雪原より来たれ巨象!

作者:baron

『パオーン!』
 ドスドスと音を立てて巨大な像が街へとやって来る。
 そいつは長い牙を持ち、毛皮にも似た装甲を持つダモクレスだ。
 その体重ゆえに降り積もった雪などものともせず、地響き立てて街に乗りこんで来る。
『オーン!』
 そして人々を蹂躙した後、大きなビルを粉砕すると怪しげな空へと消えてしまったのである。


「先の大戦末期にオラトリオにより封印された巨大ロボ型ダモクレスが、復活して暴れだすという予知がありました」
 セリカ・リュミエールが北海道の地図を手に説明を始めた。
「お、これマンモスやな。それともナウマンゾウやったっけ」
「全長7mものサイズですし、マンモスでしょうか?」
 美津羽・光流(水妖・e29827)の疑問にセリカは応えつつ、簡単な説明を付け加える。
「復活したばかりの巨大ロボ型ダモクレスは、グラビティ・チェインが枯渇している為、戦闘力が大きく低下しています。ですが、放っておけば、人が多くいる場所へと移動し、多くの人間を殺戮して、グラビティ・チェインを補給してしまうでしょう。その後に他の街に行くか魔空回廊で回収されるかの差はあれ、大きな被害が出てしまいます」
 当然ながら虐殺を放っておけるはずもない。
 更に内部に工場があり、アンドロイド型などのダモクレスを量産すると言うのでは尚更である。
「俺らに任せとき。それがケルベロスや。しっかし倒すだけなら簡単やけど七分ゆうのは面倒やねぇ」
 歴戦のケルベロスならば時間を掛けて敵を倒すのは難しくない。
 だが時間制限付きという条件が付くと突端に難しくなる。相手が攻撃特化ならまだしもタフネスなタイプでは尚更だ。
「場合によっては全力攻撃を引きだすのも手かもしれません。このダモクレスは、グラビティ・チェインの枯渇により、全体的な性能や攻撃力が減少していますが、戦闘中1度だけ、フルパワーの攻撃を行う事ができます。ただし、ただでさえ少ないグラビティを使い果たすので、大幅にダメージを受けるようです」
「あー、敵によっては時間が来たり取り囲むと全力攻撃するんだけっか」
「危険やけど場合によっては仕方無いかもしれんねえ」
 セリカの説明にケルベロス達は頷いた。
 囲まれるのを嫌ったり、今ならば大ダメージを与えられると判断する場合や、回収される前に全力で攻撃を放って撤退する個体も居る。
 チーム編成にもよるだろうが、そちらを試すのも良いだろう。
「攻撃方法としては大きな牙で突き刺したり、体当たりで攻撃してきます。また有利にはなりませんが建物の上に乗って、合図を出し合ったりしながら攻撃をする事も可能です」
 セリカはそう付け加えると、避難勧告は終わっているので、町はヒールで修復可能だと教えてくれた。
「罪もない人々を虐殺するデウスエクスは、許せません。よろしくお願いしますね」
「いっちょパパっと片付けて来ますかいな。予定次第やけど」
「雪の北海道だしね……。まあなんとかなるでしょ」
 セリカの言葉に光流たちは胸を叩き、相談を始めるのであった。


参加者
草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028)
フィスト・フィズム(白銀のドラゴンメイド・e02308)
美津羽・光流(水妖・e29827)
ヨル・ヴァルプルギス(グノシエンヌ・e30468)
信田・御幸(真白の葛の葉・e43055)
ベリリ・クルヌギア(不帰の国の女王・e44601)
陽月・空(陽はまた昇る・e45009)
アメリー・ノイアルベール(本家からの使い・e45765)

■リプレイ


「まんもす。……まぁ、大きゅう御座いますね」
 敵の姿を見掛けた時、ヨル・ヴァルプルギス(グノシエンヌ・e30468)の抱える人形が声を挙げた。
 地響きを立て啼き声を上げ、更には毛皮に見える装甲まで付けて居る。
「大きさで利を得るのはダモクレスの常套なれど、其の厄介さは此れ迄でよく存じておりませば、此処で確実に倒しとう御座いますね」
 ヨル自身の顔色は目を閉じたまま変わらないが、人形たちはウンウンと頷いている。
「ところで、いつになく素敵な御召し物ですね」
「ぬ……。け、決して寒いのが苦手な訳ではないぞっ!? これはだな闘いを前に身体が冷えてはry」
 ヨルの人形がベリリ・クルヌギア(不帰の国の女王・e44601)の方を向くと、真冬の様な格好だ。
 彼女は温かい国の出身なのだが、それにしても限度という物がある。というか本来であれば防具効果で十分。
「ゴホン! やーどうやらデカブツめが御到着のようだなぁっ! ギッタンギッタンにしてやらねば!」
「ギッタンギッタンってなんだ……? まあいいや。この現代でマンモス狩り体験ができるなんて思いもしなかったぜ! 態々過去からご苦労ってやつだ!」
 ベリリの誤魔化しに首をかしげつつ、草火部・あぽろ(超太陽砲・e01028)は拳で掌を叩いた。
 バシっという景気の良い音が響き、戦闘態勢を整えて走り出す。
「折角目覚めたんだし存分に堪能しな、久方ぶりの太陽の光を!」
 あぽろは成長する刀を掲げると、陽の光を移しながら刃は弧を描かせた。
 コンビニの屋根を足場に疾走しながら、飛び込んで鋭い一撃を放ったのである。

 それに対しダモクレスは毛皮を爆発させながら防ぎ、牙を伸ばして逆襲に出る。
『パオーン!』
「恐竜に続いてマンモスも狩れるとは今年は狩りの当たり年やな。当たり年だけに、鬼さん、こちらや」
 美津羽・光流(水妖・e29827)は延びる牙の前に飛び込みつつ、ハタと気が付いて溜息をつく。
「っ痛つ…牙……白くて綺麗やな。先輩への良い土産になりそうや」
 痛みをこらえながら己を貫くアイボリーの牙を眺め、筋肉を引き締めて動きを止める。
 そして牙を撫でる様に凍気を伝わらせた。
「死死っデカブツだけに蹴りがいがあるなぁっ!」
 凍り付き始めるマンモスに対し、ベリリは翼を広げて滑空すると黒衣に相応しき漆黒の流星と化した。
 頭を蹴りつけて一回転すると、そこを足場に仲間に場所を譲って飛びのいて行く。
「良いタイミングだわ」
 ヨルが人形を操ると足元から流体金属が立ち上り鉄拳と化した。
 パっと見には金属の津波に見えなくもないが、よく見れば人形の周囲から滴っていたのが判るだろう。


「作戦が始まる前に言ったが、判ってるな?」
「時間との勝負、ですね…逃したら大変なことになります」
 そう呟きながら信田・御幸(真白の葛の葉・e43055)は頷き、時計の片隅にアラームを示す独特のマークがあるのを確認した。
 アメリー・ノイアルベール(本家からの使い・e45765)が言う様に、時間の問題がある為、時間がくれば鳴る様にセットしていたのだ。
「ならば良い。お互いにまだまだ未熟だがやれることは全てやろう。九曜のコトワリと共に行くがいい!」
 御幸は奥義を掲げ、天地に新たな約束事を刻む。
 それは世界を揺らし、アメリ-の姿を無数に分散させる。
「いきます。絶対に倒さなければ、です」
 アメリーは無表情だが、その手は如実に信条を語る。
 いつもは動物さんをモフモフしている指先でスイッチをカチカチ。
 夢中になって四方に魔力の風をばらまいていった。
「よし、これならばあの装甲を貫けるかもしれん」
 フィスト・フィズム(白銀のドラゴンメイド・e02308)は充満する魔力を感じ、ぎゅっと拳を握った。
 先ほどから仲間が攻撃していたが、相手がディフェンダーな為か元から体力が高いからかそれほど効いた様には見えない。
 やはり仲間同士で協力し合い、援護し装甲を剥ぎ取って闘うしかあるまい。
「まあ基本に忠実に戦い続けるしかないよね。それにしてもダモクレスの人達は地味にずっと同じ作戦を続けてるみたいだけど……他に何か仕掛けてこないのかな」
「数で押すのかも……破壊と生産を一体で兼ねるなんて、恐ろしい種族、です」
 陽月・空(陽はまた昇る・e45009)の言葉にアメリーはそんな感想を返した。
 巨大ダモクレスは内部に工場があるし、アンドロイド型もまずは工場を作ろうとする事が多い。数を重視して居たのかも。
「なるほどね。どうせ量産するなら食材量産して、料理を食べる勝負とかなら楽そう……もっと楽にしたいよ」
 言いながら空は翼をはためかせてビルに登ってから、飛び蹴りを浴びせたのである。
 相手は格上である。まずは動きを止めて当て易く、次に装甲を剥ぐ番だ。順序立てて地道に行くとしよう。
「防壁を立てたら私も出るぞ! 其は焼き払われ、其は過去へ葬られし美しき我が故郷の思い出のひと欠片……幼き我が記憶を以ってここに顕現せよ! グリューン……サルヴ!!」
 この地を仲間を。故郷のように守るべき場所としてフィストは定めた。
 すると足元から滲み出る暖かな黄金の光が周囲へ拡散。黄金の美しい葦原となって世界をを護る結界と化す。
 ケルベロスを守ることで一重、無数のケルベロスが人々を守ることで多重の防壁と成るのだ。

 そして一同が翼の様な陣形でダモクレスを迎え討ち、囲まない程度の緩やかなカーブで布陣する。
「……やれやれ。これが本物のマンモスならこのナイフも本来の役目を久々に果たせる所だが。それより、来るぞ!」
『パオパオパオ!』
 牙を摸したナイフを軽く握ったフィストだが、ダモクレスの毛皮が逆立って行くのが判る。
 巨大なハリネズミと化したマンモスは、毛皮の中に仕込んだ爆発装甲で針を撃ち出したのだ。
「くっ。テラにも協力させるが、止めきれない場合はアタッカーを中心に治療してやってくれ。私はなんとかする」
「了解。その時はそうさせてもらうけど……フィスト、まずは合わせるよ!」
 嵐の様に射出される針をフィストは斧を頭上で回転させて叩き落としながら、傷と御幸と翼猫のテラに任せて戦場を駆ける。
 刃が光を帯びて敵中に飛び込むのを見ながら、御幸は言魂を紡ぎ始めた。
「祓い給え、清め給え。宇迦之御魂大神、魔を喰らう牙を我らに与え給え――!」
 御幸は大地母神信仰の光の面と暗黒面を、日本における宇迦之御魂大神と和合させて解釈した。
 女神の面である和魂の力で癒すと共に、荒魂である荼枳尼天……羅刹女の力で破壊に転じさせる。
 その使い神たる白き狐は癒しと破壊の力を仲間達に与える為に、フィストが作り出す黄金の葦原を駆け抜けて行った。


「やっぱり中は肉じゃないのか……本物のマンモスだったら、食べられたのに……残念」
「むしろ人狩り象やし躊躇なくバラバラにしたるわ。未練はあるけどな」
 敵の装甲がめくれ上がった時に、空はメカメカしい中を見てしまったようだ。
 光流も同感だと言いながら、本物だったら切り取る為に用意した二本の刀を見せる。
「マンモスステーキ食べれへんのは残念やけど、いくで」
 光流は矢継ぎ早に印を組んで、最後に両手の人差し指同士を合わせる印と共に吐息を吹いた。
 そして開放されたグラビティはダモクレスのAIを惑わせ、過去の記録を内部で再現させる。
 どんな光景か外からは判らないが、ポーズの影響もあって氷の吐息を浴びせたかのように見えた。
「まっ。いつまでも残念がってても仕方が無いし、暴れん坊のマンモス、そろそろ仕留める時間にしよう」
 空は死霊を操って宝珠を浮遊させると、内部に刻まれた紋様をグラビティで拡大。
 映し出された水晶の紋様は陽炎の如き幻の焔であるが、それはいつしか重力の刃と化して装甲を切り裂いた。
「槍や石でも期待してたか? 現代の狩りは凄いモンだぜ!」
 あぽろは仲間がAIに浸食した瞬間を狙って時間を凍結し、冬の記憶のまま閉じ込めておくことにした。
 苛烈に追いたてるのはもう少し後の事だ。
「ケリドウェン……は大丈夫みたいネ? なら出でませ、異界の傀儡師」
 ヨルは翼猫の様子を見てあの程度の傷なら問題無いとみなして攻撃を続行する。
 虚空に無数の歯車を呼び、中心に在るナニカから魔力の糸を這わせると、自身や抱えている人形達に接続。
「くるクル繰る狂る刳る」
 糸は歯車を介してヒトガタを操る。
 歯車が廻れば人形達が踊り、歯車が廻ればヨルもまた踊る。
 直接攻撃されようが流れ弾に巻き込まれようが止まることなく、歯車が巡り回る度に速度を上げてヒトガタ達は戦場で踊る。
「おおそうじゃ。確かマンモスは氷雪の時代に生きておったな。ならこれは嬉しかろう? さぁ喜べ!」
 ベリリは夜空にも似た空を開いた。
 アメリーが振りまいた魔力の風を越え、その向こうから呼び寄せられるのは光輝く瑠璃色の大地。
「……天涯は満ち満ちる闇の杯を飲み干して、壮麗にして蒼冷なる残照を夜空と瞬かせん。堕ちよ瑠璃星。夢覚ます絶度の輝きを玲瓏と放て」
 宇宙の寒さに封印されし、巨大な氷が光を吸い込みながらやって来る!
 ベリリが制御を僅かに紐解くと、それだけで氷塊は存在でき無くなり、どうじに封印された凍気が開放されて周囲に満ち溢れた。
 魔力の風に乗り一瞬だけの悪夢が地上を凍らせていく!
「時間……三分の一点…半分くらい? 経過。急がないと大変です」
「死死死っ。任せておけい!」
 アメリーは風の領域を広げるのを停止、台風の目とでも呼ぶべき位置から翼広げて出発する。
 飛び蹴りの態勢になって空を駆ける彼女に並んで、ベリリが黒き刀を髑髏の指輪を嵌めた手で撫で上げ走り出した。
「そちに肉がないのが些か残念だ。とりあえずその粗末なもの切り飛ばしてくれよう」
 ベリリは呪詛を刀に宿しながら突撃し、全体重を掛けながら切り裂いて……そんなに重くはないぞ! 健康的なだけだからな!
「こんなのが大戦末期の頃から存在していたなんて凄い脅威です。……でもケルベロスだって負けていないのです」
 アメリーはそう呟きながら気丈に蹴りつけて行った。


「えろう情熱的やな……、まあ俺が喰らう分にはええけど」
 光流は何度目かの攻撃を受けて商店の中に吹っ飛ばされた。
 シャッターを突き破りながら転がり血だらけになりながら立ち上がる。
 かなり痛いが、先ほど針攻撃で攻撃役をカバーできなかった無念の方が辛いくらいだ。
「六分目! リミットだ! 囲んで!」
「おっしゃー。逃がさへん」
 御幸が送ってくれた白狐を肩にのせ、光流は怪我の治療もそこそこに敵の後方に回った。
 脚は引きずってないし、アバラ骨も折れてはいない。大怪我ではあるが全力攻撃が来たとしても、今と同じ攻撃でなければ死ぬことは無い筈だ。
「来いや」
 光流はそのままトラウマを刺激しつつ仲間を守るために身構える。
 次の攻撃は必要だろうか?
「魔空回廊には逃がさねぇよ、ここで消し飛んじまえッ!」
「援護する。いけっ!」
 あぽろが攻撃しようとしたところで、フィストが先に切り込んで牙の如き刃を突き立てた。
 それに合わせて時間を止め、防壁が減ったところでピキピキと浸食が進んで……。
 いや、それだけではない!

 爆発してダメージを半減させてきた、針の装甲が完全にめくれ上がる。
 プクーっと風船の様にふくれる姿は、非常にコミカルだ。だがその姿を笑う物は一人としていなかった。
「迂闊に動くなよ。層が薄くなっている分カバーし難いからな」
「それでもなんとかするんが仕事やけどな」
 フィストや光流はサーヴァント達と共同で仲間を庇いながら、冷汗をこらえて反撃の機会を待つ。
 範囲攻撃を完全にカバーするのは難しいが、このマンモスの場合は単発の攻撃で全力されるよりはマシだろう。
 現に針が直撃してしまったクラッシャーも、大怪我ではあるが死ぬほどの傷は受けて居なかった。
「賭けたからには必ず仕留めます。ところデ気分はどうかしら?」
「目には目を……象には象をっだ! ぶちかま……死ャ死ャ死ャ死ャ死ャ!!」
 夜の人形が首を傾げるポーズを決めるが、ベリリは応えて居る途中で激昂し始めた。
 よほど先ほどのダメージが痛かったらしい。オーブがギョロリと目の様に輝き、グラビティと死霊が肉を作りあげて行く。
「判る気もするのだわ。わたくし、こう見えて、相当の『負けず嫌い』なりませば」
 ヨルはそう言って人形を操り、影を渡る様に動かし始めた。
 途中から魔力の糸がそれを操作し、高速を保ったまま刺客の中へ突撃させていく。
 そこへベリリの作った魔物も並走するとダモクレスを喰らいついた。
「おっ。効いてるね。かなり能力が下がったみたいだ。このままパパっと行こうか」
 空もまた二つのオーブを魔物の目に変えて、グラビティで姿を作って強襲させた。今までと違って、一撃食らうだけでかなりフラフラしている。
「皆さんと力を合わせて、きっと倒してみせます」
 それを追い掛ける様にアメリーは家屋の屋根を足場にしながらチェンソーで大回転!
 動きも鈍っているようで、確かに全力攻撃はキツイが準備をして居るならば誘発するのも悪くない。
「陽々さま、俺の太陽神さま、今こそ力を貸してくれッ! 喰らって消し飛べ! 『超太陽砲』!!」
 最後にあぽろが再び放った光の柱がダモクレスを貫いた。
 太陽の力は熱と破壊、正義も悪も無い暴虐の光がダモクレスを焼き焦がして行く。
 右拳を握れば役目を終えた光が分散し髪の毛の輝きも消え、なんだか暗くなった気がする。

「上手くいってよかったです。マンモスは本の中だけで十分ですね」
「ひぃぃ……流石北海道、さみぃ…さっさと直すトコ直して帰るぞォ! 雪も超太陽砲で纏めて溶かせねーモンかな……」
「妾 も試したが残念ながら……な。頼むと言うなら手伝わんでもない」
 アメリーがそういって頷くと、あぽろが震えながらヒールを始めベリリも御片付け。
 寒いのは嫌いなのでパパっとやろう。
「氷漬けのマンモスは食べられると聞いたことがあるんだが、こいつは食べられそうにないな」
「残念やなぁ」
「食べたかったよね」
 フィストの呟きを聞いて、最初は残念がっていた光流と空であるが……。
「……わたくし存じ上げております。とある肉の作り方」
「「なん……だと!?」」
「そういえば聞いたことがある。食物の神でもある宇迦之御魂大神に掛けて本当だとも」
 ヨミの人形が鍋をかき回すポーズを始めた所で注目した。
 御幸がレシピを保証した時、胡散臭い表情をしたものの。大きな骨と薄切り肉とミンチを重ねて月夜の晩に呪文を唱えれば作れるらしいと聞いて、やってみようと頷いた。
 何人かがマンモス肉の興味をかき立てられながら、一同は帰還したということである。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年3月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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