ウサギたちの邂逅

作者:宮下あおい


●再会
「……確か、この辺りのはずですわ……」
 ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)は、新しく出来たというランジェリーショップを探し、街中を歩いていた。
 場所は間違っていないはず。実際に訪れてみれば、通りには人気もなく、雑居ビルや店はあるが、探しているランジェリーショップではない。
「楽しみなのもあって、思わずここまで来てしまいましたけど……1度帰って確認したほうが良いかもしれませんわね」
 何より人の気配がこれほどないというのもおかしい。
 ミルフィは先日見た広告を思い出す。
 開店は今日だったはず。なら行列とはいわずとも、店の前は賑わっててもいいだろう。
 なのに、それも見かけないとは。そこへ後方から声が響く。
「よく来たのぅ。まったく、手の込んだ仕掛けをさせおって」
「――ミフネウサギ! 何故ここに……!?」
 ミフネウサギは七本の刀を背に負い、艶やかな花魁姿。兎耳にピンクの髪と、ミルフィと同じような特徴が多い。
 ミルフィは臨戦態勢をとろうとするが、ミフネウサギのほうが1歩早く抜刀した。
「決まっておろう。ケルベロスどもの命、もらうためよ!」
 全て罠、そう気づいた時には、既に戦闘は開始された後だった。

●予知
 アーウェル・カルヴァート(シャドウエルフのヘリオライダー・en0269)は、集まったケルベロスたちを前に説明を始める。
「ミルフィさんが、宿敵であるデウスエクスの襲撃を受けることが予知されました。既に連絡もつかず、一刻の猶予もありません。皆さん、ミルフィさんの救援に向かってください」
 ミルフィの宿敵、ミフネウサギは七本の刀を背にし艶やかな花魁姿である。
 七本刀は刀として近接戦はもちろん、空間を切り裂き遠距離攻撃も可能だ。
「ミフネウサギが使うグラビティは、サキュバスのグラビティとよく似たもののようです。皆さんが知るサキュバスのグラビティとは名前や攻撃方法が少し違うこともありますが、効果自体は同じと思っていただいて構いません」
 戦場となるのは昼の市街地。雑居ビルや個人の店があり、特別変わったものはない。
 アーウェルはてきぱきと説明を続ける。
「既に周辺に一般の方はいないようなので、避難誘導の必要はありません。また配下なども連れていませんので、敵はミフネウサギひとりとなります」
 ケルベロスを狙った襲撃計画だからか、一般の人々を巻き込む心配はないようだ。敵はひとりといえど、計画を練って襲撃してきたのだ。油断は出来ない。
「何よりもまずはミルフィさんの救援です。そして宿敵を撃破してください。宜しくお願いいたします」


参加者
御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327)
アリス・ティアラハート(ケルベロスの国のアリス・e00426)
ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)
梅林寺・マロン(インフィニティポッシビリティ・e01890)
板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)
阿澄・紫都(牙無き者のための剣・e10709)
西院・玉緒(夢幻ノ獄・e15589)
不動・大輔(不屈の風来忍者・e44308)

■リプレイ

●戦闘開始!
 ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)とミフネウサギの戦闘現場へ向かう。
 時を置かずして、ケルベロス達は襲われるミルフィの姿を捉える。まずはミフネウサギとミルフィを離すことが先決。
 御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327)が、ダブルジャンプで高く飛び、近くの雑居ビル伝いにミフネウサギの頭上を狙う。
 ほぼ同時、梅林寺・マロン(インフィニティポッシビリティ・e01890)も高く飛んだ。ウサギの姿から、空中で動物変身を解除する。
 白陽は重力に逆らわず、ミフネウサギをめがて刀を振り下ろす。
「――来たかえ、ケルベロスども!」
 気づかれた。
 ミルフィと剣を交えていたミフネウサギと白陽の視線が重なる。
 僅か一瞬。
 グラビティを使わない一撃といえど、ケルベロスが放つもの。その重さに道路のコンクリートがヒビ割れる。
 ミフネウサギが飛び退る。
 そこを狙ったマロンの流星の煌めきが地上へ降りた。それに気づいたミフネウサギが転がったため、衣を割くだけに留まる。
「良かった、間に合ったみたいだね」
「手始めには上々といったところか」
 まずは間に割って入ることだ。
 続けてアリス・ティアラハート(ケルベロスの国のアリス・e00426)の歌が響く。失われた愛しい想いを歌いあげ、世界を愛する者達を癒す。
「ミルフィ、大丈夫ですか……!? 助けにきました……!」
「ハハハハ! 良いぞ! こうでなくては面白くない」
 ミフネウサギは、駆けつけるケルベロス達を見やり笑った。花魁さながらに着物をまとい、長い裾を捌いて刀を振るっている。
 板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)が操る、霧の中で揺らめく不気味の炎が彼女を包囲する。
「商売にゃー許可いるし、ミルフィさん連れ出すにもアリス先生の許可がいるんですぜ! さて、飛んで火に入る夏の虫よ」
 月霧岬の包囲――ツキギリミサキノホウイ。
「……あら、なかなか可愛い顔してるじゃない」
 西院・玉緒(夢幻ノ獄・e15589)が銃を構え、狙いをつけると精神を極限まで集中させ爆破させる。露出度の高い服は、玉緒の動作に合わせ胸を揺らした。この攻撃方法はガンスリンガーゆえのものだ。
 爆発音。
 砂埃が立ち、街路樹の葉が揺れる。
「アリス姫様に皆様…来て下さいましたのね……!」
 ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)が、皆の顔を見回し、アームドフォートの主砲を一斉発射した。
 ビルが崩れ、轟音が周囲に響く。
 七本刀の1本を手に、ミフネウサギが走る。落ちてくるコンクリートの破片を避け、迷いなく駆け、次の標的へと狙いを定める。
「さあ! ケルベロスども、妾を楽しませてくれるであろう?」
 ミフネウサギがひどく高揚した様子で、再度ミルフィへと踏み込む。
 阿澄・紫都(牙無き者のための剣・e10709)は天高く飛び上がり、ミフネウサギの行く手を遮るべく美しい虹をまとう急降下の蹴りを放つ。獣人型をとる彼は狐のウェアライダーだ。尻尾や耳、柔らかな毛並みが動作に合わせて揺れる。
 紫都のサーヴァント、ボクスドラゴンのりゅうが属性インストールで紫都のサポートに回った。
「――その技術、その実力。剣士ではなく、ケルベロスとして対峙しなければならず残念です」
「ああ……この心地良い感覚こそ妾に力を与えてくれる!」
 行く手を遮ることを主眼に置いたため、ファナティックレンボウが直撃ではなくとも、ミフネウサギは今確かにダメージを食らったはず。しかしそれすらも上回り、彼女の表情は歓喜に満ちているようだ。
 間をおかずに、不動・大輔(不屈の風来忍者・e44308)が続く。
「悪いがおめえの思い通りにさせないぜ!」
 鍛え上げた体躯から、大輔が放った超高速の爪さばきは、ミフネウサギの背を裂いた。

●夢、幻、そして過去
「ミフネウサギ……相変わらず死合いでしか快楽を得られぬとは……」
「そのようなこと、どうでもよい。血の気の多い者など、この世にごまんとおろう!」
 彼女の瞳に魔力が込められ色が変わる。サキュバスのグラビティとよく似た催眠魔眼だ。
「――させるものですか!」
 ミルフィはバスターライフルを構えた。敵の熱を奪う凍結光線を発射する。
 建物が崩れ、街路樹が折れる。
 土埃が舞い、轟音が響く。
「くっ……!」
「反撃の隙なんか、与えるかよ!」
 フロストレーザーでミフネウサギが態勢を崩したところに、大輔が踏み込む。
 卓越した技量からなる、一撃を放った。
 飛ばされたミフネウサギの着物が汚れ、端々が破れる。
 この機を逃さず白陽も次の一手に移った。
 自身の存在を一時的に普遍的無意識にまで拡大し、己をその内へ沈める事で世界に溶け、対象に物理的な傷を与えず存在と生命の根源を直接解体しするグラビティだ。
「死にゆく者は無知であるべきだ。要らぬ煩悶は捨てて逝け」
 無垢式・絶影殺――ムクシキ・ゼツエイサツ。
 ミフネウサギの表情が歪んだ。
「……それしきで、敗れる妾ではない。さあ、夢か幻か、そなたの見るものは何であろうな?」
 衝撃で飛ばされる最中にも、空中で態勢を立て直したミフネウサギが、刀の切っ先に魔力を集め、赤いの魔力弾を作る。そのまま刀を振れば、魔力弾はミルフィめがけて飛ぶ。この攻撃はトラウマボールと同じ効果のあるものだ。命中した相手は悪夢を見る。
 ミルフィが飛びのいた。
「あの時のままの、わたくしではありませんわ! 夢も幻も、必要ありませんもの。わたくしが見るのは、皆様と歩むこの現実のみ!」
「前を向いて歩いていくために、今、この決着をつける。ですよね? ミルフィさん」
 えにかがミフネウサギの真横から、ヌンチャク型如意棒で一撃を仕掛ける。
 武器がぶつかる。
 振り下ろされる刃を紙一重で捌き、如意棒はミフネウサギの肩に当たった。
 反撃を食らう前に、えにかは後方へさがる。
 ミフネウサギが肩を抑える仕草をするが、口振りからダメージは感じられない。
「あははは! 妾は妾の求めるもののため死合うのみ。ケルベロスども、妾を満足させてみよ」
「黄昏よりも紅き月、禍時よりも藍き蒼穹、大気に漂う月の波動、我が両手に集いて、栄華の世を仇なすモノに等しき罰を与えんことを」
 琉拿綴紅弩螺魂――ルナティックドラゴン。
 マロンは両手にエネルギーを集中させ収縮し、満月に似た光球を作り出しドラゴンの形をした衝撃波として繰り出した。七本刀のうち、2本で衝撃波を阻もうとするが、着物の両袖に長かった裾も破れ、無残な姿になっている。剣士としては無様、しかしその容姿もあり、色気や艶も垣間見えていた。
 マロンはミフネウサギの様子を見やり、感心したように呟く。
「強いね。流石に一人で襲撃してくるだけはあるよ」
「いくら強くても、性格も口調もちょっとアレよねぇ。……もしかして、実はかなりの年齢、だったりするのかしら?」
 即座に玉緒は、意地悪く笑みを浮かべ、ピンヒールで飛んだ。流星の煌めきと重力を宿した飛び蹴りだ。
 ミフネウサギが玉緒を睨むが、飛び蹴りのほうが早く、彼女の体が転がる。
「お願い、白い薔薇さん達、女王様に染められる前に、みんなを癒して……」
 プリンセス・アリスと女王の庭園――プリンセス・アリス・イン・クイーンズガーデン。
 アリスの髪に白い薔薇『ロイヤル・プリンセス』が咲き、同種の薔薇が咲き乱れる【女王の庭園】を召喚。場の仲間の傷や状態異常等を回復させる。女王の命令で紅く染められる前の白い薔薇の庭園は、アリスの慈愛の祈りとともに傷ついた者達を優しく癒す世界。
 アリスの回復グラビティと同時に紫都が、己の武器に雷の霊力を帯びさせ、神速の突きを繰り出す。
 襲われたのはミルフィだ。何らかの因縁があるのだろう。それを邪魔しない範囲でなら、この場で剣士として対峙しても許されるだろうか。
「せめてこの戦いのひと時、剣を嗜む者として、振るわせていただきます」

●中盤戦
 ケルベロスとミフネウサギの攻防は続いた。
 少しずつでも、確かにダメージを与えている。逃亡されないよう皆が立ち位置に注意し、ミフネウサギの意識をこちらへ向けたりと、ある時は頭を使い、ある時は走り回っていた。
 ミフネウサギが七本刀で空間を斬る。言葉通り七本の刀だが、傍から見ているだけでは何をどう使い分けているのか、見た目には全く分からない。
「……っ!」
 大輔は激痛に思わず膝をつく。俊迅爪の仕返しのように、大輔の背を狙ったのだ。倒れこそしなかったが、彼の足元に血の海ができる程の怪我。
「大輔さん、今、治しますから!」
「ああ、すまねえ。……ったく、最初の根に持ってんじゃねえだろうな」
 もちろん、実際はミフネウサギにしか分からない。
 アリスは駆け寄り大輔の目前に、マインドリングから浮遊する光の盾を具現化させた。それに集中していたためか、ミフネウサギが間合いを詰めてくることに気づかなかった。
「アリスさん、危ない!」
 近くにいた紫都が間に割って入る。
 鍔迫り合い。
 鉄の擦れ合う耳障りな音が響く。
 腕力勝負だが、先に引いたのはミフネウサギだった。
「ほぅ、剣士の口振りをするだけのことはあるようじゃ」
「剣士は紫都だけじゃないんだがな」
 白陽が走る。後方へ飛びのいたミフネウサギをめがけて、武器に空の霊力を帯びさせ、敵の傷跡を正確に斬り広げる。
 入れ替わりにマロンが放ったドラゴンの幻影が、ミフネウサギへ襲い掛かった。
「ミルフィさん、今です!」
「強くなったとは申しません。けれど、今もまだ未熟なままではありません」
 マロンのドラゴンの幻影が目眩ましとなり、ミルフィが更に踏み込む。呪われた刀で刺し貫いた後、刃から伝わる呪詛で魂を汚染する。
(出来ることも、仲間も増えた。変わったことはたくさんあるけれど、それを強くなったと言えるのか……)
 今はまだ分からない。もしかしたら、気づいていないだけで答えは近くにあるかもしれない。
 しかし考えるのは後だ。ミフネウサギを倒さなければ。
「みんな、頑張ろう! もう少し!」
 ミルフィの凶太刀によって、ミフネウサギが態勢を崩した隙に、えにかが薬液の雨を降らせる。皆の細かな傷が治っていく。
 ミフネウサギが完全に態勢を持ち直す前に、玉緒が次の一手に出る。
「そうね。もう少しなんだから……耐えきって頂戴。これぐらいで逝かれちゃあ、愉しめないし……ね?」
 鳳蝶ノ煌――アゲハノキラメキ。
 バレットタイムを発動し、すぐさま銃底での殴打で防御を崩す。その隙に迸る神気を『七色に輝く蝶の羽』状に展開し飛翔。そのまま空中でバク転し、頭上からピンヒールでの急襲。そのまま踏みつけ、展開した神気を収束し撃ち込む。スタイルの良さもあいまって、更なる挑発も混じる連撃グラビティをミフネウサギに叩き込んだ。

●皆と歩む道
 七本刀を使い分け、時に複数を同時に振るう剣腕は見事なものだった。
 互いの気迫と闘気。そして極限の緊張。
 戦闘により枝からはぐれた木の葉が風に舞う。
 刃の激突音。
 ミフネウサギの攻撃と同時に、紫都がグラビティを放った。
「師伝の技、今ここに!」
 シャドウスラッシュ。
 闇の闘気を武器に込める事によって、近接範囲の対象1体に、攻撃音を立てる事なく鋭い一撃を放つグラビティだ。
 紙一重のところで、ミフネウサギの攻撃を相殺した。
「……素晴らしき剣技。立場が違えば稽古の一つでもつけて貰いたかったですね」
 ボクスドラゴンのりゅうも、紫都のサポートを中心に皆の間を走り回っている。
「ミルフィとどんな因縁があるのかわかりません……けど……ミルフィは……とってもお強いんです……!」
 アリスは理力を籠めた星形のオーラを蹴り、誇らしく言いきる。ミルフィはアリスの家のメイド、主人とメイドの関係のみならず、強い絆があるのだろう。
 そしてミフネウサギは、多くの怪我を負い、戦闘時間も長い。気分が高揚していても、余力が残っているとは思えない。
「ならば、初めに言ったであろう。妾を満足させてみよと」
「どうしてもっていうのなら……ミルフィにお願いしたら良いんじゃない?」
 玉緒がヤクザキックを叩き込む。
 ギリギリまでミフネウサギの視界を、玉緒で塞ぎ、大輔の攻撃の直前で飛びのく。
「全ての力を集中し……ただ一点を……抉り、貫け!!」
 零式体術『螺旋』――ゼロシキタイジュツラセン。
 グラビティを両足と右腕に集中させ、両足のグラビティを踏み込みと同時に爆発させて突進。抉るような鋭い回転をさせた鉄爪で相手を貫く。
 あまりの痛みに背をのけぞらせるミフネウサギ。反撃しようと刀を振るが、命中するはずもない。
 えにかは如意棒に空の霊力を帯びさせ、絶空斬で斬り込んだ。
「ミルフィさん、これが終ったら祝杯といきましょうや!」
「……っ! ええい、忌々しい!」
 ミフネウサギが声を荒げた。先ほどまでとは、全く違う口調。
 白陽が踏み込む。呪われた武器の呪詛を載せた、美しい軌跡を描く斬撃。
「言い忘れるところだった。俺も血の気は多いが、死を捲く真似はしない」
「あああぁぁぁ! 妾は、妾は」
 ミフネウサギの中で、激痛と高揚感、敗北感が入り混じっている。
 白陽が後方へ下がった。
 間髪いれずに、マロンが精神操作で鎖を伸ばし、敵を締めあげる。
「……捕まえた。今だよ、ボクが足止めしている間に」
 マロンの言葉にミルフィは頷いた。
「わたくし達は負けませんわ! あなたを超えて、大切な今を生きていくんですもの! 『首狩り白兎』からは逃げられませんわ――その素っ首、貰い受けますわよ……!」
『牙裂兎杵鈷羅』――ガレットショコラ。
 刀を逆手に持ち、首狩り兎の如く標的の懐に飛び込み、その首を刎ね、斬撃が『跳躍』するかのように真空をも斬り裂き、遠く離れた敵もその命を両断し仕留める。 恐ろしく高い戦闘力を有するが、一歩間違えば妖刀に呑まれかねない危険な戦技。
「それでは妾の首は取れぬ。……が……妾を超える、か。ならば、生きてみせよ。妾は……見ておるぞ」
 撃破したデウスエクスに人間でいう魂のような概念があるのか、それは分からない。最後といえど、戯れの言葉だったのかもしれない。
 それを最後にミフネウサギは刀を残し、消滅した。

 戦いが終った。皆が町の修復したり、見回る中、アリスの鎮魂歌が響く。ミルフィは黙祷を捧げる。
 様々な記憶と感情が駆けミルフィの脳裏を巡った。それも今日で、ひと区切り。
「ミフネウサギ……或いは……わたくし自身……だったのかもしれませんわ…」
 大切な今を、仲間と歩み、生きていく。
 そのために、明日からもまた戦い続けるのだろう。でも戦いが終った今だけは、少しだけこれまでを振り返りつつ、ケルベロス達は帰路につくのだった。

作者:宮下あおい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年4月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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