●
男が一人立っていた。巨岩の前だ。
「ひゅう」
男の口から笛の鳴るような音が流れ出た。
次の瞬間である。男の五指が疾った。巨岩の表面を撫でるように。
ビキッ。
巨岩の表面に傷が穿たれた。男の仕業である。彼の五指は岩すら抉ることが可能なのだった。が――。
男はがくりと項垂れた。
「ためだ、これでは……」
男は呻いた。彼の使う武術は南極拳。達人ともなれば指のみで岩すら切り裂くことができる超絶の拳法であった。
「ぬっ」
はじかれたように男は振り向いた。凄絶の殺気を感得した故だ。背後に青い髪の美影身が立っていた。
「お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
それはいった。幻武極という名のドリームイーターであるのだが、無論、そのことを男は知らない。
誘われるように男は幻武極に襲いかかった。五指で幻武極を薙ぐ。が、幻武極は平然としたままであった。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
幻武極は無造作に鍵で男の胸を貫いた。声も上げえず男が倒れる。と――。
倒れた男の横。すうと影が現れた。鋭いを目をした青年だ。
すう、と青年が腕を上げた。一気に振り下ろす。すると眼前の巨岩が断ち切れた。
恐るべし。青年は指の衝撃波のみにて岩を断ち切ったのであった。
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
幻武極はニンマリと笑った。
●
「武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起こるようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はいった。
武術家を襲うのはドリームイーター。名前は幻武極といった。自分に欠損している『武術』を奪ってモザイクを晴らそうとしているらしい。
「今回襲撃した武術家の武術ではモザイクは晴れないようです。けれど、代わりに武術家のドリームイーターを生み出して暴れさせようとします。出現するドリームイーターは襲われた武術家が目指す究極の武術家のような技を使いこなすようで、なかなかの強敵となるでしょう」
ドリームイーターの武器は五指だ。その一撃は鋼鉄すら引き裂く。さらには衝撃波をはしらせ、遠距離の敵をも撃つのだった。
「このドリームイーターは、自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えています。その性質を利用――つまり戦いの場を用意すれば、向こうから戦いを挑んでくるでしょう」
「私もいくわ」
艶然と女が笑った。美しい娘だ。マイクロビキニのような衣服をまとっており、隠されているのは局部のみであった。
彼女の名は和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)。サキュバスであった。
参加者 | |
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リリィエル・クロノワール(夜纏う刃・e00028) |
御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327) |
ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045) |
カルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084) |
浅川・恭介(ジザニオン・e01367) |
巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677) |
ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983) |
之武良・しおん(太子流降魔拳士・e41147) |
●
「武道の神髄を見せつけたい……ねぇ」
雪で白く染まった山中を行く八つの影。声は、その中からした。
声の主は浅黒い肌の娘だ。衣服の上からでも発達した肉体の持ち主であることは大きな乳房の揺れでわかる。躍動的であるのは踊りを生業としているからだろう。
彼女の名はリリィエル・クロノワール(夜纏う刃・e00028)。ケルベロスであった。
「見せつける武術に何の意味があるのでしょう」
辛辣に浅川・恭介(ジザニオン・e01367)はいった。ぼんやりとしたところのある十二歳の少年。が、どこかふてぶてしさを感じさせた。
「武力にしろ権力にしろ財力にしろ、力を持ったら見せつけたい気持ちはわからないでもないです。人間の性ですね」
「人間の性ねえ」
和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)が艶然と笑った。
彼女はリリィエルと同じサキュバスである。人間の性については知り抜いている。
「確か標的の使う武術は――」
「南極拳だ」
短く男がこたえた。二十歳ほどの若者だ。常人にはわからないが、わずかの隙もない身ごなしをしていた。香蓮ほどの女が一瞬ひやりと悪寒をおぼえたほどである。まさに怪物といえた。その名は御神・白陽(死ヲ語ル無垢ノ月・e00327)という。
「指で岩を斬り裂くような拳法ですか……」
ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)という名の金髪の娘が慨嘆した。
そこまで技を磨くのに、どれだけの時を費やしたのか。ウォーグには想像もできなかった。
その楚々とした外見からは想像もつかないが、彼女は『Galdstyle―Dragonic Fatal Arts』――ガルド流裂破竜闘術という戦闘術を身につけていた。だからわかる。南極拳の凄まじさが。その達人となった者の艱難辛苦が。
「そこはかとなく世紀末かセイントの香りがする武術ですね」
「そのうち指天殺バリバリ使う降魔拳士に覚醒でもすんじゃね?」
二人の女が笑いあった。共に不敵な光を目にやどしている。が、違うところもあった。
一人は金髪をポニーテールにした娘だ。よく鍛えられた肢体の持ち主で凛然としていた。名をカルディア・スタウロス(炎鎖の天蠍・e01084)という。
もう一人は小麦色の肌の娘であった。しなゆかな肢体は躍動的で、強靭な発条を蔵していそうである。名は巽・真紀(竜巻ダンサー・e02677)といった。
「ともかく強敵であるのは間違いありませんよね?」
誰にともなく少女は問いかけた。十歳にも満たぬ年頃であろう。振袖姿がt可憐であった。
「そうねぇ」
香蓮がうなずいた。すると少女――之武良・しおん(太子流降魔拳士・e41147)は黙り込んだ、脳内で情報を分析する。
遠距離の敵をも撃つ技を持っているということは、即ち間合いが広い武器を持った相手と想定していい。それで、もし敵が多対一の闘い方は身につけているとしたら、どうなるか。厄介であった。
「けれど、それは武の常識。その常識がケルベロスやドリームイーターに通用するかどうか……」
「通用しないでしょうね」
と、香蓮。はい、とウォーグがうなずいた。
「ならばこそ、その技が人々を傷つける前に我々の手で止めて見せましょう」
「そうね」
灼熱色の髪をツインテールにした娘が笑みを深くした。猫をおもわせるつり目が印象的だ。が、この娘はただの猫ではなかった。豹のように剛そうである。
「指も鍛えれば岩すら切り裂くのね。面白いじゃない、その技、必ず耐えきってみせるわっ!」
娘はいった。名はジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983)。レプリカントの娘であった。
●
ケルベロスたちが足をとめたのは、寒風吹きすさぶ山の中腹であった。
彼らの前方。歩み寄ってくる人影が見える。
鋭い目をした若者。軽装であった。登山者ではない。
刹那、白陽の姿が消失した。その事実に他のケルベロスたちが気づいた時、すでに彼は若者に肉薄。その背後に躍りあがった。白陽の背から白光が噴く。
「ぬうん」
白陽は日本刀――七ツ月をたばしらせた。月輪のごとき光流が若者を薙ぐ。
キイィン。
鋼と鋼の相博つ音が響いた。そして白陽と若者は跳んで離れた。白陽の刃を振り向きざま若者の手刀がはじいたのだとケルベロスたちのみ見とめた。
「何者だ、貴様?」
凍てつくような視線を白陽にむけ、若者が問うた。
「御神・白陽。ケルベロスだ」
「ケルベロス? ははあ」
若者がニンマリと笑った。
「それで今の太刀筋か。見事だ」
「お前こそ。俺の暗殺剣の初太刀を躱されたのは初めてだ」
白陽もニヤリとした。
その時だ。氷嵐の尾をひいて影のごときものが疾った。わずかに身動ぎし、若者が躱す。若者の唇がゆがんだ。
「ほう。仲間がいたか」
「そうよ」
香蓮が艶然と笑った。
「ケルベロスは私を含めて九人。全員でお相手してあげる」
「面白い」
きゅう、と若者は笑った。そして緩やかに構えをとる。
「番犬ども。南天の極星たる拳の真髄、存分に見せてやろう」
若者がいった。
次の瞬間だ。若者の姿は白陽の眼前にあった。
「なんという素早い踏み込みだ」
咄嗟に白陽は跳び退った。が、遅い。
「しゃあ」
若者の五指が疾った。五つの光流が空に亀裂を刻む。一瞬後、白陽が地に降り立った。
「何っ」
白陽が呻いた。胸から腹にかけて切り裂かれた傷から鮮血がしぶいている。
この場合、しかし若者の方が舌を巻いていた。完全に彼は白陽を寸断したと思ったのだ。が、違う。
「ふうん」
嘲弄するようにリリィエルは鼻を鳴らした。
「すごいわね。次の技はなに!?」
「知りたいか。ならば見せてやろう」
若者は無造作に腕を振り下ろした。すると疾風がはしった。空間を切り裂きつつ。
咄嗟にカルディアが跳んだ。リリィエルの眼前に。腕を交差させてかまえたカルディアを風がうった。
「くっ」
呻くカルディアの身が裂けた。血煙が舞う。
恐るべし。若者の五指は鋼すら切り裂く衝撃波を放つことが可能なのだった。
「ほう。仲間を庇ったか」
「五指だろうが十指だろうが、その一本でも容易に仲間の元に届くとは思わないことです」
半顔を血に染めたカルディアがいった。凄絶な姿である。そしてカルディアはクルシファイ・レサト――ゾディアックソードから弾丸を放った。存在時間を凍結する威力を秘めた弾丸だ。が、無造作に若者は手ではじいた。
「その意気やよし。が、南極拳の前に、その覚悟は無駄だ」
若者の手が視認不可能な速度で動いた。唸り飛んだのは無数の風刃だ。その時――。
地を削って疾る真空刃の前に別の影が飛び出した。安田さん。テレビウムだ。
無数の刃がテレビウムを切り裂いた。衝撃に、ズタズタになった安田さんが地に転がる。そして――消滅した。
「安田さん!」
さすがに恭介の口から悲痛な声がもれた。人付き合いがへたくそな恭介にとって安田さんは大切な友達であったのだ。が、すぐに恭介の身内に闘志が満ちた。
見事に努めを果たして散った安田さん。その行為を無駄にしてはならなかった。
恭介は指輪から光の盾を具現化させた。白陽を癒すとともに防護させる。と――。
空に美影身が躍り上がった。ウォーグだ。膨大な破壊熱量に燃え上がる脚を若者にぶち込む。さらには軽やかにステップを踏みながら接近したのは真紀も。絶対零度に近い凍気を纏わせた杭を繰り出す。
「指使いに自信があんだって? なら遊んでくれよ、ミスター・ゴールデンフィンガー」
「ふんっ」
若者は左右手でウォーグと真紀の攻撃をはじいた。直後である。若者の脚がはねあがった。
「ぐふっ」
蹴りの衝撃に真紀が後方に吹き飛んだ。数本の樹木をへし折り、ようやくとまる。
「ぬっ」
愕然たる声は、しかし若者の口から発せられた。しおんが肉薄していたからだ。
「蹴り技は多対一では隙が大きすぎますよ」
笑みすら含んでしおんが告げた。そして胴薙ぎ。
疾ったのは彼女の身の丈よりも巨大な槍の刃だ。それをしおんは片手のみで扱う。化物じみた膂力であった。
空間に亀裂を刻んだ銀光から逃れるように若者は跳び退った。が、遅い。
若者が地に降り立った時、しおんは巨槍を振り切った。ぽとり、と刃から鮮血が滴り落ちる。
「見事だ、小娘」
腹の傷から流れ出る血を指で拭い取り、若者は面白そうに笑った。
●
「癒してあげるわ」
香蓮の身から薄紅色の靄のものが噴いた。それは濃縮された彼女の快楽エネルギーである。包まれた真紀の傷が分子レベルで修復されていく。
「貴方が武芸を披露するなら……私なりの武芸も、見ていってくださらない?」
リリィエルは抜刀した。夜鴉――日本刀である。
まるで舞うような優雅な動きでリリィエルは若者に接近していった。踊りは母から、剣術は父から。二つの才が溶け合った彼女の剣はまさに剣舞であった。危険な剣の舞である。
若者もまた滑るように迫った。一方が蝶であるなら、他方は蟷螂か。
二つの影が交差した。そして数歩。
リリィエルががくりと膝をついた。若者は腹の傷をおさえている。
夜鴉の刃は正確に若者の傷をえぐっていた。同時に若者の五指は彼女の脇腹を切り裂いていたのだ。
相打ち、ではない。傷はリリィエルの方が深かった。するとボクスドラゴン――メルゥガが属性をインストール。リリィエルを癒した。
その時だ。ジェミが炎をまとわせた蹴りを放った。
「くっ」
若者は横に跳んで躱した。その背にむけてしおんが巨槍の刃を薙ぎつける。
ガッ。
巨槍がとまった。後方にのばした若者の脚によって。
「蹴りにはこういう使い方もある」
ニンマリ笑うと若者は五指を疾らせた。咄嗟にしおんは跳躍。が、一瞬早く若者の指がしおんを切り裂いた。
「あっ」
しおんが倒れた。しぶく鮮血。と――。
地煙を切り裂くように人影が跳んだ。白陽だ。その瞳は無限の青が織り成す極光のごとき煌きに彩られている。
一瞬で白陽は肉薄した。まさに迅雷の機動。その動きの軌跡はケルベロスたちにすら視認は不可能であった。
「貴様の動きは見切った」
圧倒的速度での進撃。視認はしたもも、若者であっても回避は不可能であった。白陽の刃が若者の傷を切り裂く。
「ぬうっ」
さすがに若者は苦鳴をもらした。胸の傷はかなり深い。
この場合、しかし若者は指刀で空を薙ぎ払った。疾る衝撃波は攻撃態勢の解けぬ白陽の背を断ち切る。
「大丈夫。僕に任せてください」
恭介の指輪が光った。光の粒子が凝縮、煌く盾を白陽の眼前に顕現させる。生命の息吹が死神を包んでいった。
●
「もはや容赦はせん」
若者が動いた。疾風の速さでケルベロスの中を走り抜ける。あとに続くは血風であった。
「浅かったか」
倒れぬケルベロスたちを見やり、若者は舌打ちした。いかな南極拳の達人たる彼であっても超人存在であるケルベロス全員に致命の傷を負わせるのは不可能であったのだ。
恭介の手から鎖が迸り出た。それは地に守護陣を描き、仲間たちを同時に癒した。が、足りない。そのケルベロスにはメルゥガが癒しを与えた。
「まだ抗うか。が、次は殺す」
再び若者が動いた。ケルベロスの中を亜音速で走り抜け――いや、とまった。断ち切られつつ、立ちはだかった者がいる。カルディアだ。
「ただの指で氷だの刃だのと、よく打ち合い続けたもんだ。が、その指で後何回技を撃てる? いいぜ、最後まで付き合ってやる」
カルディアは血笑をうかべた。若者の顔に浮かんだのは愕然たる表情だ。彼の右手の人差し指が折れている。カルディアの仕業であった。
星天十字撃。カルディアの業だ。二つの星座の重力を宿した、天地揺るがすほどの十字斬りを彼女は叩き込んだのである。鋼すらバターのように断ち切る若者の指がへし折れたのもむべなるかな。
その時。リリィエルが斬撃を放った。若者がするりと躱す。続いたのはしおんの巨槍の一閃であった。が、それすらも若者は躱した。のみならず指刀でしおんを薙ぐ。
「何っ」
若者は呻いた。彼の一撃を受け止めた者がいたからだ。ジェミである。驚くべきことに彼女の腹筋は鋼鉄すら凌ぐ硬度を一刹那だけ発揮することができるのだった。
「誰も倒れないわ。……私が盾として立っているからね!」
ジェミの目がぎらりと光った。彼女は高速演算によりすでに若者の弱点を見抜いている。
「勿論、私も攻撃させてもらうわ…ね! あなたのような指はないけど、鍛えた体の一撃よっ!」
ジェミの巨槍が横一文字に疾った。しおんにも劣らぬ化物じみた膂力でふるわれた一撃が若者の足を襲う。
その攻撃は若者にとって意想外であった。躱しきれない。足の骨を砕かれ、若者がよろけた。
南極拳の奥義は手ではなく、むしろ足の動きにある。そうジェミは見抜いていたのだった。
刹那、白陽が襲った。よろけつつも若者が躱す。ニヤリと笑うと、
「貴様の動きも見切った」
「それならこれはどうですか」
するするとウォーグが迫った。その身から立ち上るのは金色の竜だ。膨大なグラビティの具現化したものであった。
「全てを解き放て――ドラゴライズ・フルバースト!」
ウォーグは竜騎の御旗・聖槍形態――ゲシュタルトグレイブを若者に叩き込んだ。若者がはじく。
その勢いを利用し、ウォーグは反転。掌打を若者に突き入れた。
「ぐふっ」
口から血を噴きつつ若者は跳び退った。この場合、若者はウォーグに見惚れている。舞っているとしか見えぬウォーグの攻撃の流麗さに。
「今度は俺に付き合ってくれよ」
ステップを踏みながら真紀が若者に接近した。切り裂かれた衣服から乳房が覗き、乳首が揺れているが頓着する様子はない。
「しゃあ」
若者の指が疾った。身をそらせ、地に手をついた姿勢で真紀が躱す。同時に真紀は蹴りを放った。
「オレがパートナーだ。ノり遅れんなよ」
「ぬかせ」
今度は若者が身をそらせた。が、真紀の攻撃はとまらない。身を滑らせると若者の足を蹴った。
「くっ」
若者がよろけた。その背に自身の背を合わせると真紀は若者の腕をとった。ねじり、関節を砕く。
この時、若者は見た。己の身にまとわりつく淫靡な蛇の姿を。
その幻視が終わった時、若者は地に倒れ伏していた。屈み込むと、ジェミはいった。
「どう? 耐え切ってみせたわ!」
「強いな、お前たちは」
笑みをうかべ、若者は目を閉じた。
「強敵だった。これで道半ば。極めてしまった人であるなら、どこまで強くなるのか」
被害者のもとに駆けつけたケルベロス。しおんが独語した。およそ少年らしくない口調で。油断し、前世の記憶を保持した人格のままつぶやいてしまったのである。
被害者を揺り起こすと、恭介は事情を説明した。そして問うた。
「貴方が想い描く武術に至った後、貴方はどうしたいですか? その先を、僕は知りたいのです」
「それは俺が知りたいことだ」
若者は届かぬ蒼穹を見上げた。
作者:紫村雪乃 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年1月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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