最強武術、その名はオタ芸!?

作者:雷紋寺音弥

●狙われたアイドルオタク!?
 人気のない学校の裏山にて、何やら奇妙な修行に励む男が一人。頭に巻かれた鉢巻と、柔道か空手の物と思しき胴着から、どうやら格闘家のようであるが……そんな彼の肉体は、しかし筋肉質とは正反対の贅肉質。
「ぜひゅぅ……ぜひゅぅ……。こ、こんなことで、挫けるわけにはいかないでござる。拙者の考えたオタ芸拳が完成すれば、憧れのアイドル親衛隊で大活躍できるはず……」
 案の定、無理なトレーニングが祟ってか、男の身体は汗まみれ。そして、そんな男の前に現れたのは、巨大な鍵を持った一人の少女。
「得意な芸を極めて作った拳法か、面白いな! お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
「なんと! 拙者のオタ芸を見たいと申すか! ならば……未だ完成の域には至っておらぬが、御覧に進ぜよう……アチョォォォッ!!」
 突然現れた少女に挑発され、男はペンライトを片手に奇妙な動きで果敢に技を繰り出して行く。もっとも、彼の攻撃は完全に受け流されて、まともに当たることさえなく。
「……ふぉぼっ!?」
 最後は少女の繰り出した鍵が、男の胸元に突き刺さる。倒れた男を見下ろして、少女は苦笑しながら呟いた。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術、なかなか興味深い動きだったよ」
 昏倒した男は、少女に何も返さない。ただ、その代わりに倒れた男の傍らには、いつしか男の似姿をしたドリームイーターが立っており。
「さあ、お前の武術を見せ付けてきな!」
「でゅふふふ……承知したでござる!」
 幻武極。武術を求めるドリームイーターの手によって誕生した究極のオタ芸使いが、眼鏡の奥に怪しげな光を湛えていた。

●オタ芸を極めし者
「芸とは武であり、武とは芸である、か……。いつの世も、どこの世界でも、芸術と武術は表裏一体というわけだな」
 その日、ケルベロス達の前に現れたザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)は、何やら妙に感心した様子で、ケルベロス達に自らの垣間見た予知について語り始めた。
「エメラルド・アルカディア(雷鳴の戦士・e24441)が懸念していた通り、『オタ芸』とやらを極め、武術に昇華しようとしていた男が、ドリームイーターに狙われている。男を襲うのは、ドリームイーターの幻武極だ。例の如く、自分に欠損している『武術』を奪ってモザイクを晴らそうとしているらしい」
 そういうわけで、今回も彼女が出現させた、武術家のドリームイーターを退治して欲しい。さらっと言ってのけるザイフリート王子だったが、なんというか、のっけから反応に困る話だった。
 いったい、何故に『オタ芸』なのか。というか、それは本当に武術なのか。色々と突っ込み所が満載だったが、ザイフリート王子は何ら気にしていない様子で話を続け。
「敵は武術家のドリームイーターが1体のみだ。ペンライト状の武器を操り、炎や幻覚を生み出したり、相手の加護を砕いたりする。どれも、複数の相手を同時に攻撃できる技ばかりのようだな。それ故、必要以上に同列に固まって戦うのは危険だぞ」
 唯一の幸いは、このドリームイーターが、自分の武術を見せ付けたいと思っているところである。こちらで戦いの舞台を用意してやれば、喜んで戦いを仕掛けてくることだろう。
「『オタ芸』とやらを極めることが、どれほど大変なことなのか……正直、私には解らない。だが、それでも武術にまで昇華できる芸術を、人々を傷つけるための道具にして良いはずがない!」
 そういうわけで、ドリームイーターが一般人を襲う前に、なんとか退治して欲しい。
 なにやら微妙に勘違いしたまま、ザイフリート王子は改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
セフィ・フロウセル(誘いの灰・e01220)
リィンハルト・アデナウアー(燦雨の一雫・e04723)
村雲・左雨(月花風・e11123)
エメラルド・アルカディア(雷鳴の戦士・e24441)
アデレード・ヴェルンシュタイン(愛と正義の告死天使・e24828)
アミル・ララバイ(遊蝶花・e27996)
曽我・小町(大空魔少女・e35148)
中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)

■リプレイ

●芸を極めし者
 学校の裏手に面した森の中。緩めの傾斜が続く山道を登って行くケルベロス達だったが、その表情はなんとも微妙なものだった。
「オタ芸をビシッとキメる為には練習が必要って話は聞いたことはあるが……。果たして、それを極めて武術にはなるもんなのかねえ……」
 相棒のボクスドラゴンを肩に乗せたまま、村雲・左雨(月花風・e11123)が呟いた。
 アイドルのライブ会場は戦場とも言われるが、しかしそもそもオタ芸は格闘技ではない。そんなものを極めたところで、『なんか凄いレベルのパフォーマンス』にしかならないと思うのだが、それはそれ。
「以前に、秋葉原で任務があった時に『オタ芸』と言うものを見たが……一糸乱れぬ、素早く統率のとれた動きだった。確かに、あれを武芸として練れば、驚異的な技とはなるのだろうな」
 どこか納得した表情で、エメラルド・アルカディア(雷鳴の戦士・e24441)が頷いている。
 いや、だからオタ芸は武術じゃなくて、観客の一体感を生み出すパフォーマンスですから! どこからともなく、そんな突っ込みが聞こえて来ると思われたときだった。
「でゅふふふ……これは良いところに獲物が現れたでござる。お前達が、拙者の新しい獲物に大決定~!!」
 茂みを掻き分け、突如として現れた贅肉質の男。頭には鉢巻、着ている服には痛々しいペイント、おまけにモザイク状のペンライトを両手に、鼻息荒く興奮している。
 間違いない。こいつが今回の敵、オタ芸を極めしドリームイーターだ。その外見からは想像できないが、きっと凄まじいペンライト捌きで、こちらを翻弄するような技を使うに違いない……たぶん。
「えっと……オタ芸って場を盛り上げるためにするものよね? それなら盛り上げるべき場も無い今のあんたの技は、最早オタ芸に非ず!」
 芸は人を助け、楽しませるものであれど、決して人を殺めるために使うものではない。そんな戒めの意味も込め、曽我・小町(大空魔少女・e35148)が痛烈な現実を突き付けるが。
「なにおぅ! 拙者の芸は、単に盛り上げるために使うものではござらぬ! 我が愛しのアイドルを守るため、戦闘力を持たせたスペシャル仕様でござる!」
 そういうわけで、自分は戦う。もとより、アイドルのライブ会場は戦場であり、アイドルには敵対勢力も数多い。だからこそ、そいつらを全て排除するための技が必要なのだと、ドリームイーターは完全に開き直っていた。
「ふむ、アイドルとな……。ならば……」
 ドヤ顔を決めている敵に、何か思うところがあったのだろうか。少しばかり考える素振りを見せつつ、アデレード・ヴェルンシュタイン(愛と正義の告死天使・e24828)が徐に口を開く。
「妾は愛と正義のマジ天使系アイドルこと、未来の大アイドル、マジカル・ジャスティス・アデレードちゃんじゃ。そなたの芸とやらでわらわの歌を高めてはくれぬかのぅ?」
「未来の大アイドルだと!? おのれ……さては貴様、我等の応援するアイドル達の、商売仇になるつもりでござるな!」
 もっとも、肝心のドリームイーターは、何故か憤慨して殺す気満々。どうやら、元になった青年の応援していたアイドルの、ライバル候補と思われてしまったようだ。
「でゅふふふ……ここで会ったのが運の尽き! 栄光は、誰にも渡さんでござる!!」
 ペンライトを構え、ドリームイーターがケルベロス達に迫る。解ってはいたが、やはりまともに話の通じるような相手ではない。色々と突っ込み所の多い敵だが、今はとにかく戦わねば。
「好きな人に見てもらうために極めたパフォーマンス、それ自体は素敵なことだし、助けてあげたいわよね?」
「うん、そうだね。なによりも、オタ芸は人を傷つけるためのものじゃないもんね! だからきっちり、倒さなきゃ!」
 アミル・ララバイ(遊蝶花・e27996)の言葉にリィンハルト・アデナウアー(燦雨の一雫・e04723)も頷き、中村・憐(生きてるだけで丸儲け・e42329)もまた前に出る。迫り来るモザイクペンライト。だが、それに怯んでいる場合ではない。
「さあ、ドリームイーターを倒して、オタ芸兄ちゃんを救出するっすよ!」
 極彩色の棒が見せる幻影。それに負けじと立ちはだかり、憐が爽やかに笑ってみせる。その一方で、セフィ・フロウセル(誘いの灰・e01220)は迫り来る敵に物怖じさえもせず、堂々と正面から言い放った。
「さあ……ソロでの卓越した舞、見せてもらおうか」

●オタ芸、イリュージョン!
 弛んだ二の腕と突き出た腹。どう見ても格闘向きではないオタク青年のドリームイーターだったが、その技のキレだけは、なかなかどうして本物だった。
「フハハハ! お主等にも見せてやるでござるよ! 烈火の如き、鳳凰の舞を!!」
 身体を奇妙に捻りながら、ペンライトを振り回すドリームイーター。その度に周囲には炎が巻き起こり、ケルベロス達へと襲い掛かる。
「本来、複数名で行うオタ芸をソロで極める、か……。確かに、見た目に反して素早い相手だ」
 ボクスドラゴンのシルトを始めとしたサーヴァント達と共に、セフィは味方への攻撃を引き受けつつも顔を顰めた。
 威力こそ拡散されて大したことはないが、しかし身を焼かれ続ければ消耗も激しくなる。一度に纏めて広範囲を巻き込めるのは、ライブ会場の観客達を巻き込める、オタ芸ならではと言ったところか。
「この珍妙な動き、確かに意表を突かれるっていえばそうだけど……充分に距離をとれば!」
 そんな中、後方から敵の動きを観察しつつ、小町は照準を敵の頭に合わせた。足の先を小刻みに震わせながら走る敵の動きが凄まじくキモかったが、こんなことで集中力を削がれては堪らない。
「狙い撃たせてもらうわ! 希望の輝きよ、未来への道を切り拓け! ――シャイニング・デストーーームッ!」
 雑念を捨て、祈るように組んだ両腕から、光の竜巻を発生させる。その凄まじい奔流が敵を捉えたところで、左雨とアミル、そして憐の3人が同時に大地を蹴った。
「タイミング合わせろよ、二人とも!」
「ふふ……お手柔らかにお願いするわ」
 まずは左雨とアミルの蹴りが左右から炸裂し、敵の腹が大きく揺れる。続けて、飛来した憐の脚も突き刺さり、その衝撃に敵の身体が吹っ飛んだ。
「こいつも、おまけに持って行くっす!」
「ふごっ!? ひゅでぶぅぅぅぅっ!?」
 空気が抜けて飛んで行く風船のように、豪快に吹き飛ぶドリームイーター。その身体は近くに生えていた木に激突し、小枝や枯葉が頭の上に舞い散って。
「なるほど、確かに良く考えられた動きだ」
「ならば、まずはその足を止めさせてもらおう」
 追い撃ちとばかりにエメラルドが稲妻を帯びた槍先を繰り出し、セフィの槌が竜砲弾を発射する。その間に、リィンハルトが稲妻の障壁を発生させることで、敵の放った炎を振り払い。
「ふははは、妾はマジ天使系なのは間違いないが、邪悪な魂を地獄に送り返す告死天使じゃ! 神妙に覚悟するがいい!」
 再び敵が動き出すよりも先に、アデレードが光の翼を広げて突っ込んだ。
「なっ……! 貴様、アイドルを名乗るのであれば、もっと淑やかにするでござ……ほげぇぇぇっ!!」
 屁理屈を捏ねるよりも先に、真正面から直撃する痛烈な一撃。というか、自分から攻撃を仕掛けておいて、今さら反撃するな等という、虫のよい話があるはずもなく。
「さあ、今の内だよ! さっさと炎を消しちゃおう!」
「チャロ、あなたもお手伝いなさい」
 ウイングキャットのグリやチャロにアミルと小町が命じたことで、敵の演舞によって撒き散らされた炎は、綺麗サッパリさようなら!
「お、おのれぇ……。しかし、まだ拙者は諦めんでござるよ! ここからが、オタ芸拳の神髄でござる!」
 未だ季節は少しばかり早いが、今度は桜を見せてやろう。不敵に笑いつつモザイクのペンライトを握り締めて立ち上がると、敵は腹の肉を揺らしながら、流れるように腕を振り回して突撃して来た。

●親衛隊の誇り
 オタ芸を究極まで磨き続け、ついに武術として昇華させたオタ芸拳。だが、フザけた名前や動きに反し、技としてはなかなかに厄介なものが揃っていた。
 両腕を大きく振り回して巻き起こす炎は広範囲を纏めて焼き払い、花吹雪を思わせる奇妙な挙動に翻弄されたら最後、周囲の者の顔が全てオタク青年の顔に見えて来てしまう。
「フハハハッ! そろそろ、拙者も本気で行かせてもらうでござる! 『推し』のためには修羅となる……その斬れ味を、その身で体感するでござる!」
 今までの流れるような動きから一転して、繰り出されるのは鋭い刀剣による斬撃の如き動き。振り下ろされたペンライトはケルベロス達にダメージを与えるだけでなく、彼らの身を守る雷の障壁を。纏めて木っ端微塵に打ち砕いた。
「なかなかやるな……。だが、まだだ!」
 負けられないのは、こちらも同じ。足りない部分はサーヴァント達にフォローしてもらいつつ、エメラルドがセティ目掛けて杖先から肉体を活性化させる電撃を飛ばす。それと同時に、リィンハルトもまた、同じく杖先から稲妻を迸らせて。
「一生懸命に練り上げたオタ芸を勝手に自分の物にして、しかも人を傷つける手段にするなんて、ぜったいだめだよ!」
 今度の狙いは味方ではなく敵の方だ。調子に乗っているドリームイーター目掛け、球状の電撃が炸裂した。
「ほがぁぁぁっ!? な、なんでござるか、これはぁぁぁっ!?」
 身体を痙攣させながら、髪の毛を逆立てて倒れるドリームイーター。しかし、それだけでは終わらない。このチャンスを逃してはならないと、他の者達も一気呵成に攻め立てる。
「随分と、熱くなってるみたいだな。だったら、こいつでもっと熱くなってみたらどうだ?」
「ふっ……そんなに『萌え』たいのであれば、妾が直々に『燃や』してくれるわ!」
 左雨の蹴りが三日月状の炎を呼び、それに追随する形で、アデレードが地獄の業火を纏ったハンマーを叩き付けた。紅蓮の炎が敵を包み込み、叩き潰したところで、今度はセフィが自らの腕に灰色のオーラを纏い。
「我が灰色の剣嵐にひれ伏すが良い!」
 打ち出される灰色の疾強風。相手の武器を封じる力を持った魔術が、モザイクのペンライトを持った手を飲み込んで行く。
「ふんごぉぉぉっ! ま、負けないでござる! 親衛隊の意地にかけても、拙者はこんなところで……」
 それでも、なんとか気合いで耐えているドリームイーターだったが、しかし実際は満身創痍。今までの戦いで何度も蹴られ、踏み付けられて来たことで、既に珍妙な挙動から繰り出される謎の機動性も、完全に削がれてしまっていたのだ。
「自慢の動きがなくなったんじゃ、単に暑苦しいだけね。悪いけど、少し頭を冷やしてもらうわよ」
 身体を焼かれている敵目掛け、冷凍光線を発射する小町。無論、それで火が消えることはなく、しかし敵の身体は贅肉諸共に凍りつき。
「ごめんなさい、手加減できないの」
 ここぞとばかりに、氷の様に澄みきった刃で一線を浴びせ、アミルが見せるは絶対零度の銀世界。
「ぬぅ……こ、これは拙いでござる……。このままでは……」
 さすがに、これ以上は限界だったのか、ドリームイーターが微かに退くような素振りを見せた。その僅かな隙、勝負を決める最高のチャンスを見逃すことなく、憐が必殺の魔球を投げる。
「行くぞ! このボール、防げるものなら防いでみろっす!」
 謎のパワーを掌に集中させて、生み出したエネルギー球体を投げ付ける。咄嗟に、両腕をガードして避けようとするドリームイーターだったが、その程度で防げれば苦労はしない。
 命中する瞬間、フォークボールのような軌道を描き、真下に落下するエネルギー球。それは、あろうことか敵の股間を直撃し、抉るように捻り込みながら爆散した。
「はうぁっ! も、悶絶ぅぅぅぅっ!!」
 人の形を模している以上、やはり急所も同じだったのだろうか。
 両目を見開き、股間を両手で押さえたまま、消滅して行くドリームイーター。かくして、オタ芸を人殺しの道具にしようとした幻武極の野望は果たされることなく、ケルベロス達の手によって打ち砕かれた。

●永遠の情熱
 戦いが終わった山の中。ケルベロス達が倒れているオタク青年を発見したのは、戦場となった場所から程なく離れたところだった。
「大丈夫か? まったく、酷い目に遭ったな」
「うぅ……忝いでござる……」
 念のため、ヒールを施しながら語り掛けるエメラルドだったが、対するオタク青年は申し訳なさそうに俯くだけだった。
 まあ、無理もないだろう。理由と発想はどうあれ、自慢のオタ芸格闘技を以てしても勝てない相手がいたばかりか、それを悪用されてしまったのだから。
「……どうでもいいけど、アイドル親衛隊は良いとして、どんな風に活躍する気だったの?」
「それは……当然、この拳法の力を以て、我が愛しのアイドルを守るつもりだったござるよ!」
 小町の問いに、少しばかり自信を取り戻した表情になって青年が答える。今回は負けてしまったが、どうやら本気でオタ芸を使って、アイドルを物理的に守れると思っていたらしい。
「はぁ……って、グリは何してるの!? 変な踊り覚えないの、もー……!」
 そんな中、戦闘中に敵が繰り出して来た技の型を真似しているつもりなのか、グリが両腕を振りながら謎の踊りを楽しんでいた。もっとも、傍から見たら単なるモンキーダンスにしか見えない部分もあったが、それはそれ。
「あの動きって、やっぱり相当訓練しないと出来ない……やだぁチャロったら、あたしもやると思ってるの?」
 自分を見つめる視線を感じ、アミルがチャロの頭に軽く手を乗せて言った。
 愛の形は、人それぞれ。オタ芸でアイドルが守れるかどうかは微妙なところだが、その心意気だけは本物だろう。
「生のオタ芸も気になるところだが……さすがに、今ここで見せてもらうのは難しそうだな」
 機会があれば、今度は拳を交える形ではなく、誰かを応援する形で見せて欲しい。そんなセフィの言葉に、オタク青年は鼻息も荒く、手にしたペンライトを高々と掲げて宣誓した。
「でゅふふふ……よかろう! その時は、是非とも合いの手をお願いするでござるよ!」
 オタ芸は、やはり個人でやるものではなく、皆で盛り上げてゆくものだ。色々と散々な目に遭ったようだが、オタク青年のアイドルにかける情熱までは、さすがの幻武極も奪えなかったようである。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年3月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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