ラスト・アンコール

作者:七凪臣

●スポットライト
 ネオンの光が遠い、静寂ばかりの夜の一画。
 地下へと続く細い階段を下りた先に、かつてのライブハウスはあった。
 往年は、連夜多くの若者たちが出入りしていたのだろう。
 けれど今はその面影さえ遠く、湿気った季節にも関わらず、室内には渇いた埃が愚図っている。
 忘れられたそこを訪れる者はいない――ぎぎぎと不快な機械音を立て蠢く妖しい影以外は。
 蜘蛛を思わすそれは、小型のダモクレス。壊れた機械に新たな命を吹き込むモノ。
 果たして今宵択ばれたのは、天井近い鉄骨に設えられたスポットライト。
 するりと潜り込まれ、根を下ろされ。クレーンの四肢に、長い支柱の先に巨大なスポットライトを備えた姿に生まれ変わる。
 ――ただし。
『スポット、ライト! 浴ビテ、浴ビテー!!』
 その場で一等輝く人を照らし出したい性分は、ちゃんと残ったまま。

●今宵の主役はだあれ?
『スポットライト型ダモクレス出現……の、予感』
 リザベッタ・オーバーロード(ヘリオライダー・en0064)へ、黙々と折り鶴を折りながら提言していたのは款冬・冰(冬の兵士・e42446)だ。
「予想的中です」
 そう事件のあらましを告げるリザベッタの表情は、何故だかちょっぴり困惑モード。
 現場となるのは、今では誰も寄り付かない界隈にある元ライブハウス。お陰でまだ被害は出ていないが、無論このまま放置すれば言わずもがな。よってケルベロス達には早急な対処を願いたい。
 と、ここまではいつもの通り。
 じゃ、何に困惑しているかと言うと。スポットライト型ダモクレス、通称スポットさん(リザベッタ命名)の攻撃方法だ。
 銀テープをキャノン砲で撃ち出し、敵一列の動きを封じる。
 不思議な力で頭上に巨大バルーンを出現させ、圧し潰そうとする。
 この二つは、まぁ良いとして。問題は最後の一つ。
「そのタイミングで一番輝いている人物へスポットライトを当て、高揚する事で自らを癒すみたいなんです。しかも他の二つより、これの優先順位が高いみたいで……」
 つまり、何だ。
 上手く図れば、ケルベロス側は攻撃を受けなくても済むということ。ただし同じ行動ではすぐ飽きてしまうので、次から次へと新たな輝きを発揮する必要があるのだが。
 ともあれ、何ともスポットライトらしい敵ではないか、スポットさん!
「色々と試される仕事になる気がしないでないですが……皆さん、どうぞ宜しくお願いします」


参加者
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
ルエリラ・ルエラ(幸運エルフ・e41056)
獅童・晴人(灰髪痩躯の陰険野郎・e41163)
エドワード・リュデル(黒ヒゲ・e42136)
款冬・冰(冬の兵士・e42446)
黒羽・陽(絶壁のゴールデンスパイン・e45051)
木恒・赤成(ストレイフォックス・e60902)

■リプレイ

●アンコール!
 目玉のような巨大スポットライトで此方の出方を窺うダモクレスを、款冬・冰(冬の兵士・e42446)はじぃと観察し得心を一つ胸に落す。
(「……なるほど」)
 この手のダモクレスは、元となった機械の影響を多分に受けるようだ。
(「では希望通りに」)
「……戦闘、開演。パフォーマンス、開始」
 ぴぽぱぽぴぽぽぽ、ずちゃ、っちゃ、っちゃ。
『ッ!?』
 無感動なウィンクことアイズフォンで起動させたインダストリアル系BGMにスポットさんは早くも反応。ぱぁっと白い光が冰をろっくおん。そうして周囲の闇から切り取られたのは――リズミカルな音色に合わせ、紙風船やサイコロなどを折り紙で作り上げてゆくアームドフォート。
「そして、こう」
 機械の腕が高速で細やかな作業を成し遂げて行く様は、それだけで注目度大なのに。さらに冰は仕上がった品々で華麗なジャグリングを披露し始める――かと思うと、更に器用に自分の腕と機械腕の役割を時折交換するから、スポットさんの目は完全に釘付け。
 仕上げは、影絵を作るように両手でキツネサイン。
「……アカナリ」
 キツネの獣人な木恒・赤成(ストレイフォックス・e60902)へのバトンタッチまで芸に変える冰の見事さに、継いだ赤成は長い鼻の頭を軽く掻く。
「あー、オレのはちょっと地味かもしれないけど」
 剣術一本でやって来た身。ならば刀で何とかするしかあるまいと、赤成はボーリングの玉を取り出し、刀を構えた。明らかにおかしな組み合わせに、期待に満ちた光が赤成をぴかぁ。
「斬る」
『!!!!』
 ぶるぶるとダモクレスの四肢が震えたのは、目にも留まらぬ居合にボーリング玉が均等に四分割された……上に、そのうちの一つがお約束的に赤成の足を直撃したせい。多分、大爆笑の仕草。それでもスポットライトがぶれないのは、スポットさんのプロ根性。
 だがスポットさんが笑いの余韻に浸る暇はない。気付くと、普段は格闘少女であるはずの幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)がピンクのふわひらアイドル衣装に身を包んで、甘く切ない恋の歌を熱唱中。
「精霊アイドル、ここに降臨♪ 聞き逃さないで下さいね!」
 ――この想いは、幻じゃないから……!♪
『!♪!♪』
 結ばれた双華爛漫の絆を胸に描くと、自然と淡く色づく鳳琴の頬。そこに華麗なダンスも加わるのだから、当然スポットライトずびび。
 しかも飽いた頃合いには、銀髪長身の男性ビハインド(名はアルベルト、年齢は二十代半ばっぽい)を寄り添わせたアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)がしっかりスタンバイ。
『!!』
 アルベルトが放るフライングディスクを、漆黒のドレスに身を包む淑女がジャグリングしながら、銃で次々射抜くという荒業だけでもう十分なのに。冴えわたるアウレリアの妙技は、跳弾を利用したり、ディスク同士の衝突を利用したりと、圧巻超え。挙句に最後は全てのディスクが彼女の元へ舞い戻り、それをアウレリアが銃口に引っ掻け受け取るもんだから、スポットさんはライト当てつつ思わず平伏。
 今、スポットさんは心の底から歓喜していた。こんなに輝ける(輝かせられる)日が再び来るなんて!
 でもでも、まだまだこれから。
「勢いに任せてみたけど、実は踊ったことなんて全然なくて……」
 いつもは無愛想なトレンチコート姿なのに、今日は綺麗におめかし真っ赤なドレス姿なビハインド『夜明けの口笛吹き』の手を取り、こちらはいつも通りのだらしない学生服姿の獅童・晴人(灰髪痩躯の陰険野郎・e41163)はおずおず、わん、つー、すりー、わん、つー、すりーのスローステップ。
 いや、よく見たらリードしているのはビハインドの方。おまけに晴人の顔が真っ赤だなんて、これにスポットライトを当てず何時当てる(使命感)。
 か・と・お・も・い・き・や!
『……』
 スポットさんも思わず絶句。だってケルベロスコートをばさぁっとカッコよく脱ぎ捨てたかと思ったら、バニーガール姿になったルエリラ・ルエラ(幸運エルフ・e41056)が、パンジャンドラム(英国産面白失敗兵器。知らない人は検索だ!)を芋煮音頭に合わせて創作芋煮踊りしながら玉乗りよろしく乗りこなしてたのだ。
『……』
 しかも、片手に持ってた山形風芋煮が、一曲終わる頃には仙台風に変化してるとか、色んな意味でどういうことなの。途中で味噌を入れたの? そしてさり気なくフェードアウトとか、もうもうもう。
 世界は完全にルエリラ色。だが実は演出に一役買った(詳細は後程!)胡散臭い黒ひげダンディ、エドワード・リュデル(黒ヒゲ・e42136)氏は怯まない。
「ルエラ氏、実に愉快でしたぞ」
 同士を讃えた直後、男はリボルバー銃を両手でガンスピン。そのまま流れるように左手の銃を宙へ放ると、すかさず右手の銃で器用極まる六連ファニング。
『オオオオオ』
 乾いた風が吹き抜ける西部荒野を思わす技巧ぶりは、手を反転させても変わらず。くるりと回転させた銃を寸部違わずホルスターに収める頃には、スポットライトさえ感嘆の風合を帯びた。
 びかー、びかー!
 止まらぬスポットライトの照射は、的確にケルベロス達を耀かせ、序でにスポットさんを癒す。
 そしてついに飛び出す、THE・少年漫画。
「ヘイカモン! ライツアップ!!」
 スポットさんへ鋭い蹴りを呉れた黒羽・陽(絶壁のゴールデンスパイン・e45051)が、かつてのステージへと駆け上がる!

●舞台裏
(「そりゃ、アタシの本職は忍者ですよ?」)
 つんつん尖って跳ねる金の髪は、陽が血に宿すヤマアラシそのもの。つまり自己主張激しい外見に見合い、陽の本質は『忍ぶ』ではなく『目立ちたがり屋』。
 さぁ、来い。スポットライト。高い身体能力を活かしたダンスはお手の物!
「踊り終わるまで、照明落とさないでくださいね!」
 被る帽子を片手で抑えるようなポーズで一呼吸、流れ始めたポップなBGMにのって陽は重力を感じさせないステップを踏み始める。勿論、ダモクレスは喜々としてスポットライトぺかー。
「それにしても……」
 極限まで高めた意識でスポットさんの脚一本を吹き飛ばしつつ、鳳琴はスポットさんの風変りな習性について思考を巡らす。まぁ、戦いが有利になるなら、活用しない手はないのだが。
「拙者の場合、何時もやっている事の延長でござるがね」
 デュフフフと不敵(?)に笑み、エドワードはライブハウスを翔ける流星となってダモクレスを貫く。ちなみに、先程すこし触れたが。ルエリラにパンジャンドラムを貸し出したのは彼。彼固有のグラビティの副次効果。で、恩恵に与ってるルエリラと言うと。
(「リザベッタがつけたスポットさんって名前、可愛くていい……」)
(「でも、ビルシャナと同じくダモクレスも時々よくわからない。スポットライト……なんで?」)
「私のとっておき。私に出会ったのがあなたの不幸。さようなら」
 さっき見せた謎の曲芸が嘘みたいなマイペースぶりを発揮して、魔力で生成した光矢で敵を冷静に射抜いたりしてる。
「回復、出番なし。成すべき事は、あるけれど」
 スポットさんにケルベロス側を攻撃する暇がないお陰で、癒し手を担う冰も回復技を使う必要もない。代わりに打ち込むアンチヒールは、エドワードに貰った阻害付与効果アップの加護のお陰で威力を大発揮。
「変わったダモクレスだよねぇ。珍しいけど、放っておくわけにもいかないし。さっさと退治してしまおう――さあさあ、強力な一撃をお見舞いしよう……!」
 一瞬でバトルスーツを装着し、腕を軽くスナップさせてから跳躍した晴人の蹴りは、惜しむ言葉とは裏腹に、全身のグラビティを集中させた破壊力抜群なもの。安定せぬ命中率も、現在進行形で踊る陽から事前に授けられた銀の加護によって確り補強されてるし。回復力が落ちてるダモクレスでは、とてもじゃないが被害を補いきれない。
 そこへ夜明けの口笛吹きからの追撃を貰ってなお、スポットさんは楽しそう。
(「殺す目的で造られた私には、とても眩しく見えるわ」)
 あくまでも人を耀かせようとするスポットさんの在り様にアウレリアは目を細め、しかし駆けるアルベルトを追い死へ誘う近接格闘柔術を優美に踊る。
 誰かを活かし、寿ぐ為に生まれ。ダモクレスと化しても、本質を忘れない。
 『敵』としては、少々どころか、かなり変わった手合い。
「妙な奴にあたっちまったな。でも、まぁ。気張りますか」
 かつて見たケルベロスの強さに焦がれ、ようやく同じ舞台に立った赤成はこれが初陣。以後の参考にするにはいささか問題有だが、これはこれと開き直り、呪われた斬撃によりスポットさんの命を喰らう。
 こうして過ぎた一分は、仲間にとっては一瞬。でもステージで踊る陽にとっては長い時間。
「ご満足頂けましたか!」
 疑問の体をとった確信を胸に、陽は戦いで上がる煙と去り行くスポットライトを利用し、煙幕に羽ばたく鶴の影絵を投射する。
「演目はまだまだありますよ」

●ラスト・アンコール!
「~♪、~♪」
 陽の粋な演出を受け取った冰は、アイヌ伝承の親子鶴の歌を口ずさみながら、風切羽の袂と椿の花柄が目を惹く特製ケルベロスコートを羽撃たせ鶴を舞う。各地に伝わる鶴の舞を組み合わせたそれは、鶴らしい軽やかな歌声と相俟り今にも飛び立ちそう。
 受ける光に飛び跳ね、感じる熱に鳴き声を織り交ぜ。
「クルルルル……クルルルルッ」
 一意専心に踊り上げたタンチョウの求愛ダンスは、我に返るとちょっぴり気恥ずかしく。羽ばたく袖で口元を隠した冰は、そそと赤成へ主役の座を譲り渡す。
「また居合い斬りだけど、ちっとばかし難易度をあげてくぜ」
 他と比べると、自分の芸は地味な気がしないでないが。我が道を貫き、赤成は林檎を宙へ放った。
 瞬く間の剣閃は二度。一度は重力に引かれる林檎を突き刺し、返す動きで再び林檎を投じ。次の一閃で瑞々しい果実は綺麗に八等分。しかもきちんと皿で受け止める丁寧な仕事ぶり。当然、スポットさんもスポットライトきらきら。
 次なる出番はアイドル鳳琴。だが今回は歌ではなくダンスメイン。煌びやかで可愛らしいアイドルが、拳法で鍛えた体捌きを活かしたきれっきれのダンスを披露するのだ。スポットライトが注がれぬわけがない!
 敵は回復が得意なダモクレス。各人一巡では心もとないかと、考えておいた出し物は二種ずつ。戦いそのものは、実はもうそろそろ終わりが見えているのだが。色んな意味で勿体ないので、ケルベロスも多方面を気遣いちょいちょい手を休めてあげ始める。
「聞いて下さるあぁでも此方を語ってからでないとダメねそうなるとこのエピソードもはずせないし――」
 ノンブレスアウレリア。立て板に水な勢いで放つ熱弁は、旦那さんとの出会いから始まる惚気トーク。義妹に砂糖をだだ吐くと言われた数々のエピソードは、周りが「もうお腹いっぱい」と聞いてくれなくなった超絶甘々ぶり。どんだけ二人の愛が深いかというと、妻に未練があり過ぎて死して尚、亡霊(ビハインド)となって戻って来たって説を知人たちがあっさり納得するレベル。
 むしろ生前は互いに愛が重すぎたと言えよう。だが皆が聞いてくれなくなった話を、喜々と語れるなんてアウレリア幸せ! 勢いに負けてる感のあるスポットさんも、照らせて幸せ結果オーライ。
 桃色空間からの引継ぎは、晴人とビハインドが繰り広げる情熱のタンゴ。先ほどのワルツとは打って変わった力強さに、光の強度も増し増し。翻る真紅のドレスも、相変わらず真っ赤な晴人の顔も煌々と耀かされる。
 しかもリードはお任せだったものの、何とか男性ポジションだった晴人なのに。ラストは華麗な美女(と思しきビハインド)に抱きかかえられてのフィニッシュ!
『!!!』
 あまりの絵面的美味しさに、体力乏しいスポットさんが地団太を踏む。あぁ、この時間がずっと続けばいいのに。
「良い子の皆にプレゼント」
 今度はバニーガール服を脱ぎ捨てサンタ服(脱ぎ捨て……?)にチェンジしたルエリラ、またしてもエドワード産のパンジャンドラムに乗って登場。そうして敵味方問わず徐にばら撒き始めたものは――。
「これは佳きもの、尊きもの――」
 まさかのBL本。滔々とした語り付き。もうただのカオス。それでもスポットさんは照らす。そこに目を惹く人物がいるならばっ。
 だがサイレンのような風切音が爛れた空気を払拭する。刹那の飛翔、急降下しながらステージに据えた的への集中砲火。特別に設えたアームドフォートの性能を如何なく発揮するエドワードの荒業は、スポットさんの度肝を抜いて、鋼の心を奪う。
『オオオ、オ! 照ラス、照ラセ、照ラシテルー!』
「盛り上がってるところ悪いですが、次で最期になります」
『!?』
 告げられた終焉に、スポットさんが何を思ったかは分からない。だが、声がした方へ首を擡げたダモクレスは見た。長い髪を器用にアレンジし、燦燦と輝く女神っぽくなってる陽の姿を。
 その陽が、朗々と謳い出すのは日本の魂。現在でもカセットテープでの販売もある演歌。
『――!』
 スポットさん、鋼の命で咽び泣く。これは、まるで。大晦日のアレではないか。或いは、巨大会議に登壇するラスボス的なアレ。
『!!!!』
 この時、スポットさんが発した光を。ケルベロス達は終生忘れないだろう……多分。

●完全無傷の大団円!
「……終わりましたね」
 少年漫画の王道風に、陽が背中で余韻に浸る傍ら。
「みんな、芋煮いる? 芋煮、最高」
 ルエリラはてきぱき芋煮を配膳。そう、戦いは終わった。ケルベロスは一つの傷も負うことなく、ダモクレスを倒しきった(なおルエリラ、さっきまでのあれそれをつっこまれても普通にスルー。全ては済んだこと。過去は振り返らない。それより芋煮)。
「……ちょっと、照れもある戦いでした……でも。ええ、楽しかった……ですね」
 陽の出し物の直後、さくっとトドメをさした鳳琴。今さらちょっぴり頬を赤らめる。慣れぬアイドル業は、やっぱり照れ臭かったのだ。
 でも今日という日は、きっと良い思い出になる。
「芋煮も頂いた事ですし、さくっと戻るでござるよ」
 真面目なのか不真面目なのかよく分からないが、ノリの良さの絶品のエドワードが締めにかかると、アウレリアはアルベルトへ腕を預け、晴人は夜明けの口笛吹きがトレンチコートモードに戻っている事に気付く。
 戦いと共に、奇妙な祭は終わった。果たしてこれが赤成の初陣で良かったのかは永遠の謎のまま。
 斯くてケルベロス達は、廃れたライブハウスを後にする。
 ふ、と。
 立ち去り際、冰は静寂に覆われた廃ビルを見上げた。
「……ありがとう。楽しかった」
 声は風に浚われるほど小さく。けれど聞きつけた光――夜空の星が、『わたしも』と頷くように、何処よりも先に目覚めを迎える東の空を駆けた。

作者:七凪臣 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 10
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