アンプラグド至上主義!

作者:鴇八舟

「やっぱり音楽は、アンプラグドに限るわぁ」
 うっとりした表情の、鳥の異形――ビルシャナは、老若男女10名程の聴衆の前でアコースティックギターをかき鳴らした。
 ここは東京都吉祥寺の商店街。テナント募集中店舗の、閉じられたシャッターの前で、異形は教義を力説する。
「電子楽器なんて……崇高な音楽には不要なのよっ!」
 聴衆は感嘆の声を漏らす。ビルシャナが羽先で器用に、巧みなアルペジオを奏でる光景に魅入っているのだ。
「あなた達も、アンプラグドが至高だと思うわよね?」
 ビルシャナが流し目を使い、聴衆に問いかけると、
「その通りですビルシャナ様!」
「私、デスメタルからアコースティックバンドにのりかえますっ!!」
 一斉に歓声が起こる。聴衆が信者へと変化を遂げた瞬間であった。

「アンプラグド……ってビルシャナもこだわりが激しいっすねぇ」
 粉雪の舞う夕暮れのヘリポートで、黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は独りごちた。ケルベロス達の面々に視線を向け、咳払いをする。
「お疲れさんです! 皆さん、いつもご協力ありがとうございます! 今回は吉祥寺の商店街に、アンプラグド――つまり電子楽器を使わない音楽を至高とするビルシャナが、出没することを予知したっすよ」
 最近、『音楽による救済』を教義とするビルシャナ、クロエディーヴァの信者がビルシャナ化する事例が多数報告されていた。音楽絡みの今回の事件も、そのパターンである可能性が非常に高い。
「ビルシャナは足がかりとして、強い説得力のある言葉で10名の一般人に教義を刷り込み、配下にするっす。ビルシャナの主張を根底から崩すような……インパクトのある主張をすれば、周囲の人達が配下になることを防げるかもしれないっすよ!」
「ビルシャナはどんなグラビティで攻撃してくるのでしょう?」
 神無月・佐祐理(機械鎧の半身・e35450)は手を挙げ、ダンテに問うた。
「『八寒氷輪』『ビルシャナ経文』『清めの光』の3つのグラビティを使ってくるっす。ポジションはスナイパーっすね」
 また、配下となった信者は、ビルシャナのサーヴァントのような立ち位置で、戦闘に参加することが説明された。
「今回は、グスタフ・カールフェルト(レプリカントのミュージックファイター・en0263)さんが同行してくれるっす!」
 バイオレンスギターを背負ったグスタフが、ケルベロス達に笑顔を向けた。
「よろしくな! グスタフって呼んでくれ。音楽絡みの事件って聞いて、我慢できず来ちまったんだ」
 ビルシャナに変化してしまった人は、残念ながら救うことはできない。
「被害の拡大を抑えるためにも、迅速に撃破してくださいっす。皆さんの力が頼りっすよ!」
「私もアンプラグドは好きですが……偏った嗜好を押し付けるのは許せません」
 佐祐理は神妙な顔で、打倒ビルシャナを心に誓ったのだった。


参加者
ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)
天宮・陽斗(天陽の葬爪・e09873)
サフィール・アルフライラ(千夜の伽星・e15381)
神宮・翼(聖翼光震・e15906)
ファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)
ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)
神無月・佐祐理(機械鎧の半身・e35450)
天羽・蛍(突撃戦闘機・e39796)

■リプレイ

●プラグド? アンプラグド?
 吉祥寺の街は、珍しく雪化粧をして。夕方の薄暗闇でも雪の白が眩しく見えた。
「幸い、商店街はアーケードになっていて、屋根がついている。皆が雪の寒さに震える心配はないな」
 ヒエル・ホノラルム(不器用な守りの拳・e27518)はライドキャリバーの魂現拳に乗り、商店街の周囲を確認していた。
「商店街内での戦闘が予想されるからな。ここは私の交通整備・避難誘導スキルを大いに役立てるとしよう」
 ファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)とボクスドラゴンのフレイヤは、手分けして商店街の中の住民に避難を呼びかけた。
「おっと、ギャラリーのみんなはステージに上がらないでくれよ?」
 女子高生に屈託のない笑顔を向けながら、ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)は商店街の入り口にキープアウトテープを張り巡らせていく。
 サフィール・アルフライラ(千夜の伽星・e15381)の殺界形成で、人払いも念入りに。
 一般人の避難が完了すると、ケルベロス達は準備してきた楽器や音響機材などの準備を始めた。
 音楽にこだわりのあるビルシャナとあって、今回はガチの対バン勝負で信者の説得を試みるのだ。
「バンド形式で演るのは久々だな、腕が鈍ってないとイイんだが」
 ストラトキャスター・タイプのエレキギターをケースから取り出した天宮・陽斗(天陽の葬爪・e09873)は、
「ぷ、ぷらぐど? あんぷらぐど?? 一口に演奏とは言っても色々な部類があるのだな……」
 頭にハテナマークを浮かべているサフィールの頭を小突いた。
「フィー、とちるなよ? お前は結構うっかりだからな……」
「む、ハル兄こそ、その薄着で指先が震えたとかないように、な!」
「うっせ、寒いのには強いから大丈夫だっつの」
 喧嘩するほど仲がいいと言わんばかりに、陽斗とサフィールは軽口を応酬する。
 神無月・佐祐理(機械鎧の半身・e35450)は、ストラップで肩から下げたフルアコのエレキギターを、少々不安げに見つめた。
「普段はドレッドノートのアコギ使いなので、せいぜい後付けのピックアップしか使わないのですが……」
「コントロールつまみってここに4つついててさ。こっちがフロント側のボリューム、こっちがトーンで……」
 電子楽器に詳しい天羽・蛍(突撃戦闘機・e39796)が、ギターの調整を手伝う。アンプの準備もバッチリだ。
「ロディくんのベースと、あたしのキーボードで、皆をサポートするよ♪」
 くるんと丸まった角と、尻尾が特徴的な神宮・翼(聖翼光震・e15906)が、魅惑的な手つきでキーボードの鍵盤を撫でた。
「おやおや、ビルシャナ御一行様がようやくお出ましのようだぜ」
 バイオレンスギターを構えたグスタフ・カールフェルト(レプリカントのミュージックファイター・en0263)が、アーケードの向こう側を睨む。
 段々と音量を増していく、カントリー系の和やかな音楽……。
 ビルシャナと、老若男女10人の信者達は、まるで音楽隊かなにかのように、ブンチャ♪ ブンチャ♪ と音楽を鳴り響かせながら横一列で歩いてくる……。
 楽器を演奏しているのは信者5人とビルシャナ。アコースティックギターが1人とビルシャナ1羽、バイオリンが2人、アコーディオン、大太鼓を持っていた。他の手ぶらの5人はコーラス部隊のようだ。
 佐祐理はジャン♪ とCコードを弾いて、ときの声を上げた。
「さて、ぶっつけ本番でいきましょうか! 本職ではないので、足を引っ張らないよう頑張りますね!」

●対バン
「あらぁ、私達のライブにわざわざ来てくれたのかしら? 殊勝なことねぇ」
 ビルシャナはわざとらしく、煽るようにそう言いながら、アコースティックギターを掻き鳴らした。
 取り巻きの信者達は、恍惚とした表情で生音に酔いしれる。
「ああっ、この純粋な音!」
「エレキの音色とは比べ物にならないッ!!」
 すっかり洗脳されてしまっている人々を前に、ロディはエレキベースの重低音を響かせた。
「アンプラグドの音色も綺麗だけどさぁ……」
 それでも、アンプラグドだけが全てではない。
「電子楽器でなければ出せない音もあるんだしさ。それ否定したら音楽の歴史だって終わっちまうだろ?」
 陽斗も一歩前へ出て、エレキギターの6弦をピックで弾いた。
「ま、確かにアンプラグドもイイところは一杯あるだろうが。けど、プラグドの表現の広さもなかなかイイものだぜ?」
「堅物さん、音楽に至高も崇高もないの。音楽はもっと自由なものでしょ?」
 翼も3つのキーボードを並べ、巧みな指先でポロンポロン♪ と奏でた。
 同じくキーボード担当の蛍も負けじと、アンプラグドでは表現しづらい特殊なエフェクトを織り混ぜて、メロディーラインを弾いた。
「まー確かに、一つの音楽を極める人はそりゃ素晴らしいよ、すごい人だよ? だけど音楽が一種類しかなかったら、どこが良いのかって、比べて聴く楽しみがなくなるじゃん」
「そうよそうよ! 文句あるなら口先の言葉じゃなくて、音楽で語りなさいっ!」
 翼はびしっとビルシャナを指差し、戦いを挑んだ。
「ということで、対バン勝負、っていうことでどう? ビルシャナのバンドだから、そうだな……ザ・ビルシャナズ、先行を譲るよ」
 勝手にバンド名を名付けた蛍は、焚き付けるようにポーズを決める。
「ぐぬぬ、ダサい名前……と言いたいところだけど、私結構ベタなの好きなのよね。採用してあげるわ」
 ビルシャナ御一行様改めザ・ビルシャナズは、各々楽器を軽く調律したり、コーラスに備えて発声練習する。
「私達の崇高なアンプラグドの技巧、堪能しなさいっ!!」
 ビルシャナの掛け声で、緩やかな旋律がアーケードに響きはじめる。
 どこか懐かしいような、哀愁を誘うような……そんなミュージックが満ちていく。
 アコーディオンを持った男性は、熱の入ったオーバーな動きで両手をフル活用しているし、バイオリンの2人は額から汗を流して、絡み合うような旋律を奏でている。
 大太鼓はそれほど技巧的ではないものの、ギターの2人――しつこいようだが、片方はビルシャナである――がスラム奏法やアルペジオなどの技を繰り出して、ドヤ顔をケルベロス達に向けてくる。
 彼等を応援するように牧歌的なコーラスが加わり、ハーモニーを作り出した。
「向こうもやりますね……でもプラグドだっていいところがたくさんあるんです!」
 佐祐理はアンプに繋いだフルアコのエレキギターをジャーン♪ と鳴らした。

●セッション
「待ってましたッ! ワン、ツ、スリー、フォー」
 スティックでカウントを出し、電子ドラムを力強く叩きはじめたのは、普段はギター担当のグスタフである。
 陽斗はエレキギターのネックで指をすべらせ、ギュイイイン♪ と音を唸らせた。
「電子音だからこそできる音の暴力ってもんだ。こんなのも悪くねーだろ?」
「そうですよね、表現の幅を広げるのに、電気の力を借りるのはアリだと思います!!」
 佐祐理も負けじと、エレキギターで素早いトリルを魅せつけた。
「趣味に本気なのはいいことだけど、押し付けがましいのはノーサンキューだね」
 蛍は両手を交差させてキーボードを弾いた。電子的なピコピコ音がファンシーである。
「大体にして、あの有名な『ヘリオライト』だって電子楽器使ってるでしょ? そういうのをアンプラグドじゃないからっていうだけでなくしていくのはどうかと思うよ?」
 変わり種のテルミンを持ち込んだのはサフィールだ。垂直方向に立ったアンテナと、水平方向に伸びたアンテナに手を近づけて、エレクトリックな音を出す楽器である。
「でもこれも難しいんだぞ、手をかざす位置がちょっと違うだけで音が変わるし……あ、あ、今のなし! やり直す!」
 一筋縄ではいかない音色が、更なる面白みとなるのだ。
「電子音楽のメリットの1つは、コンパクトさ。普通の楽器でこれだけの音を出そうとしたら、かなりのスペースが必要よね?」
 3つのキーボードを器用に弾きこなす翼は、ロディと目配せして伴奏のタイミングを合わせた。
「電子楽器のもう1つの利点は、音量を調節することで他の楽器と音を合わせやすくできることだぜ」
 ロディはベース音でしっかりと音楽を支え、皆の演奏に深みを与えていく。
「アンプラグドだって、強弱ははっきりつけられるわよっ!!」
 茹でダコならぬ茹で鳥になりそうなほど、顔を真っ赤にさせたビルシャナが反論する。
 テルミンをホヨホヨさせながら、サフィールが追い打ちをかける。
「こほん、お聞き苦しい部分もあったが……プラグドは面白くないか? アンプラグドとは一風違った技術を使い、違った音を奏でるんだ。私自身はさほど音楽に精通してはいないが……こだわりすぎて使わないのはもったいない気がするよ」
「演奏した音楽を機械のビデオカメラに取り込むということは、ある意味電子音の一部にしてしまうようなものだな」
 演奏している仲間達を盛り上げようと、ヒエルは音響の調整と写真・ビデオ撮影をしていた。ビデオカメラを構えたまま、彼は信者の1人に近づき囁く。
「それでも楽器や音楽の良さは表現できる上に、電子装置を使うことで、より多くの人々に楽器や音楽の良さを伝えられる。音楽の良さを皆で共有することに、電子や電源の有無は些細なのではないか?」
「結局のところ、楽器の違いなど、聴く側からすればどうでも良いことだ。楽器が全部やってくれるわけではないのだからな」
 ファルゼンも、大太鼓を持った信者男性の瞳を真っ直ぐ見つめ、
「どちらが良かったかで判断するときもあるかもしれないが、それだけだとつまらないだろう。もっと楽しめ。音を楽しむと書いて音楽なのだから」
 と説得する。信者男性がうろたえたところで、
「ええいうるさいケルベロス共め……皆、もう一曲いくわよっ!!」
 再び演奏を始めたザ・ビルシャナズだったが、ケルベロス達もそのまま手を止めない。アンプラグドの楽器に合わせて、電子楽器の音量を低めにするか、アンプへの出力を止め、そのままセッションになだれ込んだ。
「こういう技ができるのがフルアコの利点です!」
 お客のいないアーケードに、ファンタジックなミュージックが響く。
 カントリー調の音楽に、未来的な音色が重なって。新しい境地へと皆を運んでいく――。
「な、言っただろ? 音楽に優劣なんてない。それぞれの良さを認め合い、協力し合えばこんなすごい演奏だってできるんだぜ?」
 アンプラグドとプラグドの合わせ技にうっとりとしている信者に、ロディが語りかける。
「わかったら、喧嘩はここで終わりだ」
 信者達は急に憑き物が落ちたかのように、演奏の手を止めた。そうして、隣のビルシャナを目にした途端、
「「「ギャー鳥の化け物ーーーー!!!」」」
 と叫んで楽器ごと逃げ去っていった。信者の後ろ姿を見送りながら、ファルゼンは呟く。
「なんだ、洗脳がとけたのか。音楽面で負けきっていたら、信者を殴って片付けようと思っていたのだが」

●ザ・ビルシャナズ解散
「よくもやってくれたわね……!! 上手いこといってたのに、ザ・ビルシャナズ解散しちゃったじゃないの!! アンプラグドが至高なのよ!!」
 容赦なく八寒氷輪の氷の輪を飛ばしてくるビルシャナに、ケルベロス達も楽器をひとまず置き、グラビティを思いっきりぶつけた。
「ガンガンやってやるぜ!」
 ズシュッ! ロディがファイヤーボルトから放った跳弾射撃は、図らずもビルシャナの腕に当たった。
「え、うそ……後遺症残ったらどうしてくれるのよ! ギター弾けないじゃない!!」
 清めの光で自らをヒールしたビルシャナは、更なる攻撃の一手を放とうとした。
「届かぬ月、焦がるる儘に汝は崩し、潰すだろう!」
 業魔崩月衝により腕に鋭い刃を宿した陽斗は、宙に飛び上がり、ビルシャナの身体を狙って斬りつけた。
 ザッ! という音と共にビルシャナが膝を地に付き、崩折れそうになったが……。
 唸り声をあげて、鳥の異形は再び立ち上がる。
「特別製だよ、ヒーリングバレット!」
 蛍は、独立機動砲台から薬品が込められた弾を発射し、八寒氷輪の餌食になった仲間達をヒールしていった。
「音楽全体の可能性が狭まっちゃうのは大反対だね」
「千の夜の盟友達よ、四大の精よ。時は満ちれり、大いなる饗宴を此処に……! 晶霊の幻想詩!」
 サフィールの精霊魔術により、荒々しい地・水・風・火の力がビルシャナを蹂躙した。
「私達は星の猟犬、その喉笛は咬み切る」
「あたしのビートで、ハートもカラダもシビレさせてあげる!」
 ビルシャナにも、正義の心を伝えたい――。翼はVivid☆Beat☆Vibrationを高らかに歌い上げた。
「聞き分けのない子には、攻撃グラビティのメドレーだよー!!」
 ディフェンダーとして攻撃を一身に受けながら、ファルゼンはエフェクト解除のため、共呼吸を発動させる。
「そんなに偏屈だなんて、人生を損していると思うが」
 フレイヤも属性インストールで、仲間達にバッドステータス耐性を付与していく。
「背中ががら空きだぜッ!」
 グスタフがビルシャナの背後から、スパイラルアームで攻撃するが、
「かかったわねっ!」
 ビルシャナ経文がクリーンヒットしてしまい、慌てて後ずさった。
「安心しろ。お前の不安は俺が取り除く」
 魂現拳に騎乗したヒエルは、双掌氣貫でグスタフをヒール。ビルシャナの周囲を走り回りながらも、援護のタイミングを見計らっている。
「ザ・ビルシャナズの解散でかなり動揺してますね……隙ができてますよ!」
 敵の信念を揺らがせる「幻影のリコレクション」を、佐祐理は伸びやかに歌い上げた。
「これでとどめだ……ブレイズ、クラッシュ!!!」
 蛍は独立機動砲台に地獄の炎を纏わせ、ビルシャナにその威力を叩きつけた。
「グオオォォッ!!」
 攻撃の衝撃を一身にくらったビルシャナは、
「プラグドも、こんなに良いなんてね……もっと聞いてみたかったわ……」
 と呟いて地面に倒れ、息絶えた。鳥の姿になってしまったとはいえ、もとは人間だった身。ミュージシャンの端くれだったのかもしれない。
「ビルシャナ……お前がいなくなった後も、音楽の火は燃え続ける」
 ヒエルは消えゆくビルシャナの骸に、哀愁を帯びた視線を向けた。
「ゲホッ、ゲホ……終わりましたか~」
 佐祐理は激しいセッションを経て、ノドが枯れたらしく肩を震わせて咳き込んでいた。
「ゲホッ……フルアコって、軽くて小さいので取り回しは楽、ですけどねー」
 そう言いながら、労をねぎらうようにギターのボディを撫でた。
 商店街内で手分けをして、戦いの爪痕が残ってしまったところに、ヒールをかけていった。
 そうして一段落ついたところで、
「最後にプラグドとアンプラグドのセッション、やってみない?」
 と、翼が提案。それを聞いた陽斗は、即答で話にのった。
「イイじゃねーか。皆でやろうぜ」
 そうして皆、プラグド・アンプラグドといったジャンルにこだわらず、楽しくセッションをした。その頃には商店街にも、お客さんや店主が戻ってきて、手拍子で盛り上げた。
 音を楽しむと書いて音楽――彼等は身をもってその言葉を実証したのである。和やかな音楽のひとときに、皆は心ゆくまで身をまかせた――。

作者:鴇八舟 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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