除夜のクレーシャ事件~酉年終わらすべからず!

作者:そらばる

●除夜の鐘占拠事件
 大晦日といえば、除夜の鐘。
 イベント好きな学生グループ、二人で年越しを楽しむカップル、信心深いおじいさんおばあさん、仲の良い家族連れ……満点の星の下、老若男女、様々な人々が寺院の境内に集まり、思い思いの時を過ごしている。
 人々の視線の集まる鐘楼で、いよいよ除夜の鐘が撞かれ始めた――その時。
「酉年は我等ビルシャナの年! 終わらせてなるものか!」
 声を張り上げ躍り出たのは、一羽のビルシャナ。羽をばっさばっさやりながら、鐘を鳴らしていた住職を追い立てると、鐘楼を占拠してしまった。
 辺りはたちまち大騒ぎ。混乱する参詣客達を見下ろして、ビルシャナは高らかに笑った。
「はぁーっはっはっは! 酉年はまだまだ続くぞうッ!!」

●酉年に全力でしがみつくビルシャナ達
「本年の大晦日、各地の寺院にて同時多発的に事件が発生いたします。時神・綾(薬局店長の姫神・e06275)様の予見された通り、除夜の鐘を狙うビルシャナの手によるものにございます」
 戸賀・鬼灯(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0096)が予知した事には、ビルシャナの目的は『除夜の鐘を占拠して鳴らさせない事によって、酉年が終わるのを阻止する』……というものらしい。
 ただ除夜の鐘を鳴らせないだけ、と侮るなかれ。数多くの除夜の鐘が奪われてしまったならば、それらと、今回の首謀者である『除夜のクレーシャ』なるビルシャナの鐘が共鳴し、『酉年終わるの絶対許さない明王』が大量出現してしまう可能性があるのだ。
「また、ビルシャナは除夜の鐘の制圧を目的としております故、参詣客が襲われる危険はございません。ですが、慌てて逃げ出す人々が将棋倒しになる等の二次被害が発生する可能性がございます」
 ビルシャナはどんな障害があっても除夜の鐘を制圧するという強い意志で襲撃してくる。たとえ、除夜の鐘を撞いているのが『ケルベロス』であっても、その行動を曲げる事はないだろう。
 寺側の協力はすでに得られており、『除夜の鐘に参詣客を近づかせない』『除夜の鐘を鳴らすのはケルベロスに任せる』という約束を取り付けている。
「すなわち、皆様の手で除夜の鐘を鳴らしてビルシャナを誘き寄せ、迎撃する手筈は整ってございます」

 戦場となるのは、港町を見下ろす高台にある寺院。当該時刻、周辺は参詣客の立ち入りが制限されており、鐘や鐘楼を含む寺の施設が攻撃される事もない。
「ビルシャナは配下となる信者なども連れておらず、戦闘力も高くございません。さほど苦戦するものでもないでしょう」
 グラビティも浄罪の鐘、ビルシャナ閃光、清めの光といった、ありがちなものを使用してくるようだ。
「首謀者である除夜のクレーシャ本体の撃破には、別のチームが向かってくださいます。酉年のビルシャナ事件は、今年で最後となりましょう」
 ビルシャナ撃破後は現地解散。除夜の鐘を住職に任せるもよし、そのまま撞き続けるもよし。皆で代わる代わる撞くのも、一緒になって撞くのもいいだろう。
「年明けは間近。近隣の神社に初詣に向かうのもよろしいでしょう。眺望に優れたこの寺院より、初日の出を待つのも結構かと。皆様、良いお年を」
 ケルベロス達の勝利を確信して、鬼灯はにこやかに年末の挨拶を送るのだった。


参加者
綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749)
伽羅楽・信倖(巌鷲の蒼鬼・e19015)
井関・十蔵(羅刹・e22748)
フローライト・シュミット(光乏しき蛍石・e24978)
レスター・ストレイン(終止符の散弾・e28723)
簾森・夜江(残月・e37211)
エトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)

■リプレイ

●除夜の鐘占拠阻止作戦
 新年差し迫る夜、高台に佇む寺院にて。
 すっかり人けの絶えた境内で、ケルベロス達は鐘楼を少し遠巻きに見上げる形で、お堂や植え込み、手水舎などの影に隠れ潜んでいた。
「ビルシャナに始まってビルシャナで終わるか。さすがは酉年だな。来るだろうと思っていたが、その通りで感服する」
 伽羅楽・信倖(巌鷲の蒼鬼・e19015)は隙なく辺りを警戒しながら、呆れを通り越した感心の呟きを零した。
「除夜のクレーシャか……また傍迷惑なビルシャナだな。新年がこなければ初詣もできないじゃないか。さっさと退散してもらおう」
 レスター・ストレイン(終止符の散弾・e28723)も周辺状況の監視に怠りない。
「除夜の鐘は別に、一年の終わりを告げるのが主旨ではないと思うのですが……ビルシャナですし、我々の理屈では測れない何かがあるのでしょうか?」
 知的に首を傾げるクノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)。
「あったかそう……」
 ぽつりと呟くフローライト・シュミット(光乏しき蛍石・e24978)の視線の先には、中性的な顔立ちの女性の腕に抱きしめられるウイングキャットの姿。
「……寒いからじゃないですよ」
 淡々と答えつつ、簾森・夜江(残月・e37211)はふわもことした長毛種のサーヴァントを、大きな胸元にしっかり抱えて離さない。
 声と気配を潜めて皆が見守る鐘楼に立つのは、たすき掛けで気合を入れた綾小路・鼓太郎(見習い神官・e03749)だ。
「神職の系譜に連なる身で御座いますが、細かい事を気にしてはいけません。さて、盛大に撞きましょうか」
 大きく引かれた撞木が、釣鐘に打ち当てられた瞬間、重厚な鐘の音が方々に響き渡った。胸に響く余韻を乗せて、港町の隅々にまで除夜の鐘が届いていくのがわかる。
 ミュージックファイターたる抜群のリズム感で、余韻が伸びきった最適のタイミングを狙い澄ました二打目が重ねられる。
「成程……鐘とはこのように鳴らすものなのですネ……。深ク……余韻のある音色デス」
 日本の年越し初体験のエトヴァ・ヒンメルブラウエ(フェーラーノイズ・e39731)は、耳を澄ましながら鐘撞きの様子を興味深く眺めた。
 続けて三打目が打ち鳴らされた、その時。
「酉年は我等ビルシャナの年! 終わらせてなるものか!」
 現れ出でたるは、除夜のクレーシャに似た黒羽のビルシャナ。ばっさばっさと脅しをかけるように翼を鳴らしながら、撞木を構える鼓太郎に襲い掛かる――!
 が、その背後、さらに高々と跳躍する、禍々しい殺気漂わす人影が。
「てめぇらのお陰で歌合戦見損ねたじゃねぇかこの野郎ぉっ!!」
 着物の両肌を脱ぎ、鈍器を構え、【俺が年末恒例歌番組を見るの邪魔する奴絶対許さない明王】と化さんばかりにいきり立つ井関・十蔵(羅刹・e22748)である。
「ひんぎゃあッ!?」
 釣鐘の代わりとばかりに、ドラゴニックハンマーで激しくどつかれたビルシャナが、情けない悲鳴を上げて鐘楼下の地面に叩き付けられた。
 その周囲を、隠れ潜んでいたケルベロス達がすかさず取り囲む。
 ビルシャナの逃げ道は完全に塞がれた。
 義憤と、少々の私情を含んで、ケルベロスの攻勢が開始された。

●酉年フルボッコ
「人々が新しい気持ちで新しい年を迎えるために除夜の鐘は欠かせない行事。邪魔させるものか!」
 斬り込み隊長はレスター。燃え盛る炎を帯びた鉄塊剣が、強烈な一撃をビルシャナに叩き込む。
「ゆくぞ!」
 続けざま、色鮮やかな角と翼と尾、そして地獄化した龍の左腕を解放する信倖。巧みな槍術による超高速の突きが、ビルシャナの黒い羽根を幾重にも散らす。
「夜明けを告げる鶏が年明けを拒もう等と、笑止千万! クリスマスは過ぎましたが捌いてローストしてやります!」
 鐘楼を降り、憤然と宣言しながら、鼓太郎は極限まで高めた精神集中を爆発させる。
「シュピール。折角なので、肉の多そうな部位を狙っていくと良さそうですよ」
 ファミリアを撃ち出しつつ穏やかにけしかけるクノーヴレットに応えて、ミミックの牙がビルシャナのもも肉に食らいついた。
「ぎぃやぁぁぁっ!! や、やりおったなぁ!?」
 ほとんど反射的に閃光を発し、前衛を牽制するビルシャナ。
「体力管理は……任せて……。葉っさん……みんなに……癒しの光を……『日光浴形態』……」
 フローライトの右肩で守護を担う掌サイズの紫葉牡丹型攻性植物が、日中に溜め込んだ陽の光を、癒しの光に変えて仲間達へと放射していく。
「こちらへは通しませんよ」
 抑揚の浅い声音で断じながら、夜江は鐘楼を護る形で立ちはだかり、雷の霊力帯びた神速の突きを繰り出す。
「しゃらくせぇ真似しやがって!」
 普段の軽口を忘れ、鐘楼の上から竜砲弾をぶちかます十蔵の怒りは、一向に収まる気配がない。某歌手の記念すべきラストステージを生で目撃できない恨みは、計り知れないのである。
「歌合戦ハ……俺も見たかったデス」
 機械音響混じりの声で、少し残念そうにぽつりと零しつつ、異国の言葉で歌を歌い上げるエトヴァ。聴く者の芯を暖める旋律が、前衛の傷を癒していく。
 次々とビルシャナに降り注ぐ高火力のグラビティ。ケルベロス達は短期決着を狙って、もりもり敵の体力を削っていく。
「ぐぅぅ……このままでは酉年が終わってしまう……っ」
 夜江の回し蹴りに星型のオーラを叩き込まれ、清めの光を発して口惜しげに嘆きながらも、あっけなく弱っていくビルシャナ。
「そんなあなたに、こんなトラウマはいかがでしょう?」
 和やかに微笑みながら黒色の魔力弾を撃ち出すクノーヴレット。
「あぁっ、酉年が、酉年が、干支から外されてしまうぅぅぅぅっ」
 現実を上回る超絶悪夢に悶え苦しむビルシャナ。その命も酉年同様、着々と終わりの時へと向かっていた。

●悪あがき粉砕
「ああいかんいかんいかん! このまま酉年が終わったりしたらお前らほんと祟ってやるかんなぁ!?」
「てめぇのご託なんぞ知るか! さみぃんだよ! こっちゃあ!」
 ビルシャナのしつこい嘆き節に怒りを叩き返しながら、十蔵のハンマーが荒々しく唸りをあげる。シャーマンゴーストの竹光が原始の炎で援護射撃。
「タダではやられんッ!!」
 ビルシャナは今日一番の気合を込めて、浄罪の鐘をでたらめに打ち鳴らし始めた。一挙に前衛を襲うトラウマ。
「遍く日影降り注ぎ、かくも美し御国を護らんが為、吾等が命を守り給え、吾等が力を寿ぎ給え」
 すぐさま反応した鼓太郎の祝詞が朗々と響き、顕れた光の球で傷の深いレスターを包み癒していく。
 信倖はトラウマの攻撃を受けながらも、決してひるまず、死を恐れぬ間合いへと大きく踏み込む。蒼く地獄化した左腕から繰り出された螺旋掌が、ビルシャナの腹の内部を抉るように破壊した。
「――今だ!」
 応えるのは、師団で馴染みの仲間達。
「我が刃、火の如く」
 仲間を庇い受けた傷にも顔色を変えず、夜江は刀身に魔術の炎を纏わせる。華炎。刃が敵に触れれば傷から炎が弾け、花弁の如き火の粉が散り、ウイングキャットの紳士的な爪が追い討ちをかける。
「………und Sie?」
 人差し指を唇に当てたエトヴァの顔に浮かぶのは、時の止まるような微笑み。ripple。鏡映しの眼差しが問う。敵の深層の思想を。
 顔馴染み達の勇姿とその頼もしさに口許を緩めつつ、レスターは右半身の刺青の鎖を具現化させた。
「お疲れ様。もう酉の出る幕はない。十二年後に干支が回ってくるまで眠ってなよ」
 被虐の鎖。敵を雁字搦めに縛り付けた鎖が、壮絶な拷問の記憶を流し込み、幻覚の苦痛でもって蝕んでいく……。
 悶え苦しむビルシャナに、背後から白い腕が絡みついた。
「うふふ、捕まえました……♪ さぁ、私のこの指で奏でて差し上げますから、素敵な声で歌ってくださいね……♪」
 淫蕩なる指先の舞踏。クノーヴレットの指先が、ビルシャナの敏感な部位を探り出し、巧みな指使いで弄んでいく。
 絶妙なタッチでトサカを撫でられ、理性の蕩けかけたビルシャナに差す影。一瞬でハッと正気を取り戻すも、もう遅い。
「よぉく見て避けな……当たると痛ぇぞ? カッカッカッ!」
 妖剣、幽鬼柳。白い霞で包み隠された十蔵の凶器が不意の一撃を見舞う。春風に揺れる雪柳の如く、夜の闇に蠢く幽鬼の如く。
「……酉……年、万ッ……歳……ッ!」
 もはや満身創痍のビルシャナ、悪あがきのひと輝き。
 鼓太郎は眩い閃光に圧されながらも、毅然と立ち向かう。
「くっ……例え年末年始であろうとも、世のため人のために働き続ける方々よ。今宵、吾々の心は貴方方と共にあります。――余計な事しくさりやがりましたねビルシャナよ!」
 実家からの選別、銅貉。友人からの贈物、虚蒼月。両手に携えた大切な愛刀が、空間ごとビルシャナを斬り捨てる。
「終わらない時を求めるのは、誰しも思うものだ」
 静かに言葉を紡ぎながら、信倖は低く身を屈める。
「……安心せよ、また時が巡ればお前さんの年になろう。始まりに終わりがあれば、終わりに始まりがあるのだからな」
 天槍『荒梅雨』。瞬時の踏み出しからの、幾度となく突き出される槍の雨。黒羽と血液が雨の如く舞う。
 ボロボロに放り出されるビルシャナに、アームドフォートの空砲を利用して加速したフローライトが肉薄する。
「フローラ達も……この後やることがあるから……さっさとやられてくれないかな……?」
 華麗なるサマーソルトキックが、流星の煌めきと重力を乗せてビルシャナの顎を砕いた。
「ふぐっ……グレージャ様ああああぁぁぁ!!」
 不明瞭な断末魔の叫びを上げながら、ビルシャナは大量の黒羽を散らして消滅した。

●新年あけましておめでとうございます
 静けさを取り戻した境内に、梵鐘の荘厳な音色が再び響き渡る。
 撞木を持つのは寺の住職。除夜の鐘の続きを、ケルベロス達は本職の手に戻す事にしたのだった。
「私の煩悩は108どころではないと思いますので……」
 クノーヴレットの意味深かつ艶やかな断りに、住職の顔がちょっと赤くなったように見えたのは、気のせいではないかもしれない。
 ヒールによる修復を済ませ、除夜の鐘と人の流れが戻ったのを見届け、ケルベロス達の任務は終了した。
「よし、初詣だな! それから海から昇る日の出とやらを拝ませてもらおう」
 信倖の言葉に、皆がわっと盛り上がる。
「そんじゃサケ……じゃなかった。般若湯でも飲んで待っていようじゃねえか」
 竹光と一緒に各種ドリンクを抱え、すっかりご機嫌の様子で日の出待ちの場所を物色し始める十蔵。
「日の出の前に……お土産……あとおみくじも……」
「私もお守りと破魔矢を。旅団の皆さんのお土産にしましょう」
「良いですネ。初詣、御守り、破魔矢……日本文化を沢山学びたいデス」
 フローライト、夜江、エトヴァと、続々と初詣へ向かうケルベロス達。日本文化に不案内なエトヴァに仲間達があれこれ教えて上げたり、破魔矢を授かったり、数あるお守りの中から悩みに悩んで一通りの種類を購入してみたり。楽しくも和やかな時間はあっという間に過ぎていった。
「無事に新年……だね……」
 除夜の鐘の最後の一打ちに耳を傾け、フローライトが呟いた。
 やがて夜も明け、東の水平線が白み始めた頃。ケルベロス達は高台に突き出すように建てられた、東屋のようなお堂の上に集合した。
「皆と初日の出を眺められるなんて、わくわくするよ」
 嬉しそうに持参の甘粥を振る舞うレスター。
「願い事は……迷いますね」
 日が昇るであろう方角を見つめながら、夜江は思索を巡らす。
 十蔵からお裾分けをされたエトヴァは、ハンニャトウなる謎のワードに首を傾げていたが、その香りをかいで納得したように破顔した。
「あア、寒い中では温まりますネ」
 ちなみに当の十蔵は、ぐでんぐでんになって欄干にもたれ、日の出間近には、真理を見抜く深い智慧の香り濃厚な大鼾をかき始めてしまった。
「今年は色々あったな。たくさんの友人ができて、仲間と出会って、みんなの力を借りてワイルドハントや宿敵を倒して」
 仲間達との歓談を楽しみながら、レスターの脳裏には幾多もの思い出が通り過ぎていく。
「来年はどうなるんだろう……」
 視線を転じた先には、強く煌めく水平線。
 いよいよその全貌を明らかにしようとしている初日の出に、鼓太郎は目を細める。
「嗚呼……美しいものですね……」
「……空気が澄んデ、輝いて見えマス……清々しいですネ……」
 エトヴァは心地よい空気に身を浸し、陽をじっと瞳に映す。
「葉っさんも……嬉しそう……」
 もそもそと動いて陽の光を浴びる攻性植物を、穏やかに見守るフローライト。
「皆さんが無事でありますように」
 手と手を合わせ、初日の出を拝む夜江が選んだ願い事は、皆の無病息災。傍らのウイングキャットも同じく、熱心に日の出を拝んでいる。
「今年もいい年になりそうだ。あけましておめでとう。皆、よろしく」
 美しい輝きを目に焼き付け、レスターは皆に笑顔を向ける。
「今年もまた、色々と知らないコトを知っていきたいと思います。ケルベロスとしても……そうですね、できる限りは」
 甘い香りに染まった吐息を零し、初日の出を眺めつつ新年の抱負を語るクノーヴレット。
 作法に則り初日の出を拝み終えた鼓太郎は、気持ちも新たに顔を上げた。
「そうだ、帰ったら社で祝詞をあげませんと」
 和気藹々と新年を祝う仲間達。
 その姿を見守りながら、信倖は空になった盃を片手に、願いを紡ぐことなく、ただ寂しげに微笑んだ。
 鱗のように波立つ海を煌めかせ、徐々に高度を上げていく初日の出は、全ての人々を祝福するように、暖かな光で新たな年を照らすのだった。

作者:そらばる 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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