蒼き光に魅せられて

作者:鯨井琉可

「L・O・V・E! エ・リ・カ!!」
「アキラちゃーん、こっち向いてー!」
「ナナっち、素敵ー!」
「あーっ、ミュウちゃん、もういっちょー!」
「カオりん、愛してるー!」
 ここは、名古屋市のとある大学祭のライブ会場。
 そこではその大学の音楽サークル「O・S・5」(オー・エス・ファイブ)のライブが行われていた。
 彼女達は5人組のグループで、歌う曲毎にセンターが入れ替わる。
 そして今歌っている曲「あなたのハートに首ったけ☆」は、エリカが初めてセンターを務めていた。
 そんな彼女達のパフォーマンスを、青いサイリウムを振りながら応援する一人の男性。
 彼、太田・信雄は、今までメンバーの一人である、エリカの事を応援し続けていた。
 そして、この曲で遂に願いが叶ったのだ。
「お、俺のエリカたんが遂にセンターに……そう、これこそがこのグループの正しい姿っ! そう、エリカたんがセンターなのが正義っっ!!」
 感極まって滂沱の涙を流しながら、激しく青いサイリウム振り続ける……すると、彼の全身から羽毛が生え、みるみるうちにビルシャナと化していく。
 ステージに気を取られていた観客達も、化け物に気が付いた者達がパニックを起こす様につられ、会場が悲鳴と怒号に包まれる。
「あはははっ! さあ、皆でエリカたんを称えようじゃないか!! L・O・V・E! エ・リ・カ!!」
「みんな集まってくれてありがとうございますっ。ねむにはあんまり分からないけど、信じる力ってすごいですよね」
 集まったケルベロス達を前にして、笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)が今回の事件の説明を始める。
「今回は推しメンの学生がセンターを務めるのが大正義だと固く信じている男の人が、夢が叶ってライブでセンターになった姿を見たら、ビルシャナに変化してしまったんです。そして今は信者がいないけど、このままほおっておくと、その場にいるファン達を説得して、信者にしてしまうんです」
 そこで一旦言葉を切ると、続けてビルシャナの特徴を説明する。
「大正義ビルシャナは、ケルベロスのみんなが戦闘行動を取ると戦いを始めるけど、自分の大正義について説得や意見を言われると、つい反応して戦闘態勢には入りません。だから、その隙にライブのお客さんを逃がしたりする事ができると思います。ただ、ビルシャナへの説得や意見は、本気で行わないと他の一般の人の人を信者にしようとするので、本気の本気で議論して下さい」
 そこまで語ると、少し考えるそぶりを見せ、あ、そうそう、大切な事が、とねむは言葉を続ける。
「避難誘導をする時に、『パニックテレパス』や、『剣気解放』といった能力を使うと、ビルシャナに気づかれて戦闘行動だと判断してしまう可能性があるので、能力はなるべく使わない方が良いと思います。その辺りも色々考えて行動してみて下さいね」
 また、今回の敵は、氷の輪を飛ばしたり、不気味な経文を唱えたりする様だとねむが付け加えると。
「場所は昼間の大学祭のライブ会場です。会場はあまり広くなく、お客さんは、超満員という訳ではありませんが、そこそこ混み合っているようです。被害が広がる前に、どうかビルシャナを撃破して下さい。よろしくお願いしますっ」
 そう言葉を締めくくると、ねむはぺこりと頭を下げた。


参加者
喜屋武・波琉那(蜂淫魔の歌姫・e00313)
ルリナ・アルファーン(銀髪クール系・e00350)
エリース・シナピロス(少女の嚆矢は尽きること無く・e02649)
テレサ・コール(黒白の双輪・e04242)
明空・護朗(二匹狼・e11656)
フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)
アレックス・アストライア(煌剣の爽騎士・e25497)
白焔・永代(今は気儘な自由人・e29586)

■リプレイ

●学園祭にて
 ここは名古屋市のとある場所で開かれている大学祭。
「こういう所には初めて来ましたけど、すごく賑やかなんですね」
 メイド服をきっちりと着込み、ライドキャリバーのテレーゼを引き連れたテレサ・コール(黒白の双輪・e04242)が、色とりどりの露店に目を奪われながらライブ会場へと、歩いていく。
「うんうん、これだけの人がいれば、ライブ会場も結構人が大勢集まってるかもねー」
「確かに、綺麗な娘ばっかりみたいだし、避難誘導をスムーズに行いたいものだね」
 途中でもらった「O・S・5」のチラシを見ながら、アレックス・アストライア(煌剣の爽騎士・e25497)が、そぞろ歩く人々を見ていた白焔・永代(今は気儘な自由人・e29586)に答える。
「推しメンを応援したいのは解るけど……独り善がりじゃつまらいないと思うんだけどなぁ~」
「うん……本人が、楽しそうなら邪魔するつもりは……ない、けれど。任務だから……」
 喜屋武・波琉那(蜂淫魔の歌姫・e00313)が、自身のアイドル活動をちょっぴり振り返りながらふと呟くと、エリース・シナピロス(少女の嚆矢は尽きること無く・e02649)が自分の立場を噛み締める様に決意を新たにする。
「そろそろライブ会場ですね。避難経路の再確認をしますか?」
 ライブ会場の近くまで来たケルベロス達は、ルリナ・アルファーン(銀髪クール系・e00350)の言葉を受け、やや緊張の面持ちでそれぞれの準備を始める。
「この見取り図を見れば、避難経路に使えそうな通路はこことここね。そこさえ塞がれなければ大丈夫だと思う」
 フレック・ヴィクター(武器を鳴らす者・e24378)が避難経路の確認をすると、仲間達もそれにうなづく。
「じゃあそろそろ行こうか」
 オルトロスのタマを一撫ですると、明空・護朗(二匹狼・e11656)がすっと立ち上がるのを合図に、彼らは会場へと入っていった。

●熱気に包まれて
 問題のライブ会場は、知らない者であれば異様とも取れる熱気に包まれていた。
「L・O・V・E! エ・リ・カ!!」
「アキラちゃーん、こっち向いてぇー!」
「ナナっち、素敵~っ!」
「あーっ、ミュウちゃん、もういっちょー!」
「カオりん、愛してるぅぅっっ!」
 それぞれのイメージカラーのサイリウムを振りかざし、応援する観客達。
 ケルベロス達が会場へ潜入を果たしたまさにその時、メンバーであるエリカがセンターを務める曲が始まる所だった。
「あ、あれ……っ!」
 ルリナが指差したその先。
 そこには曲に合わせ、ひと際大きな仕草で青いサイリウムを振る男性。
「お、俺のエリカたんが遂にセンターに……そう、これこそがこのグループの正しい姿っ! そう、エリカたんがセンターなのが正義っっ!!」
 そう叫ぶのと同時に、彼の全身から羽毛が生え、どんどんその姿を変えていく。
 そしてその異変にいち早く気付いた観客の一人が悲鳴を上げると、会場中がパニックへに包まれたその時だった。
「待ちなさい。あなたの相手は、私達ケルベロスがします」
 人込みをするするとかき分け、テレサがビルシャナの前に立ち塞がる。
 彼女の言葉を皮切りに、ケルベロス達はそれぞれの役目を果たしに、会場内へと散っていく。
「な、何なんだ、お前達! 俺の邪魔をするのか……っ!!」
 ばさりと翼を広げ、ケルベロス達を威嚇するビルシャナ。
 それに怯む事なく、彼らは説得を試みる。
 まず口火を切ったのは、自身も地下アイドルとして活躍する波琉那。
「確かに好きなアイドルを応援する気持ちは大事だよ。でも『好き』だけを大きくして、他のメンバーを推しているファンの人を押しのけちゃったら、カッコ良くないしフェアじゃないと思うんだけど……」
「そんな事はない! エリカたんが一番なのは明白な事じゃないか!!」
 頭を振りつつ、波琉那の言葉を振り払うビルシャナ。
 が、波琉那が更に言葉を続ける。
「勝手な感情に流されて、君は本当に気持ち良いのかな? 安易に実現できる逃げ道にしていない? 自分の心に問いかけて欲しいな」
「はあ? 俺の今の気持ちは、エリカたんが正義だという事のみ!! 何故それが分からない!?」
 ばっ、ビルシャナは青いサイリウムをケルベロス達に突き付ける。
「……なるほど、素晴らしいと思う気持ちは確かに尊い……でも、本当にそれだけでいいの?」
 自信に満ちた表情で、ビルシャナの説得に当たるフレック。
「エリカという方の素晴らしさを貴方は本当に解っているの? ただ称えるのは、単なる押し付けでしかない! センターになるという事は……並大抵の努力ではない。それに、センターだけではない……皆と息を合わせてこそ完成する舞台。一人だけを称えるだけでは意味はない! 何より……大人しくまず歌を聞く姿勢こそ、真のファンではないのっ!?」
 一息でここまで語ると、ビルシャナの様子を伺うも。
「貴様にエリカたんの何が解る!? エリカたんは、貴様が思うより、ずっと、ずうっーと素晴らしいんだ!!」
 顔色は分からないも、きっと真っ赤になって怒っているだろうビルシャナは、地団太を踏んでその怒りを露わにする。
 そのビルシャナが説得班に気を取られている隙に、舞台の上ではアレックスが「O・S・5」のメンバーを舞台袖まで誘導していた。
「……君たち、ここは危ない。ここからは、俺たちケルベロスに任せて。大丈夫、必ずこの騒動は収束させるから」
「あ、ありがとうございます」
「ライブはこんな事になっちゃったけど、ファンの皆さんを守ってください!」
「ケルベロスの皆さん、どうかお願いします!!」
「ああ、必ず敵は倒してみせるよ」
 彼女達は、アレックスの堂々とした態度に安心したのか、嬉しさを覚え、彼に礼を述べながらステージ上から次々と避難していく。
 そんな様子に全く気が付く事なく、ビルシャナはケルベロス達と問答を続けていた。
「あなたがビルシャナになったために、ライブが中断してしまいました。その事についてはどう思われます?」
 淡々と言葉を紡ぐテレサ。
 その幼い容姿とは裏腹に、的確な言葉をどんどん発していく。
「あなたはエリカたんがセンターであることが正義だと言いました。しかし、そのエリカたんがセンターを飾るステージを妨害しているのは、他ならぬあなた自身です」
 きっぱりと、しかし無表情で事実を突き付けるテレサ。
「ぐっ……そ、それは……」
 さらに畳み掛ける様に、護朗がビルシャナへ一生懸命に語り掛ける。
「だいすきなひとが活躍するのが嬉しいのはわかるけど、アンタの行動は、そのだいすきなひとを困らせてるって理解できてる? 元々センターが曲ごとに変わるんだし、他でもない彼女たちがずっとセンターを続けようとはきっと望んでない。ファンだっていうなら、彼女たちを困らせたり悲しませたりするなよ」
 そこで一旦言葉と切ると、すっとビルシャナを見つめ直す。
「自分の嬉しいを優先して、他のファンを、アイドルを蔑ろにしちゃいけない」
 ビシっと指を突き付け、自分の意見を述べる護朗。
「五月蠅いっ!……五月蠅い! うるさいっ!!」
 対するビルシャナはワナワナと震えるも、それでもケルベロス達を睨みつけるのは止めなかった。
 一方その頃、避難誘導班は、着実に観客を非常口へと誘導していた。
「……こっち。時間を稼いでる、から。……早く」
 エリースが、ミミックのミミちゃんと流れる様な作業で誘導すれば、
「こっちの出入り口が空いてるよー。慌てなくても大丈夫だからね。こっちこっちー」
 永代が身体に炎を纏う姿であるも、観客達を安心させる言葉で落ち着かせ、スムーズに出入り口へ誘導し、着実にライブ会場から人々を逃がしていった。
 ビルシャナの様子と会場の様子を見やり、避難が大分進んだ事を知ったルリナは、自身の活動を思い浮かべながら意見を述べる。
「グループアイドルのセンター、確かにそれは燃えるものがあります。でも、本当にセンターだけが正しいのでしょうか?」
「グループアイドルである以上、センターは一人。でも、センターに選ばれなかったアイドルも、センターのために、見に来てくれたファンに喜んでもらうために、ステージを盛り上げるのです」
 自分の言葉を噛み締める様に、ゆっくりとまばたきをすると、
「ルリナも一人のアイドルとして、センターだけを崇拝されては困ります。アイドルはすべからく正義なのですから」
 無表情ながらも、瞳は物語る。
 ルリナの真剣な眼差しに押され、ビルシャナが一歩、二歩と後ろへ下がる。
「エ、エリカたんが一番なんだ……そう! エリカたんがセンターなのが正義ッ! それ以外は悪ッ! ならばっ、すべての悪は滅ぶべしッッ!!」
 その叫びと共に、翼をバサバサっと広げ、手にした青いサイリウムを振りかざす、と。
「……避難完了」
「こっちはいつもいけるよ」
「皆お待たせ、こっちもオッケーだよ!」
 避難誘導を終えたエリースと永代とアレックスが仲間達の元へ駆け付けると同時に、ケルベロス達は戦闘態勢に入る。
 かくしてアイドルを巡る戦いの火蓋は切られた。

●それぞれの思い、それぞれの願い
「貴様ら、絶対に許さんぞぉ……っ!」
 ビルシャナから氷の輪が飛来すると、ケルベロス達に薄く氷が張り付く。
「――もはや貴方に、”自由”はない」
 その氷を振り払うかの様に、エリースが妖精弓”Vallistra apo paramythi”から力を込めた矢を放つと、罠の如く結界をビルシャナの足元に展開させる。すると僅かに敵の動きが鈍る。
 そこへ、アレックスが敵の構造的弱点を見抜くと、痛烈な一撃を見舞う。その隙に、彼のウイングキャットであるディケーが邪気を祓うが如く、力強い羽ばたきを仲間に送る。
「当たれっ!!」
 テレサが自身と同じくらいの巨大なジャイロフラフープより、強力な弾丸を放つ。その弾丸は僅かに逸れるも、少なくない脅威を敵に与えた。
「ふうん、やるじゃない」
 そう呟いたフレックが、愛用する魔剣「空亡」を構えると、その刀身に雷の霊力を纏わせ、神速の突きを繰り出す。
 鋭い一撃を受けたビルシャナは、それでも不敵な笑みを浮かべる。
 その笑みを冷たい目で見たルリナは、理力を籠めた星型のオーラを敵へと蹴り込むと、ふん、と涼しい顔を見せる。
「信念を間違えた君にもお仕置きだよ! まずはっ!!」
 波琉那が地面にケルベロスチェインを展開し、味方を守護する魔法陣を描いていく。
 さらに仲間の傷を癒さんと、護朗が全身の装甲から光り輝くオウガ粒子を放出し、傷を癒すと同時に全身の超感覚を覚醒させていく。
「……平和なライブだった筈なのにねん、大本のビルシャナは好かないな、俺」
 永代も敵の弱点を突くが如く、的確に仲間の与えた傷に痛烈な一撃を見舞わんとするも、これは辛くも避けられた。
 一進一退。
 その言葉通りケルベロス達とビルシャナの戦いは苛烈を極めた。
「まだ倒れるときじゃないぞ!」
 騎士魔法である癒しの力を繰り出し、アレックスは仲間の傷を癒すと、その隙にルリナが胸の発射口から必殺のエネルギー光線を発射する。
 さらに波琉那が砲撃形態へと変化させたハンマーから、竜砲弾を敵へと撃ち込むと、流石のビルシャナもぐらりと体勢を崩す。
 しかし、それでも倒しきる事は出来ず、怒りに震えるビルシャナは、手にしたサイリウムを掲げると、青い光を放ち自身の傷を癒す。
「まだだ……まだ倒れる訳にはいかないっっ!!」
 不敵な笑みすら浮かべ、ケルベロス達を睨みつける。
 だが、その余裕も此処までだった。
 更に幾度かの攻防の後。
「……そろそろ終わりにしましょう」
 炎の力を込めた矢をすうっとビルシャナに向け、しっかりと照準を定めるエリース。放たれた矢はブレる事なくビルシャナに命中し、敵が炎に包まれる。
「ガアアア……!」
 炎に焼かれ、苦しむビルシャナ。
「今がチャンスです!」
 ここぞとばかりにテレサがジャイロフラフープで無数のレーザーで攻撃すると、ビシリとビルシャナの身体に突き刺さる。
「このままでは終わらんっ、貴様も道連れだ!」
 そこへお返しとばかりに、ビルシャナがどこからともなく手にした経文を開くと、朗々とした大声で読み上げていく。
「しまっ……!」
 その攻撃をまともに受けた波琉那が、がくりと膝をついた瞬間、護朗の手から癒しの力が放たれる。
「痛いの痛いの、飛んでいけ」
 傷口が暖かな光に包まれると、みるみる傷口が塞がっていく。
「ソラナキ……唯一あたしを認め、あたしが認めた魔剣よ……今こそその力を解放し……我が敵に示せ……時さえ刻むその刃を……!」
 フレックの高らかな言葉と共に、彼女の愛刀が時空間「ごと」斬り裂く必殺の一撃を敵に放つ。
 ザックリと斬り裂かれたビルシャナは、今にも崩れ落ちんばかりの様相を見せるも、まだその場に何とか踏み止まる。
 しかし。
「逃れられると思うな、お前は此処で焼かれていけ」
 今まで仲間が受けるはずだった攻撃を肩代わりしていた永代が、今までのうっ憤を晴らすかの様に全身から真っ白な炎を噴き出す。その炎はビルシャナへと燃え移り、その全身を焼き焦がす。
「お、俺はただ……エリカたんがセンターになるのが夢だったんだ……ただ、それだけだったんだ……」
 炎に包まれながらそう呟くと、どさりとその場に崩れ落ちる。
 やがて炎が燃え尽きると、そこにはもう何もなかった。

●祭りはこれから
「……終わりましたね」
「ビルシャナに魅入られなければ、唯のファンだったかもしれないのにね」
 エリースとフレックがそっと手を合わせると、ルリナと波琉那も、同じアイドルとして思う所があるのか、同じくそっと黙祷した。
「さてと、俺はアイドルの子達を励ましに行こうかね」
「それならオレも一緒に行こうかな。彼女達のケアも大事だと思うんだよね」
 そう言うと、永代とアレックスは連れだって「O・S・5」のメンバーの所へ事後報告も兼ねて行く。
「これからどうする?」
 その姿を見送った護朗は、残ったメンバーに向かって問いかけると、テレサが一言。
「私は露店を回ってみたいです。まだ見てない所も食べたいものもたくさんありますし」
「そっかぁ、それならみんなで学園祭を楽しもうか。折角のお祭りだし」
「それならさっき見たあのお店に行ってみたいです」
「じゃあじゃあ、私も一緒に行く~」
「……皆さんが行くなら、わたしも……」
 フレックとルリナが乗り気になると、波琉那とエリースも同調する。
 女性陣の勢いに圧倒されながら、護朗がちらりとタマの方を見ると、彼女がなあに? という感じで小首を傾げる。
「それじゃあ、そろそろ行きましょうか」
 そしてケルベロス達は、平和を取り戻した学園祭の喧騒へと消えて行くのであった。

作者:鯨井琉可 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年2月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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