●序
役員の反乱により社長を解任された男がひとり、自室に籠もっていた。
「完璧にやって来た。あの会社を育てたの私だ! なのに、くそっくそっ!!」
私の思い通りにさせて何が悪い。私がトップなんだ。私がいないと何も出来ないくせに——。
なのによう。何が違ってたんだよ。パワハラってなんだよ、全部皆のためじゃないかよ。
枕に向かって話しかけながら、男は焼酎を煽る。
そんな男の傍らに『エゴシャナ』が現れる。
「あなたは正しい。あなたが決断とアイデアがあったから、会社は成長した。指示を貰わないと動けない愚図の機嫌など取る必要はなかったのです。あなたこそジャスティス! とってもサイコーよ!!」
「そうだ、私は正しい。ナンバーワンなんだ!!」
エゴシャナの言葉にうっとりと聞き入った男は叫び、それと同時に頭部が光り始めた。光る部位はゆっくりと広がり、数十秒を待たずして全身が光の塊と変わる。
「おめでとう、これからあなたも私と一緒に、自分を愛するエゴの気持ちを高めて、自愛菩薩さまに近づくのよ! そしていつか、ともに自愛菩薩さまの一部となれるよう、自分を愛し続けるの!」
眩しさが去った後には、布団の上に男の姿は無くなっていた。
代わりに、ふわふわした鳥の如き姿の異形、ビルシャナが座っている。
●ヘリポートにて
ビルシャナが、強力な菩薩を多数出現させ、その力を利用して、連鎖的に更に強大な菩薩を出現させ、最終的には地球を菩薩の力で制圧しようしていることが分かった。
「この恐ろしい作戦を今後、『菩薩累乗会』と呼称する。そして残念だけど、この『菩薩累乗会』を阻止する方法は現在調査中だ」
要するに、阻止する方法は不明。
ケンジ・サルヴァトーレ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0076)は眉間に皺を寄せる。
「現在、活動が確認されているのは『自愛菩薩』とその配下のエゴシャナだ。まずこれを叩けば、『菩薩累乗会』の進行を停滞させられる筈だ。時間を稼いでいる間に次の手は考えよう」
エゴシャナは自己否定に陥った者の心に付け入る。
現在、ビルシャナとなった一般人は、エゴシャナと共に自宅に留まっている。
「従って、戦うべき敵は、エゴシャナとビルシャナの合計2体。両方撃破した上で、ビルシャナとなった人を説得によって救出できれば最高の結果と言える。最低限どちらか1体を倒せば任務は達成したと見なされるから、何を目指すかは任せる」
ビルシャナへの説得により一般人の狙う場合はエゴシャナを先に倒さなければならない。エゴシャナの存在により『自愛菩薩』の影響が強まり説得が無効になる為だ。そしてビルシャナを先に倒せば、エゴシャナは必ず逃亡してしまう。
救助の為の説得については、難度は高いが、先に知らされた情報は少しヒントになる筈だ。
「戦闘手段はエゴシャナはミュージックファイターに、ビルシャナは一般的なそれに類似している」
コードネーム『デウスエクス・ガンダーラ』ビルシャナは弱いという風潮が一部にあるが、それは誤りである。しかも今回は2体も居る。
もしバラバラの行動をしていたら、説得どころか1体も倒せず失敗することもあり得る。
「パワハラには同情の余地は無い。だけどこのビルシャナとなった男は会社を大きくする前は仲間と一緒に汗水を流したり意見をぶつけ合ったりした筈だよね……」
自分本位になったリーダーに鉄槌を下さなければならなかった、役員たちの方が本当は何倍も辛い。
「誰だって自分が一番大事だよね。だから相手だって自身を大事にしたいと思っているはずだよね」
少し立ち止まって考えれば分かる当たり前を大事にしたい。ケンジは丁寧に頭を下げる。
そして、現場に向かってくれる者を募り始めた。
参加者 | |
---|---|
戦場ヶ原・将(ビートダウン・e00743) |
村雨・ベル(エルフの錬金術師・e00811) |
流星・清和(汎用箱型決戦兵器・e00984) |
キサナ・ドゥ(夭桃灼灼・e01283) |
四条・玲斗(町の小さな薬剤師さん・e19273) |
柚野・霞(瑠璃燕・e21406) |
ユーシス・ボールドウィン(夜霧の竜語魔導士・e32288) |
柴田・鬼太郎(オウガの猪武者・e50471) |
●元社長宅
その元社長の男は自分の好きなことばかりをやって来た。
好きなことをやって成功して来たが為に、努力は楽しいものと思い込んでいる。
その結果、他人も自分と同じように考えるべきと思う驕慢さは増長し、彼が気付かない間に憎しみを周囲に堆積させていった。
あなた方は元社長宅の窓を打ち破って突入する。
其処は吹き抜けのリビングになっていた。
高い位置の連窓からは光が降り注ぎ、天井にはシーリングファン、木の温もりを感じさせる内装、家族で過ごすに相応しい穏やかな空間に見えた。
「誰だ? 貴様ら!」
怒号と共に奥の寝室から飛び出して来た、ビルシャナは問答無用で瞳から光線を放つ。それは土足で屋内に踏み入った、柚野・霞(瑠璃燕・e21406)を直撃した。
しかし床を靴で打ち付ける甲高い音は止まらない。
「痛いですが、その攻撃は想定済みです」
肉が冷気に蝕まれる激痛に耐えながらも踏み込み、霞はドラゴンの幻影を召還する。狙うは奥の寝室に見えるエゴシャナのみ。直後、橙色の光が爆ぜて炎が家中の窓を突き抜けた。
元社長が大金をつぎ込んだ住居は一瞬で焼け焦げの廃墟と変わる。
「おっちゃんが、あのエゴシャナの影響を受けているだけ、言うのはわかっとる——」
続けて、流星・清和(汎用箱型決戦兵器・e00984)が、ドラゴニックパワーの噴射の勢いに乗って、ビルシャナの脇を飛び抜けた。轟音と共に輝きが散り、エゴシャナは高級ダブルベッドに激突した。
「光以て、現れよ」
戦闘が拡大する中、四条・玲斗(町の小さな薬剤師さん・e19273)の放つ光の術式が加護と癒やしをもたらし、戦場に一時の潤いを与える。
だが直ぐに、巨大な半透明の『御業』が現れる、それは半ばから折れるようにしてエゴシャナを包み込むとそのまま強かに鷲噛んだ。それは戦場ヶ原・将(ビートダウン・e00743)の繰り出した、戦場ヶ原・将(ビートダウン・e00743)だった。『御業』に掴まれたエゴシャナの表情が苦痛に歪む。
「急いでも仕方ありませんし、まずはこれからですかね」
一気にエゴシャナを倒すぜ。と言うムードであったが、村雨・ベル(エルフの錬金術師・e00811)は空気に流されない。従って、ゆとりは大事だとして、ライトニングウォールを発動。
雷鳴の響きと共に流れて来た光の壁が牌山の如くに展開されて強固な防壁と変わる。
「俺を無視するなあ!!」
意識的にエゴシャナに攻撃が集められたことに、ビルシャナは苛立っている。
(「少しはお相手してあげた方がよろしいかしら?」)
そう思う刹那に、ユーシス・ボールドウィン(夜霧の竜語魔導士・e32288)は、精神操作の鎖を伸ばした。が、結局、鎖はビルシャナの脇をすり抜けて、狙い違えることなくにエゴシャナに絡みついた。
「あたしは今、自愛菩薩と共にある。おわかりかしら? あなた方は絶対悪、菩薩とはひとつになれないギルティそのものですわ!」
言い放つと同時、エゴシャナの身体は光の塊と変わり、戦場を光が満たす。上も下も分からない乳白色の空間の中で、前衛の者はその影響を一斉に受ける。
前衛のなかのひとり、キサナ・ドゥ(夭桃灼灼・e01283)も、何も無いという幻から逃れようと試みていた。
手にしたアリアデバイス、慣れ親しんだ懐中時計の手触りが、作られた幻に囚われていることを知覚させ、惑いや恐怖を感じる代わりに闘志が増した。
「我が声よ世界の果てまで響け!!」
見えないならば感じるままに声を上げよう。一歩間違えば味方を攻撃してしまう恐れもあったが、間違える筈が無い、その確信を持ってキサナは奇蹟を請願する外典の禁歌を歌う。
声の響きは反射せず、かといって遠くまで響く感じでもない。——刹那の思考が巡る。
「分かったぞ!」
そう、乳白色の輝き全てが肉体の境界を曖昧にしたエゴシャナそのものだと気付く。
更に歌声を強めると、空間は歪みを生じ、そうなると急速に輝きは強さを失い——。後には元の形を思い出せないほどに身体を歪められたエゴシャナのなれの果てがあった。
「あなたたち! こんなことをしてタダで済むと思ったら大間違いですわよ!!」
「よし分かった。あの世で『自愛菩薩』とやらに縋るんだな!」
そんなタイミングで、柴田・鬼太郎(オウガの猪武者・e50471)は勢いよく如意棒を伸ばした。
次の瞬間、如意棒は無慈悲にエゴシャナを突く。
エゴシャナは歯を食いしばり、身体にめり込んでくる如意棒から逃れようともがく。が、すぐにその動きは不規則になり、口からは赤い色の泡が溢れ出す。そしてエゴシャナは静かに目を閉じて、その肉体を光と散らす。
こうしてエゴシャナとの戦闘は終わりを告げた。
●説得
元社長のビルシャナの横槍はあったももの、手際よくエゴシャナを撃破したあなた方は説得へと舵を切る。
説得の方針は、概ね会社を成長させた仲間たちとの良い記憶を思い出させること。
想定するような記憶があり、仲間に助けられたことを思い出せば、他人への感謝や思いやりに思いが至るだろうと言う目論見だ。
トップバッターはベルである。
「ちょっと上手く行きすぎて調子に乗っちゃったのですねー、わかりますけど。そりゃー追い出されますよ」
「どう言う意味だ?」
「支えてくれる者あっての経営者ってことですよ。全くもう、そんなことも分からなくなってしまったのですかね? 酒に逃げてる場合じゃないですよ。ビルシャナになってる場合じゃないって言った方がよいですか?」
出来れば人間に戻って、罪を償ってから、元社長にはもう一度頑張って欲しいという思いやりから、ベルは学級委員長のように言った。
「おまえは何を言っているのだ? ナンバーワンの私に説教をするつもりなのか、身の程知らずが……」
急に攻撃の手が緩んだので、ビルシャナは首を傾げている。
「えーとですね? そう言うことじゃあなくってですねー。男ならビルシャナなんかにならないで、さっさと立ち上がって、別会社でも何でも作ってやったらどうなんですか? ってこと」
ベルは懸命に説得を続ける。世には陰謀に追い落とされても不死鳥の如くに蘇り、世界最大の企業を作り上げる男も居ると言うのに。
「……うわはははは、そんなことをしなくとも、自愛菩薩さまと共にあれば、我が大願は成就するのだ」
一瞬、心が動かされるかに見えたビルシャナであったが、ベルが言うような俗世での成功は、彼にとって既視感のあるもの。それよりも自愛菩薩の一部となり共に昇天する方が、今のビルシャナにとっては遙かに魅力的らしい。
どこかションボリしたように見える、シャーマンズゴースト『イージーエイトさん』と共に自分の説得が通じなかったと知ったベルは後ろに下がりつつ、ライトニングウォールを展開する。その刹那に清和が突っ込んで来る。
「超合金合体っ!」
叫びながら飛び上がる刹那に、パーツが組み上がり、ロボの姿と変わるように見えた。
組み上がった勢いのままに、ローラーダッシュでビルシャナに迫り、大剣で一刀両断の素振りを見せた。
「必殺っ フォートレススラッシュ!」
「……おおう、殺られるかと思ったじゃないか」
「話次第では、本当にぶったぎることになるんやけどなあ。できればしとうない。で、おっちゃんも自分が大切や、その気持ちはわかる。でもな、ありきたりやけど……ヒトはひとりでは生きていけへんで? ひとりはめっちゃつらいと思うんよ」
清和は助けたい気持ちを前面に出し、情に訴える。一度は結婚もして、子宝にも恵まれた元社長のビルシャナはまがりになりにも人の子の父親だ。だから助けてあげたいと思う。それが38歳を越えて、青年から中年の域に足を踏み入れつつある清和にとっての真心だった。
「もっかいやり直してみる気はない?」
「断る」
ビルシャナは拒否した。どんなに優しい気持ちを抱いていても、それを伝える言葉が足りなければ届かない。
「是非に及ばずだ。私の五十年は全て無駄になった」
「もう人を信じることはできませんか。……裏切られ、ビルシャナになってしまった貴方には難しいのかも知れないですが」
この先は……通しませんよ。霞はビルシャナの放つ破壊の波動を受け止める。
自分勝手な人間が更生するには、まず過ちを認めさせること、次に自分の無力さを自覚させることだ。
本来、社長解任とパワハラの事件化は、元社長に反省を促すと共に傷つけた相手の気持ちを理解させる時間になる筈だった。しかし自己愛を肯定する、エゴシャナによって、それは台無しにされた。
「確かに創業は貴方の力によるものが大きかったのでしょう。でも、一度昔のことを思い出してはみませんか。信頼できる仲間と意見を出し合ったり、時には対立したり、そういう過程は貴方の会社にはなかったのですか」
「何を言っているのだ? そんなものあるはずないだろう」
会社は仲良しサークルでは無い。決定した目標に向かって成果を積み重ねるのが会社だ。
あまりに勝手なビルシャナの言葉に、霞は驚いた。
「え? ですが、あなたが、愚図だと罵った社員だって、志あればこそ貴方の会社に就職したのではないでしょうか。その人を信じたから仲間として受け入れたのではありませんか?」
霞は問いかけ、鬼太郎がその思いを繋ぐ。
「会社をどうやって大きくしたんだ? 自分の力だけでやれたのかい。自分の手が回らないところや抜けてる所はフォローして貰って支えられたこともあったんじゃないか?」
会社の目標を決めるのは社長だ。
社長は社員が楽しんで努力する場を用意すれば良い。
社長としての役割を果たしているのに、どうしてフォローして貰ったと思わなければならないのか?
ビルシャナは霞と鬼太郎を全否定して嘲笑った。
攻撃の手を緩め説得を繰り返すケルベロスの行動は、ビルシャナに自分が特別な人間だったという誤解を加速させ自己愛を強めさせた。
「人間やってたら、大成功のチャンスはあるぜ。実は俺も最近定命化してさ、今鍛え直してる最中だけど楽しくって仕方無いぜ。だからさ、こっちの世界で人間やろうぜ!」
それでも尚、ビルシャナを止めたいと言う気持ちになってくれればと、鬼太郎は呼びかける。
「結果を形するのは凄く難しいこと。それを為したあなたには才能も運もあったのでしょう」
玲斗は思う、例え独裁者であっても結果的に他人の為になるのなら、目を瞑ってもいいのかも知れないと。
「あなたがビルシャナになったのは、エゴシャナに唆されたからでしょう? もうエゴシャナはいません。だからその才能を今度は世の中に為に使って欲しい」
諦めずに、自分が一度は信じた道を進んでほしい。
玲斗の言う『他人の為』は、そのまま滅私の意味なのだろう。
しかし商売人的な発想——元社長にとっての『他人の為』は利益を得る為の手段である。
誤解は、ビルシャナの自己愛を強化させる。
「確かに、無茶なノルマでも達成して、利益を積み上げるのは『良い社会人』だったかも知れないわね」
会話の流れに違和感と行き違いを感じた、ユーシスは問題点を明らかにしようと言葉を継ぐ。
「だけど、今はそんな時代じゃない。価値観も多様化し、女性も社会に出ないと家族は暮らしていけないわ。正しい手段で稼ぎ、家庭を顧みることも出来ないと、仕事と家庭の両方から、三行半叩き付けられるわ。……本当は分かってるんじゃない?」
ユーシスの言うことは正論だったが、このビルシャナには分からないし、理解する素養も無い。
言語としては認識できても、価値観を理解出来ないのだ。
挫折して苦しんだ仲間が、問題を解決する為に、どれだけ苦しんだか、地べたを這いずり泥水を啜るような努力をしたことを、このビルシャナは理解出来ない。
「僕からも言わせて貰うぜ。あんたは、負ける。あんたは一人で、俺たちは『仲間と協力している』からだ!」
あんただって昔はそうだったのだろう? 将はこれなら通じるだろうと、強く言った。
「仲間と協力? 何を言っているのだ。優れたリーダーに率いられたチームのほうが強いだろ」
踏みにじった弱い者の痛みも知らない、他人の善意のありがたさや、何故パワハラが最低最悪の所行であるかも、このビルシャナは分かっていない。
このビルシャナが人間に戻れたとしても、必ず別の誰かを傷つけるだろう。
なぜ、反乱を起こした役員が元社長よりも辛いのか? それは元社長と違って、虐げられる痛みを知っているからだ。その痛みを知りながら、それでも引導を下さなければならなかったから、辛いのだ。
「パワハラで追い出されたんだって、な。同じ目標を見た仲間に裏切られるのは、さぞキツかっただろ?」
大半の者が説得を諦めて口を噤む中、キサナは最後になるであろう説得を開始した。
そして最初の一言は、ビルシャナにとって、一番言われたくない、元社長の人生に於ける汚点であった。
「言われるのが嫌か? だがな。そのキツさはお前が、社員たちに押し付けてきた痛みの揺り返しだ。お前にパワハラされた連中は毎日それ以上の苦痛を味わっていたんだ!」
キサナは厳しく言い放つ。続けて歌い上げる歌詞が、ビルシャナの固い思いを揺さぶった。
ケルベロスたちが、今本気で攻撃を仕掛ければ数十秒でビルシャナを殺害できる。
しかし、それを理解していても、キサナは誠実さと彼女自身の善性故に、策を弄さず正面から説得した。
「自縄自縛だぜ、オッサン。だから、理解しろ。お前の縄を緩めてやる。お前を唆したエゴシャナはもう居ない。何が自愛菩薩だ。目を醒ませ! 人の道に戻るんだ!!」
しかし、その誠実さと善性が裏目に出る。
優しさはこのビルシャナを増長させただけだった。
同じ説得でも、生殺与奪の権利を握られる惨めさを思い知らせた上で告げていれば、結果は正反対になっていたかも知れない。
自分こそジャスティス、自分が大好き、だから自愛菩薩とひとつになりたい。
今すぐ目障りなケルベロスを倒す力をくれ!!
このビルシャナが願ったように、嫌な気配と共に力が膨張し始めたように見えた。
もう一刻の猶予も無い。
あなた方、ケルベロスの胸の中に、このビルシャナは倒さなければならないという使命感が燃え上がる。
直後、乱れ飛び、打ち付け、斬り刻む攻撃がビルシャナに殺到した。
限界を超える無慈悲なダメージにビルシャナは最期の言葉を吐くことすら許されずに果てて、肉体は無数の光の粒となって消滅した。
かくして、エゴシャナとビルシャナの2体を倒し、要求されていた以上の大戦果を上げることができた。
でも、何故か心は晴れなかった。
高窓の外に見える空は青く、差し込んでくる陽光は春のような暖かさなのに。
作者:ほむらもやし |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年3月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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