だいじょうぶ? おっぱいもむ?

作者:八幡

●おっぱいとは?
 ビキニカフェ……通称おっぱいカフェ。
 それは乳を半分以上露出したお姉さんたちが接客してくれるカフェである。
 そのコンセプトから、当然大きいお姉さんが多いのだが……勿論、おさわりは許されない。
 それに、この寒い時期にそんなカフェが流行るのか? と言う疑問もあるかもしれないが、季節に関係なくおっぱいには需要があるのである。
 とは言え、やはり大っぴらに営業するものではないので、寂れた裏通りにひっそりあったりする。
「無意味におっぱいをぽろんぽろんするな!」
 そんなカフェの扉をバーン! と開いて鳥人間ことビルシャナと、10人程度の男たちがなだれ込んできた。
「おっぱいってのはなぁ……もっとこう、神聖じゃなきゃダメなんだよ!」
「「「イエス! ボス!」」」
 それから唖然としているおっぱいの大きい店員と客たちの前で、ぐぐぐっと拳を握り締めながらビルシャナは語り、後ろの信者たちが軍隊よろしくビルシャナを肯定する。
「こう、疲れた時になぁ、だいじょうぶ? おっぱいもむ? ってなぁ、そっと差し出される……それがおっぱいってもんだろぉ!? もっと神聖なものであるべきなんだ!」
「「「おっぱいイズサンクチュアリィイイ!」」」
 そっと差し出されるって……おっぱいを何だと思ってるの? キモッ的な視線で店員に見つめられるビルシャナと信者たちだが、辛辣な言葉にもめげずにビルシャナと信者たちはニヒルに嘴を釣り上げると、
「と言う訳でだ。お前たちのような神聖ではないおっぱいはもぎ取ってやる!」
「「「春の大感謝おっぱい祭りィイイイ!」」」
 店員たちの胸に向かってダイブしていったのだった。

●もんどく?
「だ、大丈夫? お……お、おっぱいもむ?!」
 ケルベロスたちの前に立つなり、小金井・透子(シャドウエルフのヘリオライダー・en0227)は真っ赤になりながらそんなことを口走る。
 そんな透子に対してケルベロスたちは、お前が大丈夫か? もむほどないけど大丈夫か? 何て思ったかもしれないが、それを口に出すものはいなかった。
「って言わない女の人は絶対許さないって主張のビルシャナが現れたんだよ!」
 より正確には神聖ではないおっぱいなどもぎ取ってやる明王だが大体あっている。
 絶対許さない明王と言うとアレだろう。信者を引き連れて、自分が絶対許せないと思う対象のところへ突撃してくるタイプのビルシャナだ。
 大抵は変質的でどうしようもないのだが……今回もご多分に漏れずしょうもないようだ。しかしながら実際におっぱいをもぎ取られたら大惨事なので止めなければなるまい。
 あと、ビルシャナは10人程度の信者を連れているが、この信者は一般人であるため倒さない方が良いだろう。
 ただ放置するとサーヴァントのようにちくちくと攻撃してくるため、ビルシャナの主張を覆すようなインパクトのある主張を行い無力化することが望ましい。また、先にビルシャナを倒しても、元に戻るようだ。
 ケルベロスたちがビルシャナと信者について色々思い返すのを待ってから、透子は続ける。
「このビルシャナは、お……おっぱいについての議論を交わそうとすると乗ってくるんだよ!」
 おっぱいと言うたびに視線を泳がせる透子はさておき、ビルシャナにおっぱい議論や談義を仕掛ければ、いきなり戦闘になることは無いようだ。
「だ、だから、おっぱいについての自分の信念とか、より魅力的に見せるための服とか、アピールする方法とかをぶつけるといいと思うんだ!」
 そうすることでビルシャナの行動を阻止しつつ、信者を説得することも可能だろう。
 きっと信者たちはおっぱいを過剰に神聖視する倒錯変態野郎どもなのだ。おっぱいに関するインパクトのある何か……大きさやら恰好やらで釣ってやれば簡単に手の平を返すに違いない。
「あとこのビルシャナは経文を読んだり、鐘を鳴らして攻撃してくるんだよ!」
 それから透子はビルシャナの攻撃方法について説明をすると、ケルベロスたちの目を真っ直ぐに見据え、
「こんな変態ビルシャナは絶対、絶対に倒して欲しいんだよ!」
 両手をぶんぶん振り回しながら絶対倒してきてと懇願した。


参加者
ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611)
片白・芙蓉(兎頂天・e02798)
ラプチャー・デナイザ(真実の愛を求道する者・e04713)
サイファ・クロード(零・e06460)
分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)
柚野・霞(瑠璃燕・e21406)
カテリーナ・ニクソン(忍んでない暴風忍者・e37272)
菊池・アイビス(さそりの火・e37994)

■リプレイ


 特にいかがわしくも無い店内はそれなりに賑わい、店員のお姉さん達が接客に勤しんでいた。
 そこはお姉さん達が注文を取り、移動するたびにおっぱいがたゆんたゆんと揺れる……そしてその揺れるおっぱいを紳士達が紳士的な眼差しで見守る、そんな大人な空間だ。
「店員さん凄いわ最高よ!」
「うむうむ、此処には男のロマンが詰まっているのでござるか!」
 そんな大人な空間に、片白・芙蓉(兎頂天・e02798)と、ラプチャー・デナイザ(真実の愛を求道する者・e04713)は完全に溶け込み、菊池・アイビス(さそりの火・e37994)は満足気に頷いていた。
 真冬だというのに露出の高い衣装で客を癒してくれる。そんな天使のような店員には全く頭が下がりますわいとアイビスは目の前をたゆんたゆんさせながら歩いていった店員を拝む。
「え~っと、何を頼もうかな」
 一方、サイファ・クロード(零・e06460)はたゆんたゆんなおっぱいから視線を逸らすようにずっとメニューを眺め続けていた。純朴少年たるサイファはこの空間を楽しみ切れていないようだ。
 だが全く興味が無い訳ではなく……興味があるから来てみたもののあと一歩が踏み出せない。自分の殻を捨てきれないあの感じ、そうお年頃ってやつだ。
「だいじょうぶ? 雄っぱいもむでござるか?」
 そんなお年頃のサイファに、カテリーナ・ニクソン(忍んでない暴風忍者・e37272)がHAHAHAと笑いかける。雄のぱいと書いて雄っぱい。勿論持ち込みセルフサービスであるが、語感としておっぱいだ。
 だから揉む事は好きだけど揉め事は好きじゃないらしい、分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)がびくんとカテリーナの方を向いたのは仕方がないし、サイファが顔を真っ赤にしてメニューから視線を離さないのも致し方が無いのだ。
 だっておっぱいがもめるのかと思ったのだもの。
「だいじょうぶです? おっぱいのむ?」
 更に、どこまで本気か良く分からないカテリーナの言葉に動揺し、焦点の定まらない目でメニューを凝視するサイファを心配した、ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611)がの耳元で囁きかけると、
「の!? のの……」
「のむー!」
 ついにはメニューを持つ手が震え出したサイファ。そして迷わず席を立って手を上げる楽雲。
 ティセの白いワイシャツとワンピースの下にあるあの主張……あのたゆんたゆんをのむ。なんと甘美な響きだろうか。サイファのような純朴少年ならともかく楽雲が飛びつくのも詮無き事である。だが、そんな楽雲にティセが満面の笑顔でおっ……ではなくホットミルクを差し出してきた。やはり世の中そんなに甘くは無いらしい。デスヨネなんて真顔になってホットミルクを受け取った楽雲にティセは小首を傾げてふーふーする? なんて聞いたりもする。
「フフフそれはおっぱいじゃなくてミルクね! 可愛いわね!」
 するー! なんて歓喜する楽雲が持つホットミルクをふーふーしてあげようとするティセを満足そうに見つめながら芙蓉が頷く。乳飲み子に対してミルクをおっぱいと言って与えたりするあんな感じで可愛いのだろう。
「うん、うさぎさんは可愛いですよね。特に耳をもふもふしたいです」
 可愛いという言葉に反応したティセが芙蓉のお耳を見つめながら言えば芙蓉は可愛い私だもの当然ね! と胸を張った。
「胸……」
 何やら異次元な会話が成立している芙蓉とティセと、あれ? ふーふーは? と少し寂しそうな顔をしている楽雲を横目に見つつ牛乳をちびちびと飲んでいた、柚野・霞(瑠璃燕・e21406)は自分の胸元を見下ろしてから呟き。それから店内を見回せば、相も変わらず店員達のおっぱいがたゆんたゆんしていて……霞は小さく息を吐く。自分の可愛さに絶対の自信を持つ芙蓉は小さくても可愛いから大丈夫よ! なんて言うだろうが、やはり持たざるものとしては溜息をつかざるを得ないのだ。それでも待ち受ける運命ってやつに少しでも抵抗したいのか、再び牛乳をちびちびしだした霞にアイビスは目を細め、
「のの……」
 おっぱいのむから立ち直れていないサイファに口元を緩めたのだった。


「無意味におっ――」
 なんやかんややっている間に、カフェの扉がバーンと開くとビルシャナが現れ、
「来たでござるな、同志よ!」
 台詞を言い終わらないうちにラプチャーが鳥を歓迎する。この鳥も所詮はおっぱい教徒。であるのなら同志に違いないのだ。例え神聖がどうのこうのと言い訳をしようとおっぱいが好きな事に変わりはないのだ。
「そこにおっぱいがあれば触りにいく。それこそが真理! 今のお主達は言い訳を重ね、自らその価値を貶めようとしている……拙者はそれが悲しいでござるよ」
 くだらない見栄など捨てて、手を伸ばすのでござる、言葉はいらぬと、ラプチャーは優しい声で信者達へ語り掛ける。
「ふっ、我が信者は神聖な……っちょお前ら?!」
 唐突に語りだしたラプチャーの言葉を鳥は一蹴しようとするが……まるで手を伸ばせば何時でもおっぱいをもめるかのように語るラプチャーの言葉を聞いた信者達は手を伸ばせばおっぱい……と呟き始めた。
「とりあえず雄っぱいもむ?」
 神聖だろうと神聖で無かろうと目の前のおっぱいの魅力は捨てがたいものだ。揺れる信者達の心をさらに揺らすべくカテリーナは胸部装甲をゆらしながら信者達に雄っぱいもむ? と聞いてみる。勿論持ち込みセルフサービスであるが、その語感は再び楽雲がビクッと反応するくらいには効果抜群である。しかも今日のカテリーナはサービス担当として水着で挑んでいるのだ、弾けんばかりのたわわがぷるんぷるんだ。そんなたわわを凝視してマジで? と生唾を飲み込む幾人かの信者達にカテリーナは手書きのチケットをチラつかせ、
「信者やめたら、撮影会に参加する権利をやる」
「自らの行動だけで示してこそのおっぱい愛! お主達の煩悩を、愛を、ここに示すのでござるぅ!!」
「「やめるー!」」
 撮影会の参加券をやろうと言い、ラプチャーが煩悩に忠実になれと背中を押すと数人の信者達があっさり寝返ったのだった。


「後で来るでござるよー」
 誰の撮影会とは言ってないでござるがなと心の中で付け加えつつ店の外に出た信者達に手を振ったカテリーナが再び店内へ視線を向ければ、
「くっ、信仰が足りない軟弱者どもめ!」
 鳥がぐぬぬと悔しそうに嘴を歪め、
「後はのんびりとするのでござるよ」
 ラプチャーが既に落ち着きモードに入っていた。
「なんで、おっぱい好きなのです?」
「我が信仰するは、只のおっぱいではない! 神聖なるおっぱいなのだ!」
 そんなラプチャーの横で小首を傾げるティセの言葉を耳聡く聞きつけた鳥が熱く主張する。何時もぽろんぽろんされていない、ここ一番でそっと差し出される、そんな神聖なおっぱいなのだと。ティセは鳥の主張にもう一度小首を傾げてからじゃ、じゃあ……と咳ばらいをして、
「だいじょうぶです? おっぱいもむ?」
 鳥が主張するようにおっぱいもむ? と聞いてみる。聞いてみたものの、やっぱり恥ずかしかったのか胸を隠すように両手を胸の前でもじもじと組んで……余計におっぱいを強調する羽目になっていた。女の子が恥ずかしながらおっぱいを強調する。その破壊力に信者達が言葉を失っていると、
「のんびりと言ったでござるな、あれは嘘だったのでござるよ。おっぱい祭の開催でござるぅ!! はい、おーっぱい!」
「それ、おーっぱい!」
「「おーっぱい!」」
 ラプチャーが唐突に立ち上がっておっぱいコールを始め、店員達を逃がし終わった芙蓉がティセにぐっと親指を立てながら同調すると信者達もおっぱいコールを始めた。
「あ、男の人はゴメンナサイ。なんだか気持ち悪いので……もちろんトリさんもダメですよ。えへへ、もめる人がいないですね」
 高まるおっぱいコールの中、その中心たるティセは胸を隠すように両手で自分の肩を抱く……すると更に谷間が協調されて信者達のボルテージが最高潮だ。そんな高まりを抑えきれない何人かの信者がティセに近寄ろうとするところを間に入った芙蓉と楽雲が制する。
「なんだかんだ言っておっぱい触りたいだけだろ!」
「それなのに、おっぱいを出した程度で神聖さが落ちるとか抜かしたのはこの口ね!?」
 間に入られ思わず足を止めた信者を前に楽雲が口火を切り芙蓉が信者達の口に指を突き付ける。今の行動、結局のところおっぱいを触りたいだけなんだろうと。
「笑わせんな! おっぱいはなぁ、遍く人々に平等なんだよ! 老若男女問わず、受け止め、抱き止め、包み込み、癒してくれる……それが母性の象徴、すなわちおっぱいってもんだろうが!」
「信仰心が足りない! 泥にまみれどおっぱいはおっぱい! 謝れ! 安く見てごめんなさいと謝れー!」
 痛いところを突かれた信者達が黙ったところへ楽雲と芙蓉は続ける。結局おっぱいはおっぱいである事が大切であるのだと……そうだ、遠きあの日。自分達を胸に抱いてくれた母のおっぱいは神聖では無かっただろうか? 唾棄すべき何かだったろうか?
 答えは否だ。突き付けられた真実に電撃を打たれたように信者達の動きが止まり、その頬を芙蓉はグーで殴って行く……目を覚ましなさい。只のおっぱい好きだった貴方に戻ってと、そんな躾パンチを信者達の顔面に叩き込んでいく。
「それを神聖だのそうじゃないだのと。そんな差別思想を抱えたまま、明日触るおっぱいが気持ちいいかよ?」
 楽雲の言うように今日おっぱいをもぎ取ってしまっては明日触るおっぱいを楽しめない。何て事だ、何故こんな簡単な事を見失っていたのか、
「分かっているわ……本当は疲れていただけよね?」
 そんな信者達の顔を覗き込んで、芙蓉は優しく……それこそ母のように微笑み、
「……本当はただおっぱいに癒されヴァ」
「でもパイオツを否定したのは罪ね!」
 パーンッ! とビンタして回る。それはそれこれはこれなのだ。


 おっぱい……ビンタイイッ!
 そんな事を呟きながら店の外に出て行った信者達の背中を見送りサイファは残りの信者達へ向き合おうとすると、
「をのれ! 安物のおっぱいにほだされおって!」
 鳥が吠える。
「コンビニ行く? みたいな気軽な感じでもむ? とか言われて嬉しい訳?」
 その鳥の言葉を聞いたサイファが疑問に思った事を口にする。そもそも神聖なものであるなら、そんな簡単に差し出されるものでは無いだろうと。
「どのようなおっぱいだったら嬉しいというのだ!」
「なんかこう。あるじゃん……ええと、まあ、色々と? ここじゃ言えないよ!」
 だが批判すれば当然意見を求められるわけで、サイファは脳裏を巡った幾つかのシチュエーションに真っ赤になりながら察しろとだけ口にした。だって皆が居る前でそんな事言うの恥ずかしいし。それでは分からぬなぁ? と真っ赤になって俯いたサイファの顔を覗き込む信者達の前にアイビスが立ち塞がり、
「どうや。乳は膨れとらんが神聖やろう。世に乳は2種類存在すんじゃ。一つは愛おしいもんの乳。もう一つは観賞用の乳」
 主張する。ここでいう観賞用は御さわりも兼ねた実用だ。
「そっと差し出されようが投げ出されようが、巨乳やろうが無乳やろうが男乳じゃろうが、自分に捧げられる好きな相手の乳が神聖なんや。おっぱい揉む? が尊いんとちゃうわいボケェ」
 それからどんなおっぱいだろうと自分に捧げられたものこそが尊いのだと言い放ち、
「ほいでお前らみたいんしょーもない奴ら、観賞用無うなったら一体いつどこで誰の乳拝むんじゃい。ここの姉さんらは体張って見せてくれよるんやぞ。観賞用乳かて準神聖なんじゃボケェェ」
 商売でやってくれる人すら居なくなったらどうするんだ? と言う現実を突きつけた。たとえ商売であってもそれこそ捧げられるおっぱいだ。それは尊いおっぱいだ。アイビスが言う尊いおっぱい……それ信者達が黙り。サイファはアイビスの雄々しくも潔い説得に感銘を受ける。おっぱいのあんなシチュエーションやそんなシチュエーションに照れている場合ではないのだと。おっぱいに対して素直になり、信者達を説得しなくてはと!
「あんたらの主張は変態ぽくてやだ!! ばか! 変態! きらい!」
 でも上手い事言えないし! と思ったサイファは取りあえず思いついた俯き真っ赤になったまま、感情をそのまま言葉にしてみた。
「なんかごめん」
 そんなサイファに信者達はなんか謝り。アイビスが明後日の方向を向いて肩を震わせていた。子供を泣かせた見たいで気まずいなと信者達が視線を巡らせれば、そこには暗い顔をして牛乳をちびちびしていた霞が居た。信者達と目が合った霞はゆっくりと信者達の前まで歩み寄り、
「まず一言物申したいのですが、世の中そんなグラマーな女性ばかりじゃないんですよ、わかってます?」
 そう主張すると同時に厚手の上着を脱ぎ捨てチューブトップのワンピースの姿になる。チューブトップ、それはおっぱいの膨らみを利用して洋服を固定する可愛いお洋服だ。ただこの服。おっぱいが無いとストーン! と服が落ちてしまう。何も引っかからないから。それを霞が着ている……その覚悟たるや如何ほどのものや。
「またまた」
 無茶しよってからに……と目を伏せたアイビス達の気持ちなど全く察せず鳥は鼻で笑うが、
「HAHAHA、それでは1つ皆でジャンプでもしてみるでござるか」
 そう言ってジャンプしたカテリーナのおっぱいがたゆん。
 何となくつられてジャンプしたティセのおっぱいがたゆん。
 ジャンプなら可愛い私が一番よ! とジャンプした芙蓉のお耳がたゆん。
 霞の……、
「揺れません! なにもー!」
 身体の何1つとてたゆっともしないスレンダーボディの霞はがっくりと項垂れ、
「そりゃね、おっ……胸の大きな女性がそういう事を言ったなら、確かに癒やしの一つや二つあるかもしれません。でもわたしみたいな平たい胸族の人間が言ったところで悲しみしか生み出さないわけで」
 更に申し訳ない気分になって視線を逸らす信者達を前に自虐的に続けた。
「「ちーっぱい! ちーっぱい!」」
 項垂れる霞だが、本当はちっぱい派のラプチャーと胸なら何でも尊い派の楽雲が心からのちっぱいコールを巻き起こし、信者達は涙ながらにコールに協調した。そのふくらみには悲しみしかないかもしれない。けれど、悲しみの中にこそ尊さがあるのかもしれないのだ。
 そんなちっぱいコールの中、霞は大きく息を吸い込み……、
「だいじょうぶ? お……おっ、おっぱいもむ……?」
「「もむー!」」
 意を決して言い放つと、残りの信者達は全員ちっぱい教徒となったのだった。

 その後、寝返った信者達を蹴り飛ばして外に出し、ちっぱいに涙する鳥をサクッと光に返して、一行は帰路へ着いたのだった。

作者:八幡 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 2/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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