新年、初触手!?

作者:雷紋寺音弥

●狙われたバイト巫女
 冬の風が吹き抜ける寒空の下、神社の境内に集まっているのは巫女服姿の少女達。
「うぅっ……解ってはいたけど、やっぱ寒いわね、この格好……」
「我慢しなさいよ……。お正月が終わるまでは、ここでお札とかお守りを売るバイトするって決めたでしょ?」
 彼女達は正月シーズンだけのアルバイト。格好こそ薄手の巫女服だが、しかし生粋の神職というわけではないようで。
「とりあえず、今日も参拝のお客さんが来るはずだから、それまでに準備しないと怒られちゃうわよ」
「そ、そうね……。でも……せめて、ストーブでも出してもらえれば、少しは違ったかもしれないのに……」
 その構造上、脇の辺りが少しばかり肌寒いのが玉に傷。そんなことを彼女達が思った瞬間、神社の境内に突如として無数の触手が湧いて出た。
「ブヒャッハァァァッ!! 新年早々に、姫始めだぁぁぁっ!!」
 何の前触れもなく開かれた魔空回廊より、続々と現れるオーク達。下劣な豚どもはアルバイトの少女達に目をつけると、迷うことなく一斉に触手を伸ばして襲い掛かり。
「きゃぁっ!! ちょ、ちょっと……どこ触ってんのよ!!」
「ひゃっ!! 服の中に入って来ないで!!」
 逃げる暇もなく、オークの群れに囲まれて攫われてしまう少女達。早朝の神社に悲鳴が響き渡り、彼女達は抗う術もないままに、そのまま全員連れ去られてしまった。

●地獄の初参り
「お集まりいただき、ありがとうございます。新年早々、アルバイトの巫女さん達がオークに襲われる事件が予知されました」
 大至急、現場に向かってオークから彼女達を守って欲しい。そう言って、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は自らの垣間見た予知について、ケルベロス達に語り始めた。
「オークの出現するのは、とある街の一角にある神社です。お正月シーズンのため、当日はアルバイトとして集まった、巫女服姿の少女達が10人ほど境内に集まっています」
 セリカの話によると、彼女達は正月シーズンだけのアルバイトであり、普段は近所の高校などに通う学生が大半とのこと。幸い、神社の境内はそこそこ広く、初動でオーク達を足止めできれば、避難誘導にそこまで人員を欠く必要もなさそうではあるが。
「注意していただきたいのは、オークが出現する前に彼女達を逃がすと、予知が狂ってオークが別の場所に現れてしまうということです。また、逃げ遅れた者がいた場合、戦闘中にオークに辱めを受ける可能性もありますね……」
 こちらが身体を張ってでも、可能な限り巫女さん達を逃がしてあげた方が良さそうだ。なお、アルバイトは随時募集しているようなので、当日はバイト仲間として紛れ込み、オークの襲撃に備えることは可能である。
「敵のオークですが……出現するのは20体ほどで、その全てが防御に特化した陣形を好む傾向にあるようです。触手で締める、毒液を発射するという攻撃に加えて、咆哮によって自らの体力を回復させながら、攻撃力を上げて来ます」
 個々のオークの強さはケルベロス達と比べても低いものだが、なかなかタフなのが厄介だ。範囲攻撃で仕留めるにしても数が多過ぎるため、地道に退治して行くことを要求される。
 どちらにせよ、新年早々に少女達をオーク達の毒牙に掛けさせるわけにはいかない。
 神域での狼藉を働く下劣な豚には、神に代わって天誅を。最後に、それだけ言って、セリカは改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
鳴神・猛(バーニングブレイカー・e01245)
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)
斎王・キロ(オーク触手堕ち絶対させるマン・e20363)
四葉・リーフ(天真爛漫・e22439)
アシュリー・ハービンジャー(ヴァンガードメイデン・e33253)
高天原・瑠璃(蒼き鎧装の纏い手・e34645)
雑賀・真也(不滅の守護者・e36613)
アイリス・ベルフェゴール(気まぐれ千変万化・e43275)

■リプレイ

●触手初詣
 冬の晴れた寒空の下、早朝の風が神社の境内を吹き抜ける。
「正月だけアルバイトさせていただく、高校生の高天原瑠璃です。巫女のお勤め、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いしますね」
 バイトとして巫女さん達に加わった高天原・瑠璃(蒼き鎧装の纏い手・e34645)が、挨拶しながらも身体を小刻みに震わせていた。
 巫女服に着替えてみたものの、とにかく寒い。なんというか、この格好は冬の寒さを防ぐのに、決定的に向いていない。
 見れば、他にもバイトに紛れ込んだ仲間達の姿があるが、中には慣れない仕事に悪戦苦闘している者も。
「それにしても、このような銃を使うのは久しぶりだな。少年兵時代でライフルを持って駆け回っていたことを思い出すよ」
 物陰から、そんな仲間達の様子を窺いながら、ライフルを構えて雑賀・真也(不滅の守護者・e36613)が呟いた。だが、彼が息を吐くのも束の間、突如として境内の一角が不気味に歪み、多数のオーク達が我先にと争いながら飛び出して来た。
「ブヒャッハァァァッ!! 俺様が一番乗りだぜぇぇぇっ!!」
「グヘヘヘ……新年早々に、姫始めだぁぁぁっ!!」
 相も変わらず、品性の欠片もない豚どもである。突然の襲撃にバイトの巫女さん達は狼狽えるだけ。まずは敵の足を止めなければと、真也がすかさずライフルから光弾を乱射するが。
「おっと。お前らの相手は俺たちだ」
「ブヒッ……!? なんの、まだまだぁぁぁっ!!」
 残念ながら、今回ばかりは敵の数が多過ぎた。攻撃が拡散してしまい、思ったような効果を与えられていない。この程度は掠り傷だと言わんばかりに、オーク達は何ら怯むことなく獲物目掛けて一直線!
「うわぁ……。『今年もよろしくお願いします』って気分の時に、こんなのに遭遇するとアレな気分になるね~。しっかり殲滅して現場の厄払いせにゃ」
 あまりに場違いなオーク達の節操のなさに、早くも鳴神・猛(バーニングブレイカー・e01245)がドン引きしていた。
 だが、ここで眺めていても仕方がない。呆れる気持ちを切り替えて、黒き太陽を具現化して放つが。
「ブヒャッハァァァッ! 無駄、無駄、無駄だぁぁぁっ!!」
 やはり、敵の数が多過ぎるためか、威力や効果が拡散し過ぎてしまって足止めにならない。このままでは逃げ遅れた巫女さん達が、下劣なオークの毒牙に掛かってしまう。
「や、オー君、元気~? ……ふふっ、キミはわたしを満足させてくれるのかな~?」
 こうなれば背に腹は代えられぬと、アイリス・ベルフェゴール(気まぐれ千変万化・e43275)が敢えて自らオーク達を誘惑する手段に出た。その行動にオーク達の意識が向いた隙を突いて、すかさずアルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)が距離を詰め。
「おう、ちょっと地獄を見て行けや!」
 近くにいたオークの肩を軽く叩き、振り向いたところに顔面へ拳を叩き込んだ。
「……ブギュッ!?」
「ここは私達が引き受けるぜ! 逃げな!」
 今は少しでも、オークの足を止めて巫女さん達が逃げる時間を稼がねば。そんな彼女達の思惑に気が付いたのか、何匹かのオークがアルメイアの横をすり抜けて獲物を狩らんと迫るが、そこはアシュリー・ハービンジャー(ヴァンガードメイデン・e33253)がさせなかった。
「落ち着いて、身を隠せる所まで逃げてください! 決して後は追わせませんから!」
 ライドキャリバーのラムレイに騎乗したまま割り込んで、オーク達を跳ね飛ばしつつ攻撃を叩き込む。それでも諦めない相手には、四葉・リーフ(天真爛漫・e22439)が自ら巫女服の袴をずらした格好で挑発した。
「鬼さんこちらー!! お前らの相手はこっちだぞー!」
「ブヒヒ……。そう言って強がっていられるのも、今の内だブヒ!」
 袴の裾から覗く下着に刺激されたのか、オークの内の何匹かは、リーフを獲物と見定めて向かって行った。これで、とりあえずはバイトの巫女さん達が、オークに襲われる心配もなさそうだ。
「やぁ、少女たち。こっちだ、彼女らが引き寄せている間に早く」
 悲鳴を上げて逃げ惑う巫女さん達を、斎王・キロ(オーク触手堕ち絶対させるマン・e20363)が巧みに物陰へと誘導して行く。
 新年早々、初触手。そんな下劣な野望を止めるため、ケルベロス達とオークの群れの、壮絶な大乱闘が幕を開けた。

●恐怖の触手禊
 新年早々に、神域での狼藉を働かんとするオーク達。その野望を阻止すべく奮闘するケルベロス達だったが、とにかく敵が多過ぎる上に、無駄にタフなのが厄介だった。
「きゃあっ、来ないでくださいっ!」
 逃げ遅れた巫女のふりをして、オークを引き付けようとする瑠璃。しかし、さすがに数が多過ぎる。いくら自分達より弱い相手とはいえ、一斉に襲い掛かられたら堪らないわけで。
「こうなったら鎧装を……きゃっ!」
 囮を止めて戦闘モードに切り替えようとするが、それよりもオークの触手が伸びるのが早かった。
「ブヒヒヒ……。た~っぷり可愛がってやるから、安心するブヒ!」
「やっ、服の中に入ってこないでっ!」
 瞬く間に触手で手足を拘束されてしまい、おまけに巫女服の中にまで入り込まれ、あんなことや、こんなこと。太腿の間をまさぐられ、胸の先端に触手の先で激しく吸い付かれ、早くも絶体絶命の大ピンチに!
「そ、そこはだめっ! ふぁああっ」
「おっと! まだまだ、お楽しみはこれからだブヒ!」
 早くも意識を持って行かれそうになる瑠璃だったが、非道なるオーク達は、それでも攻めの手を止めることはなかった。
「きゃぁっ! ……く、臭っ! このままじゃ、服が……んふっ!? くふぅぅっ!?」
 触手の届かない位置にいるオーク達が、一斉に瑠璃へと溶解液のシャワーを浴びせて来る。それだけでなく、口の中まで貫かれ、果ては袴の裾からも入り込まれ、直接毒液を流し込まれてしまった。
「んぷぅっ! こ、こんなにたくさん……も、もう無理……んぅぅぅっ!!」
 全身を中から猛毒に犯されて、白く濁った液体の海に沈んで行く瑠璃。それを見たオーク達はますます調子に乗ると、今度はアルメイアへと魔の手を伸ばし。
「……っ! 野郎、やりやがったな!?」
 飛来する溶解液が、容赦なく彼女の服を溶かして行く。一発、一発の威力は大したことないものの、重なり続ければ馬鹿にはできず。
「ええい、くそ!! 寒いじゃねーか!?」
 上衣が半分くらい溶けたところで、さすがに拙いことになったと気が付いたが、時既に遅し。
「くっ……! てめぇ!? 離せぇ!?」
 一瞬の隙を突かれて触手に捕まり、そのまま強引に持ち上げられて。
「くそっ! ちょっ……やめ……! ミンチにするぞこらぁぁぁぁ!!?」
 無理やりに足を開かれそうになった挙句、全身に巻き付く触手が服の中へと入り込み、彼女の生肌を蹂躙して行く。
「うわっ! は、袴が……丸見えになったら、どうしてくれるんだよ!」
「わーっ!? このコート、お気に入りなのにッ!」
 見れば、リーフやアシュリーも流れ弾によって衣服を溶かされ、もはやまともな状態でいる者の方が少ない始末。そんな彼女達の悩ましい姿を前にして、何故かキロは怯む素振りを見せながら後ろに下がり。
「くそぅ、なんてやつだ。これじゃあ手も足も出ないぜ……!」
 わざとらしい台詞を吐きながら、ちゃっかり女性陣達の眼福な姿を目に焼き付けていた。
 殆ど、メディックとしての仕事を放棄するかのような行為。だが、しかし、これもまた彼の作戦である。
(「初触手……気持ちはわかる。だが、それをするのはお前たちではない……私がやる!」)
 その心の奥でドス黒い笑みを浮かべながら、キロはすかさずオーク目掛けて捕縛用の手榴弾を投げ付けた。
「いくぜっ、ぬるりとな……」
「ブヒッ! な、なんじゃこりゃぁぁぁっ!?」
 爆発と共に、オークを絡め取る漆黒の触手。正月早々、触手の共食いとか誰得な光景かと思うが、それでもオークを怯ませることに成功はしたのだから、問題はあるまい。
「それ以上の狼藉、見逃すわけには行かないな」
 触手に絡み付かれたオークの頭を真也のライフルから放たれた光弾が撃ち抜き、木っ端微塵に吹き飛ばした。それだけでなく、今度は猛がすかさず敵の後ろに回り込み、リーフもまた高々と大地を蹴って飛び上がり。
「お尻が、ガラ空きだよ!」
「落下して、蹴ーる!!」
 強烈な回し蹴りに、鋭い跳び蹴り。自慢の脚をオークの尻や脳天に叩き込んで、ここぞとばかりに反撃開始!
「ここは神域、狼藉は許しませんとも! 『さきがけの騎士』の名にかけて!」
 調子に乗るのは、ここまでだ。咆哮で力を蓄えていた一匹を狙い、アシュリーがグラビティ・チェインを乗せた槍の一撃を叩き込む。それだけでなく、アイリスが襲い掛かって来たオークへと逆に馬乗りになって、なにやら意味深な笑みを浮かべ。
「わたしが欲しいなら争うとイイよ~♪ 最後の一人には、わたしがイイコト……極上の快楽を与えてア・ゲ・ル……♪」
 敵の傷口を抉るようにして、真上からナイフで滅多刺し! しかし、危険な何かに目覚めてしまったのか、何故か刺されているオークは恍惚とした表情を浮かべている。
「ブヒィ……女……女ぁ……」
 どうやら、しつこく叩き込んだ魔眼の効果を強引に広げたことで、完全に錯乱させることに成功したようだ。
「……ったく、ようやく抜けられたか。……って、既に一人、死にそうじゃねーか!」
 仲間達の壮絶な反撃によって、辛くも危機を脱したアルメイアが、慌てて原罪を肯定するメッセージを紡いで歌い上げた。その声色に、なんとか背中を押されたのだろうか。
「はぁ……はぁ……。よ、よくも好き勝手やってくれましたね! 鎧装装着!」
 気力だけで立ち上がった瑠璃が、ここに来てようやく鎧装を装着する。既に足も腰も限界だったが、それでも彼女の心までは、未だ折れてはいなかった。

●弾けて散れ!
 神域の中で続く激闘。最初は数の暴力で押していたオーク達だったが、その数は徐々にだが確実に減っていた。
 目先の欲望に惑わされ、標的を次々に変えてしまうオーク達。それに比べ、ケルベロス達は一点突破の集中砲火を巧みに用い、弱った敵から確実に始末して行く。
「処刑の時間だ! 貴様も綺麗サッパリ刈り取ってやるッ!!」
 先程、好き勝手にされたお返しとばかりに、アルメイアが芝刈り機型に変形させたギターを振り回しながら叫んだ。荒れ狂う回転鋸は彼女の怒りのままにオークの触手を刈り取って、そのまま本体の方もバラバラの挽肉にしてしまい。
「立ち塞がる何もかもを撃ち砕く!」
「リミッター、オールカット――聖剣、抜刀ッ!」
 自らの肉体を細胞レベルで活性化させ、猛が必殺の拳を叩き込む。同じく、アシュリーも砲槍にかけられた全てのリミッターを解除して、擦れ違い様に敵を斬る。
「ヒュデブッ!?」
「ブギョォォォッ!!」
 高熱、震動、そして電撃の三重殺に、爆発による追撃のおまけ付き。更には暴走寸前のエネルギーを束ねて生み出された光の刃が、オークの身体を一刀の下に両断し。
「エロ豚共めー! 成敗してやるー!!」
「戦術超鋼拳でとどめですっ!」
 研ぎ澄まされたリーフの一撃と、鋼を纏った瑠璃の拳。その二つを顔面に食らったオークが天まで吹き飛び、そのまま汚い星と化した。
「そろそろ仕上げと行かせてもらおうか。皆、巻き込まれるなよ」
 残るオークは、後4体。ここまで数が減れば、まとめて吹っ飛ばした方が早いと判断し、真也が仲間達に警告する。異界より呼び出した弓と刃。その双方を合わせて引き絞り、そのままオーク達のいる中心部目掛けて発射した。
「これで跡形もなく消し飛ばしてやる。行け、稲光の螺旋魔剣(カラドボルグ)!」
 超音速で飛来する光の魔剣。それが境内に突き刺さると同時に、盛大に巻き起こる大爆発!
「ブッヒョォォォッ!」
 下劣な鳴き声と共に、2体のオークが纏めて爆風に飲み込まれ消えて行った。それでも、辛うじて同胞を盾にし生き残った者もいたようだが、まだまだ処刑の時間は終わらなかった。
「ブヒィ……ブヒィ……。こ、このままでは拙いブヒ」
「こ、こんな強いやつらがいるなんて、聞いてないブヒよ……」
 満身創痍になりながら、コソコソと匍匐前進しつつ逃げようとする2匹のオーク。しかし、そんな彼らの進路上に待ち構えていたのは、よりにもよってキロとアイリスの二人だった。
「フハハハッ! 犯すのはキミ達じゃない! この私だ!」
 頭のネジが吹っ飛んだような高笑いを浮かべながら、問答無用とばかりにキロはリボルバーの銃口をオークの尻に突き刺した。そのまま零距離で銃弾を発射すれば、銃弾は中からオークの身体を引き裂いて。
「グェェェッ! お、俺様の尻がぁぁぁっ!!」
 座薬の如く撃ち込まれた銃弾により、何故か凍結して力尽きるオーク。達人の域に達した一撃が敵の尻を容赦なく破壊したところで、残る1匹へとアイリスが迫った。
「アナタが最後の一人ね。それじゃ、約束通り……天国までイかせてあげる……♪」
 残る1匹へ、誘うようにして迫るアイリス。そのまま抱き着き、脚を絡め、自ら触手に巻かれて行くが。
「ムヒュッ! ブヒョッ!? フギュルゥゥゥッ!!」
 濃厚な絡みと口づけに興奮していたオークの表情は、すぐさま苦痛と快楽の入り混じったそれに変わって行く。白目を剥き、口から涎を垂らして痙攣し、果ては触手の先端を震わせて。
「ヒュデブゥゥゥッ!!」
 その全身から汚い汁を噴出させて、最後の1匹も快楽の果てに狂死した。

●誰か清めてください
 戦いの終わった社の境内。アイリスやリーフ、そして猛による周囲へのヒールが終わったところで、キロと真也は改めて、バイトの巫女さん達に声を掛けた。
「もう大丈夫だよ」
「新年早々、とんだ災難だったな。怖かっただろう? だが、俺たちが片付けたから安心して仕事をして欲しい」
 下劣な豚も全て始末し、これにて一件落着である。しかし、オーク達による攻撃の被害を受けた者達は、なんともげんなりした様子になっていたが。
「このコート……どこまで直せるでしょうか」
 お気に入りを台無しにされたアシュリーが不安そうにコートの破損個所を見つめているが、その程度はまだマシな方。執拗に狙われ、蹂躙された瑠璃とアルメイアの二人に至っては、さっさと身体を洗いたい方が先であり。
「うぅ……新年早々に、こんなはしたない目に……」
「帰って寝るか……。正月早々、何かぶっ放すのは花火くらいでいい」
 できることなら、今直ぐにここで社の神に清めてもらいたい。帰り際の参拝にて、そんなことを願う二人であった。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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