃を打ち込む。
 右肩から右胸部にかけての装甲が遂に砕けた。
 鈍い音を立てて転がる装甲。露出した箇所は焼け焦げた導線と、霜の生えた導線から白と黒の煙が火花と共に噴き上がる。
「見た目じゃ解りにくかったけど、だいぶ消耗していたみたいね」
「では、フィナーレの時間だ」
 終幕の時近し――最期の足掻きとばかりにミサイルを撒き散らす重機兵にサロメが、ステイが身体を張って止めにかかる。
 至近距離まで迫った華乃子の回し蹴りが、露出した導線ごと電子回路基板に衝撃を与える――電脳体の脳髄ともいうべき部分への大打撃に、ソルジャーのホバリングが不安定になった。
「やっぱ一発入れねぇと気が済まねぇな……――痛ぇだけじゃ済まさねぇぞ!」
 気合いを込めた楓の一喝が一陣の風を巻き起こす。
 カマイタチの如く斬り刻む烈風が容赦なく装甲を削り、脆くなった導線を絶ち、電脳体をさらに消耗させた。
「マリー、しっかり決めろよ!」
「楓……助かるのじゃ!」
 ソルジャーはバチバチと音が立つほど火花を炸裂させている。
「パー、ツ、八十八パー、大破……、ゼン、ぶい、改修、ひ、す」
「寝ぼクレス、改修なんぞ必要ないのじゃ!」
 ここで完全に破壊されるのだから。修復する必要性がどこにある?
 ドワーフたるマリー自身の、身の丈を越えた戦斧にグラビティが流れ込む。
 切っ先の先まで行き渡ったその一撃を、地獄の炎を背負うマリーが振り下ろした。
「――――わらわの必殺技、受けてみるのじゃ!」
 ドゴォォォォン……ッッ!!
 冴え渡る渾身の一撃は、勢い余って地面にまで亀裂を走らせた。
 露出した肩口から脚部には見事なまでの切口。煙を上げていた機体は瓦解するようにして崩れ落ちる。
 デストロイヤー・ソルジャーは、その身を粉にして朽ち果てた。

●宿世の縁
「金網があるなら蹴破る気でいたけど、まさか真上まで連れてきてもらえるとはね……たはは」
 到着時に大穴を開いたトタン屋根を塞ごうと、華乃子は修復に当たっていた。
 アインも廃材とはいえ、崩したままでは気になると元あった場所に片付ける。
「耐久戦というのも得難い経験だったけれど、お嬢さん達の傷つく姿を見るのは忍びないね」
「…………お、お嬢さんっ!?」
 戦闘中は気付かなかったものの、サロメの言葉に聞き慣れない詩乃は顔を赤くしてあたふたする。
 そんな様子を複雑そうに見つめながら、楓は応急処置に取り組む。
 否、『男気をみせただけでも充分』だと想ってくれる人はすぐ傍に居る。
「……おや、すみ……」
 重装小兵が居た場所を複雑そうに見下ろすマリーの隣で、レムルは静かに目を伏せた。ダモクレスとはいえ、ドワーフに近しく、戦う為だった存在を悼むような仕草――数瞬、静止したレムルは華乃子の修復作業の手伝いに向かう。
(「ドワーフをモチーフにしたダモクレス、じゃったか…………わらわが見つけてしもうたのも、なにかの因果かのう」)
 これが宿世の縁というものか……考えこむマリーの肩にポンと手が置かれた。
「だ、大丈夫か?」
 視線を合わせるように膝を折る楓の顔を見て、湧き上がる悩みは一瞬で吹き飛んだ。難しいことは置いておいて。
(「今考えてもしょうがないのぅ――――ま、なんとかなるじゃろ!」)
「心配かけてすまなかったの。今日集まった者、皆に感謝じゃ! 帰って宴にするのじゃ!」
 あれだけの激戦をこなしても、ちみっこ少女はまだまだ元気いっぱいのようだ。

作者:木乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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