律動するチョコファウンテン

作者:澤見夜行

●凍結された企画
 それはある年のバレンタインデーの企画だった。
 大都市のイベント広場に超巨大なチョコファウンテンを設置し盛大なバレンタインパーティーを行うという主旨のものだ。
 しかしその企画は凍結された。
 考えればすぐわかることだが、超巨大なファウンテンを作り上げてもチョコをすくい取ることはできないし、そもそもそんな巨大なものに使われるチョコと生クリームの量を考えれば予算的にも無駄が多い。衛生的な問題もあれば、事後の片付けをどうするのか、などなど。
 とにかく穴だらけの企画は凍結されてしまったのだ――そう超巨大チョコファウンテンが完成してから。
 お蔵入りとなった超巨大チョコファウンテンは解体費用もままならず、都内の海沿いにある倉庫に眠らされる事となった。
 二度と使われる事はない、ただ朽ちて終わるのを待つだけの日々が過ぎていく。
 そして今年もバレンタインの季節がやってきた。
 もはや忘れられたチョコファウンテンに近づく小さな影。コギトエルゴスムとかした小型ダモクレスの蜘蛛だ。
 キチキチと音を立てながらチョコファウンテンの内部へと潜り込むダモクレス。
 しばらくすると、チョコファウンテン全体が淡く光り輝く。そうして数分のちには超巨大チョコファウンは、超巨大チョコファウンテンダモクレスへと変貌してしまうのだった。
「チョーーーーコレーーーート!!」
 倉庫を破壊しながら動き出すチョコファウンテンダモクレス。倉庫の脇に一緒に保管されていたチョコと生クリームを根こそぎ奪い取ると、チョコを律動させながら噴水のように噴き出し歩き出す。
 向かうはバレンタインのイベント会場だ――。


「チョコファウンテンは楽しいですよね、くるくると巻き付けて美味しくチョコを食べれるのです」
「ふふふ、そうですね。でも今回はそうも言ってられない相手のようです」
 クーリャ・リリルノア(銀曜のヘリオライダー・en0262)とレカ・ビアバルナ(ソムニウム・e00931)が集まった番犬達を前に説明をはじめた。
「レカさんが危惧されていたとおり、海沿いの倉庫に保管されていた超巨大チョコファウンテンがダモクレスになってしまう事件が発生するようなのです。
 幸いにもまだ被害はでていないのですが、ダモクレスを放置すれば、多くの人々が虐殺されてグラビティ・チェインを奪われてしまうのです。どうかその前に現場に向かって、ダモクレスを撃破して欲しいのですよ」
「チョコファウンテンのダモクレスなら、やっぱりチョコを使った攻撃とかしてくるのでしょうか?」
「はいなのです。汚染されたチョコを直接吹きかける攻撃や、横から生えた手で掴みチョコの海へと放り込む攻撃。自身をチョコでコーティングし回復すると共に守護を得る力もあるようなのです」
 チョコをまき散らしながら進みゆく、見た目はともかく恐るべき相手だ。注意して相手をしたい。
「ダモクレスは市街地へと進行するようですが、その前に接敵できるはずなのです。周りには人もいないので戦いに集中できるはずなのですよ」
 資料を置いたクーリャは目を細めると頬に手を当てた。
「チョコレートファウンテン。チョコ好きの私にはたまらないのです。おっと想像しただけでよだれが……」
「ふふふ、でもダモクレスですからね、もったいないですが被害がでるまえに倒してしまいましょう」
 そう言ってクーリャに笑いかけるレカは番犬達と共に出撃の準備を進めるのだった。


参加者
ユージン・イークル(煌めく流星・e00277)
京極・夕雨(時雨れ狼・e00440)
ナディア・ノヴァ(わすれなぐさ・e00787)
レカ・ビアバルナ(ソムニウム・e00931)
ノイア・ストアード(記憶の残滓・e04933)
分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)
ザンニ・ライオネス(白夜幻燈・e18810)
クラリス・レミントン(銀ノ弾丸・e35454)

■リプレイ

●甘い香りの誘い
 予知された現場に向かった番犬達を待っていたのは、一帯に漂う甘い香り。少し嗅ぐなら良い香りかもしれないが、漂う強烈な甘さの香りは気分を悪くさせていく。
「マスク越しにもはっきり伝わる、カカオとミルクのいい香り……でもこれはちょっと、甘ったるすぎじゃない?」
「ええ、本当に。私もチョコレートは好きですが、この香りの量は身体に悪いように思えますね」
 クラリス・レミントン(銀ノ弾丸・e35454)の言葉に伊達めがねをつけたノイア・ストアード(記憶の残滓・e04933)が頷く。
 移動しながらキープアウトテープを張り巡らせるナディア・ノヴァ(わすれなぐさ・e00787)もまた、鼻腔を擽る甘い香りに空いていないお腹が小さく鳴るのを感じた。
「さっさと一仕事終えてチョコのビュッフェにでも行きたいものだな」
「賛成だね♪ チョコを堪能できるとはいえ、汚染されてるものだしね」
 ナディアの提案にユージン・イークル(煌めく流星・e00277)が賛同すると、仲間達も頷く。
「いやいや、ユージンさん。いくら汚染されていようと、チョコはチョコですよ。今日は甘くて美味しいチョコを存分に堪能できる素晴らしい日ですから。なんというか、私の日頃の行いの良さが遺憾なく発揮されてしまった感じですかね」
「えー、ならユウちゃんに全部任せるよ? まずくても文句言わないでね?」
「ないない、ないです。美味しいですよチョコですもの。全部食べてしまっても文句は言わないでくださいよ」
 京極・夕雨(時雨れ狼・e00440)よユージンのやりとりに思わず笑みがこぼれるレカ・ビアバルナ(ソムニウム・e00931)。
「ふふ、汚染されてなければ皆でチョコパーティーとかできたんでしょうけど、残念だわ……」
「あー、レカちゃんも食べたかった派かな?」
「あっ、いいえ! 食べたくなった気持ちなど……ほんの少ししかありませんとも!」
 スイーツが大好きで、当然チョコも好物なレカは本音を漏らしつつ答える。
「とはいえ、やっぱり味は気になるよな。汚染されたと言いつつ、すぐに毒だと分かる味なら吐き出されちゃうからな。つまり、喰わせる事を目的にしてるなら味は変わらないはず! と言うわけでオイラは美味しい方に一票だな」
 分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)も話に乗りチョコの味に興味を持つと、番犬達の中で『汚染されたチョコ』を食べたい派と、食べたくない派で意見が分かれる事となった。
「どちらにしても、チョコは人を幸せにするものなの。ダモクレスになって暴れ回るだなんて、作った人もきっと望んでないよ。皆で迎える平和なバレンタインの為にも、頑張らなきゃ」
 クラリスがそうまとめると、番犬達は一つ強く頷いた。
 一帯を支配するチョコの香りはどんどん濃くなっていく。視線の先に見えるは、聳える山のような影。
 手足が動き、街へと向かうその影こそ、超巨大チョコレートファウンテン型ダモクレスに他ならない。
「超巨大とは聞いてたっすけど、これはちょっと想像以上に大きいっすね……」
 ザンニ・ライオネス(白夜幻燈・e18810)がダモクレスを見上げながら、その巨大さに度肝を抜かす。そばにいた青い目の鴉のドットーレが戦闘態勢へと移行し杖へと変化した。
「チョコレートファウンテンだけでも大きいのにそれに手足がついて、余計に巨大に見えますね。なんて厄介なものなのでしょう」
「とにかくこれ以上街に近づけるわけにもいきません。ここでその動き止めてもらいます」
 夕雨とレカが声をあげ、それに合わせて番犬達が武器を構える。
 敵意を感じ取ったダモクレスが、内部に搭載したセンサーで番犬達の姿を捕らえると、奇声にも似た声を上げた。
「チョーーコレーーーーイト!」
 超巨大チョコレートファウンテン型ダモクレスとの戦いが始まった――。

●律動するチョコレートファウンテン
 チョコレートを噴射しながら番犬へと牙を向けるチョコファウンテン型ダモクレス。
 そのメルヘンな見た目とは裏腹に放たれる汚染されたチョコの威力は絶大だ。
「さぁて、硬そうな相手だ。まずはその防御突き崩させてもらうよ」
 楽雲がダモクレスへと近づき飛び上がると、手にした武器の先端の曲がったところを、思いっきり打ち付ける。ダモクレスの装甲が拉げ剥がれた。
 さらに追い打ちを狙って稲妻を帯びた超高速の突きを繰り出し、神経回路を焼き切ると、駄目押しにもう一度装甲を剥がす。
「えだまめ、行きますよ」
 吠えて答えるサーヴァントのえだまめと共に夕雨が駆ける。
 えだまめが睨み付ければダモクレスが炎に包まれ、その後ろから夕雨が肉薄し、ダモクレスの装甲をも斬り破る無慈悲な一撃を見舞った。
 ダモクレスも番犬達に対し反撃行動に移る。
 チョコファウンテンの頂点、山の頂から発射されるチョコが番犬達目がけて発射される。
「チャンスですね。いただきます!」
 レカを庇うように前にでた夕雨が溶けたチョコの塊を、その身をもって受け止める。
 見た目にはただのチョコだが、グラビティとしての確実なダメージが実感できる。夕雨は我慢できず、肌についたチョコをぺろり、と一舐めした。
「うわクソまっず! はぁ? チョコなのにまずい……えっ、えぇえ……?」
 それは甘いチョコでありながら、どこか舌触りの悪いザラザラとした砂のような感触に、チョコだけではない、どこか酸っぱい味が口の中に広がっていく。
 ペペっと吐き出し口を拭うと、夕雨は同じディフェンダーのユージンの背に隠れるようにしてその背を押した。
「無理です、私の上品な口に合いません。ユージンさん強いんですから頑張って下さい」
「いやいやここはユウちゃんが」「いえいえユージンさんが」「どうぞどうぞ」
 伝統芸のようにお互いに譲り合う二人。そうこうしてる間にもダモクレスの攻撃は続く。長く伸ばした手でレカを掴むと胴体に滞留しているチョコの海へと放り込む。
「チョコの海。夢のようですね……! と言ってる場合でもなさそうです……!」
 チョコの海の中、奔流するグラビティが身体の体力を奪っていく。藻掻くようにしながら外壁に辿り着くと、転がり落ちるように抜け出るレカ。
 入れ替わるようにザンニが走り、オウガメタルを纏い鋼の鬼と化した鉄甲でダモクレスを殴る。
 続けて電光石火の蹴りで急所を貫くと、勢いそのままに炎纏う蹴りを繰り出していく。
「チョコは好きだが、服が汚れるのは困るのでな」
 チョコでコーティングするダモクレスを見て、ナディアが疾駆し、音速を超える拳で敵の守護を消滅させると、地獄の炎を纏わせた刀で薙ぎ払い強烈な一撃を叩きつけていった。
 ぐらつくダモクレスが反撃にチョコを噴射しナディアがチョコ塗れとなる。思わず口に入ったチョコをまずそうに吐き出しながら一人愚痴るように呟いた。
「これ以上食らっては、カロリー過多で太ってしまうな……」
 女性ならではの悩みに、女性陣達が頷いてしまうようだ。
「アラン攻撃は任せますよ。紫のメモリのパスワードを入力。――解除成功。さっそくですが奥の手を使わせていただきます」
 手にしたUSBメモリを両肩のハブに接続しデータを転送、ローディングするノイアは、すぐさま地獄化した記憶の一部を伝播させる。周囲の味方に広がる欲する者への欲望が増幅されると共に、ダモクレスを守る守護の力を奪っていく。
「続けて癒やしの音源ファイルをダウンロード……完了。回復を行います」
 ナイロン製の袋の中のバッグからUSBメモリを取り出しデータを転送し、番犬達を癒やす為のグラビティを迸らせる。
「普段は腰に付けているのですが防チョコ対策とはいえ、手が塞がるのは不便ですね」
 普段とは違うUSBメモリの取り回しに若干の不便さを感じながら、しかし油断なく仲間達を守り癒やしていった。ノイアの立ち回りに仲間達の士気があがっていく。
 戦いが始まってからレカは轟竜砲を放ちながらダモクレスの足を止めて続けていた。
(「そろそろ十分そうですね……!」)
 武器を持ち替え弓を引くと、友人であり心強い仲間である二人へと声をかけた。
「ユージンさん、夕雨さん!」
 レカの声にすぐさま反応する二人。飛び交うチョコの激流をユージンと夕雨がその身を盾に打ち払いながら駆ける。
「キミの輝きの原石、ボクに見せてよっ☆」
「雨音が絶えませんね」
 星形の光と雨粒ほどの炎弾がダモクレスを襲い、守護を打ち破るとともに足を止める。
「狙いはそこです……!」
 その時を待っていたレカが放った矢がダモクレスの心臓めいた回路を撃ち貫くと同時に、ユージンと夕雨が飛びかかり、ユージンの放った半透明の御業が炎弾を放ち、夕雨の理力の籠もった星形のオーラが蹴り込まれた。
 体勢を崩すダモクレスがチョコを撒き散らす。
 その隙を逃さぬようにクラリスがダモクレスへと肉薄する。
(「友達皆を集めて、チョコフォンデュパーティーとかしてみたかったのに。ちょっと残念」)
 オウガメタルを纏いながらオウガ粒子を放ち集中力を高め、そのままダモクレスを殴り飛ばしたクラリスは、反動で離れながら殺神ウイルスを撒いて、ダモクレスの回復を阻害する。
「―退いた、退いた、……毒入りだから舐めないように……って、元々猫にチョコは駄目か」
 着地したクラリスの足下の影が蠢き、真っ黒な一匹の猫を象る。
 ――にゃあ。
 一声鳴いた猫がダモクレスの足下へ目掛け駆けていけば、あとに残るのは大きな災いだけだ。ダモクレスに付けられた傷口が大きく広げられていった。
 ――戦いは終始番犬達のペースで進んでいった。
 強固なダモクレスを前に、装甲を剥がしながら状態異常、行動阻害を与えていく。
「ファウーーンテーーーン!」
 対するダモクレスはチョコの海を巻き上げながら番犬達へと立ち向かっていくが、その動きは徐々に追い詰められていくものとなる。
「おおぉ!? 気づけば尻尾がチョコまみれに! どうしてくれるんだ!!」
 尻尾の縞模様を維持するのに労力をかけてる楽雲が汚れた尻尾に激怒する。
「わー大変そうです。よっしゃオッケー、チョコを浴びるのは我々ディフェンダー勢にドンとお任せ下さい。全力でチョコからお守りしますよ、私ディフェンダーなんで」
 夕雨は仲間に声をかけながらチョコの激流をその身に受けていく。服はすでにチョコでドロドロだ。
「本当はチョコを浴びるとか凄く嫌なんですがね。でも頑張りますよ、私めっちゃディフェンダーなんで」
 仲間を庇いながらもダモクレスへと接近し、手にした刃でダモクレスの傷口を広げていく。
 そんな夕雨を癒やすように、桃色の霧を放つザンニ。さらに炎纏う蹴りを叩きつけていく。
「――たんと降れ」
 ナディアの地獄の炎が小さな隕石のように、そして機関銃のごとく降り注ぐ。
 降り注ぐ隕石の中をナディアが駆け、理力纏う星形のオーラを蹴り込んでいった。
「もう少しです、一気に押し込みましょう」
 ノイアが仲間達を癒やしながら檄を飛ばす。手にしたUSBメモリを交換しながら傷つき毒に汚染された仲間に気力のオーラを飛ばす。
(「ダモクレスへと変貌しなければ、倉庫で眠り続ける運命だったのでしょうか。かわいそうですね……」)
「――けれど、私の矢は決して乱れません。あなたを必ずや解放すると、我が森に誓いましょう」
 決意を固めるレカが弓を射る。放たれた矢がダモクレスの回路を乱れさせ、その隙を突き視認困難な斬撃を放ち、その傷口を切り広げていった。
「ユウちゃん! 悪いけどこっちのフォローお願い!」
 ユージンが夕雨へと声をかけると、夕雨がすぐさま反応する。
「ならば今こそえだまめの力を見せる時です。いくぞ、秘技えだまめ割り込みガード!」
 渾身の力を込めてえだまめをブン投げる夕雨。「きゃうん」と一声鳴きながらくるくるとえだまめがユージンの前に割り込みチョコを防ぐ。
「えだまめ先生悪いね。ヤードさん一緒にいくよ!」
 ユージンはサーヴァントのヤードと共にダモクレスへと攻撃を仕掛ける。御業の炎がダモクレスを包み込み、チョコをさらに溶かしていく。さらに仲間を癒やす為に気力のオーラを放っていった。
 クラリスはダモクレスの側面に回り込みながら背後へ銃弾を放ち、跳弾による死角外からのダメージを与えていく。
「さあ、もう終わりだよ」
 噴き出るチョコを躱しながらオウガ粒子を放ち仲間達の集中力を高めていった。
「地獄への直行便だ、舌を噛まないように気を付けな!」
 楽雲が瀕死のダモクレスに向け大地を蹴り肉薄すると、自身の妖気を変化させていく。オーラから生み出された『巨大な獣の腕』が強烈な打撃でダモクレスを空高く打ち上げる。
 追従するように楽雲も跳躍すると、空中で捕縛。オーラの噴出によって錐揉み回転が加わったダモクレスを山の頂から大地へと叩きつけた。
 辺り一面に広がるチョコの海。まるでそれはダモクレスの血のように流れ出ていった。
 回路から火花を散らしながら、爆発を繰り返し動きを止めたダモクレス。
(「例え一度きりでも、最後に動き出せて良かったのかも知れませんね。おやすみなさい」)
 レカの想いは風に乗り、バレンタインを待ち望んだ超巨大チョコレートファウンテン型ダモクレスはこうして倒されたのだった――。

●ちょこっと訪れた休息
 壊れた周囲のヒールを行う番犬達。
「壊れたもんは直るけど飛び散ったチョコはどうすんだ、これ」
 楽雲の言葉に番犬達も眉根を寄せる。撒き散らされたチョコの清掃は今しばらくかかるだろう。
「なんか……まだ、身体じゅうにチョコの匂いが染み付いてる気がする」
「当分チョコレートは見たくなくなってしまいました」
「……チョコの香りは暫く嗅ぎたくないな」
「そうですか……? 自分は何だか帰りにチョコのお店に寄りたくなるような敵だと思いました」
「わあー服がチョコまみれです。これはクリーニングしなくては……!」
 思い思いの言葉を述べながら束の間の休息にホッと一息の番犬達。
「あの、皆さん。オランジェットを全員分用意してありますので、よろしければ是非お持ち帰りください。一足早いバレンタインのプレゼントのつもりです。
 当日は皆さんにとって善き一日になるといいですね、うふふ」
 レカがにこにこと仲間達に美味しそうなオランジェットを手渡していく。
 それに返すようにユージンと夕雨が顔を見合わせて言葉を重ねた。
「さぁ……それじゃ、歌おうユウちゃん! ハッピバースデー♪ レカちゃん!」
 花束を手に十四日が誕生日のレカを祝う二人。
 その歌声に合わせて他の仲間達もレカを祝福する。
 突然のことながら「ありがとう」と笑顔を見せるレカと仲間達。
 チョコ塗れな場所でちょこっと訪れた休息だったが、少し甘く、少しビターな香りに包まれた幸せな一幕となるのだった――。

作者:澤見夜行 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年2月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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