溝と絆と兄弟弟子

作者:飛翔優

●先を越された兄弟子は
 明かりは差さず、冷たい風だけが吹きすさぶ、頼りない蝋燭の灯火だけが頼りとなる廃ビルの一室。
 1人の年若そうな男性が、椅子に縛り付けられていた。
「ショウさん、どうして……」
 涙と戸惑いが混じる声が響く中、ショウと呼ばれた精悍な男は新たな蝋燭に火を灯していく。
 ショウは自分の顔を映し出すかのように燭台を持ちながら、男性に冷めた瞳を向けていく。
「どうしてもこうしてもねえよ、カンスケ。俺はお前より先にあの店に入った。3年も先にだ。腕は磨いてきた自負はある、お前も、兄弟弟子たちも美味いと言ってくれている。親方に任されたシフト管理だって、多少の不満はあれどうまくやって来た。なのに、なんでお前なんだ」
 ゆっくりと男性……カンスケへと歩み寄った。
「なんでお前が先に暖簾分けされたんだ。俺はまだだ、まだ未熟だって言われ続けてきたのに。なぜ……」
「それは……」
 カンスケは視線を外し、言いよどむ。
 気にした様子なく、ショウは暗闇からハンマーを拾い上げた。
「まあ、いい。今はもう、そんなこと。だが、俺の気は収まらねぇ。だから」
 ハンマーを思いっきり振り上げた。
 灯火に、羽毛に覆われた腕を映しながら。
「てめぇをぶっ壊す。暖簾分けなんてさせねえ、俺が先だ。俺が先に、あの店の味を……」
「……」
 振り下ろされたハンマーは、唇を固く結ぶカンスケの右足へと……。

●ビルシャナ攻略作戦
 足を運んできたケルベロスたちと、挨拶を交わしていくセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)。メンバーが揃ったことを確認し、説明を開始した。
「東京都の都心部にある廃ビルで、ビルシャナを召喚したショウさんと言う名前の男性が事件を起こそうとしているみたいです」
 彼はとあるラーメン屋で修業を行っている30代の男性。
 先に暖簾分けされたという理由で弟弟子であるカンスケを逆恨みし、それを理由に復讐をしたいとビルシャナに願った。その願いが叶えばビルシャナのいうことを聞くという契約を結んでしまったのだ。
「ですので、ショウさんが復讐を果たして心身ともにビルシャナになってしまう前に、カンスケさんが理不尽な復讐で亡くなってしまう前に、助けてきて欲しいんです」
 続いて……と、セリカは地図を取り出した。
「ショウさんがカンスケさんを連れ出した場所はこの廃ビルの5階フロア。彼ら以外には誰もいないがらんどうの空間なので、フロア内に足を踏み入れた直後に行動を起こすことができるかと思います」
 そのため、まずはショウとカンスケを引き剥がす。その上でショウと……ビルシャナと相対するという流れになるだろう。
「戦いに持ち込めば、復讐の邪魔をする皆様の排除を優先するはずです。ただし、自分が敗北して死にそうになると、カンスケさんを道連れにするために殺そうともしてきますので、注意も必要です」
 また、ビルシャナと融合してしまったショウは、基本的には一緒に死んでしまう。
 しかし、可能性は低いが、ショウが復讐を諦め契約を解除すると宣言した場合、撃破後に人間として生き残らせることもできるようだ。
「この契約解除は心から行わなければ行けません。脅迫で無理やり言わせても救出にはつながりません。そのことを考慮に入れておいて下さい」
 最後に、相手の戦闘能力について。
 ビルシャナ1体。戦闘方針は、最大限の力で相手を叩き潰す短期決戦型。
 グラビティは3種。
 複数人を威圧するビルシャナ閃光。
 焼き払う孔雀炎。
 複数人のトラウマを呼び起こす浄罪の鐘。
 以上で説明は終了と、セリカは資料をまとめていく。
「実際のところ、何が原因でショウさんが暖簾分けされないのか、カンスケさんが先に暖簾分けされたのかはわかりません。あるいは、カンスケさんはその理由を知っているのかもしれませんが……それでも、この復讐が理不尽なものであることに違いはない、そう思います。ですのでどうか、全力での行動をお願いしますね」


参加者
馬鈴・サツマ(取り敢えず芋煮・e08178)
彩瑠・天音(スイッチ・e13039)
レグルス・ノーデント(黒賢の魔術師・e14273)
モモコ・キッドマン(グラビティ兵器技術研究所・e27476)
天変・地異(爪飛吸血竜・e30226)
有頂天・独尊(酒池肉林・e33043)
御堂・神之助(爽やかな笑顔を・e43378)
風祭・光輝(赤頭巾の処刑人・e43379)

■リプレイ

●すれ違う弟子たち
 ――慎重に事を進める余裕など、なかった。
「そこまでです! これ以上の狼藉はゆるしません」
 モモコ・キッドマン(グラビティ兵器技術研究所・e27476)が声を響かせる。
 暗闇の中に1つだけある明かりの中、ハンマーを掲げていた羽毛を持つ男……ショウが動きを止めた。
「なんだ、お前たちは!」
 応じず、モモコは駆ける仲間と共に。
 廃ビルの、暗闇の中心におぼろげな灯火が揺らめいているだけの5階フロアを。光ある場所の中心で椅子に縛り付けられているカンスケを救い出すために。
 邪魔されては叶わぬとばかりにショウが進路を塞いできた。
 彩瑠・天音(スイッチ・e13039)が速度を上げ、間合いへと踏み込み、ハンマーを握る右手めがけて蹴りを放つ。
 脚と腕がぶつかり合う力強い音色が響き渡った。
「悪いけど、止めさせてもらうわよ」
「少し頭を冷やすっすよ!」
 ショウをカンスケのもとから引き剥がすため、馬鈴・サツマ(取り敢えず芋煮・e08178)はウイングキャットのタロイモと共に横合いから襲いかかった。
 舌打ちと共に、ショウは天音を跳ね除け飛び退る。
 サツマとタロイモの斬撃が空を切る中、モモコたちはカンスケを縛る縄を解き後方へと下がらせていた。
「……何なんだよ、一体」
 苛立たしげな言葉とともに、懐から鐘を取り出していくショウ。
 ビルシャナと契約した証を見つめながら、ケルベロスたちもまた身構え――。

 仕掛けず、有頂天・独尊(酒池肉林・e33043)が切り出した。
「事情は聞いておる」
 ショウが眉をピクリと持ち上げる。
 見逃さず、けれど特に反応はせずに独尊は続けていく。
「わしには、兄弟弟子とか店など分からぬがのう。一つ言えるとしたらのう、折角一緒に切磋琢磨した仲じゃろ?」
 赤い瞳で睨みつけたまま。
 オーラを激しくたぎらせながら。
「それでいいのかのう? どうせならキチンと然るべき勝負で勝ったらいいんじゃ。その方が満足いくんじゃないのかのう?」
「……冗談。結論は出ている。俺だけじゃねぇ、カンスケが1番よく知ってるはずだ。日々、腕を競い合って来たんだからな」
 ショウが視線をそらす。
 暗闇の中、カンスケが頷く素振りを見せていく。
 そんな素振りを感じながら、御堂・神之助(爽やかな笑顔を・e43378)もまた語りかけた。
「だったらなおさら、君に兄弟弟子の絆と言うものがあるならば、想像してごらん? 彼がいなくなった後の事を。虚しさが残らないか?」
「……」
 返答はない。
 それは迷いか、それとも黙殺か。
「まだ可能性はある、自分を信じることだよ。神は君を見捨てない」
 前者であると信じ、神之助はショウの瞳を見つめていく。
 血走り、揺れることのない黒い瞳。鉤爪に似た拳は解かれる事なく、全身から発せられている殺気が薄れることもない。
 視線や小さな足の動きなど、暗闇に隠れ見えないはずのカンスケへ襲いかかる隙を伺っている様子も感じられたから、天音はわざと音を立てながら前に出て注意を引いていく。
「ショウ。アンタ、ラーメンは好き?」
「ああ、当然だろ」
「なら好きでしょう? ラーメンも、店も、親方も、弟弟子のカンスケの事だって。どうでもいいなら、そんな姿になる事もなかったでしょう?」
 沈黙。
 それを肯定と解釈し、続けていく。
「まだ間に合うわ。親方がアンタに未熟だって言ったのは、きっと、あと一歩を自分で考えてほしかったから、その先の未来をアンタに期待したからよ」
 全ては推測、証拠などない。
「ラーメンも……親方の味も好きだからこそ、修行を頑張ってたんでしょう? なら、その好きな気持ちも、その腕も、血に染めちゃダメ」
 推測するに足る要素を提示できれば、きっと心へと届くはず。
「まだ間に合う。アンタが、アンタ自身を諦めないで、アンタの未来を取り戻して」
 言葉を紡ぎ終えるとともに、まっすぐにショウの瞳を覗き込んだ。
 ショウはしばしの間、瞳を閉ざし……口の端を笑顔に歪めていく。
「は、ははっ、何を言うかと思えば……だからこそ、だからこそだ! 好きだからこそ知っている、好きだからこそわかっている。ラーメンの事も、親方の事も、カンスケの事も、だから……!?」
 言葉半ばに、レグルス・ノーデント(黒賢の魔術師・e14273)の操る竜のオーラがショウの左足を掠めていった。
 怪我の様子を確認したらしきショウが変わらぬ表情で向けてきた視線を受け止め、レグルスは語りかけ始めていく。
「兄弟子としてのプライドが許さなかったのか。ぶっちゃけ悔しいってのは分らなくもねえが復讐すると言うのは違うだろ。逆に見返してやるって言う気概を見せろや」
 可能な限りもとに戻してやりたい、助けてあげたい。
 そのために少しでも今の状況を引き伸ばさなければならない。
「怒りに身を任せて今まで培ってきたもん全部捨て去る気か」
 言葉を届け続けることができるように、誰かの言葉が突き刺さってくれるはずだから。
「カンスケもこうなった原因何か知ってんだろ?」
「……」
 おそらく、カンスケは最も答えに近い場所にいる。
 だからこそ水を向けたけれど、カンスケは視線を逸し唇を真一文字に結んでいた。
 言えないのか、言うべきことではないと判断しているのか。
 時は過ぎる、誰かが口を開かぬ間も。
 場は動く、ショウが炎をたぎらせた時。
「……てめぇらに何が分かる。どうせカンスケも、俺を」
「おっと」
 天変・地異(爪飛吸血竜・e30226)が雷を宿せし拳を突き出し、ショウの頬を掠め炎を霧散させていく。
 右腕に痛みを感じながらも退かず、至近距離から語りかけた。
「アンタ。今、何考えてるのか知らねぇが、止めたほうがいいんじゃない?」
 睨まれて調子は崩さない。
「もしカンスケさんの言い分っていうか話を聞く余裕があるなら、話を聞いてみたらどうだ? 暖簾分けのその理由を」
 拳を引くと共に暗闇へと視線を送り、今一度カンスケを促していく。
 暗闇の中、カンスケは迷っているような雰囲気を伺わせていた。
 それは親方に口止めされているなどといった良い秘密だからか、それとも……伝えるべきではない真実だからか。
 幸い、ショウは動かない。
 殺気は消えていないけれど仕掛ける隙も見いだせないのか構えたまま動かない。
 瞳は、相変わらず憎しみに血走ったままだけれど……。

●真実は時に
 冷え始めた5階フロアに、深く深く根付き始めた沈黙。
 ショウの苛立ちがリズミカルな音色を刻み始めていく。
 もう、長くは保たないと判断し、モモコが間合いの内側へと踏み込んだ。
 即座に向けられた視線を受け止めながら、胸を張り自分を指し示す。
「私は孤児でした。施設を脱走して、誰も信じずに生きてきた。だからそもそも仲間なんて持ったことありません」
 正直な話をしてしまえば、かけることばなど見つからない。
「だから、貴方の気持ちはわからない、わかりたいとも思わない。……でも、ひとつだけ確かなことがある。この復讐は間違っている!」
 けれど、それでも救い出したいから、全力で言葉をぶつけていく。
「カンスケさん、貴方、ショウさんが暖簾を分けてもらえない理由わかってるんじゃないですか?」
 ショウだけではなくカンスケにも。
 どんな真実であれ、きっとそれがショウを救い出す事に繋がるから。
「このままであれば、我々はショウさんを殺さなくてはいけない。彼を助けたいなら、本当のことを教えてください!」
「ショウ。お前に店と弟弟子を想う良心があるなら聞いてくれ!!」
 風祭・光輝(赤頭巾の処刑人・e43379)もまた切り込んだ。
 ショウだけではない、カンスケの心にも届くように。
「オレには双子の兄がいる。義理の弟もだ。だがオレは、兄と違って親不孝者だった。親から縁を切られたし。兄は良くできた人だ」
 フロアの隅まで届く程に力強い声音で。
「だけど、兄は。そんなオレをたった一人の大切な弟として兄弟の絆を切らなかった!!自慢の兄だよ」
 まっすぐに瞳を見つめながら。
「それなのに、お前は切ってしまうのかよ、絆ってやつを!! 大切な弟弟子じゃないのかよ!? 店も大事だけど、絆ってもんが一番大事だろ!?」
 紡ぎ続けた想いの丈。
 力強い視線。
 ショウは拳を震わせていく。
「黙れ、てめぇらに何が分かる! 俺は努力してきた。朝も、昼も、夜も。春も、夏も、秋も、冬も! いつか親方に認められる日を信じて、いつか暖簾分けされて、親方のラーメンの名前で店を出せる日を信じて、だのに!」
 怒りが形をなしたかのように、再び炎が逆巻いた。
 ケルベロスたちが反撃を防ぐために動く中、サツマは改めてカンスケへと問いかけていく。
「ひょっとして、親父さんはもう長くないんじゃないっすか?」
 間違っててもいい。
 きっと、真実を引き出す力となるはずだから。
「ショウさんは腕が確かで、シフトまで任されてるのに……となると、ショウは分店さんじゃなくて本店を任せたいんじゃないか、って思ったんすよ」
「……」
 カンスケは視線を逸したまま、力なく首を横に振る。頭を抑え、唇を震わせていくさまを見せた。
 それだけで終わりにしてはならないから、サツマは更に踏み込んでいく。
「このままじゃ、誰も幸せになれないっす。ショウさんは命を落とし、カンスケさんは兄弟子を失い、親方は弟子を失う……だから、話してくれないっすか。それがどんなにショッキングな真実でも、きっと、ショウさんへの何よりの救いになるはずっすから……」
 答えを待つ中、炎が天井を焦がす。
 眩いほどの光に映し出されたカンスケの横顔には涙が浮かんでいて……。
「……嫉妬、です」
 絞り出すかのような言葉とともに顔を上げ、ショウを見つめた。
「聞いたんです、暖簾分けの話があったとき、ショウさんの事を。そしたら、親方は、嫉妬してました。ショウさんの才能に、その努力に。だから……暖簾分けはしない、本店を任せることもない。自分のところで使い潰す、って……」
「……んなこと」
「ショウさん、親方大好きでしたもんね。だから、知らせたくなかった。でも……」
 再び沈黙が訪れる。
 ショウは口をつぐんだまま動かない。
 ケルベロスたちもまた言葉を探す。ショウをこちら側へと引き戻すための、新たな言葉を……。

 天音の唇から、深い深い雨域がこぼれた。
「なんというかもう、あれね。色々と受け止めきれないこともあると思うけど……」
 頭をかきながら、びしっとショウを指し示す。
「とりあえずアンタは、あるべき自分を取り戻しなさい。絶望するのは全部確かめてからでも遅くはないはずよ」
「黙ったってことは、こんなになっても信頼してるんだろ、カンスケの事を」
 レグルスもまた肩をすくめ、戸惑い揺らめく瞳を見つめていく。
「だったら、今、やらなけりゃ行けないことはわかっているはずだ。違うか?」
「さあ、復讐などやめて……ビルシャナとの契約を破棄するんです!」
 元気よくモモコが促した。
 全てはショウとカンスケの未来の為に。
 バツが悪そうに視線を逸していくさまを見て、光輝が言葉を差し向ける。
「もしカンスケに悪いって思ってんなら、やっぱ生きなきゃならねぇよ。そのためにも、その力は捨ててくれ。後は俺たちが何とかするから」
「きっと、カンスケさんもそれを望んでいるはずっすよ。ね、カンスケさん」
 サツマはカンスケへと水を向けた。
 カンスケは力強く頷いた。
 再び視線をショウへと戻せば、深い深い溜め息を吐いている様が見える。
「……何やってるんだろうな、俺」
「悔やむのならば進むんだ。自分の意志で、一歩前に」
 優しく、穏やかな声音で神之助が促した。
 頷き、カンスケは高らかに宣言する。
「ああ。今、ここに、ビルシャナとの契約を破棄する!」
 迷いなき言葉がフロア中に響き渡る。
 独尊はにやりと笑い、拳を固く握りしめた。
「んじゃ、ちっと痛いかもしれんが、我慢しとくれ。すぐにもとに戻してやるからのう」
「……手加減しろとは言わないが、やりすぎないようにしろよ」
 傍らでは地異が肩をすくめつつ、爪を構えた。
 ケルベロスたちはショウからビルシャナを引き剥がすために攻撃を仕掛けていく。
 ショウが抵抗することはない。
 1人として被害を出すことなく、ケルベロスたちはビルシャナだけを打ち倒すことに成功した。

●未来は一緒に
 戦いが終わり、冷めた沈黙に支配されていた5階フロア。
 程なくしてショウは目覚めた。
「……済まなかった。あなたたちの言葉がなければ、とんでもない事をしでかしてた……たとえカンスケから真実を聞いても、受け入れることができなかったと思う。だから……ありがとう、救ってくれて」
 ショウは謝罪と感謝を述べた後、側で看病し続けていたカンスケと言葉を交わしていく。
 一緒に親方に尋ねてみる。
 答えによっては店を止めて独立する。
 その時は協力する、一緒に店を……と。
 未来への希望が組み立てられていく光景を見つめながら、光輝は傍らに立つ神之助に問いかけた。
「今だから聞きたいんだけど、兄さんは出来の悪い弟をどう思ってるの?」
「僕はどんな形であれ君を大切な家族だと思ってる。天変は義理の弟だけど大切な家族だ。そういうものさ」
 視線を交わした後、再びショウたちを見つめていく2人。
 さなかにはレグルスが、ショウの肩を軽く叩いていく。
「おめ―さんが作るラーメンが気になるから今度食いに行くわ。サービス宜しくぅー」
「……ああ。しっかりとラーメンを作れるようになったら、案内を送らせてもらう。……楽しみにしていてくれ」
 その横顔に指す影が完全に晴れたわけではない。
 けれどきっと、何があってもカンスケが支え続けてくれることだろう。
 心配ないと判断したか、独尊が懐にぶら下げていた酒壺に口をつけつつ強引に地異の肩を汲んだ。
「ちと、腹減ったかのう。天変!! ラーメン食いに行くぞ」
「はいはい、オレの財布から野口さん消えるんでしょ。はいはい……」
 慣れた様子で、地異は独尊と共に歩き出す。
 ラーメンを求め街を彷徨うため。
 闇に彷徨っていた職人を救い出すことのできた、証として――。

作者:飛翔優 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年12月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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