ミッション破壊作戦~無限増殖機械軍

作者:柊暮葉



 小さな教室程度の部屋の中で、ソニア・サンダース(シャドウエルフのヘリオライダー・en0266)が説明を開始した。
「クリスマスのイベントでゴッドサンタを倒した事で、ケルベロスはデウスエクスの決戦兵器の一つ『グラディウス』を手に入れる事が出来ました。この『グラディウス』を利用する事で、続々と増加するデウスエクスの侵略拠点『ミッション』を破壊する事ができるようになりました。『グラディウス』は、長さ70cm程の『光る小剣型の兵器』ですが、通常の武器としては使用できません。その代わり、『強襲型魔空回廊』を破壊する事が可能なので、デウスエクスの地上侵攻に大きな楔を打ち込むことができるでしょう。グラディウスは一度使用すると、グラビティ・チェインを吸収して再び使用できるようになるまで、かなりの時間が掛かるようです。攻撃するミッションについては、現在の状況などを踏まえて、相談して決めてください」


「強襲型魔空回廊があるのは、ミッション地域の中枢となる為、通常の方法で辿りつくのは難しいでしょう。場合によっては、敵に貴重なグラディウスを奪われる危険もあるため、今回は『ヘリオンを利用した高空からの降下作戦』を行います。強襲型魔空回廊の周囲は、半径30m程度のドーム型のバリアで囲われており、このバリアにグラディウスを触れさせれば良いので、高空からの降下であっても、充分に攻撃が可能です」
 ソニアは手持ちの資料を確認した。
「ああ、えっと。敵の頭上に直接降下、などは不可能な模様です」
 それから資料のページをめくってさらに説明を続ける。
「8人のケルベロスが、グラビティを極限まで高めた状態でグラディウスを使用し、強襲型魔空回廊に攻撃を集中すれば、場合によっては一撃で強襲型魔空回廊を破壊する事すら可能です。一回の降下作戦で破壊できなくても、ダメージは蓄積するため、最大でも10回程度の降下作戦を行えば、強襲型魔空回廊を確実に破壊する事ができると思われます。強襲型魔空回廊の周囲には、強力な護衛戦力が存在しますが、高高度からの降下攻撃を防ぐ事は出来ません。グラディウスは攻撃時に雷光と爆炎を発生させます。この雷光と爆炎は、グラディウスを所持している者以外に無差別に襲いかかるため、強襲型魔空回廊の防衛を担っている精鋭部隊であっても防ぐ手段はありません。皆さんは、この雷光と爆炎によって発生するスモークを利用して、その場から撤退を行ってください。貴重な武器であるグラディウスを持ち帰る事も、今回の作戦の重要な目的となります」


 ソニアは真面目な顔で話を聞いているケルベロス達を見渡してから、また説明に戻った。
「魔空回廊の護衛部隊は、グラディウスの攻撃の余波である程度無力化できます。が、完全に無力化する事は不可能なので、強力な敵との戦闘は免れません。幸い、混乱する敵が連携をとって攻撃を行ってくる事はありませんので、素早く目の前の強敵を倒して撤退できるようにしていきましょう。時間が掛かりすぎて、脱出する前に敵が態勢を整えてしまった場合は、降伏するか暴走して撤退するしか手が無くなるかもしれません。攻撃するミッション地域ごとに、現れる敵の特色があると思うので、攻撃する場所を選ぶときの参考にするのも良いでしょう」


 最後にソニアはこう告げた。
「デウスエクスの前線基地となっているミッション地域を解放するこの作戦は、とても重要です」


参加者
不知火・梓(酔虎・e00528)
ミステリス・クロッサリア(文明開華のサッキュバス・e02728)
イピナ・ウィンテール(眩き剣よ希望を照らせ・e03513)
土竜・岳(ジュエルファインダー・e04093)
フォルトゥナ・コリス(運命の輪・e07602)
風魔・遊鬼(風鎖・e08021)
村雨・柚月(黒髪藍眼・e09239)
大神・小太郎(血に抗う者・e44605)

■リプレイ


 ヘリオンは轟音を立てながら空を飛び、ケルベロス達をミッション地点と運んでいく。
 今回は、糸魚川工業団地である。
 やがて眼下には日本海に面した新潟県最西端の町が見えて来る事だろう。

「この糸魚川へのミッション破壊作戦は、今回が初めて……破壊は無理かもしれませんが、この地の人々に希望を与えられれば……!」
 イピナ・ウィンテール(眩き剣よ希望を照らせ・e03513)は、武門の娘らしく気合いが入っている。
「糸魚川市といえば最近被害で話題になったところですからね。そんな所に更なる負担はかけられませんからね。それにあまり好き勝手をされるのは……気分がよろしくないですから」
 風魔・遊鬼(風鎖・e08021)はイピナに頷きかけながらそう言った。
 ミステリス・クロッサリア(文明開華のサッキュバス・e02728)、土竜・岳(ジュエルファインダー・e04093)、フォルトゥナ・コリス(運命の輪・e07602)、村雨・柚月(黒髪藍眼・e09239)、大神・小太郎(血に抗う者・e44605)、他のケルベロス達も糸魚川市についての噂をして窓の外をのぞき込んでいた。数人はミッション前の緊張で無言のものもいた。
(「強敵と戦えるのは良いんだが、心の叫びっつーのは何度やっても慣れねぇよなぁ」)
 不知火・梓(酔虎・e00528)は、煙草のかわりの長楊枝を口にくわえながら、腹の周りを掻いていた。

 やがてヘリオンは糸魚川工業団地の上空に到着した。
 眼下には、半径30mほどのバリアを張り巡らされた強襲型魔空回廊のドームがある。
 そしてその周辺に、今回の強敵、ディザスター・ポーンが徘徊しているのだ。
 一年少し前に大火災で痛めつけられた市内に、デウスエクスの強敵--。ケルベロス達は気持ちを引き締めながら、次々とヘリオンの降下口へと降りていった。

 柚月は強風に煽られながら降下口に真っ直ぐに立ち、光る小剣グラディウスを両手に構えた。
「寄ってたかって人々に襲い掛かっては奪い、壊し、傷つける。それは人々の心までも激しく傷つけた。俺たちが攻撃を仕掛ける今この時も「あのダモクレス集団がまたいつ来るか」と、不安と恐怖で怯え震える人々がいる! 一秒も安息のない日々が、何日も、何か月も、何年も続いてるんだ! 考えただけで心が張り裂けそうだ! だからこそ一刻も早く救いたい! 彼らを苦しみから解き放ってやりたい! 魔空回廊のない青空で、人々の心に巣食った闇を晴らしたいんだよ!」
 そう、魂の叫びを上げると、柚月は風のど真ん中に飛び込んで行った。直角に魔空回廊へのドームへと飛び降りながら、グラディウスを強く握り締める。
 小剣がバリアに触れた瞬間、聞いた事もないような轟音と雷が走り、爆炎が次々と沸き起こった。柚月は素早く爆炎の煙の中に飛び込んで身を隠した。

 続いて岳が降下口に立った。凜々しい眼差しで、ドームを見下ろす。
「糸魚川市の皆さんのお力になりたいです。長期間定期的な襲撃で、工業活動は勿論、世界ジオパークの活動や市民生活に大きな支障が出ている筈です。定期的に来るなんて、行かさず殺さずということなのでしょうか……そんな酷い事は今日限りです! そんな皆さんを救わず、なんのケルベロスですか! そしてそれをもたらしているのが、ディザスターの名を冠している敵なら猶の事、回廊を破壊し尖兵を駆逐しちゃいましょう。地球と地球の命を好きにさせて堪るものですか! 地球の命を護り抜きます! 宇宙に輝く蒼き宝石…地球に代わって、大! 大! 大! お仕置きですよ!」
 力をこめてそう叫ぶと、岳はヘリオンからまっしぐらにドームへ向かって飛び降りた。強い向かい風を全身に感じつつも、臆する事なく、バリアへ光り輝くグラディウスを突き立てる。途端に噴き上がるスモーク、爆炎、そして激しい雷。岳はそれらに一瞬、顔をしかめつつも、見事に退避した。

「ディザスター・ポーンねぇ……。確かに糸魚川周辺の人等にしてみりゃぁ、災害以外の何もんでもねぇだろう」
 次にふらりと降下口に現れたのは梓だった。
「だが、災害ってのは、いつか終わるもんだろぅ。そのいつかが、今日だ。ディザスター・ポーン、俺たちケルベロスが、お前たちにとっての災害だ。お前らに心があるなら、これまでの行いを反省しながら、無ぇっつーなら、あるがままを受け入れて逝け!」
 梓も降下口に飛び降りた。
 急降下した先でグラディウスがドームのバリアに触れる。爆音、爆炎、スモーク、雷撃。それらが一気に迸り、炸裂する。梓は怯む様子もなく素早くスモークの中に隠れる。

 続いてミステリスが降下口に立った。
「糸魚川市は”世界ジオパーク”にも選ばれたことがあるらしい自然豊かな市なの。もちろん工業団地も当てはまり、豊かな自然との調和を考えられて造られている。決してお前たちみたいに無秩序に廃棄物を垂れ流しているわけじゃあ、ないのよね、だから……」
 ミステリスはしっかりとグラディウスを構え、飛び降りた。
「ここは、お前たちの領域じゃないの」
 突風のど真ん中を落下していくミステリス。落下していく先で、構えたグラディウスがドームに触れる。途端に炸裂する雷撃、続いて爆音と爆炎が巻き起こり、スモークが辺りを覆い尽くす。ミステリスはそのスモークの中に紛れてしまう。

「糸魚川の翡翠には、沢山の人達が想いを託してきたのだと思います。……もしかしたら、いつか私もその一人になるのかもしれません。……だから」
 イピナは大きく息を吐き、強襲型魔空回廊のドームを見据えた。
「私たちが、この地の開放の先駆けとなります! はああああああ!!」
 翡翠に託されてきた、沢山の想いをグラディウスに込めるように強く強く握り締め、飛び降りていくイピナ。
 強い想いをこめたグラディウスがドームに触れると、ひときわ大きな雷撃と爆炎が辺りを支配した。鳴り響く爆音とスモークの中を素早く退避していくイピナ。

 遊鬼は多くは語らなかった。
『この世界は……私達の物です。遺物は排除されろ!』
 短い言葉の中に魂の叫びをこめて、遊鬼は飛び立つ。
 鋭い輝きを放ち、光る小剣グラディウスを真っ直ぐに構えて、遊鬼はドームへと落下。グラディウスがバリアに触れただけで、激しい轟音、爆炎、雷、スモーク……恐ろしく派手な光景が繰り広げられる。その中を遊鬼は音もなく、忍びらしく消えて行く。

 次に小太郎が元気よく現れた。
「おい、そこのダモクレス共! 随分長い事そこに陣取ってるみてぇじゃねぇか! 俺はケルベロスになったばかりでお前らに個人的な恨みはないけどな、それでも、俺の中の正義の魂がこう言ってるんだ! お前たちを滅ぼせ! この地に平和をもたらせ! ってな! ここはこの地に住む人たちの、人間の土地だ! 邪魔者は出ていきやがれってんだ!!」
 威勢の良い魂の叫びとともに、小太郎は降下口から飛び立った。
 真っ直ぐに落下していった先には強襲型魔空回廊のドーム。小太郎が手に握りしめたグラディウスがドームへと触れる。
 激しい爆音、爆炎。雷撃、スモークが辺りを覆い尽くす。小太郎はむしろそれを楽しんでいるような顔で退避していく。

「ディザスター・ポーン…余り強くはないみたいですけど、ほっとくと集団で出てくるみたいですし、ここは長い間回廊が出てましたから1回で壊したいですね。原因がはっきりしてる災害は防がないとあとで困りますので、一気呵成にやってしまいましょう!」
 最後にフォルトゥナが決意を固めて降下口に立った。
「人々に死を振りまく災厄の先兵達よ、消えなさい!」
 強い魂の叫びとともに、フォルトゥナは、降下口から飛んだ。
 急降下していくフォルトゥナ。手にしたグラディウスがドームに触れた刹那、雷撃と爆音が迸る。囂々たる爆炎、濛々たるスモーク。フォルトゥナは煙の中を、仲間達のいる法へと退避した。

 バリアに亀裂が走り、凄まじい電光と爆音が巻き起こった。
 今までの何倍も激しい轟音と共に、爆炎が何度も火柱を上げ、炎と煙の奔流が辺りを覆い尽くしていく。
 呆気に取られているケルベロス達の前で、囂々と音を立てながら、ドームのバリアが崩れ去っていった。
 強襲型魔空回廊、破壊成功!!

「長かったな……でも、もう大丈夫だ」
 柚月は安堵の笑みを見せてそう言った。
 他のケルベロス達も、目の前で崩れ去っていくドームを見て任務達成の喜びを噛みしめる。
 そのときだった。
 風に流れていく灰色の煙--その中から、ダモクレス「ディザスター・ポーン」が現れた。
「面白みのない歩兵ですが……油断は禁物、ですね」
 イピナがそう呟いた。

「目標・確認……ケルベロス ト 判断……逃ガサナイ」
 機械の音声でそう告げた途端、ディザスター・ポーンはディザスター・ブレイドで斬りかかってきた。
 ちょうど一番傍にいた岳に向かい、真っ直ぐに振り下ろされるブレイド。
 そこでミステリスが前に飛び出て、岳を背中に庇った。
「うぐっ」
 ダメージを半減しつつも、ミステリスはこらえきれずに地面に膝を突く。

「ポーンだけでチェックを取れるほどチェスは甘くないのよ」
 ミステリスは快楽エネルギーをピンクの靄に変えて自分の体を覆い尽くし、回復していった。
 主人をかばうかのようにライドキャリバーがデットヒートドライブで敵に突っ込んでいた。
 岳はミステリスに向かって地球のごとき蒼い輝きを宿した「破壊のルーン」を宿させ、回復と同時に強い加護の力を与えた。
 梓は斬霊刀に雷の霊力を帯びさせると、神速の突きでディザスター・ポーンの装甲を攻撃する。
「……あとはあいつをスクラップにするだけか」
 柚月は緩やかな弧を描くような斬撃を放ち、敵の動きを捕らえようとした。
 遊鬼はドラゴニックハンマーから竜砲弾を放ち、ディザスター・ポーンを足止めにしていく。
 イピナはそれらの傷口を、空の霊力を帯びた日本刀でなぞり上げて切り広げた。
 フォルトゥナは掌に「ドラゴンの幻影」を召喚し、ディザスター・ポーンを焼き捨てようとする。
 戦闘が始まると、小太郎は喰霊刀の刀身に左手の親指を這わせて血を捧げた。銀色だった刃が赤黒く染まる。喰霊刀の名は人食い月喰。刀身に捧げる血で力を得る禍々しい妖刀だ。
『オレ様殺法、脚断剣!!』
 小太郎がオリジナルグラビティを撃ち放つ。
 血の呪縛を受けて脚から腐れ落ちる……という技のはずだが、実際は、手持ちの武器で相手の向こうずねを思い切り打ち据え、足止めにする技である。
「ギィイ……ン」
 それでも某かの効果はあったのか、ディザスター・ポーンは動きを止めた。

 それから数ターン、一進一退の繰り返し。
「データ……データリンク機能……回復シマス……」
 目の前でディザスター・ポーンがウィンウィンと音を立てながら回復していく。
 ケルベロス達は互いに力を合わせながら波状攻撃を行うが、そのたびに、ディザスター・ポーンはデータリンク機能という技でギィンギィン言ったり、ウィンウィン言ったりしながら回復してしまうのだ。
 それでも、確実にダメージは溜まっているらしく、ポーンの動きに焦りが感じられるようになってきた。だがケルベロス達の方も負傷し、疲労の色が濃い。

「目標確認……殲滅セヨ……ブーストスラッシュ!」
 ディザスター・ポーンはブレイドを大きく構えると振りかぶってミステリスへ斬りつけていった。
 ミステリスがダメージを半減させながら受け止める。その次の瞬間、ブレイドを大きく振り払って、ロボットらしく手首を逆回転。反対側から思い切り斬りつけてきた。追撃効果をもろに受けるミステリス。
 岳は慌ててミステリスにブレイクルーンを使い、懸命に回復していく。
 そして敵に真っ直ぐな視線を当てた。
「地球に生きる命を解さずただ命を実行しひたすら機械化を図る……そんなあなたたちは絶対に負けません。皆さんの希望を、幸せを護り抜きます!」
「お前を鹵獲して夜の玩具に改造するの!……将棋じゃないから自分の駒にはできないのよねえ」
 ミステリス自身もまた、自分を再びサキュバスミストで覆い尽くして傷を癒やしていった。
 ライドキャリバーがキャリバースピンで攻撃。
 梓は簒奪者の鎌に「虚」を纏わせ、猛然とディザスター・ポーンを斬りつける。その刃から生命力を吸い上げ不敵に笑む梓。
「斬り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ 踏み込みゆかば 後は極楽」
 戦闘が熾烈な時こそ彼はいきいきと笑うらしい。
 遊鬼はブラックスライムを槍のごとく尖らせ、ディザスター・ポーンを貫き、傷口から汚染していく。
「おっしゃー!」
 小太郎はドラゴニック・パワーを噴射して超加速、ハンマーでディザスター・ポーンを叩き潰そうとした。
『穿つ落涙、止まぬ切っ先』
 春夏秋冬・夕立(ユウダチ)でイピナはディザスター・ポーンに追撃を仕掛ける。
 それは水の精霊の力を纏う型。降り注ぐ雨の如く、途切れない刺突。
『死を忘れた者達は、滅びる運命なのです』
 続いてフォルトクナが天火明命(アメノホアカリ)を使った。
 グラビティチェインを過剰に供給したドーンブレイカーで一撃を与える。
 ドーンブレイカーは光るビームを放つチェーンソー剣だ。それを軽々と振り回してオリグラを放つ、そのことにより、制御を離れたグラビティチェインが進化の可能性を秘めた光を放ち、爆発的な連鎖反応を起こしてディザスター・ポーンを切り裂いた。
 柚月が一気に畳みかける。
「とっておきだ! 水よ、我が声に応えよ!」
 オリジナルグラビティのカードを引く柚月。
『凍て開け極寒の蕾! 顕現せよ! コールドロータス!』
 氷瀑蓮華(ヒョウバクレンゲ)。
 臨界の水の力を秘めたカードを引く。カードが発動すると冷気を発する水塊を生成し、自由に飛ばしていく。水は過冷却状態にあり、敵や地面などに衝突すると一瞬で凍り、飛沫は巨大氷柱となって敵を貫くのだ。通常ならリミッターがかかっており、通常使用時は全ての力を引き出すことができないはずだが、それでも充分な威力があった。
「人々が受けた痛みはお前を100回潰せるが……今は1回で勘弁してやる」
 そう告げて、柚月はディザスター・ポーンにトドメを刺した。


 戦闘後、岳はポーンに祈りを捧げた。
「今度生まれ変わったら、心が持てますように。地球の重力の元どうか安らかに」
 そして岳は負傷者達を全て回復していった。
 ミッション破壊作戦は成功し、ケルベロス達は強敵をも倒した。
 後は、グラディウスを敵に奪い去られないように、退却するのみである。
 どこまでも伸びていく灰色の煙、それに紛れながら、ケルベロス達は走る。
 確実な勝利を味わいながら。

作者:柊暮葉 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年3月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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