●
寒風吹き荒ぶ山中。
一人の若者が佇んでいた。手に日本刀をもっている。
通常の日本刀の長さはおよそ七十セントメートル。が、若者のそれは違った。一メートルを超しているだろう。
若者の目は飛ぶ隼を追った。
一閃。若者は刃を抜きうった。が、白光はむなしく空を薙いでいる。
「くそっ」
若者は悔しげに唇を噛んだ。
彼の剣流は飛燕流。剣祖は舞う燕を剣で切り裂いたという。
その時だ。はじかれたように若者は振り向いた。凄絶の殺気を感得した故だ。
そこに青い髪の美影身が立っていた。
「お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
それはいった。幻武極という名のドリームイーターであるのだが、無論、そのことを若者は知らない。
吸い込まれるように若者は斬りかかった。が、幻武極は平然としたままである。幻武極に物理的な攻撃は通じないのだった。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
幻武極は無造作に鍵で若者の胸を貫いた。と――。
すうと朧な影がうかび上がった。
痩せてはいるが、しなやかさを備えた二メートルを超える長身の美青年。が、断じて人ではなかった。男の目には瞳がない。闇の深淵であった。
青年の手には刀が握られていた。とてつもない長さの日本刀だ。三メートルほどもあるだろう。
青年は刀を抜き払った。すうと八双にかまえる。
刹那、青年の刀が消えた。次の瞬間、彼の刀は逆袈裟の形で空で固定されていた。薙ぎ下ろした刃が地を斬る寸前、反転してはねあがったと見とめ得る者がこの世にありうるか、どうか。
ぼとり。
切断された隼が地に落ちた。それを一瞥した青年が納刀する。
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
幻武極はニンマリと笑った。
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「武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起こるわ」
妖艶な美女がいった。和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)である。
武術家を襲うのはドリームイーター。名前は幻武極という。自分に欠損している『武術』を奪ってモザイクを晴らそうとしているらしい。
「今回襲撃した武術家の武術ではモザイクは晴れないようね。けれど、代わりに武術家のドリームイーターを生み出して暴れさせようとするわ。出現するドリームイーターは襲われた武術家が目指す究極の武術家のような技を使いこなすようで、なかなかの強敵となるでしょうね」
ドリームイーターの武器は長刀。鉄塊剣のグラビティに良く似た業を使う。間合いは長く、剣は速い。ケルベロスですら躱すことは困難であろう。
「このドリームイーターは、自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えているわ。その性質を利用――つまり戦いの場を用意すれば、向こうから戦いを挑んでくるでしょうね」
香蓮は妖しく笑った。
参加者 | |
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叢雲・蓮(無常迅速・e00144) |
燈家・陽葉(光響射て・e02459) |
巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677) |
樒・レン(夜鳴鶯・e05621) |
ユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025) |
ユーディット・アルニム(装甲砲士・e29597) |
天変・地異(はボンバー・e30226) |
ルコ・スィチールク(雪鷲・e37238) |
●
寒風吹き荒ぶ山中。所々に残雪が見える。
山道を歩んでいるのは八人の男女であった。
「今回の敵は~…んとんと、大きくて長くて速いのだな!」
感嘆の声を、その少年は発した。
十歳ほど。白銀の混じる艶やかな黒髪と紅玉を梳かしたな瞳の持ち主だ。顔立ちは端整で、女と見紛うばかりの美少年であった。名を叢雲・蓮(無常迅速・e00144)という。
「ボクが大人になっても、あんな大きくなれなさそうなのだよ…じゃ、なくて。武器も長いから超接近戦は苦手そうな感じ? 敵の必殺Vの字斬りを恐れずに懐に飛び込むの! わぅ? 技名、違うのだよ?」
「燕返しってよく言われてるあれかな」
微笑みつつ、燈家・陽葉(光響射て・e02459)という名の少女がこたえた。
その陽葉であるが。綺麗な少女だ。白銀の髪と金色の瞳の持ち主で、まるで月光と陽光を混ぜ合わせたような輝きがあった。が――。
その金色の瞳の奥。孤独の翳があった。誰も知らぬことだが、陽葉の家族はデウスエクスに惨殺されていたのだった。
そのような過去を感じさせぬ明るい声で陽葉は続けた。
「回避不能の魔剣、だとか」
「回避不能?」
興味をそそられたのか、巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677)という名の娘が問うた。これは陽葉と対照的な娘である。
しなやかな肉体と小麦色の肌。いかにも躍動的な娘であった。
ええ、と陽葉はうなずいた。
「理としては正しいんだけどね。初撃での決着なんて滅多に着かないから、二撃、三撃と追い込んでいく、って。強そうだし、ちょっと楽しみだね」
「そうか、強いか」
女が薄く笑った。細身だが良く鍛えられた身体を黒の衣服で包んでいる。銀髪を風に靡かせた秀麗な女だ。雪に溶け込みそうな白い肌の持ち主で切れ長の目は鋭い。ハンターの目だ。
「そうか、そうか、そうか」
喜びを隠せぬように、女――ルコ・スィチールク(雪鷲・e37238)は笑みを深くした。
●
山中に開けた場所があった。はしゃいだような声をあげたのは蓮である。
「ここがいいのだ。なんだか決闘みたいで雰囲気あると思うのだ!」
「そうね」
慈母のように微笑みながら、穏やかな物腰の美しい女はいった。名をユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025)といい、もう中学生になる娘がいる一児の母なのだが、とてもそうは見えなかった。咲き誇る花のように瑞々しい。
「注意しないと大怪我しちゃうわよ」
ユリアは蓮の頭を優しく撫でた。二ッと蓮が子犬のようなに笑う。
その蓮の背後。すうと一人の男が佇んでいた。黒の忍び装束に全身を包んでいる。唯一覗いている目には月光のごとき冴えた光があった。
「この時代に寒風吹き荒ぶ山中で一人修行とは恐れ入る」
男――樒・レン(夜鳴鶯・e05621)は感嘆の声をもらした。
「それだけ飛燕流のことを……剣祖の技を受け継ぎ、伝え続けていく事を大事に思っているのだろう。その真摯な想いを利用し、夢喰いを生み出す幻武極とは必ず決着をつけてやる」
レンの目が冷たく光った。
「が、今は夢喰を撃破し、若者の夢を取り戻すのが先決だ。この忍務、必ず成し遂げる」
レンははじかれたように振り向いた。彼の鋭敏な知覚は迫り来るただならぬ気配をとらえている。
遠くの山道にひとかげが見えた。長身の男だ。
「来たか」
レンはつぶやいた。すると、まだその声が聞こえぬはずであるのに、青年は足をとめた。そしてケルベロスたちを見やった。
刹那、ユリアの身裡を冷たい風が吹き抜けた。
かつて相見えたことのない大敵。余人は知らず、剣鬼たる彼女は悟った。
その間、するすると青年はケルベロスたちに歩み寄りつつあった。やがて距離がつまる。
男は長身の美青年であった。手にとてつもない長さの日本刀が握られている。ドリームイーターであった。
「待ちかねたぞ。尋常に勝負だ。いざ!」
レンは告げた。すると青年が嗤った。
「俺の相手となりうるかな」
「至高の武ねぇ……面白そうじゃねーか。見せてもらおう」
ニヤリ、とその男は獰猛に笑み返した。
名は天変・地異(はボンバー・e30226)。人間ではない。闇色の肌をもった竜種である。伝説上の存在であった。
そして、残る一人。八人めのケルベロスである娘は青年の全身を眺めた。人形を思わせる美麗かつ冷たい顔にわずかに表情が動く。その目は青年が携えた長刀を見据えていた。
「恐ろしく長い刀だな。よほどの膂力に違いない。しかし、冷静に間合いをとっていけば、必ず勝機は見つかるはず。一つの能力に頼っていては、いずれ息切れもするだろう。そこが攻め手だ」
娘――ユーディット・アルニム(装甲砲士・e29597)は独語した。
「そうかな」
嘲弄するように青年は嗤った。
「そういくかな」
「黙りやがれ」
地異の手から漆黒の鎖が噴出した。それは地を削りながら疾り、守護を意味する魔法陣を描いた。
●
蓮が動いた。一気に青年との間合いを詰める。
「ふんっ」
蓮は喰霊刀の刃をたばしらせた。疾風の一閃だ。が、青年は長刀の鞘で軽く払った。同時に脚をはねあげ、蓮を蹴り飛ばす。
魔性の蹴撃。吹き飛ばされた蓮は樹木に激突、幹をへし折ってようやくとまった。
「ふふ。鳥を斬るのにわざわざそんな大きな刀を使うなんて……好きよ、そういうワケの分からなさ」
ユリアは微笑んだ。剣鬼としての血潮が奔騰している。
蓮は超人といってよい。神すら殺すことのできる存在だ。その一撃を鞘のみにてあしらうとは――。
「君の隼返し、見せてもらうよ」
飛鳥と化して陽葉は跳んだ。つま先が膨大な熱量により発光、空間に光の亀裂を刻む。さしもの青年も躱せぬと判断した。
「見せるまでもない。飛燕流、片手一閃で十分だ」
青年は抜刀した。噴出した銀光が空を裂く。迅雷の一閃だ。
地に、驟雨のごとき鮮血が降った。一瞬遅れて陽葉の身が大地に叩きつけられる。その右足はほとんどちぎれかけていた。
「ほう」
この場合、青年の口から感嘆の声がもれた。彼は陽葉を真っ二つに切り裂いたと思ったのだ。が、そうではない。
「なるほど。確かにできる」
青年はすうと八双に長刀をかまえた。
「ならば飛燕流奥義、尽くさねばなるまい」
「おばさんとも、遊んで頂戴。燕よりは斬り甲斐があると思うの?」
声は陽葉のそばで響いた。ユリアである。その手には抜き払われた日本刀――無銘の打刀が握られていた。
「うん?」
青年の眉が訝しげにひそめられた。いつの間にか陽葉の足が治っている。
「貴様の仕業か」
「ええ」
ユリアは微笑んだ。
剣鬼たるユリアにできるのは、ただ斬ることだけ。ならば、斬られた因果もまた切り捨てるに如かず。ユリアの奥義たる切り払いとはそういう業であった。
その時だ。ルコが動いた。一気に青年との間合いを詰める。
「リーチの長い武器の恐ろしい所は、遠心力による威力の増大だ。それなら相手に密着し、相手が武器を振りにくい状況を作ればいい」
きらっ。
光がはねた。目にもとまらぬ迅さで青年が長刀を振り下ろしたのだ。
咄嗟にルコは足をとめた。止めえたのはケルベロスたるルコであればこそだ。顔面すれすれの空間を刃が流れすぎていく。それだけでルコの頬がぱっくり裂けた。
きらっ。
またもや光がはねた。薙ぎ下ろされた長刀の刃が地を割る寸前、逆袈裟にはねあがったのだ。
さすがのルコもこの一撃は避け得なかった。胸から肩に切り裂かれ、ルコは吹き飛んだ。
「見たぞ、飛燕流奥義、燕斬り」
レンが印を切った。すると地に煙が渦巻き、中から大蝦蟇が飛び出した。半透明の大蝦蟇が。
大蝦蟇はルコに重なるように動いた。するとルコの傷が見る間に癒えていった。
「早く振るだけで、これほどのものとはな」
ユーディットは呻いた。
「そうかな。ヘイ、ミスターサムライ。燕が斬れるってか。ならオレは斬れるかよ」
挑むように笑みつつ、チューブトップにスパッツという姿で真紀はステップを踏み始めた。直接身につけているため、勃った乳首が存在を誇示しているし、股間の翳りは透けて見えている。が、この身なりは故なきことではなかった。
魅惑し、かつ空気抵抗を減らす。巽真紀というサキュバスにこそ似合いの身なりであった。
「いくぜ、ランドスパウト」
真紀は青年の眼前の地に飛び込んだ。背中や肩を使い、独楽のように回転する。ブレイクダンスのウィンドミルに似ているが、違う。そもそも回転速度が。通常人ではその変化を目で追うことなど不可能であったろう。いつしか旋風が巻き起こっている。
「幻惑か。たいしたものだが、燕斬りにはきかぬ」
青年は長刀を振り下ろした。所詮は独楽。中心を両断すればいい。が――。
愕然たる声は青年の口から発せられた。振り下ろされた長刀の刃を真紀の脚がはねとばしたのである。
燕斬りは神速の剣。本来であれば横に動く蹴りは届かなかったであろう。が、真紀は旋回していた。加速が彼女の蹴りに迅雷の速度を与えたのであった。
これこそが真紀の秘策。彼女は避けるのではなく、あえて長刀そのものを狙ったのだった。
続いて真紀の他方の蹴りが飛んだ。これは意想外であったらしく、青年の腹にまともに突き刺さった。衝撃にはねとばされ、地を削りつつ後退する。
「どうだ、ミスターサムライ。燕よりは速かっただろ?」
真紀は片目を瞑ってみせた。
●
「やってくれる」
苦く笑うと、青年は長刀をすうと上げた。その眼前、幻のように浮かび上がった影がある。青年の懐に飛び込んだユーディットだ。
咄嗟に青年は長刀を薙ぎ下ろした。が、態勢を立て直すぶん、動きが遅れた。
刹那、風が吹き荒れた。ユーディットの旋蹴が巻き起こしたものだ。
「これはどうだ?」
ユーディットの蹴りが炸裂し、青年は吹き飛ばされた。空で旋転、受身をとったのはさすがである。が、その口からは黒血がたらたらと滴り落ちていた。
対するユーディットはがくりと膝をついていた。その全身は鮮血にまみれている。袈裟に斬られた傷から鮮血がしぶいていた。
恐るべし。遅れていながら、なお青年の一刀はユーディットを切り裂く速さを秘めていたのであった。
すると青年は一気に跳んだ。なんの予備動作もみせず、十数メートルの距離を。自身、飛燕と化してユーディットに斬りかかる。
白光が唐竹に疾った。切り裂いたのは――おお、一輪バイク型のサーヴァントだ。
「ほう。主を守ったか。見上げたものだ」
たった一撃でライドキャリバーを屠ってのけた青年の長刀がはねあがった。この第二撃こそ、燕斬りの真髄である。
戛然。
雷火のごとき火花を散らし、ユーディットの顔寸前で長刀がとまった。横から疾った刃が防いだのである。
「型通りの剣というのは見切りやすいわね」
ユリアはいった。その言葉は間違ってはいない。が、青年の剣は迅雷の速さをもっている。それを受け止めることのできるユリアの剣技を何と評してよいか。青年の顔から笑みが消えた。
「回復は任せろ」
竜が吼えた。地異である。
わずかに青年の身が見開かれた。地異の身裡に凄まじい気がたわんだのを感得した故だ。
次の瞬間、ユーディットの傷が癒え始めた。地異の気による超自然的再生であった。
その時、真紀が跳んだ。その身は瞬時にして白銀の流体金属に覆われている。それは鬼の姿をしていた。
「さっきのようにはいかぬ」
青年長刀が消えた。咄嗟に真紀は斜め前方に跳んだ。より深く懐に飛び込むつもりであった。
「くっ」
真紀は横に転がった。白銀の鎧ごと切り裂かれている。はねあがった刃が切り裂いたのだ。
「やるな」
鮮血に頬を紅く染めたルコがニヤリとした。楽しくてたまらぬように。
傷つけば傷つくほど。敵が強ければ強いほど。この戦闘狂いは昂ぶるのであった。
「だが、私の方が強い」
ルコがいった。その声に不気味なものを感じ取り、さすがの青年が振り向いた。
瞬間、青年の腕が爆裂した。黒血と肉片が飛び散る。
「何をした?」
「サイコフォース。お前の腕一本、もらったぞ」
ルコの笑みがさらに深くなった。
●
「オン・マリシエイ・ソワカ」
レンは真言を唱えた。すると真紀の傍らにもう一人のレンが現出した。分身の術だ。真紀の傷が癒えていった。
「その剣捌きは見事。だが…真の剣とは言えん。己の想いが込められた研鑽を重ねた夢の結実としての技ではない故に。その夢はあの若者が目指すべきもの。偽りの現身である貴様を涅槃へ送り届けてやる。覚悟!」
レンは叫んだ。
「御託を並べてくれる」
青年は長刀を八双にかまえた。
と、青年の姿が消えた。そうとしか見えなかった。ケルベロスの超人的動体視力をもってしても。
一瞬後、ケルベロスたちの眼前に光が疾った。瞬間的に間合いをつめた青年が横薙ぎの斬撃を繰り出したのだ。ケルベロスとて躱せるものではない。吹き飛んだ。
「そうか」
蓮の目がきらりと光った。地を蹴り、青年の懐に飛び込む。
なんでそれを見逃そうか。青年の刃が真一文字に振り下ろされた。
薙ぎ下ろされる白刃を、蓮は躱してのけた。青年の初撃の太刀筋は見切っている。が、問題は必殺の第二撃であった。ケルベロスですら躱すことは不可能だ。
蓮は、しかしそのまま迫った。喰霊刀の刃をたばしらせる。
青年の傍らを蓮は走りすぎた。振り向いた時、すでに納刀している。居合の刀法だ。
青年はがくりと膝を折った。脇腹を斬られている。青年は燕斬りを放たなかったのだ。
いや、放つことはできなかった。そう見抜いての蓮の居合である。
「もうお前はわたしたちを捕まえることはできない」
ユーディットはいった。身体に装備した固定砲台の砲身はすでに青年をロックオンしている。
砲口が火を噴いた。恐るべき破壊力を秘めた砲弾が唸りをあげて飛ぶ。それはミサイル並みの威力があった。
「ぬんっ」
青年の長刀が閃いた。断ち切られた砲弾が爆発する。魔性の使い手にしか成し得ぬ業であった。が――。
爆煙を割って迫った影に対する対処は遅れた。青年が長刀をふるおうとした時、すでに彼は陽葉の間合いの内にあった。
「鬼か」
「そうだよ。キミを地獄に送る使者さ」
鋼の鬼をまとった陽葉は破滅的な拳の一撃を青年にぶち込んだ。
●
ギリッと地異は歯噛みした。敵を倒したが、やはり悔しいのだ。今回は回復役に徹したが、本来、彼は戦うことが楽しみな性質であった。やはり竜は竜ということなのだろう。
傍らではレンが片手合掌していた。
「他者の夢の模倣として生み出された哀れなる者よ。その魂の安らぎと重力の祝福を願う。そして…よき戦いぶりだった。安らかに」
「それはわたしの願うところでもあるが」
ユーディットの瞳に憂いの翳が落ちた。青年の姿に、彼女は強者の危うさを見たのだ。
「力の使い方は、ヒトの生き様を左右するからな。私も気をつけねばなるまい」
作者:紫村雪乃 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年3月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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