病魔根絶計画~誰かの笑いが欲しいから

作者:猫目みなも

 その日の法要は、北島・龍一郎の尊敬する父の為のものだった。
 地元を愛し、地元に愛され、先祖に恥じない名士と呼ばれた父の人柄を偲んで寺院の本堂に集まった多くの列席者の前に、その長男である龍一郎――父と同じく幼い頃から勉学に秀で、地域のため人々の為に生真面目に働いて来た男はゆっくりと進み出る。神妙に一礼して、龍一郎はやはり穏やかに口を開いた。
「本日は、ご多用のところご列席くださいまして、誠にありがとうございます。それでは、これより……」
 淀みなく語られる挨拶かに思えたそれは、次の瞬間他ならぬ龍一郎自身にぶち壊された。
「仏像を! ぶつぞう!!!!」
 唐突に叫んで祭壇の前に飛び出した彼を制止できる者などいなかった。僧侶も親戚も父の友人知人も皆あっけにとられて何も言えずにいる中、龍一郎はひとり祭壇に飾られた仏像を素手で何度も張り飛ばしては笑い転げていた。
 尊敬する父を失ってから一年、癒えぬ悲しみに気が触れた……わけではない。ほどなくして彼は『慢性ユーモア過剰症候群』の診断を下され、隔離病棟でひとり一発ギャグの『特訓』を続けていた。
「銅像をどうぞー。いらないなんて、そらないどー!! ……いや、『そらない』は分かりにくいか? 前半だけで十分……ぷっ、くく」
 妻子や親戚一同からも、父の代から付き合いのある人々からもすっかり冷めた目で見られていることなど気にも留めず、己のギャグに己ひとりきりで笑い続けるその姿に、それまでの理知的な頼もしさは欠片も見えなかった。

「今回皆さんにお願いしたいのは、病魔の討伐です」
 そう切り出したセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、病院の医師やウィッチドクターの努力によって根絶の準備が整ったという病の名を口にする。
「『慢性ユーモア過剰症候群』。発症すると、『何か面白いことをして人を笑わせたい』という気持ちが異常に強まり、やがて患者さんは時と場合を問わずに一発ギャグに走るようになってしまう……という病気です」
 時と場所を問わず。つまり、絶対に何が何でもふざけることが許されない人生の大事な局面ですら、だ。患者の命にこそ危険はない病気だが、社会的生命という意味であれば危険極まりない症状に違いない。
 ついでに言うと、笑わせたいという思いが強まったからと言って笑いのセンスが急に良くなるわけでもない。そういう意味でもある意味恐ろしいことこの上ない。
「現在、この病気の患者さんたちが大病院に集められ、病魔との戦いの準備が進められています。皆さんに、この中で特に強い『重病の方の病魔』を一体残らず撃破していただくことができれば、この病気は根絶され、新たにその……社会的生命の危機に陥る患者さんが出てくることもなくなります」
 デウスエクスとの戦いに比べれば、決して緊急の依頼ではない。だが、病魔を根絶するチャンスがそこにあるのであれば、ぜひ作戦を成功させてほしい。そう、セリカは頭を下げる。
「では、病魔との戦闘についてご説明しますね。敵の攻撃は、『最高に笑えるネタを思いついた』と錯覚させて相手ひとりを惑わせたり、笑えないギャグを飛ばして複数の相手を物理的に凍り付かせようとしたり……といったものです。笑いを取ることへの衝動を強め、自らの体力を回復しつつ攻撃力を引き上げるグラビティも持ち合わせているようですね」
 だが、病魔との戦闘を行う前に、もうひとつ出来ることがある。それが、病魔への『個別耐性』を得ることだとセリカは続けて。
「患者さん……龍一郎さんの披露するギャグの観客役になって、『ネタに走りたい』という衝動を発散させてあげることができれば、病魔との戦いの際、受けるダメージを減少させることが可能です。……ただ、面白いと思っていないのに演技で笑っていることがバレてしまった場合は、逆効果になるかも知れませんね」
 それならいっそ、ケルベロスも龍一郎と一緒になって『(彼の思うところの)面白いギャグ』を全力で演じたり、ツッコミ役として的確なツッコミを入れてやるのも良いかも知れない。
 病魔に侵された彼の笑いのツボは、例えるなら低学年の小学生と同レベルだ。それを踏まえてギャグ交流を行うことができれば、きっと有効度が増すだろう。
「龍一郎さんも、本来はとても真面目で誠実な方だったそうです。彼のようにこの病気で人生を狂わされる人がこれ以上出ないよう、どうか、病魔の確実な撃破をお願いします」
 最後にケルベロスたちの目をまっすぐ見つめてそう言うと、セリカはもう一度深々と頭を下げた。


参加者
ペテス・アイティオ(誓いを破りましょう・e01194)
モモ・ライジング(神薙画竜・e01721)
レイラ・ゴルィニシチェ(双宵謡・e37747)
ルナ・ゴルィニシチェ(双弓謡・e37748)
リーネ・シュピーゲル(空に歌う小鳥・e45064)
レーニ・シュピーゲル(空を描く小鳥・e45065)
八脚・蜘蛛(アラクネー・e46977)
朱桜院・梢子(葉桜・e56552)

■リプレイ

●慢性ユーモア過剰症候群
 病棟の廊下は、ごみひとつない清潔さだ。その清潔感にそぐわぬ中年男のひとり笑いが漏れ聞こえてくるドアの前に立って、八脚・蜘蛛(アラクネー・e46977)はふんすと腕を組む。
「フフン、ボクとアラクネーにかかれば何人がボケたってツッコミ入れられるからネ。泥船の豪華客船に乗ったつもりでいてオクレ!」
 なんたってツッコミなんてしたことないからネ!
 ……そんな風に堂々と言ってのける彼女の背中で、『アラクネー』と呼ばれたブラックスライムもどことなく虫の脚部を思わせる形で蠢いた。
「まあ、今回ツッコむ相手はひとりだけど」
 そう言うモモ・ライジング(神薙画竜・e01721)は、ゴールデンウィークも迫るこの陽気だと言うのになぜかもっこもこの防寒具に身を包んでいた。正直言って、見ているだけでかなり暑い。
「だがしかし、察するにオニーサンはひとりで何人分でもボケてくる状態なんだろう? だったらやっぱりボクの備えは万全と思ってほしいんだヨ!」
「……それもそうか」
 そして、この愉快と言えば愉快……なようで、その実全く笑えない状況は、紛れもなく病魔の仕業である。ならば、ケルベロスたちのすべきことは決まっている。深く頷き、ポケットからひとつ出した飴玉を口に放り込んで、モモは掌で仲間たちを促した。
「え、行く? ルナルナ」
「うちらの息ぴったりなトコ、見てもらお? リラ」
 よし、行こう。病室の扉を引き開けようと同時に伸ばされたレイラ・ゴルィニシチェ(双宵謡・e37747)とルナ・ゴルィニシチェ(双弓謡・e37748)の手が触れ合い、咄嗟に引っ込む。
「……リラ?」
「やー、ここはルナルナが?」
 どうぞどうぞ。そんな風に、今度はふたりの言葉が綺麗に重なる。ぷっ、と朱桜院・梢子(葉桜・e56552)が小さく吹き出すのが聞こえた。口元を袖で隠しながら、早くも彼女はくすくすと肩を震わせて。
「ふふ、これならきっとバッチリよね!」
 その言葉に、空気が温かく柔らかくゆるむ。頷き合って、今度こそドラゴニアンの双子は一気に病室のドアを引き開けた。
「おじゃましまーす」
「おっ、たくさんのおっ客さんだね! ダジャレ妖怪のおじさんに、何か用かい??」
 瞬間、剛速球が飛んできた。ダジャレの。けれど、事前に対応を考えてきたケルベロスたちに隙はない。手と手を取り合い、ぴょんと病室に飛び込んで、もうひと組の双子――
レーニ・シュピーゲル(空を描く小鳥・e45065)とリーネ・シュピーゲル(空に歌う小鳥・e45064)が、同時に唇を開いた。
「駄洒落を言うのはだれじゃー!」
 声を重ねてから、きょとんと蜜色の目でお互いを見るふたり。別にタイミングと台詞を打ち合わせていたわけではないらしい。
 ……だが、ひとは得てして『偶然』が呼んだ面白状況に弱いもの。一瞬ぽかんとしていた病人――北島氏は、すぐに恰幅のいい腹を抱えて大笑いし始めた。
 彼がちょうど背を向ける形になっている窓の向こうで、何か白い影のようなものがちらついた気がしたが、特に誰も気にしない。まずは目の前の男から、だ。
「いや、いやいやいや。お嬢ちゃん、面白いねえ。いや、尾も白いのは白い犬だね!」
 小さな翼に視線を注がれながらの言葉に、リーネはすかさず『お約束』と聞いたあのギャグで返してみる。
「もっとしゃれたしゃれをいいなしゃれ」
 背後でまた梢子が吹き出す気配がした。そして目の前のおじさんも、それはそれは愉快そうに笑い転げている。……楽しそうなのは結構だが、四六時中これでは確かに日常生活もままならないだろう。
「北島さんに会いに来た姉妹はケルベロスなの」
「きたじまさん、きたしまい……やるな、お嬢ちゃん!」
 ぺこんと頭を下げるレーニの自己紹介(兼ギャグ)に、北島氏は対抗心に火がついたように目を輝かせる。むむ、としばし頭を捻ったあと、彼は唐突に自分のベッドから掛け布団を引き剥がして。
「布団が……吹っ飛んだ!!」
「プッ、アハハ! やだ~そんな笑わせないでよ、お腹痛くなっちゃう!」
 目元に涙すら浮かべて手を叩く梢子の様子に、北島氏もそれは嬉しそうに目尻を下げる。こんな美人が自分の繰り出したギャグに本気で笑ってくれて、嬉しくない人間はそういない。
 ……そう、本気。彼女は、いたって、本気だ。楚々とした外見に反して(?)、梢子の笑いの沸点はびっくりするほど低い。それが今回の任務では確実にプラスに働きまくっているのだから、人生何がどうなるか分からない。
 また窓の外で白いものがふわりと舞い上がったが、やはり誰もそちらに目をやることはない。ギャグ合戦でそれどころではないのだ。
「あ、そのお布団、ちょっとウチらに貸して!」
 はいはい、と元気よく手を挙げたルナが、床に落ちた布団の上に仰向けに寝転がる。手招きされたレイラは、それだけで片割れのやろうとしていることを察したようだった。彼女の隣に同じように横たわり、すっ……と無表情に起き上がるそれは、双子ならではの芸風で人気を博したコメディアンの物真似だ。決め台詞までしっかりハモって再現してみせるふたりに、また会場……もとい病室が沸く。
 爆笑の中、不意にドアがノックされた。そして入ってきたのは、やっぱりもっこもこに着膨れたままのモモ。そのまま、彼女は真顔でこう言ってのける。
「こんにちは、さっきまで氷原に行ってたことを表現してみました」
 インパクトのありすぎる衣装と、ダジャレの合わせ技は強烈だった。笑いすぎて呼吸が苦しくなったのか、北島氏はふたつに折った体をぷるぷる震わせている。
 ツカミは上々、と微かに笑みを浮かべたモモが、ふと首を傾げた。何か、足りないような気がする。あと、窓の外に何かふわふわしている気がする。
「……あのさ、キミ、最後に入る手筈だったよネ? この場にはなんかひとり足りない気がするんだヨ!」
 蜘蛛の指摘に、あら、と梢子も首を傾ける。いちにーさん、と指差し確認を始めたレーニとリーネの指が、最後にお互いを指して……そして、声もまた、重なる。
「なな」
 ひとり足りない。
 全員がはっとした表情になった時、カリカリと窓ガラスを引っかく弱々しい音が聞こえてきた。
「入れてください……入れてくださいです……」
 窓の外に、ペテス・アイティオ(誓いを破りましょう・e01194)が自前の翼で浮いていた。太陽をバックにずっと病魔への口上を述べたりしていたらしい。らしいが、それを知る人物はたぶんここにはいない。

●春の嵐
 開けてもらった窓からようやく合流し、ペテスは気を取り直すように胸を張る。
「北島さん、あなたのダジャレは聞かせてもらいました。では、わたしからも……」
 やはり太陽をバックに、彼女は自らの頭を撫でつつ、叫ぶ。
「頭があったまるー!」
「頭があったまる? あったまげた、一本取られた!」
「むむ、重ねてくるとはやりますね! ならばこれはどうです! サボテンの世話さぼってんじゃねーっ!?」
 ギャグの程度こそ散々だが、本来は頭もよく、会話上手な人なのかもしれない。心中でそう冷静に分析しつつ、ペテスは大仰なリアクションを交えて北島氏のギャグを次々引き出していく。
 校長先生絶好調とばかりにギャグを繰り出すようになった彼(※別に校長ではない)の瞳を覗くようにして、蜘蛛がずずいと問いを投げかけた。
「ところでオニーサンはギャグというものをどう考えているだろうか?」
「うん?」
「ボクが思うに一瞬の言葉遊びはギャグにあらず! やはりタメと間が必要だと思うんだヨ! それを踏まえて、さぁ!」
「……源氏の武将、源タメと間! ってそれは為朝やないかーい!」
 一瞬考えるような素振りを見せた北島氏だったが、多分タメを意識したと言うよりは、単に返しのダジャレを考えていたのだろう。病魔、恐るべし。そんな感想を顔を伏せることで隠しつつ、モモはギャンブル仕込みの演技力で巧みに肩を震わせてみせる。
「私も何かネタを披露したほうがいいかしら?」
 こちらは完全に素で笑っていた梢子も、ただウケているばかりではない。愛用のがま口ポーチを胸の高さに捧げ持ち、彼女は堂々と言い放つ。
「手荷物を手に持つ! それから……ちょこをちょこっとどうぞ?」
「や、どうもこれはこれは」
 すかさずポーチからチョコを取り出し、おすそ分け。移動中はどことなくハラハラした風に彼女のことを見守っていたビハインドの葉介も、場の雰囲気にそれなり肩の力が抜けた……ように見えた。
「こーしてると、マジ、変わったビョーキだよね……」
 ぽつりと呟きつつ、レイラは指に嵌めたマインドリングを確かめるように撫でる。どんなにおかしな症状をもたらす病気でも、根絶するというその目標に変わりはないけれども。
「楽しいね、おじさん!」
 天真爛漫にそう言うレーニの笑顔は、さながら真昼の太陽のよう。現役小学生にとって、北島氏のギャグが『寒い』という世間的評価はよく分からない。それに何より、面白おかしくしようとしてくれている男の態度は、彼女にとって決して気分の悪いものではなかった。
 そんな片割れの笑顔に、うふふ、とリーネも自然に笑みを零す。姉妹の笑顔が天頂で輝く太陽なら、彼女のそれは柔らかに降り注ぐ木漏れ日だろうか。何を合図にするでもなく、自然と通じ合っている様子の姉妹たちをちらと見て、ふぅん、と蜘蛛は片目を細めた。
「……さて、そろそろカナ」
「そうね。病魔退治と行きましょう」
 ぱん、とモモが左腕の手甲を叩く。そして、室外に待機していたウィッチドクターの手で、いよいよ病魔は召喚された。

●本当の笑いを取り戻せ
 呼び出された病魔は、ひとことで言うなら奇怪な姿をしていた。或いはひと昔前のネット文化慣れした者であれば、ある種の懐かしさを覚えるパーツの集合体と呼べたかも知れない。
「……さ、始まりね」
「来たれ、降りそそげ、滅びの雨よ!」
 モモとペテス、ふたりのほぼ同時に叩き付けた重い一撃が、開幕の挨拶と言わんばかりに病魔を容赦なく打ち据える。仰け反り、吼える病魔に臆することなく、レーニが九尾扇を打ち振りながら仲間たちの陣形に意味を与えて。そこへ煌く星座の陣をぴったりと重ね合わせながら、リーネは患者へと想いを馳せる。
「人を笑わせたいって気持ちは素敵だと思うです。でもおじさんの大事な人達は、おじさんが心配で笑えなくなってしまっているです」
 それではきっと、意味がないから――病魔は、ここで必ず倒してみせる。
「――!!」
 奇怪な声音で放たれた『ギャグ』が、前衛のケルベロスたちに物理的な寒さを伴って襲い掛かる。けれど氷の突き刺さるような痛みは、予想よりもずっと小さい。
「よし……!」
 北島氏との交流によって、ケルベロスそれぞれに宿った個別耐性を確信し、誰からともなく小さなガッツポーズが交わされる。双子のようなボクスドラゴン、ヴィズとチェニャもまだまだ元気いっぱいとばかりに鳴き声を上げてみせた。
「コッチは任せて?」
 マニキュアで彩ったルナの指先が、紙兵の行き先を導くように伸ばされる。レイラが口の端を上げたのは、異常への耐性の高まりを確信したからだけではあるまい。フェアリーブーツの踵を鳴らして、彼女は『祭壇座』の序章を奏で始める。
「祭壇座の一幕、感想は?」
 ぱちんと白い指が鳴らされると同時、業火が虹色の病魔に殺到した。そこへすかさず蜘蛛が飛び込み、お代わりとばかりに八脚象るブラックスライムに地獄の焔を纏わせた。するりと伸びた液状武器は、どすどすと鋭い音を立てて病魔の胴体に突き刺さり、その内側へ熱と痛みを注ぎ込む。
「うまくやれるカナー、なんて思ってたけど。やれるもんだネ!」
 誰かと共に戦うのは、これが初めての経験だけれど――感触は、悪くない。にっと歯を見せて、蜘蛛はブラックスライムを引き戻した。それと入れ替わりに梢子の繰り出した血染めの包帯が、真紅の槍と化して病魔を貫く。グボァ、と半ばお笑いの効果音めいた呻き声が病室に響いた。
 個別耐性に加え、光と闇の属性インストール、紙兵とふた振りの星座剣がもたらす状態異常への耐性も加わったことで、ケルベロスの防御は非常に充実したものとなっていた。となれば、それだけ思い切った攻撃が可能になり、割ける手数も多くなる。自然、彼女たちの戦いは勢いづいた。
 ギャグの寒さをかき消さんとばかりに炎が燃え盛れば、その勢いをさらに広げようと刃が閃き、敵が回復と共に力を高めようとも、竜爪の一撃がその加護を難なく叩き割る。そして、梢子の呪いとも呼べる美貌が、病魔の動きを一瞬確かに縛り付けた。
「無理して人を笑わせたり楽しませようなんてしなくていいんですよ。そんなことしなくたって、みんなあなたのこと好きなんですから」
 同族の少女たちの先の言葉を思い返しつつ、ペテスは患者にそんなことを思う。
 そしてその指がスマホの上を走れば、『滅びの雨』……無人飛行機を象るグラビティが、声音とは裏腹に容赦なく敵へと降り注ぐ。その余波を飛び越えながら、モモがドラゴニックハンマーを振りかぶった。
「私の怒りの一撃、受けてみなさい!」
 ずん、と重い音。そして鎚身が再び持ち上げられる頃には、病魔は床の染みのようになり――そして、溶けるように消えて行った。

作者:猫目みなも 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年4月20日
難度:やや易
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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