コブシモドキひとりぼっち

作者:コブシ

●薄闇にひとりで
 転校してきたばかりの少年・ヤマトに、年配の教師が教えてくれたのは、「とても珍しい樹が、校庭の裏のいちばんすみっこに、ひとりぼっちで花を咲かせているよ」ということ。教師としてはまだクラスに馴染めないでいるヤマトに、話題のひとつとして提供したものだったろう。だが、それは少年にとって聞き逃せない情報だった。
 その樹は、ほんとうに、とてもとても珍しいものだったから。

 その日のうちにヤマトはその場に立っていた。放課後の校庭の隅は人影もなくひっそりとしている。そこにヤマトの感嘆の声だけが響く。
「ほんとうにあった……」
 わずかに湿った土のにおいのする風に、目の前にある樹の枝先に咲く花がゆれる。夕暮れの光に鮮やかに映える。少年は何度も図鑑と見比べた。
 それは『コブシモドキ』という樹木の花で、コブシに似ているが非なるもので、とても珍しいものだった。
 と。
「なに? 花粉……?」
 もやのような、粉のようなものが、目の前のコブシモドキを包んでいる。
 ぼやけた視界の先で、ヤマトが図鑑で何度も形を確認した白い花が、おおきくおおきく花弁を広げる。それは少年を飲み込めるほどで……。
 枝葉がざわめく。夕闇に、細く高い悲鳴が響き、すぐに消えた。

●ひとりじゃないよ
「なんらかの胞子を受け入れた植物が、攻性植物に変化して人々を襲う。そして寄生し、彼らを宿主にしたデウスエクスとなる。……そのような事件が起きています」
 いまもまた。
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は真摯な眼差しを一同に向ける。
「今回攻性植物となったのは『コブシモドキ』、1体のみです。配下はいません。
 すでに下校時刻を過ぎた頃の、小学校の校庭の裏手、さらに隅ということもあり、人目はありません。戦闘によって被害が出ることは無いでしょう」
 倒すだけなら難敵ではないだろう。だが。
「取り込まれたのは小学生の少年です。既に攻性植物と一体化しており、普通に攻性植物を倒すと一緒に死んでしまいます……」
 だが相手にヒールをかけながら戦うことで、戦闘終了後に攻性植物に取り込まれていた人を救出できる可能性はある、とセリカは告げた。

 通常、攻性植物に寄生されてしまった人を救うのは難しい。
「ですが、もし可能であれば、少年を救い出してあげてください」
 おそらくは転校してきたばかりの心もとなさや、同じ『ひとりぼっちである』という仲間意識。少年を行動させたのは、誰が抱いてもおかしくない、自然な感情。
 それがもたらすのが、こんな結末であって欲しくない。
 セリカの願いは、ケルベロスたちにも共通したものだった。


参加者
アリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)
ニケ・セン(六花ノ空・e02547)
月霜・いづな(まっしぐら・e10015)
ドミニク・ジェナー(激情サウダージ・e14679)
ヴィルベル・ルイーネ(綴りて候・e21840)
エトヴィン・コール(徒波・e23900)
ウーリ・ヴァーツェル(アフターライト・e25074)
音々森・ナユタ(サンダーガール・e37373)

■リプレイ

●邂逅
 薄闇は、紫がかった濃紺の色をしていた。
 人に物寂しさを抱かせる夕暮れの色だ。
 それを薄める明かりが、ケルベロスたちの腰のあたりで揺れている。すこし低い位置で揺れているのは、月霜・いづな(まっしぐら・e10015)が背負っているミミック……一見すると和箪笥……の、つづらの足に括りつけられた灯りだろうか。
 最速・最短でやってきたその場所は、殺界形成を用いて人払いせずとも、人が来るのをためらうような密やかさがあった。今、ケルベロスらの持ち込んだ明かりによって、ようやく目的の『それ』は存在感を増したかに見える。
 しらじらと浮かび上がる樹形と、そこに点々と咲く異様な大きさの花。なかでも幹の近くにある花は、がくの部分が何かをつつみかくしているように丸く膨らんでいる。うっすらと透けてみえるのは、小さな人影だ。……身体を丸めて、自分の足と、胸元に抱えた何かをぎゅっと抱きしめていた。
 アリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)は吐息を漏らす。
(「……まるで、木に呼び寄せられたみたいね」)
 同じことを思ったのだろう、ヴィルベル・ルイーネ(綴りて候・e21840)はわずかに肩をすくめた。
「ぼっちの同士を見つけての熱愛かな? 一方的すぎて痛々しいね」
 その様子に、エトヴィン・コール(徒波・e23900)がわざとらしいまでに目を見開いてみせる。
「うわ、ぼっちマスターのベルちゃんに痛々しいって言われんの救われなさすぎない?」
「そや、捻じくれボッチのヴィルが代わりに植物に巻かれといでや」
 ウーリ・ヴァーツェル(アフターライト・e25074)がすかさず相槌を打つ。馴染みの2人の口撃にも、言われた当人はどこ吹く風だ。
 周囲に殺気が放たれる。ニケ・セン(六花ノ空・e02547)がそこに言葉を乗せる。
「一応、ね」
 呟きつつ、周りの様子を確かめ、ニケは思案する。
(「出来るだけ短期戦にしたいけど、どうだろう」)
 新たな殺気が生まれた。アリスもまた殺界を形成したのだ。誰もが、打てる手はすべて打とうとしていた。
「連れていかせはせンよ」
 愛用のリボルバー銃の感触を確かめるドミニク・ジェナー(激情サウダージ・e14679)の唇から零れた言葉は、意思の表明と言うよりは、事実の確認のようだった。
「ええ、ええ! ひとりぼっちには、させません!」
 いづながはっきりとさせたいのは、同化したばかりの攻性植物と、ヤマトは別の存在だということ。彼らが戦うのは『ひとり』ではないのだということ。攻撃すれば痛みも苦しみも等しく負うだろうが、上手くいけば――最後には――攻性植物のみ滅し、少年は戻ってくるのだ、ということ。
 音々森・ナユタ(サンダーガール・e37373)の耳はそれらの言葉を漏らさず聞き、目はずっと樹の中央を見ている。ふくらんだ花のがく部分、うっすら映る少年の影を。
 切っ掛けが何であれ、いつかはケルベロスたちの存在に敵も気づいただろう。
 植物であるのに、『それ』は目覚めた獣のように震えた。

●合図はない
 細かな雷の糸が前衛に立ったエトヴィンとアリスの周囲を取り囲む。糸は束ねられ結わえられ壁となって、やがて不可視の壁と化す。
 ヴィルベルが軽く振った杖によるものだ。別名を「避雷針」というこの杖は、皮肉にも雷しかもたらさない。ヴィルベルの隣で、ナユタもまた真剣な面持ちで同種の武器をかざす。ふたたびの雷が今度は後衛のいづなの周囲に展開する。
 こうして戦闘は、中衛のジャマー2人による状態異常耐性の付与から始まった。
 雷を纏ったエトヴィンは一気に距離を詰めた。
「一緒にこいつ倒しちゃおうよ、ヤマトくん」
 少年への呼び掛けに続いてエトヴィンの喉元から迸るのは、獣そのものの叫びだ。
 『狼吼(ロウコウ)』――畏れろ、と敵の魂に牙立てる咆哮だ。
 白い花がいくつか萎えて落ちる。大きな花も震え、一番外側の花弁は茶色く色褪せていく。
 本来なら美しいはずの花の惨状にも、アリスは冷静だ。
「たとえ、あなたがどの様な想いで此処に居たのだとしても」
 アリスが投じた螺旋手裏剣は、さらに花弁を削り取って行く。
「その子を連れて逝くことは見過ごせないのだわ」
 隙間だらけになった花弁は、誰かを包み込む力を減じている。
 その花を支える枝、それがつながる幹、さらに根元。まるで頭でっかちの獣の足元に思えるそこを、頭上の花弁を捌いたウーリが如意棒で凪ぐ。
「さっさと終わらせるようにしてこか」
 コブシモドキはぶるり、と身を震わせた。
「俺達の声聞こえる?」
 ニケは、小さな人影に声をかけた。まだ応えは無いが、バスターライフルの射線のむこう、人影は最初よりわずかに色を濃くしていた。
「痛いかもしれないけど、踏ん張って」
 光線に射抜かれたコブシモドキは、根元から全身をぶるりと震わせた。
 和紙で作られた桐の箱……ニケのミミックがすかさず前に出て、がぶりと幹に食らいつく。樹は、苦しむように枝を揺らして……そのまま編んだ糸がほどけるように広がった。広がった枝の先に、新たな花が咲く。
 見えない何かが花から放たれる。前衛・中衛をすり抜け、後ろのほうへ。
 その攻撃はいづなにとって、嗅覚より触覚からの刺激が先だった。頬に、のどもとに、温度の違う空気が流れる。しめった甘い匂いは後から来た。……その危険な香りを、びりりと細かな雷が灼く。
 ドミニクの鼻先にも香は来た。途端にくらりと視界がゆれる。まずい、と感じたその瞬間。
「てつちゃん!」
 ウーリのサーヴァントがドミニクの目の前に躍り出る。いつもは砂嵐の画面には、力を取り戻さざるを得ない画が映っている。
 苦笑を浮かべつつ体勢を整えて――ドミニクは地を蹴った。
 重力を乗せた蹴りは、すでに花弁を落としていた幾つかの枝を叩き落していた。

●一進一退
 高い金属音が前衛の足元で鳴った。夕闇に紛れ、明かりにもささやかにしか光を返さないそれは、敵の香りを払いのけたいづなが描き出す黒き鎖の魔方陣だ。
「みなさま――どうぞ、ご存分に!」
 護りを固めた前衛、そのなかにはつづらも含まれている。主人の言いつけを守り、壁役に徹している。
 双方、まだ小手調べの段階だ。中衛のヴィルベルとナユタがまた杖を振る。
 前衛のウーリ、後衛のドミニク。さらには3体のサーヴァントたちの周囲にも、雷の壁が建つ。
 打ち合わせ通りの技を選んだエトヴィンの白刃は、枝に絡めとられて切っ先がわずかに届かない。もうすこし、この敵は封じる必要がある。
 防御のために伸ばされたであろう枝の下に、アリスが潜りこむ。
(「……一度捉えた獲物は、逃さない」)
 敵の中枢。弱点。それは――最も大きく咲いた花の、がく部分。少年が抱かれたところ。
 それでもアリスの刃先はぶれない。
 傷が、白い花にもたらされる。これまで自在だった枝の動きが不自然になったのは、気のせいではないだろう。
 さらに虚空から、闇をあざむく白く細い手がいくつも伸びる。まどわされた樹の枝は絡まって、自分で自分を縛り上げる格好になった。それはウーリがもたらした、紛い物の、『偽る幸運(テュケー)』。
 ニケは手中の武器を変形させ竜砲弾を撃つ。それは竜の名にふさわしい形だった。
「助けるよ、必ず」
 少年の応えは無く。白い花が、おおきくおおきく花弁を広げた。向かうは前衛のアリス。全身に巻きつき、押しつぶそうとする力を、アリスは一歩も引かず耐える。
 この程度、と。
 花弁の一枚には黒い鎖が巻き付いて、忍び寄ろうとする細かな植物の繊維は雷に弾かれる。段階を踏んで用意した護りが効いている。ダメージは予想以下だ。だが近づくほどよく見える。痛みに痙攣する小さな人影が。
 視線も注意もその一点に集う。ドミニクの集中は揺らがない。
(「……ちィとの辛抱じゃけェ、待っとってなァ」)
 白い花が爆ぜる。宙にひらひらと破片が蝶のように舞った。
 いづなも人影から目をそらさない。大きく体を引き攣らせて……それはとても苦しそうで……だけどまだ。
「ヤマトさま――がんばって」
 いすなは手筈どおり黒鎖を、今度は後衛の周囲に展開する。
 つづらもけなげにエクトプラズムの武器で根を攻撃し、一部を石化させていた。
 敵の傷を、少年の痛みを癒すにはまだ早い。
 チェスのように綿密に、一手ずつ積み上げていくのだ。迂遠に思えても……それが確かに彼の命を救うのだから。
 そして攻撃が一巡した。

●チェスの差し手
「そろそろいいかな?」
 自陣の態勢が整い、敵の傷も深いと見て、ヴィルベルは『敵を癒す』準備に入った。ごく普通に敵である攻性植物に語りかける。
「どう思う? ……あ、喋れないか。じゃあ君とは肉体言語だね」
 ヴィルベルの繰る杖がもたらす雷が変色した花弁を打ち払い、枝を切除して、生命活動の活性を促す。とたんにもりあがる枝と湧き出す蕾。効果は劇的だ。ヴィルベルは淡々と告げる。
「伝わりきるまでは何度でも何度でも癒してあげよう。その子を返せ、ってね」
 植物としての勢いは取り戻しても、一度褪せた花弁の色はそのまま、落ちた枝葉も戻らない。だけど人影の様子は明らかに穏やかなものになっている。
 まだ動かない人影にナユタは懸命に声をかける。
「がんばってくださいね!」
 ナユタはさらに無残な傷跡を残す幹の一部をとりのぞく。勢いだけは完全に元通りだ。
 一巡、また一巡。
 さまざまな封じ手を設けられて、コブシモドキの攻撃はそもそも当たりにくくなってきている。勿論幾度かは攻撃を食らったが、前衛で攻撃手を任じるエトヴィンには、いづなの癒しの力があふれ返りそうなくらいに感じられた。
 時間が経つにつれ、少年の影は濃くなり、うっすら細部が見えるまでになっている。包み込む植物が体積を減らしたのか、細い悲鳴すら聞こえる。
 何度目かのエトヴィンの月光斬が、念押しのように中央の一花を断つ。花は左右にずれ、大きい片方が地面に落ちた。
「!! 危ないかも!」
 エトヴィンは注意喚起の声をあげた。自分の手にもしっかりとした手ごたえを感じたし、敵には目で見て分かるダメージがあった。
 敵が弱体化した際の選択肢として、ニケは手加減攻撃も考慮に入れていた。手加減して攻撃することにより、相手を殺さずに済む。相手がデウスエクスならば、多くの場合、それは魂が肉体を凌駕したのと同じ状態になることを意味する。
 少年はどうだっただろう? もしそうなっていれば?
 だが今は、声がかかる。「チェックメイトにはまだ早い」と。
 ヴィルベルの癒しが敵に飛ぶ。既にほぼ全員が、何かしらの癒し手となっていた。
 ウーリの如意棒が癒された花弁を払う。すでに白の色はどこにもない。
 がく部分は透明の膜になり、中の少年の姿がはっきり見えている。
 胸の鼓動を抑え、ナユタは周囲を確認するように見回す。頷きと、肯定の答えが返ってくる。
 すぅ、と息を吸って……。
 首に巻きつけてあったファミリアロッドを元の姿に。
 跳びだしたワオキツネザルは、色褪せた花を一撃で落とし、胞衣のごとき膜を切り裂いた。
 地面に落ちる小さな体を受けとめようと、皆が慌てて走りよる。
 息と鼓動、そして無傷を確認して安堵する一同の前で、少年のまぶたがゆっくり、ゆっくりと開いていった……。

●花の縁
 最初に目にするのが無残な花にならぬよう、取り囲むようにして一同は少年を覗き込んだ。少年のぼんやりとした表情からは、今の事態を把握しているのかどうか判別がつかない。
 ゆっくり身を起こす少年の背を、気遣うようにいづなが支える。そこまで背丈は変わらない。……思えば、意外と年齢が近いのだ。
 少年の面前に、エトヴィンは猫のように身を乗り出した。
「一緒に敵に立ち向かったんだから、僕らもう同志だよね?」
 軽く拳を掲げる。その仕草に、ヤマト少年はぼんやりした顔つきのまま、つられたように小さな拳を合わせた。徐々に意識がはっきりしてきたのか、きょろきょろと一同の顔を見回した。
「コブシモドキってどれ? そこに載ってる?」
 エトヴィンに胸元を示されて、少年は抱え込んでいた図鑑に気づき、そしてある方向に……骸となった一本の樹に視線をやった。
「……あれは。とてもとても珍しい木だったみたいね」
 粉々に砕け散った枝葉や、地面に散らばる白い花弁を見つめる少年に、アリスはそっと声を掛けた。
「うん。……もう絶滅した、って書いてるのもある、んです」
「壊してしまう以外に手が無かったの。……ごめんなさいね」
 アリスの言葉に、少年はぱっと顔をあげた。ふるふると首を振る。
「それは、僕がありがとうございます、って言わなくちゃダメです。助けてくれたの、ちゃんとわかります」
 しっかりした受け答えに、ヴィルベルは満足げに頷いた。
「うん、文化的だね。これぞ人間相手のコミュだ。見習わなくちゃね」
「……何か、うちらに言いたいことありそうな顔やな」
 冷たいウーリの視線に、ヴィルベルは白を切るようにそっぽを向く。
 地面に散らばる花弁。ドミニクが以前目にしたのは白木蓮のそれだった。コブシモドキもモクレン科に属する植物だ。連想が向かう先も決まっていた……亡き妹は、花の名前を持っていた。
 ヤマトがそれを口にしたのは、おそらく偶然だったろう。
「コブシって、ぼくの名前に似てるんだって」
「ヤマトさまの?」
 いづなの不思議そうな問いに、ヤマトは気恥ずかしそうに答えた。
「前の学校の担任の先生が教えてくれた、んです。コブシは昔、『やまあららぎ』って呼ばれていたんだって。似てるね、素敵だね、って」
「……ほンに、縁のあるこった」
 すっかり日は落ち、静かに漂う闇にドミニクは呟いた。隣に腰を下ろし、少年の目線で告げる。
「大丈夫じゃよ。きっと、すぐ一人じゃなくなるじゃろ」
「そや、うちも引っ越しで関東来た時は、最初は不安やったわ」
 同じ境遇を語るウーリに、ヤマト少年はわかりやすく反応した。
「……『最初は』?」
「そう焦らんでも友達は出来るよ」
「そうです!」
 なだめるウーリに続いて、ナユタは小さな胸を大きく張って請け負った。
「ここで出会ったのもなにかのごえん、この土地でのさいしょのおともだちに、わたしたちがなります!」
 ナユタは同年代どころか同じ小学三年生だった。
 びっくり眼の少年は、やがて気恥ずかしそうにくしゃりとした笑顔を見せる。口調も砕けたものになった。
「いいの?」
「もちろんです! ……それに、フツーのおともだち、きっとすぐ、できますよ」
「……わたくしも、なれるかしら?」
 小首を傾げるいづなに、くすぐったそうな少年の笑顔の頷きが返ってくる。同年代は話が早い。笑い声が自然と湧いた。
 あたりはすっかり夜の闇。
 冷気を暖めるようないくつかの灯りが揺れ、重なり合っていた。

作者:コブシ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 8/キャラが大事にされていた 4
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