優しきいのちの

作者:ヒサ

 夕刻、空波羅・満願(優雄たる満月は幸いへの導・e01769)は一人家路を急いでいた。
 いつもの路地を曲がる。いつもと違う景色に彼は眉をひそめた。行き交う人の姿が無いのだ。暗くなるまでにはまだ間のある時間、傍の公園にまで人気が無いなどまずあり得ない事。訝り視線を遣って彼は、
「……見つけた」
「────っ」
 ただ一人そこに居た者の姿に、目を瞠る。
「……母、さん?」
 『まさか』『やはり』『会ってしまった』『やっと会えた』『やっとこのひとを』──幾つもの思いが入り交じった風、青年の顔が歪む。
「ようやく、逢えた」
「待ってくれ、……いつから」
 微笑むのは白い女。虚ろなその目は、彼の姿を映してはいる、けれど。
「探していたのよ。ずっと……」
「父さんは? 一緒じゃ──」
 けれど、彼の声には応えない。彼の声など聞こえていないかのように。
「──おいで」
「……母さ、……違、違う、…………てめ、ぇ、は」
 女が微笑んで手を伸べる。ぞろり、彼女に絡む蔓が、花が、動く。けれどそれは、獲物へ狙いを定める如く。

 満願を狙う敵についてが判った為、ケルベロス達の力を借りたいのだと篠前・仁那(白霞紅玉ヘリオライダー・en0053)は口にした。
「現場は街中……道沿いの公園、なのだけれど。辺りに人は居なくなっているようだし、まんがんさんとも連絡がつかないの」
 彼は既に危険な状態にあるかもしれない、急いで向かって貰いたい、と彼女は言う。
 敵は女性の人型をした死神が一体。デスバレスから来た者では無く、サルベージされた死者だろうと仁那は続け、視たものの記憶を辿るよう眉を寄せる。
「彼女は、ええと、攻性植物を武器とする、ようよ。それで──」
 女性は満願に執着しているかの如き言葉を紡ぐが、おそらく『会話』は成立しないだろう。知能はきっと、生前のそれより遥かに劣る。また、他のケルベロス達が駆けつけたとしても、その全員を殲滅するというよりは、自身が倒されぬよう動く傾向がありそうだとも。
「だから、彼女は追い込まれたら撤退する可能性もあると思う。でも、こんな事何度もあっては困るもの、逃がさないよう、倒して来て貰えると、わたしは嬉しい」
 仁那は浅く息を吐く。多くのケルベロス達がそうであるように、危機に陥った者を彼女もまた案じていた。ゆえにこそ、お願いよ、と、未来を変える力を持つ者達へ後を託す。


参加者
空波羅・満願(喩え地獄に堕ちるとしても・e01769)
アイリス・フィリス(アイリスシールド・e02148)
リコリス・ラジアータ(錆びた真鍮歯車・e02164)
アイビー・サオトメ(アグリッピナ・e03636)
風鈴・響(ウェアライダールーヴ・e07931)
リュコス・リルネフ(銀牙迸り駆ける・e11009)
白銀・ミリア(白銀の鉄の塊・e11509)
ミゼット・ラグテイル(この手は離さない・e13284)

■リプレイ


 ──『黒縄』。盛る炎に呼ばれた如く、黒く、朱く。主を護る如く鎖す如く、熱を孕む。
 されど獄炎は、僅かばかり憂いを孕むに似て、揺らぐ。それは覆い隠した想いの代わりのよう。
(「……いや。俺がやらないで、どうする」)
 絡む蔓の下に拳を未だ解かぬ彼女へ向けて彼は、応じる如く拳を握る。振るったそれを受け止めたのは硬質に絡む蔓の盾。間近に来た獲物を喰らう為のようざわり蠢く様に彼は飛び退り。
「おにいちゃんっ!!」
「満願、無事か!?」
 その聴覚を打ったのはリュコス・リルネフ(銀牙迸り駆ける・e11009)の呼ぶ声、案じた白銀・ミリア(白銀の鉄の塊・e11509)の問い掛け、風鈴・響(ウェアライダールーヴ・e07931)の命に従い青年の前に割り込むヘルトブリーゼの駆動音。梔が地を侵す範囲から彼の体を弾き飛ばし護ったのはその主。
「ウェアライダールーヴ見参! 満願に手を出す気なら私達が相手になるぞ!」
「は……、っ、え?」
「兄様の身に危険が迫っているとの報せを受けまして──」
 傷ついた自分を庇うようすぐさま交戦に移った、見知った者達の凛々しい背を見、軽い混乱に陥る青年へ、小柄な女医が治癒を施す。彼女の目は敵の姿を確かめ束の間言葉を失ったが。
「──二葉の街で! 友さんの館の近くで!! 満願さんを狙って!!!
 何を! してやがる!!」
「よーし、ばしっとやっちゃいましょう! 頼りにしてます、アイビーさん!」
 常の穏和さを投げ捨てたアイビー・サオトメ(アグリッピナ・e03636)が竜砲を標的へと向ける。ドローンを展開するアイリス・フィリス(アイリスシールド・e02148)の応援は迷い無く。
「死神が出たとは伺いましたが……」
 そちらへ視線を遣ったものの紡ぐ言葉に迷うよう唇を震わせた青年を、リコリス・ラジアータ(錆びた真鍮歯車・e02164)が顧みる。
「あの体、は……俺の、母さんの」
 だから眠らせてあげなくては、と。瞳に少しだけ幼い、追憶の色を過ぎらせた彼の、囁くような応えに彼女は、そうですか、とだけ答えた。感情を抑えたその声は、本能的な嫌悪を押し殺したがゆえ。気付いて青年が、良いんだ、と口の端を上げた。
「……母さんは、俺が」
 だから往かなくてはとばかり、踏み出した彼の背へ、
「兄様。お供致します」
「────っ」
 体格ゆえの幼い声がされど静かに低く、掛かる。許可を求めているのでは無く。もう、決めてしまっている声。仲間達が、もう一人の義妹がそうであるように、彼女もまた。
 臓腑が煮えれど鉛を落とされようと、飲み下す。目を逸らさない、逃げない──独りでなど、往かせはしない。そんな、覚悟を露わにした。
 であれば、彼にこれ以上何を言えようか。
「……すまん。ミレイも、力、貸してくれ」
 だから、空波羅・満願(喩え地獄に堕ちるとしても・e01769)の口からはそれだけを。
 それに、ミゼット・ラグテイル(この手は離さない・e13284)は目を細めて頷いた。


「ミリア、頼むんだぞ!」
「任せとけ!」
「援護します!」
 黒狼の娘が放つ月色の光を浴びて、熱持つ黒鉄の如き鎧を纏った少女が駆けた。混沌の揺らめきを纏う斧が敵を狙い振るわれる。癒し手たる少女騎士がドローンを御すに合わせ、蒼雷にも似た装甲を纏う銀狼の少女が身に纏う黒流体をけしかけた。
「逃がさないから……!」
 ケルベロス達は数を活かし敵を追い込むように包囲して。されど呑まれる事を厭うよう抗う敵の様に、忌々しげに眉をひそめた少年が蹴り技を浴びせる。
 それでも敵は未だ軽やかに地を蹴り──後衛へと踏み込む。追うだけで手一杯であった満願は銀閣を呼ぶ間も無くその身でミゼットの盾となり。
「──っ、何してるオールドローズ! 兄様にお怪我をさせるな!」
(「子を慈しむ為に在った母の手が、それを愛してやまなかった子を、など」)
 目を瞠った娘は渦巻く感情を捌ききれず己が従僕へとぶつけた。敵の動きを縛れとの命を受けていたビハインドがしおらしく頭を下げる。その姿に自身を省みたかのよう主は口を噤み。その金瞳はぎらぎらと、ケルベロス達を見回し何事かを呟いた敵を、睨む。
「その顔は、その声は、その、骸は、お前などが穢して良いものじゃない。ミツキ達が別離を悼む為の縁であるべき筈のもの。──返せ!」
 彼女の手は、繊細に治癒を紡ぎながら。声は、過ぎる怒りにひび割れた。ただごとでは無いその様に、幾名もが意識をさらわれる。
「例によって魔空回廊でも開けたのでしょうが……、この様な所にまで来たのはどちらの意思なのでしょうね」
 生存を指向する肉体が動くに任せた攻防の中、援護に銀光を撒きながらリコリスが呟いた。それはデスバレスの策謀か、母という生き物の身に遺った情ゆえか、と。平静を保ち淡々と紡がれた声に、しかしそうは在れなかったのは、その言葉で事情を知った他の女性陣。え、と声を洩らし思わずといった風満願を見る。
 リュコスの瞳が戸惑いに揺れる。自身が兄と慕う一番の『家族』が深く愛したであろうひとを、と。
 アイリスの眉が気遣わしげに寄る。青年はどれほどの決意と覚悟で今この場に留まっているのだろう。
「いいんだ」
 されど、満願の声は確かに。
「母さんを起こした糞神ん事ぁ許しちゃおけねぇが、……まずは」
 仲間を思い遣ってか改めて口にはしないが、こんな形で出遭った時点で敵以外の何物でもないとでも言う如く、アイビーが厳しい目をしているように。彼女は最早、満願にとっても大切なこの街を脅かす外敵となってしまった。
 だから、逢えただけ良いと、彼は思う。
(「やっと、眠らせてやれる。……今度は、此の手で、きちんと看取るから」)
 だから、良いのだ。こんな時にも想ってくれる愛しいひと達までもが傷ついて欲しくは無い。胸に残るかつての己は、今は、奥深くへと閉じこめる──終えられた時に、正しく悼めば良いのだから。
 『百華』『銀閣』、呼ぶ声は、握る拳は、強く。ゆえに、その姿を目にした彼女達の心も澄んで行く。
「──なら、遠慮はいらねーな」
「でないと失礼だもんな! 思い切り行くんだぞ!」
 笑んだミリアが駆ければ紅いマフラーがたなびく。合わせて追った響の姿は黒い風のよう。斧撃が地を揺るがし、拳が重く打ち込まれる。
「後で怒られないと良いですが」
 リコリスが紡いだ術がまず公園隅の屑籠を浮かび上がらせた。方々から雑多な芥を集め軋む音を伴い出でた鉄屑の竜が、禍々しい風貌に見合った大口を開けて激しいブレスを吐く。
「……後ほどヒール等しておきましょう」
 その質量ゆえに亀裂が生じた足元を見遣りアイビーが。その為にも今は速やかに敵を排除せねばならないと、彼は今一度標的へ砲撃を浴びせた。敵の動きを鈍らせ確実にと。それを助けるべく、アイリスの応援が皆の集中を促し行く。
 敵が操る花が毒を撃つ。治癒を阻むそれは雷壁の護りをも破り、ミゼットが苛立ったよう舌を打つ。
(「…………、いえ」)
 傷つく生き物とて癒えればまた立ち上がれる。きっとかつての『彼女』はそれをよく知っていたのだろう。ゆえにこそ、それそのものを阻まんとする。
 追撃を試みる敵に怯む事無く、リュコスが前へ。
「いくらおにいちゃんのお母さんでも……ううん、だからこそ。こんなの駄目だよ!」
 孤独だった自分をいもうとと呼んでくれた優しいひと。それを愛し育てたひとも、きっと。だから、彼らが少しでも傷つかず済むようにと彼女は願う。その為なら肉体の傷くらい耐えてみせると、身を侵す毒に少女は歯を食い縛り。
「おいで!」
 華奢な体から迸った雷が辺りを染める。爆ぜたそれは無数の狼を象り標的へと喰らいつく。
「地獄に堕として終いにゃさせねぇからな、覚悟しろ!」
 ミリアが振るうのは昏くきらめく硬爪。緋の軌跡を伴うそれが鋭く敵の身を打った。敵の反撃を抑えたヘルトブリーゼが、主の意思に従い再度道を切り拓く。重く、熱く、衝撃は空気をも震わせ。ケルベロス達は負傷に喘げど、死者の紅い瞳に痛みが映ろうと、攻める手を決して緩めない。
 それは。各々が愛した、否、愛している、今なお在り続けてくれる、かけがえの無いもの達を護り抜く為に。


 敵が砕く此方の護りは満願とミゼットが修復に努めた。桜木が光を放ち杖は雷を孕み、加護の輝きが舞う。そのもとでケルベロス達は敵の死角を狙うよう虚を衝くよう駆け回り多様に攻める。
 それを阻むべく敵が振るう梔は、彼らの意識を侵し認識を狂わせんとする。その呪力に苦痛の息を吐く前衛を見、癒し手達が顔色を変えた。
「待ってて、すぐ治すからね!」
 友人らへ呼び掛けアイリスが薬雨を降らせる。不足があればと備えたミゼットも杖を握る。
(「惑わせるなんてさせませんっ」)
(「皆一緒に、帰るんです」)
 皆を護ってみせると騎士が。誰一人取り零すものかと医師が。敵へと立ち向かう者達を支え。
「ありがとな! っしゃ反撃だ!」
 彼女らへ礼の言葉を放ったミリアが加速する。背を預けられる仲間が居て、護るべき友が居て、負ける理由なんて無いと、得物を力強く迷い無く、振るう。
 敵の破魔に抗うべくリコリスもまた力を尽くす。光と呪文を操り、遂げるべき想いが阻まれることの無いように。敵の花に青年への執着を見、盾役達が護る。揺らぐ紅瞳に迷いを見、逃がすものかとその足を縫い止める──視線だけで済まし得たのは初めから、ケルベロス達が決して逃がしはしないと圧していたから。今此処で、この邂逅を、正しく終わらせる為に。
「──……」
 重なる苦痛に、敵の肉体が喘ぐ。継ぐ息など、本当ならもう要らぬ筈だったのに。
「ね、……、りん、は……?」
 その声が、嘆くように舞った。忘れる筈も無い声の、知らない──己が肉体が有する鼓膜を震わせた事など無い、筈の──怨嗟を纏う色に、満願がびくりと動きを止める。
「黙れ」
 けれど呪詛に魅入られた如きその刹那を、破ったのはアイビーだった。彼女の頭蓋を蹴り倒すようにして、鈍い打撃の音が、地を踏む少年の靴の音が、続く筈だった声を散らす。
「それ以上その体を利用するな冒涜するな! よりによってここまで来て、ボクの大事な人達を傷つけた報いを全部──」
「あ、あああアイビー!」
 許し得ぬ敵とはいえその足蹴は、しかし彼の怒りもよく解るから、と、響の声は定まりきらず揺れる。
 街に住む人々の平穏を脅かした、友人の心を抉り嬲った、憎い憎い敵。ただそれだけであったなら、どれほど楽だったろう。
「…………っ!」
 少年の足が、手が、追撃に動いていたそれが、それでも声を聞いて、止まる。眼前の敵は少年にとって敵以外の何ものでも無いのだけれど、青年にとっては決してそれだけでは。
 ──だから、最期の時くらいは。

 かの瞳は美しく笑んでいた。かの声は優しく愛を謳ったという。ミゼットは写真と伝聞でしか知らないけれど、かつてそれを教えてくれたひとの姿は、それがどれだけ尊いものかを雄弁に。それに、どれだけ彼が焦がれていたか、までも。
「にいさ、」
 過分になどとは思わないけれど、彼女は知っていたからこそ。決めたつもりの覚悟とて、足りなかった。背を見上げて小さな口が零したのは、制止したいと願う声。いかないでと手を掴みたかった。彼が手を汚す必要なんて無いと、苦しみを抱えなくて良いのだと、赦したかった。
 けれど、
「ま、が。……そう、望まれるのでしたら」
 庇護欲に蓋をする。その本質を独占欲だと知っていた。すぐ傍に居る、兄と呼んだひとのもう一人のいもうとが、もう迷いを捨ててしまえているように、彼の決意を見届ける覚悟を凛と決めているように、己もきちんと笑えていたら良いと思う。案じるかのよう寄って来たオールドローズを手振りで遠ざけた。
 その声を聞いてか。一度、彼女らを顧みた満願の表情は、見る者達にも判らなかったけれど。
 迷いの無い足取りは、見守ってくれる皆を、大切な彼らを、信じていると頼るよう。
「……おにいちゃん」
 だから、リュコスが胸に手を握るのは、悲しさゆえばかりでは無い。
「いってらっしゃい」
 兄の帰りを待つのも妹の務めだと、少女は無垢に微笑んだ。

 黒炎が盛る。龍を象るそれが、ゆらゆらと。
「あの世へ──」
「……ゆ……、……」
 祈るに似た彼の声を遮ったのは、ひずんで掠れた瀕死の声。
「…………れて、あ……」
 苦痛と炎熱の中。彼女の声が、唇が、何を紡いだのか。判る者が居るとすれば、間近で見ていた満願だけだろう。彼ははっとしたよう息を呑んで、
「…………ね……」
「──っ、ああ」
 震えた彼の声は、それでももう、凍えてはいない。その望みが過たず叶うよう、背を押してくれた仲間達の力を乗せて──炎は強く優しく、繋ぎ得ぬ手の代わりに彼女を温める如く、抱く。
「先に逝って、待ってて欲しい。ずっと独りには、きっと、しないから」
 母が居るところが、家族の帰る場所だ。己は未だ、傍に行くわけにはいかないけれど。
「だから、どうか安らかに……おやすみ、母さん」


「こんなものでしょうか」
「この機会にもっと頑丈に出来ないかなあ」
「え……、何まで撃てるレベルを?」
「だってハンマー二つでここ大荒れですよ?」
 戦いを終えて。動ける者達で周囲のヒールにあたり、竜砲以外の色々による傷も大方癒し終えた。残党等の気配も無く、各々武装を解いている。
「なあ、これ報告とかした方が良いのか?」
「書類とか纏めるとなったら骨だな……」
 心配そうに首を傾げた響の黒髪がさらりと揺れた。困ったように眉を寄せるミリアが遠い目をした。

 辺りに平穏が戻りつつある中で、未だ動けずにいた一人は満願だった。骸を燃やしたその跡に遺ったのは、枯れ落ちたくちなしの花。
 嘆くでもなく指先で触れたそれをただただ見詰める赤い瞳は、乾いていて。彼を兄と慕う二人は介入する事を躊躇い、静かに静かに見守った。
 けれど、ずっと留まるわけにもいかない。この場所もまた、日常に返してやらねばならない。それもまた、ケルベロスの務め。
「兄様」
 ゆえに決意と共にミゼットが、彼の傍へ。案じるあまり不安の色を見せるリュコスへ彼女は、小さく微笑んで見せた。空気が動くに合わせてふわり、花の香が揺れる。覚えのあるその甘い紫色は彼自身の手元では無く、手を伸べる彼女から。
 それに顔を上げた彼の、梔を抱く腕とは逆の手が、小さな掌に掬われ、そっと引かれる。繋ぐその手は、共に往く為に。
「兄様、帰りましょう」
 導かれ漂う彼の視線を受けて、優しく応える幾つもの顔。彼を慕い傍に寄り添う義妹達と、帰れずに居た彼を案じて迎えに来てくれたご近所さん達と、近くまで送りましょうと微笑む友人と、皆で一緒に。実妹の待つ家へ、帰るのだ。

作者:ヒサ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 2/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 7
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