●ダンシング・フォーク・ナイト
横須賀港――。
現在は使われていない区画のとある埠頭の先で、やたらとデカい鳥が腕を組んでいらっしゃる。
「始まるぜ……俺たちの熱い夜がよ……!」
海から吹く冷たい風を受けながらビルシャナが呟くと、ゴゴゴゴ、と彼の背後にあった倉庫のシャッターが開かれてゆく。
「ヒャッホー!」
奇声と共にシュバババッ、と倉庫の中から飛び出してくる黄色い影! そう、それは倉庫業に欠かせないあの乗り物である――!
「至高の車両とは何かッ!?」
「フォークリフト! フォークリフトッ!」
拳を振り上げながらビルシャナに熱狂的に応える男達!
嗚呼、それにしてもなんという豪華な顔ぶれだろうか! この横須賀港で働く者たちなら知らぬものは居ない、いずれも名うての乗り手(Warrior)達!
そして! その最高の荒くれ者共を束ねるのは、フォークリフトが放つ魔性の魅力に憑りつかれ、まったく新しい競技『フォークリフト・バトル』を見出す境地に至ったという伝説の男!
先週、フォークリフトと共に海に落ちて行方不明となっていた伝説の男だったが、彼はなんと生きていたのだ! まあ、もう人間じゃないけどな!
「さあ! まずはレースだッ! 行くぞ野郎ども!」
「ヒャッハァー!」
獣の咆哮にも似たエグゾースト音が港に響く。
今宵もCOOLでHOTなフォークリフト・ダンスの始まりだァアア――!
●
とまぁ、そんな感じの予知を語り終えたセリカ・リュミエールが神妙な面持ちでケルベロス達に向き直る。
「というわけで、皆さんには『このフォークリフト競技こそ至高』という教義を唱えるビルシャナの討伐をお願いしたいのです」
「……」
会議室に重い沈黙が落ちる。
もしかしたら今のは、競技と教義を掛けたセリカの冗談なのかもしれない。というか、この依頼自体が冗談で、もうここで解散にして欲しかった。
「鎌倉奪還戦の際にビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、人間が悟りを開きビルシャナになってしまう事件が多発しています……今回の敵もその一人ですね」
神妙な面持ちでセリカ。残念ながら冗談じゃないらしい。
さておき、セリカの話ではこのビルシャナは自分の考えを広く布教し配下を増やそうと目論んでいる様子。
すでにこのビルシャナの周囲には一般人が10人ほど集まっており、彼らをこのまま放置すればその教義に染まりきりビルシャナの配下となってしまうだろう。
配下となった信者達は、戦いになれば教祖であるビルシャナを護るために行動することになる。戦闘能力は低いものの、攻撃したら簡単に死んでしまう厄介な相手になるはずだ。
「ですが、このビルシャナの教義を覆すようなインパクトある説得が出来れば、きっとこの人々を正気に戻すことが出来るはずです」
今回提示された依頼の成功条件はビルシャナの撃破のみであり、一般人の生死はこれに含まれていないのだが――。
「可能であれば、彼らのことも助けてあげてください」
皆さんならきっと出来ます! と言わんばかりの信頼の眼差しを送るセリカ。
「……いや、そうはいってもねぇ」
セリカの話では、集まっている観衆たちのフォークリフト愛はかなり深く「ここは危険だから逃げろ!」みたいな説得では効果がないとのことである。
どう説得したものか、と考え込むケルベロスの面々に、セリカが付け加える。
「そういえば、このビルシャナの教義では教祖自身こそが『伝説で最強のフォークリフト乗り』であり、特別に神聖視する存在のようですね」
つまり、それを覆すことが出来れば――。
予知によれば事件が起こるのは一週間後。
各自、今から泊りがけで教習所に通えば、決戦までにはフォークリフトの免許を習得できるかもしれない。
「敵は勝利の為なら汚い手も平気で使ってくるので注意してください……。危険な依頼ですが、皆さん、どうか宜しくお願いします」
そう説明を結び、セリカは教習所のパンフレットをスッと差し出すのだった。
参加者 | |
---|---|
シィ・ブラントネール(ウイングにゃんこ・e03575) |
ノーザンライト・ゴーストセイン(ヤンデレ魔女・e05320) |
イスズ・イルルヤンカシュ(赤龍帝・e06873) |
イグノート・ニーロ(チベスナさん・e21366) |
黒岩・白(すーぱーぽりす・e28474) |
篠村・鈴音(焔剣・e28705) |
ベルベット・フロー(ミス紅蓮ファイアー・e29652) |
死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807) |
●
埠頭前。
パトランプを頭に付けたシマウマに乗って黒岩・白(すーぱーぽりす・e28474)がまず乗り込んでゆく。
「ここでフォークリフトの勝負が行われていると聞いて様子を見に来たっス」
「ひッ!? 警察!?」
婦警さんに動揺する教団の面々だが、白が「今日は非番っス」と説明するとホッと胸を撫でおろす。
「ねね、あたしたちと勝負しようよ!」
二コッと微笑みながら勝負を持ちかけてゆくのはベルベット・フロー(ミス紅蓮ファイアー・e29652)だ。
「ほう……面白れぇ。受けて立とうじゃねえか」
自信に満ちた笑みを浮かべながら頷くビルシャナ。ここまでは順調である。
「皆さん。免許は持ちましたね」
優雅に車体を一回転させて仲間たちに振り返るイグノート・ニーロ(チベスナさん・e21366)。
「ばっちりゲットしてきたよ!」
ピッカピカの技能講習終了証を掲げるベルベット。
「敵は……横須賀最強の乗り手『伝説の男』……か」
クールな口調に、熱い『走り』への情熱を滲ませる篠村・鈴音(焔剣・e28705)。
「鈴音、何かキャラ変わってない!?」
豹変してしまった鈴音の様子に軽くビビるシィ・ブラントネール(ウイングにゃんこ・e03575)。
「甦る伝説……。否、わたしたちが伝説になる」
ノーザンライト・ゴーストセイン(ヤンデレ魔女・e05320)が電飾輝く紅の愛機『スカーレットブルーム号』のエンジンに火を入れる。この日のために新車購入・即改造で気合は十分だ。
「ふ……紅の魔女に相乗り、か……」
そして、そのスカーレットブルーム号の後部席に座るのは、イスズ・イルルヤンカシュ(赤龍帝・e06873)。
「レースに参加するのならば狙うはトップのみ……。なに、二人で走るのならば負けはないさ」
「うん……一人より、二人の方が強いことを証明する……」
「ああ、この日の為に山籠もりして地獄の特訓をしたからな!」
信頼の表情で頷きあう二人。
「なんでフォークリフトの練習で山を選んだのッ!?」
思わずツッコミをいれてしまうビルシャナさん。
「く、まあ、走れるならいいが……ところで、そっちのそいつだが……」
どこか困ったように視線を移すビルシャナ。
そこには黒い不死鳥を模した覆面を被る、謎の女の姿があった。
「えと、死道さんは急用が出来て、遅刻するそうです……」
覆面が慌てて説明を始める。
さて、明らかに挙動不審すぎるこの覆面美女。
あえて速攻でネタバレすると、彼女は防具特徴『エイティーン』で変身した死道・刃蓙理(野獣の凱旋・e44807)ご本人である。
これは刃蓙理(16歳)が運転免許の習得条件である『18歳以上』をクリアするために考え出した秘策なのだ――!
「私は……えと……。さすらいのフォークリフター『ブラック・フェニックス』18歳……。闇のフォークリフト術……見せてあげる……」
昨晩考えたキメポーズをする刃蓙理。
「そうか……18歳か……。まぁ、このあたり区画はうちのメンバーの人の私有地だから、実は何歳でも運転OKなんだぜ」
どうだすごいだろ、と自慢するビルシャナ。
「……」
その言葉に、無言のまま覆面を取ってゆくブラック・フェニックス18歳。
外した素顔は目が死んでいた。
(はよ言えや)
皆がそう思った。
●
「まずは度胸試しと行こうじゃねぇか」
第一戦は埠頭チキンレース!
ビルシャナが合図するといかにも度胸のありそうな強面の乗り手(Warrior)が進み出てくる。
対するケルベロス側から進み出るのはイグノートとノーザンライト&イスズ組だ!
「3……2……1……GOッ!」
旗が振り抜かれると同時!
エンジンが獣のような咆哮をあげる!
加速! 加速! 加速!
埠頭の先、大海原めがけて疾走してゆく3台のフォークリフト!
「此処は一つ、フォークリフトでチベスナの生き様を見せて差し上げましょう」
好スタートを切り、先頭を取ったイグノートがまず仕掛ける!
「なにィーっ! イグノートさんが反転!? これは一体ッ!?」
「あ、あれは後退走行っス!!」
ベルベットと白が驚きの声をあげる。
「すごい……で、でも、あの走りにどんな意味があるの!?」
「先行車両ならではの戦法っスね! あえて後ろ向きで走ることで、後続のドライバーの『表情』を観察しながら走ることが可能なんっスよ!」
「なるほど! チキンレースにおいて最も重要な『心理戦』で優位に立つことが出来るというわけだね!」
察しが良すぎるだろキミら。
そして「それだけではありません」と付け加えるイグノート。
「宜しいですか、昨今のフォークリフトは前進禁止の所もございます。
つまり後退走行がフォーマル! フォーマルを抑えずして何のフォークリフト好きか!」
叫びながらアクセルを踏み込んでゆくイグノート! 後退走行でのフルスピード・ドライヴィングッだ!!
「フォォォッマル!」
狂気を宿すイグノートの瞳は、スピードに魅せられたジャンキーのそれ!
「負けない……」
そして巧みなクラッチ操作で加速し、距離を詰めてゆくノーザンライト!
(バカな……こいつら、まだブレーキをかける気配がねぇ……)
長い埠頭も既に4分の3は通り過ぎている。
このままでは共倒れだと敵信者に焦りが見え始める。なによりこっちを見ながら前方を走ってる男が怖すぎた。
「く、もうダメだ! 俺は降りるぜ!」
本能が告げる警鐘に従い、ブレーキを踏み込む信者!
「し、しまった、早過ぎたか!?」
落水こそしなかったものの、男の停車位置はかなり手前。
心理戦に敗北し、男はいつもの実力を発揮することが出来なかったのだ。
奥歯を噛む信者だったが、それを尻目にハイスピードで疾走を続ける2台!
「ええええ!? ちょ、おい!?」
もうブレーキ踏んでもいいんだよッ!?
そんなギャラリー全員の想いを遥か後方へと置き去りにして、埠頭の先まで突き進んでゆく3人!
「もっとだ! もっと! 早く!」
後部座席から身を乗り出しながらイスズが叫ぶ。
紅のフォークリフトが埠頭の先に到達すると同時!
「イスズ……左旋回……」
「応!」
ガッと車体に強引な回転運動を加えるノーザンライト!
「いっけぇええええええ!」
埠頭から飛び出したフォークリフトが、旋風のように虚空を舞う!
「六回転サルコウ」
出た! 前人未踏の6回転!
鮮烈な最後の輝きを見せ、スカーレットブルーム号が水飛沫と共に消える!
文句なしの廃車決定だァアア!
「ああッ! で、でも、まだイグノートさんが停まれればこちらの勝利っス!」
手に汗握りながら白。
「ふっ。お任せください、初戦を勝利で飾らせて頂きましょう」
停車するため進行方向に振り返ろうとするイグノートだが――。
「ぬぐッ!?」
風になびく自らの毛が目にかかる! まさかの自爆!
「――!」
タイミングを誤り、埠頭からテイクオフしてゆくイグノート!
「……あいるびーばっく!!!」
そう言い残し、海面から親指を突き出して消えてゆく。
「……」
さらば勇者たちよ、君たちのことは忘れない。
●
惜しくも初戦に敗れたケルベロス組。
「最終戦に繋ぐためにも、次は負けられないわね……」
海にダイブした人たちを助け出しながらシィ。
「よーし、練習の成果、見せちゃうよ!」
「任せてください……」
背水の陣で臨むケルベロス陣から進み出るのはベルベットと刃蓙理。
「さあ行くぜ! 第二戦は騎馬戦だァアア!」
それは、敵を走行不能にすれば勝ちという荒くれ者のルール!
敵側から進み出るのは熟練の戸倉兄弟! この種目においてはビルシャナをも凌ぐと噂される実力者だ!
「Ready……Go!」
「いくよッ!」
開始の合図と同時に、正面から敵車体に突進してゆくベルベット!
「ヒャッハー! このエンジン音、最高だゼェー!」
熱きハートに応えるように地獄化したベルベットの顔面が逆巻く炎を噴き出す!
応戦するために進み出てくるのはパワー自慢の戸倉(弟)!
「ぬうおおおッ!」
がっぷりよつに組み合うかに見えた2台だが――。
「今だ!」
ドリフトを決め、紙一重で敵車両を回避するベルベット!
「なに!? 変化した、だとッ!?」
慌てて方向を正そうとする戸倉(弟)だが、このチャンスを逃すベルベットではない。
「ぬう……!」
フォークに掴まらないようにあえて前方へと逃げる弟。
「逃がさないよ!」
戦闘機のドッグファイトさながらの攻防が繰り広げられてゆく。
「くッ、マズい!」
弟のサポートに向かおうとする兄だったが、これを阻むのは刃蓙理。
「……行かせません」
刃蓙理が選んだ機体はツメの短い小柄なタイプのもの。軽い分小回りが利き、なにより発進速度に優れる。
これを素通りして行くことは難しい、と戸倉(兄)は即座に判断する。
ならば――。
「邪魔だ! どけぇえええ!」
フォークを上部まで上げて、その爪で刃蓙理に直接攻撃を仕掛けてくる兄!
「あ、危ないッ!」
観客席のシィが息を飲む!
「くッ……」
まさに紙一重。咄嗟に身体をずらし、敵の凶爪を避けた刃蓙理。掠った頬から一筋の血が流れ落ちてゆく。
「卑怯だぞ! おい審判!」
イスズが審判に掛け合うものの、笛は鳴らず。
「む、避けたか」
まあいい、と下卑た笑いを浮かべる兄。
所詮、敵は女。こうやってビビらせてやれば逃げ出すはず。
だが――。そんな兄の目論見は外れることになる。
「……おおかた……審判も、あなた達の味方なのでしょう?」
刃蓙理の赤い瞳は恐怖に染まることなく、相手を真っ直ぐに見つめ返していた。
(こ、こいつ……なんて眼してやがる)
どこか『死』を連想させる少女の深い赤眼に気圧される兄。
「ならこちらも遠慮は要りませんね……。
そのキレイなツメを……フッ飛ばしてあげる……!」
刃蓙理の刃が敵の車体の下に喰らいつく。
「必殺……『ネクロ・アニマフォーク』……!」
「ひ、ひぃいい!?」
軋みをあげて傾いてゆく兄のリフト!
敵の機体がバランスを崩し、ズウウンと音立てて横転する!
「兄者ッ!?」
「おっと、余所見してる場合じゃないよ!」
弟の集中力の綻びを見逃さず、ベルベットが詰める!
「伝説と呼ばれるあなた達に勝って、アタシが真のレジェンド・オブ・フォークリフターになる! いくよ、フルスロットール!!」
再びドリフトを決め、敵車体の横っ腹にフォークを差し込むベルベット!
「くらえー! ドリフト・フォークアッパー!!」
GUOOOOOON!
けたたましい駆動音と共に、敵の巨体が持ち上がってゆく!
「う、うおおおおお!」
見事な荷上げに観衆が湧く!
これで走行不能!
2戦目はケルベロス側の快勝だ!
●周回レース
そして最終戦。ついに伝説と呼ばれた男の登場だ。
「まとめて掛ってきな。横須賀最速と呼ばれた俺の実力……見せてやろう」
ルールは倉庫内3周。一着でゴールしたチームが勝利だ。
「なめられたものですね」
「え、誰?」
第一戦で海に沈んだせいだろう。フサフサだった毛が水に濡れてぺったりし、別人のようになってるイグノートの姿にツッコミをいれる仲間達。
「8対1。敵はそれだけ自信があるということだな」
「……強敵だね」
イスズの言葉にノーザンライトが頷く。とりあえず、この二人も頭についたヒトデとワカメを落としたほうがいいと思う。
さあ、これがさいごのたたかいだ!
「3……2……1……GO!」
運命の火蓋が、今切って落とされる!
「さあ、行くわよ!」
素晴らしいタイミングで紳士的なスタートダッシュを決めたのはシィ!
って、よく見たら運転をしてるのシャーマンズゴーストのほうじゃねぇか!
「レトラ! アナタのドライビングテクニックを披露して上げなさい!!」
入り組んだ倉庫内部のコースを、絶妙な紳士的慣性ドリフトを決めて攻略してゆくレトラ!
「案外パトカーより運転しやすいかもっスね」
そして、コーナーのたびに少しずつ距離を縮めていくのは肩の上にオルトロスのマーブルを乗せている白。
マーブルが重心を細かく調整することでこの鋭いカーブを可能としているようだ。
「く、思ってたよりやるじゃねぇか……」
ケルベロス達の腕前に奥歯を噛むビルシャナ。
さらにこの先頭集団に鈴音が加わり、4台で熾烈なデッドヒートが繰り広げられてゆく。
「むむ」
2週目に入ってすぐ、ビルシャナが部下たちに目配せしているのを白は視界の端に捉えた。
警察官のカンとも言うべきか、敵がこの2週目で何か仕掛けてくるだろうと判断する白。
かくしてこの悪い予想は当たる。コース折り返し地点として高く積まれていた荷山が、先頭集団通過と同時に大きく揺れたのだ!
「そうくると思ったっスよ!」
フォークリフトの車体を荷山に押し当てる白! 揺れが支えられ、荷崩れが回避される!
「みんな、後は任せたっスよ……!」
咄嗟の機転で仲間達を救ったものの、先頭集団から外れてしまった白。
その想いを受け継ぎ、シィと鈴音が走り抜けてゆく。
「チッ、運のいい奴らめ……」
まぁいい。これで先頭に立った、とビルシャナ。
そしてファイナルラップ。
必死にビルシャナを追う二人だったが、敵もこの横須賀で『伝説』と呼ばれた男。
「……流石ですね。ですが――」
鈴音が呟く。最終コーナーのヘアピンカーブが迫る!
「伝説は塗り替えるもの。今……アクセルを解き放つ!!」
てい、とブレーキを蹴り壊す鈴音! 廃車決定!
そのまま勝負を仕掛ける! 180度カーブを前にして、踏み抜くのはブレーキではなく、アクセルだ!
「ば、バカな! あの速度で曲がり切れるはずがねぇ!」
追い抜かれたビルシャナが驚愕の声をあげる!
最終コーナーに6速全開で突っ込んでゆく鈴音!
CRAAAAAAZY!!
「そう……俺たちは……brakeの踏み方を忘れちまった……傷だらけのwarrior……crashに怯えていたら…最速の彼方には辿り着けねえ……」
イン・イン・イン!!
己のその全てでもって遠心力に抗う鈴音!
「な、なんてやつだ……!」
あまりの狂気にビルシャナは恐怖する。
鈴音はドゴーンと倉庫の壁を突き破り、そのまま明後日へと旅立っていった。
動揺したビルシャナに僅かな乱れが生じる。インコースが、ほんの一瞬だけ開いたのだ!
「今よ!」
それは仲間が切り開いた、勝利への道。
「いっけぇええええ!!」
シィの叫びにレトラが応える!
今、全ての想いを繫いでッ!
いけ! 最速の向こう側へ――!
「ゴールイン!!」
「うおおおおお! 一着はシィ・ブラントネールだぁ!!」
倉庫内が歓声で爆発する!
そう、ケルベロス達はビルシャナの教義を打ち破り、新たな伝説を打ち立てることに成功したのだ!
戦いは終わった。
あとは信者達を正気に戻し、ビルシャナを無事に撃破するケルベロス達だった。
作者:河流まお |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年3月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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