オークはやっぱり更衣室がお好き

作者:紫村雪乃


 真冬ではあるが、そこには大輪の花が咲き誇っていた。
 女子高の更衣室。十人ほどの女子高生が着替えている。下着姿の彼女たちは輝くばかりに美しかった。
「胸、大きくなったんじゃない?」
「そんなことないよ」
「どれどれ」
「やあん」
 騒ぐ声も魅力的に響いた。が――。
 突如、声に悲鳴がまじった。一人の少女の足に触手が巻きついている。オークだ。
「ブヒヒ」
 いやらしく笑うと、オークは触手を舞わせた。


「集まってくれて、ありがとう」
 凄艶な娘がいった。名は和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)という。
「今回、皆にお願いするのはオークの撃破。彼らは魔空回廊か女子高の更衣室に現れ、少女を略奪しようとするわ」
「またですか」
 メイド姿の少女がため息をもらした。可愛い顔立ちと、それにそぐわぬ豊満な肉体のも持ち主である。名を三枝・栞(野良メイド・e34536)といった。
 ええ、と香蓮はうなずくと、
「襲われる少女を避難させると別の場所に出て来てしまうので、それはできない。そのために避難はオーク達が出現してから行う必要があるわ」
 オークの数は十。少女の数も十。少女の避難が完了していない場合、戦闘中にオークに悪戯をされてしまう場合があるので、できるだけ避難させる必要があった。
「更衣室は広いので戦闘に支障はないわ。ちなみにオーク達の武器は触手。攻撃するだけなく、それで拘束。いやらしいことをするわ」
 香蓮は艶然と笑った。
「催淫効果をもつ触手の魔力は強大。ケルベロスでも抵抗することは困難よ。注意してね」


参加者
ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)
楡金・澄華(氷刃・e01056)
コクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)
狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)
尖・舞香(尖斗竜・e22446)
三枝・栞(野良メイド・e34536)
カレン・シャルラッハロート(シュトゥルムフロイライン・e44350)

■リプレイ


 女子高の更衣室。
 女子高生が着替えている。が、その中においてもさらに輝く少女の姿があった。
「クノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)です」
 名を問われた少女がこたえた。
 銀髪銀瞳。眼鏡をかけた大人しそうな美少女だ。
 クノーヴレットは着替えをはじめた。スクールリボンをとり、シャツを脱ぐ。その可愛い外見からは想像もつかない豊満な肉体が露わとなった。ブラジャーに包まれた乳房は窮屈そうで、今にもはちきれそうであった。
 その隣。同じく豊満な肉体を誇る娘の姿があった。小麦色の肢体は躍動的で、野性をすら感じさせる美しさがある。
 ただ、その身なりは異様であった。黒いサラシと黒猫褌を身につけている。
 が、娘は平然としていた。彼女の名は狩魔・夜魅(シャドウエルフの螺旋忍者・e07934)という。
「またオークが出るのですね」
 夜魅の隣、三枝・栞(野良メイド・e34536)という名の少女がため息をこぼした。大きな碧の瞳が可愛らしい少女だ。下着につつまれた肉体はむっちりとしている。柔らかそうだが、肉がつまっている感じだ。
「あの変な魔力で妙な気分にされてしまうのは、自分が自分でなくなる様で嫌なのですけれども…うう、複雑です……」
 栞は項垂れた。
 その時だ。隣で着替えをしていた少女が栞の胸を覗き込んだ。カレン・シャルラッハロート(シュトゥルムフロイライン・e44350)という名の少女だ。
 可憐な顔立ちには気品がにじみ出ている。すらりとした肢体はモデル並みであった。胸と尻は大きく発達しており、胴はきゅっと締まっている。
「胸、大きいね」
 カレンは眼を瞠った。慌てて栞が胸を隠す。
「い、いえ、そんなことは……」
「大きいよ」
 カレンは栞の手をどかせた。ぷるんと乳房がはずむ。カレンは重さをはかるように掌ですくった。
「すごいねー。でも私だって大きいんだよ」
 カレンは自分の乳房を両手で持ち上げた。ぶるると揺すってみせる。
 その様子を、女子校生たちと談笑しながら女が見ていた。
 二十歳をわずかにすぎた年頃。黒髪をポニーテールにした凛々しい女だ。
 濃紺のジャケットに白のブラウスという身なりであった。タイトなミニスカートは膝上の短さで、すらりとした脚は黒のパンティストッキングにつつまれている。
 名は楡金・澄華(氷刃・e01056)。女教師といった風情だが、違う。彼女はケルベロスであった。出自は戦国大名であった上杉家お抱えの忍び集団――軒猿の上忍である。
「久方ぶりの豚退治。別の意味で強敵か」
 ジャケットを脱いで澄華は独語した。

 更衣室の外。
 そこに二人の女が佇んでいた。一人は二十歳をわずかにすぎた娘である。
 雪景色を想起させる白髪をさらりと背に流した秀麗な娘であった。が、人間ではない。鋭く尖った尾があった。竜種なのだ。名を尖・舞香(尖斗竜・e22446)といった。
「まぁ、オークなんかに絶対負けませんが……」
 舞香は言葉を途切れさせた。一般人の避難について考えているのだ。
「そうね」
 艶然と和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)は微笑んだ。

「オークの依頼って、前もって救出対象の避難が出来ないのがネックですよね……」
 舞香と同じ意見をもつ者がいた。
 正義感に輝く赤の瞳とウルフドッグの耳をもつウェアライダー。ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)である。
 彼がいるのは女子高の外であった。学校に無縁の男性が入ることは不可能であったのだ。
 それはコクマ・シヴァルス(ドヴェルグの賢者・e04813)という男も同じであった。
 三十一歳にしては若々しい顔を校舎にむける。脳裏には、あらかじめ調べておいた学校の見取り図が描かれている。事が起これば疾風と化して駆けつける用意はできていた。


 最初に異変を察知したのは澄華であった。
 はじかれたように澄華は眼をむけた。その視線の先、異形の姿がある。オークだ。
 飛鳥のように澄華は跳んだ。オークの前に音もなく降り立つ。
 その時にはすでに他のケルベロスたも気づいていた。避難を呼びかけたのはクノーヴレットだ。夜魅は凄まじい殺気を放った。それから逃れるように下着姿の女子高生たちが走り出す。
「ブヒヒ」
 女子高生を追ってオークが動き出した。その前に立ちはだかったのは澄華だ。
「生徒たちに手は出させん」
 下着が覗くのもかまわず、澄華は黒のパンティストッキングにつつまれた脚をはねあげた。鉄鞭のようにしならせ、オークの触手を蹴り払う。無論、手加減した蹴撃だ。
 すると幾つもの触手がするするとのびた。澄華にとっては躱せぬ数ではない。とらえられたのはわざとであった。
「やめ――あんっ」
 澄華の口から声がもれた。彼女の身体にからみついた触手が蠢いたからだ。
 触手が彼女のシャツを引きちぎった。そしてブラジャーを引き上げる。ぶるんと大きな乳房が弾けでた。
「くっ、くく……」
 澄華は唇を噛んだ。触手が乳房を揉みしだいたからだ。ストッキング越しに股間もこすられている。
 澄華はオークを睨みつけた。が、すぐに泣きそうな顔になる。
 触手が乳首をテロテロと転がしていた。別の触手はストッキングを破り、パンティの隙間から彼女の秘裂に忍び込んでいた。
「く、くうん」
 澄華は口を手でおさえた。股間の触手がずるりずるりと動き出している。凄まじい快感が澄華の肉体を駆け抜けた。
 声を出さないのは演技である。必死になって快感に耐えている姿がオークの嗜虐心を煽るとくノ一たる澄華は悟っているのだが――。
 オークの魔力は彼女の想像を超えていた。いつしか澄華の口から喘ぎが漏れ始めている。抑えようとしても無理であった。
「あ……あんっ。だ、だめ、感じちゃ……。エッチな声、でちゃう。そんなのだめぇ」
 悶えつつ、澄華は悔しそうに涙を流した。
「わ、私……教師なのに……学校でされて……でも、いい。いいのぉ」
 自ら乳房を揉みながら、澄華は尻を振り始めた。

 クノーヴレットはわざとよろけてみせた。女子高生を追うオークの前にまろび出る。
「ブヒヒ」
 オークはニタリと笑った。触手をのばす。
「やめてください」
 クノーヴレットは必死のふりをして触手を払った。するとオークの目が獣欲に光った。
 次の瞬間だ。幾つもの触手がクノーヴレットにからみついた。
「だめです」
 抵抗の言葉を口にしつつも、好奇心にクノーヴレットの瞳は輝いた。どんなことをされるんだろうと楽しみにしている。
 その欲望に従い、クノーヴレットはブラジャーをはずした。そして触手を乳房に誘う。
「ブヒヒ。シテ欲シイノカ」
 ニタリと笑うと、オークは触手でクノーブレットの豊かな乳房の先端を弄った。快感に薄桃色の乳首がピンと勃つ。
「ああん。おっぱい、いい。こっちもお願いします」
 たまらずクノーヴレットはパンティーをずらした。白銀の翳りがさわりと覗き、ぷりんとした尻が露わとなる。薄茶色のすぼまりが期待にヒクヒクと開き、股間からは液体が滴り落ちていた。
「コレガ欲シイカ」
 オークの触手がそそり立った。すると尻を振ってクノーヴレットはおねだりした。
「ください。そのぶっといのでいっぱいしてください」
 刹那だ。触手が彼女の中に入ってきた。ああん、とクノーヴレットは喘いだ。
「オークの太いの、中でいっぱい動いてます。ぬちょぬちょ、動いてるぅ」
 触手の動きが激しくなった。もっと、とクノーヴレットがせがむ。
「後ろも欲しいの。お口でも感じたいです」
 左手ですぼまりを開き、右手で触手をつかむ。そして美味しそうにクノーヴレットを頬張った。


 オークに蹴りを放つと、夜魅は跳び退った。
「こっちに来なっ! オレが相手になってやるぜ!」
 叫び、奥にむかって走った。が、すぐに奥に行き着いた。
「なんでもするから許してくれ…」
 気弱に謝罪すると、夜魅は自ら下着をとった。するり、とパンティをおろす。
「さっきはごめんなさい」
 跪き、夜魅は触手を両手で優しく包んだ。ビクビクと脈打っている。それが可愛らしかった。
 夜魅は先端に愛おしそうにキスした、いつの間にか本気になっている。
「いっぱい気持ちよくしてやるぜ」
 夜魅は裏を舐め上げた。それからくびれに舌を這わせる。
「ここ、気持ちいいだろ。こっちはもっといいんだぜ」
 夜魅は触手を自らにあてがった。ヌププと挿入する。
「ああん」
 夜魅は喘いだ。汚されることへの背徳的な喜びだ。
「さっきのお詫びに、いっぱいご奉仕するぜ。好きにしていいから。何でもするからぁ」
 粘液を飲みながら、夜魅は尻を激しく振り続けた。

 乳房を大きくゆらし、栞もまた奥にむかって走った。振り向くとオークに叫ぶ。
「お待ちなさいオーク達、私達が相手になって差し上げますっ」
「ブヒヒ」
 オークたちは顔を見合わせた。そしてニンマリと笑った。オークの触手が唸る。
「やっああ」
 栞が抵抗の素振りをみせたのはわずかな間だけであった。肌をいじりまわす触手の気持ちよさに、栞の表情が変わる。嫌悪から淫蕩なものに。
「い、嫌なのに……あんっ……感じてしまって……だめになっちゃいますぅ」
 自らブラジャーをはずし、栞は大きな乳房を両手で寄せた。そして触手を挟み込んだ。
「たっぷりご奉仕しますから、ご褒美におツユ沢山かけて下さい」
 栞は乳房を上下させた。そして触手の先端をチロチロと舌先でくすぐった。それから全体をれろんと舐めまわす。
 いつかは恋人とキスするはずのお口でオークの汚らわしいものに奉仕する。自虐的な喜びに栞は濡れた。
 それを待っていたかのように触手が栞のパンティをずらした。そして栞の中に侵入した。
「やっ……はあん」
 貫かれる快感に栞は身悶えした。無意識的に尻をくねらせる。雌犬の仕草だ。
「やん、おっきすぎです。そんなにされたら私、気持ち良すぎてご奉仕できなくなっちゃいます」
 たまらず栞は触手から口をはなした。喘ぐのが我慢できなくなったのだ。オークの下腹部に顔を埋めつつ、栞はひたすら触手を手でしごき続けた。

「やあん」
 カレンは悲鳴に似た甘い声をもらした。ブラジャーがずらされ、彼女の重く実った乳房がぼろんとこぼれだしたからだ。勢いでぷるんと揺れる。すると触手が乳房を揉みしだき、乳首を転がした。
「や、あんっ。乳首コリコリだめぇ」
 カレンはさらに喘いだ。すると偶然、サキュバスの証である尖った尾が触手に触れた。それだけでカレンは身悶えた。尾は彼女の弱点だったのである。
「ブヒヒ」
 ニヤリとすると、オークはカレンの尾に触手をからめた。ゆっくりとしごく。
「やはっ。だめえ。そこ、弱いの。そんなにされたらだめになっちゃうん」
 カレンは自ら触手をつかんだ。いいくつも同時に乳房ではさむ。
 のみならず触手を同時にしゃぶりはじめた。もっといやらしいことをしてほしくてたまらなくなっている。
「ああん。美味しい。たくましいの、好きぃ。下のお口でもしゃぶらせてぇ」
「ブヒヒ」
 陰惨に笑うと、オークはカレンのすぼまりに触手を挿入した。わざとである。
「あっ、そっちは違――ああん。嫌ぁ。そこは……はあん」
 カレンは身を仰け反らせた。尻がこんないいとは思わなかったのだ。
「ああん。いい。お尻、いいの」
「尻ガ好キカ?」
「うん、好き。お尻でするの、好きぃ」
 夢中になってカレンは触手を舐め回した。


 時は少し前に遡る。
 オークが出現し、女子高生たちが逃げ出した。ドアを開けて飛び込んだのは舞香と香蓮である。
「こっちへ」
 呼びかけると、舞香は女子高生たちにバスタオルを渡した。そして苦く笑った。
「百花繚乱ですね……ハハッ」
「そうね」
 淫蕩な顔で香蓮はうなずいた。無意識的に乳房と股間を手で弄っている。それでもサキュバスミストで仲間を癒そうとしたのはさすがである。
 刹那、舞香が跳んだ。煌きをやどしたつま先で空間を切り裂きつつ、オークめがけて飛翔。頭蓋を蹴りくだいた。
 その時だ。オークの出現に気づいたラインハルトとコクマが駆けつけてきた。
「これは、目に毒ですね…色んな意味で」
 顔を真っ赤にしたラインハルトは疾風のように馳せた。澄華を嬲っているオークに接近、脚をはねあげた。
 鉈の一撃にも似た重い蹴撃。オークの頭が消し飛んだ。
 続いたのは立入禁止テープを貼り終えたコクマであった。その姿がかき消え――一瞬後、オークたちの背後に現出した。
 恐るべし。一瞬に数メートルを走破し、彼はオークに攻撃を加えたのであった。数体のオークから黒血が迸り出る。
「まだだ」
 コクマはとてつもなく巨大な剣を振り上げた。スルードゲルミル――鉄塊剣だ。その刃は水晶に覆われ、狼の牙のごとく蒼く光っている。
「我が刃に宿るは光<スキン>を喰らいし魔狼の牙! その牙が齎すは光亡き夜の訪れなり!」
 コクマはオークを横薙ぎした。規格外の破壊力を秘めた渾身の一撃。オークの身が爆裂したように四散した。
「ブヒィ」
 この時に至り、さすがにオークは囮役のケルベロスたちから視線をはずした。数本の触手で嬲りつつ、ラインハルトたちに残りの触手を疾らせる。
 乱れ飛ぶ触手を、しかしラインハルトは躱してのけた。間合いに飛び込むと再び脚をはねあげる。刃の一閃にも似た蹴撃はまたもやオークの頭部へ――いや、光流は角度を変えた。オークの延髄にラインハルトの脚がめり込む。
 その時、すでにラインハルトの身は浮いていた。左脚の蹴りを首に叩き込むと同時に身を捻る。猛獣の食らいつかれたかのように投げ飛ばされたオークは頭蓋から床に叩きつけられた。
「ゆ、る、せん!」
 穢され尽くす仲間を見やり、怒りに燃えて舞香は拳をオークに叩き込んだ。力任せのパンチ。シンブルだが、それだけに強烈だ。オークにすら視認不可能な連撃に、オークの身が空に浮き上がる。すでにその体内はミンチと化していた。
 最後に舞香は蹴りを放った。まさに一蹴。寸断されたオークは肉片をぶちまけつつ消滅した。


「何というか、色んな意味で凄い戦いでしたね…一部、喜んでいた人もいた気がしますし」
 ラインハルトはまたも顔を赤く染めた。いまだ裸のままのクノーヴレットに気づいたからだ。彼女と彼は同じ団の団員同士であった。
「シャワーを浴びにいこ。ね、香蓮も一緒にどう?」
 舞香が香蓮を誘った。その時だ。コクマがクノーブレットに飛びかかった。
「やはり、だめだっ…堪えられぬっ」
 コクマはクノーブレットの柔肌にむしゃぶりつた。胸に顔を埋め、感触を楽しむ。そして屹立したものを濡れそぼった箇所に押し付け――横からまびた手がつかんだ。香蓮の手だ。
「だめよ。クノーヴレットが同意していないわ」
 香蓮はくすりと笑った。
「でも、そのままじゃかわいそうね。仕方ないから私が慰めて上げるわ」
 香蓮の手がゆっくり動き出した。

作者:紫村雪乃 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年3月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 1
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