役目を終えても輝きたい

作者:そらばる

●息を吹き返す電化製品
 粗大ゴミや家電がうずたかく積み上げられたゴミの山の頂上に、風変わりな廃棄物が捨て去られていた。
 骨組みに小さなライトを散りばめられて作られた、簡素ながら愛らしいトナカイのイルミネーションだ。あちこちライトが欠けており、通電もしていない姿は、役目と寿命を終えた貫禄や物悲しさを感じさせた。
 そのトナカイの傍らに、忍び寄る大きな蜘蛛。握りこぶし大の、コギトエルゴスムに機械の足を生やした小型ダモクレスである。
 蜘蛛ダモクレスがこそこそと、トナカイの体内に潜り込んだ――その時。
「……きら……きら……ぴか……ぴか」
 トナカイの全身のライトが、不規則に明滅を始めた。それらは徐々に輝きを増し、骨組みの薄い部分を埋めるようにライトを増殖させ、瞬く間に生命力のような力を漲らせ……。
 ついに、トナカイは自立した。全身を誇らしげに輝かせながら。
「ぼくはひからなきゃ。ぴかぴかよるをかざるんだ。きらきら。ぴかぴか」
 野生動物の如く首を巡らせて街を一望したのち、煌めくトナカイは活き活きと、軽やかな足取りでゴミの山を下っていった。

●神々しきトナカイ
「どうも不法投棄やないみたいやね……去年のクリスマスでお役御免になったってところやろか」
 宝来・凛(鳳蝶・e23534)が資料に目を走らせながら呟くと、戸賀・鬼灯(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0096)はしとやかに首肯した。
「左様にございましょう。随分と年季の入った飾り物のようでございますから」
 年末差し迫るこの時期に、ゴミ集積場に捨て去られたトナカイのイルミネーションが、ダモクレスへと変じてしまう事件が発生する。
 まだ被害は出ていないが、放置すれば人々の虐殺が開始され、グラビティ・チェインが略奪されてしまうだろう。
 人々と街に被害が出る前に、現場に赴き、トナカイのダモクレスを撃破する。
 それが、ケルベロス達に課せられた依頼である。

 敵はトナカイのダモクレス1体のみ。
 元になったイルミネーションは、骨組みに白一色のライトを這わせた簡素かつデフォルメされた物だったようだ。ダモクレスはそれを基に、よりライトの数を増殖させ、野性的な形状に変化している。
「電力を帯びた角で突撃する、全身を強烈に発光させる、ライトを段階的に明滅させる、といった攻撃を行って参ります」
 現場は都市部から少し離れた郊外のゴミ集積場。広い敷地に、うずたかく積み上げられたゴミの山が点在しており、トナカイは神々しく光り輝きながら、野生動物のようにその山々を動き回るようだ。
 事件発生は深夜。集積場付近に人通りは皆無になる為、避難や人避けは不要である。
「トナカイには、廃棄されたイルミネーションの残留意志のようなものを受け継いでおります故、その言動も本来の役割を彷彿とさせる物となりましょう」
 さりとて、まともな会話や交渉が成り立たないのは明白。ダモクレスに変じたからには、結局は人々の虐殺へと帰結していくのだ。
「役目と寿命を終えたイルミネーションの供養の為にも、確実な撃破を、皆様、お願い致します」


参加者
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)
市松・重臣(爺児・e03058)
狼森・朔夜(迷い狗・e06190)
リュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996)
フリードリッヒ・ミュンヒハウゼン(ほら吹き男爵・e15511)
音無・凪(片端のキツツキ・e16182)
シエラシセロ・リズ(勿忘草・e17414)
宝来・凛(鳳蝶・e23534)

■リプレイ

●輝く命
「きらきら……ぴかぴか……」
 夜陰に沈むゴミの山に、凛として佇む、輝くトナカイ。
 そのゴミの山を、下方からいくつもの照明の光が照らし出す。
 遠いどこかを見つめるようなトナカイの眼差しが、敏感に翻り、袂に集結しつつある気配を見下ろした。
「いやぁ綺麗なものだね。これで人のグラビティを狙わなければ、このままにしておきたいところなんだが」
 フリードリッヒ・ミュンヒハウゼン(ほら吹き男爵・e15511)はトナカイを見上げ、破壊するのは少し惜しいと、素直な称賛を送った。
「ちょいと物悲しいカンジもするぜ。捨てられて役目が終わりになっても、まだその本分を全うしようってところは、ちょいと応援したくなるよな」
 防寒対策もぬかりない木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)はぼやく。かといって、当然、虐殺を許すわけにはいかない。
「寿命を迎えたイルミネーションを、ダモクレスに変えるなんて」
 決して許せない、と義憤を秘めて呟くのは、リュセフィー・オルソン(オラトリオのウィッチドクター・e08996)。
「ダモクレスのやったことは放置できねぇが……」
 言葉少なな狼森・朔夜(迷い狗・e06190)がぽつりと零す。
「イルミネーションにとっては、ある意味、もう一度表舞台に立つチャンスなのかな」
「旬を過ぎてお役御免か。感情移入し易い形だからだけど、こーゆーのが捨てられてるのを見ると……ね」
 音無・凪(片端のキツツキ・e16182)はそう呟くと、感傷的になってしまった自分自身に毒づくようにかぶりを振った。
「あぁやだやだ、仕事と割り切ってさっさと片付けよーぜ」
「もっと輝いてたい、まだ引退したくない……ってのは分からんでもないけど、脅威を伴うなら看過は出来へん」
 ウイングキャットの瑶と揃って灯りを体に固定した宝来・凛(鳳蝶・e23534)は、豪快にハンマーを差し向ける。
「だな。俺達の手で、今度こそきっちりと眠らせてやろうぜ」
 腹をくくったウタの言葉に、皆は大きく頷いた。
 ケルベロス達が各々持ち寄った照明が、ゴミ山の袂を照らし出す。
 灯りに浮かび上がる地上とケルベロス達を、トナカイは澄んだ眼差しで見つめている。
「きらきら。ぴかぴか。ぼくも、もっとひからなきゃ」
 稚く聞こえる呟きを零すと同時、野性的な全身のライトが、目を射る強烈な白光を放射した。そのプレッシャーに押し込まれるケルベロス達。
「長らく人の目や心を楽しませてくれた存在が、傷付ける存在と成り果ててはいたたまれぬ」
 目を引くサンタコートで装った市松・重臣(爺児・e03058)は、その輝きを正面から受け止めながら、手にした鎖に力を籠める。
「殺戮兵器と化す前に、せめて輝かしく最後の舞台の幕を引こう」
 仲間の盾となったその背後で、冷気が凝縮していくきらめき。
「最後の輝きは、人を傷つけるものにしちゃいけないんだ」
 流動する凍気を纏いながら、シエラシセロ・リズ(勿忘草・e17414)の物怖じ知らずの真っ直ぐな視線が、トナカイを射る。
「止めるよ、ここで。――さぁ、派手に行こうか!」
 時間をも凍らせる弾丸が、一直線にトナカイを打ち据える。
 辺りに散った氷粒がトナカイの輝きを反射して、キラキラと美しくゴミ山を彩った。

●ゴミ山に満ちる輝き
 氷を帯びて神々しさを増したトナカイを、フリードリッヒの銃口が捉える。
「ちょーっと眩しすぎるね。光量を落としてもらおうか」
 続けざま撃ち込まれたエネルギー光弾に、トナカイの輝きがわずかに力を失ったように見えた。
「折角綺麗な輝きを取り戻した所悪いけど、此処で勇退して貰うよ」
 集中砲火から逃れるように別のゴミ山へと飛び移るトナカイを、凛の放った竜砲弾が猛追する。
「――あとぴかぴかに戯れたい気持ちは分かるけど、ええ子にするんやで瑶!」
 凛に釘を刺されたサーヴァントは、今にも飛び出しそうになっていた前傾姿勢をぴゃっと正すと、翼をはためかせて回復活動に従事し始めた。さらに重臣がサークリットチェインで、凪が五界・陽炎で、治癒と守護を重ねていく。
「悔いが残らないよう、派手に送ってやろう」
 その呟きを最後に、朔夜は口を閉じ結び、戦いに没頭するようにエアシューズを駆った。力任せに繰り出した飛び蹴りが、トナカイの背に打ち込まれた瞬間、流星の煌めきを華々しく散らす。
 追随し、トナカイの懐へと飛び込むウタ。一呼吸の刹那に達人の一撃が一閃し、細氷が軌跡を描いて煌めく。
「必ず、止めるわ」
 静かな決意と共に、リュセフィーのライトニングボルトが戦場を明々と彩り、近衛木・ヒダリギ(森の人・en0090)はそっと添えるように黄金に輝く果実を実らせる。
 トナカイはいくつものゴミ山を飛び回りながら、グラビティの雨あられを凌ぎ、角をいっそう神々しく輝かせた。
「きらきら。きらきら。ぼくのつのが、いちばんあかるい」
 輝く角に白い放電を纏わせながら、トナカイがゴミ山を駆け下りる。細氷とグラビティの光に煌めく夜を、白い獣の肢体が一閃する。
 正面から突撃するその質量を、我が身とヌンチャク型如意棒で受け止めたのは、重臣。
「なんの! 儂も老いたる身なれど、まだ朽ちる訳には行かん。負けじと踏ん張ろうぞ八雲よ!」
 如意棒が放電する角を捌き、腕に残る痺れを無視して正確な一撃を返す。
 畳みかけるオルトロスの瘴気に押し戻され、ゴミ山の頂上へと舞い戻ろうとするトナカイの背を、躍り出た影が強襲する。
「キレイだね。でも、ここから出してはあげない。見てあげられるのはボクらだけだけど、その分キミの最後を彩るよ」
 シエラシセロの電光石火の蹴りが、トナカイの首の付け根を強襲し、激しい火花を散らす。
「トナカイには雪がないとね」
 飄々と呟くフリードリッヒが極寒の凍結光線を照射し、それに合わせるようにして声もなく肉薄した朔夜が、パイルバンカーを大きく振りかぶる。
「――はぁぁッ!」
 戦いの熱量を一挙に吐き出すような一撃は、雪さえも退く凍気を敵へと打ち込んだ。

●最後の花舞台
 ケルベロス達は陣を整え、自身の牙を研ぎ、敵の機動を削ぎながら、氷と光で爛漫と戦場を彩った。敵に利用されてしまったイルミネーションの、最後の晴れ舞台を飾るために。
「役目はいつか終わり、失われるもんだ。美しい結末なんてものは、当人の納得でしか肯定出来ない」
 呟く凪の手に握られるのは、愛刀『天華』。
「だから……こっから先は、ただのワガママってやつなんだろうさ。部外者が押しつける、勝手な理想だよ」
 くすみ一つ無い純白の刀剣が、卓越した技量を乗せて一撃を繰り出す。氷結がトナカイを侵食し、細氷混じりの霞が光を反射してきらめいた。
 膨大な霜を帯び、凍気に、光に取り巻かれながら、トナカイは未だ膝をつこうとはしない。
「ぴかぴか。ぴか、ぴか。……もっと。もっと。ひからなきゃ」
 トナカイの全身のライトが不意に力を失ったように見えた、次の瞬間、激しい明滅がケルベロスの網膜を強襲した。めまぐるしい点滅に目が眩み、意識を乱される……。
「……近衛木、頼む」
「すぐになおす」
 凍気を杭に凝縮させながらぶっきらぼうに要請する朔夜に短く応えて、攻性植物を黄金色に輝かせ始めるヒダリギ。
「わたしも治療します」
 小さな翼をぴんと伸ばすと、リュセフィーはオーロラの如き光で仲間達を包み込み、ヒダリギと力を合わせて、前衛に蔓延していた眩暈を完全に取り払った。
「しかし消耗の蓄積が馬鹿にならんのう。凛、八雲、前線は頼むぞ!」
「了解や!」
 重臣は鎖で魔法陣を描き出し、揺と協力しながら陣営の消耗をフォローする。攻撃を託された凛と八雲は、ゴミ山を駆け上がり刃で果敢に攻め立てていく。
 やがてトナカイの神々しい輝きの中に、回線がショートしているかのような火花が散り始めた。軽やかにゴミの山々を飛び交っていたその脚が、もつれるようにたたらを踏んだのを、シエラシセロは見逃さない。
「弱ってきてるみたいだ、あともう少し……!」
 仲間へと呼びかけながらも、敵の動きを的確に見取り、「虚」の力を纏った刃で激しく斬りつける。
「きら……きら……」
 トナカイはなおも立派な角を輝かしく放電させる。わずかによろけながら、しかし確かな意志を芯に宿した突進。
 突撃を真っ向から食らった衝撃に、歯を食いしばって耐え、ウタは毅然と視線を返す。
「キラキラして夜を飾るのは、それを見た人達が喜んでくれるからだろ」
 トナカイの透明な眼差しは、答えない。
「ならそんな人達を殺すなんてこと、ホントはお前はしたくない筈だって、俺は信じてる!」
 ウタの全身を覆うオウガメタルが流動する。地獄の鬼の鋼鉄の腕。光を受けて放つは白銀の一撃。
 敵の装甲を砕かれたその瞬間に、抜け目なく距離を詰めるフリードリッヒ。
「雪とイルミネーションとその他諸々、追加だよ」
 影の如き斬撃が、軌跡も見せずに獣の首へと吸い込まれ、密やかに急所を掻き斬った。
 獣の全身が雷に打たれたように大きく跳ね、金属パーツが悲しげな軋みを上げた。

●夜はきらめいている
「きらきら……ぴかぴか……」
 数多の戦傷と、戦いのきらめきに取り巻かれながら、トナカイはどこか遠くを見るように、戦場を見つめる。
 活き活きとグラビティを解き放つ、ケルベロス達の輝きを。
「今俺達が止めてやるぜ」
 ウタの振り抜く得物の軌跡を成すは断罪の炎。紅蓮の輪舞の相手は地獄の焔摩。火の粉がきらきら、めらめら、闇夜を彩る。
 凪は黒い外套とマフラーをはためかせながら、肩口から指先までオウガメタルの光沢を帯びる義骸の右腕に、地獄の炎を生じさせた。
「どれ、そろそろ仕舞いかね」
 放たれた白と黒の炎が夜闇を照らし出し、炎と火の粉をいっそう際立たせていく。
「――ハアァ――!!」
 不意に朔夜の周囲を冷気が取り巻き、次の瞬間、腹の底から絞り出すような気迫と共に、氷結の槍騎兵が解き放たれた。炎に照らし出されながら振り下ろされる槍が、さらなる凍気を散らす。
「――そこです」
 狙いを定めたリュセフィーのバスターライフルが、銃口を輝かせ眩い魔法光線を照射する。ミミックは偽物の財宝をばらまき、トナカイを惑わしながら戦場の輝きに花を添える。
「タネも仕掛けもございますってね!」
 歩くびっくり箱。フリードリッヒが立ち昇らせる煙の中から出でたるは、イルミネーションでできたサンタ型使い魔。飼い犬をあやすようにトナカイに接し、エネルギーを消耗させていく。
 シエラシセロは祈るように、幸祈羽を羽ばたかせる。
「お疲れさま。キミに癒されて、キミと一緒にクリスマスを楽しんだみんなの思い出を、ありがとうね」
 巨大な光鳥が夜空を舞い上がる。祈りの歌声の如き風切り音。光の弾丸がトナカイの構えるゴミ山の頂上へと激突し、光羽がひらりと舞い落ちた。
「さぁ、いざ――天へと送り出してやろう」
 今宵の無極はクラッカー。サンタ姿の重臣が勢いよく着火紐を引き抜くと、巨大クラッカーが盛大な音を立てて弾け、晴れ晴れしい紙吹雪でトナカイの周囲を飾りたてた。
 凛の指先から、紅い胡蝶が静かに飛び立つ。
「あんたの輝きは確とこの目に焼き付けた――忘れへんよ」
 業華。地獄の遣い、心身に燻る炎の化身。火の粉散らして舞い踊り――戯れにトナカイの角先に舞い降りる。
「きらきら――」
 トナカイはなおも見つめる。真紅の業火が己が身を包むのを感じながら。
 せめて最後は華やかに、晴れやかに。そんなケルベロス達の想いで彩られた、夜を。
「よるは、もう、きらきら」
 悲しみとも、安堵ともつかぬ呟きを最後に、ゴミ山の頂上に直立したままのトナカイの姿は、業火の花の向こうに閉ざされた。

 やがて炎が収束したゴミ山の頂上に、トナカイの遺骸……イルミネーションの残骸は、静かに横たわっていた。
「今度こそ、安らかに眠れますように……」
 供養の意味を込めて、残骸へと治癒の力を注ぐリュセフィー。
 フリードリッヒが再度召喚したイルミネーションサンタも、ダモクレスではなくなったトナカイを修復し終えると同時に消滅した。
 修復されたトナカイは、野性的な躍動感を失い、ファンシーにデフォルメされた本来の姿で蘇った。
「静かな眠りを邪魔して悪かったな。罪を負うのはデウスエクスの奴らだ。お前のせいじゃない。……今度こそ安らかにな」
 ウタは優しく声をかけると、メロディアスな鎮魂曲を奏で始める。
「今まで人に楽しみや癒しを届けてくれて、ありがとね。お疲れ様――ゆっくり、そして安らかにお休み」
「今までお疲れさんじゃったな。今度こそよう休んどくれ」
「……」
 凛と重臣が心から冥福を祈り、朔夜とヒダリギも感謝と供養を込めた黙祷を捧げる。
 あとは捨てるだけのゴミばかりとはいえ、無秩序な散らかりっぷりと戦傷をそのままに放置はできない。ここで働く人々が困らぬようにと、シエラシセロはヒールを振り撒き、トナカイ以外の物品にも真っ直ぐな視線を向ける。
「ここにある全部が役目を終えたものたちなんだね……お疲れさま」
 適度にゴミ山の体裁を整えながら、凪は遠くを見やるようにぼやく。
「時々、フと考えちまう。デウスエクスもあたしらも、形は違えど精一杯に生きているんだよな……って」
 勿論、デウスエクス如きにあたしの人生を邪魔させる気なんざ更々無いけれど、と繋げながらも、凪の眼差しは深く思い沈む。
「……もし、お互いが邪魔し合わずに歩けるんならば、アイツも、もう少しくらいぴかぴかしていられたんだろうかね……」
 すっかりきらめきも消えたゴミ集積場に、深夜の風が吹き込み、ケルベロス達は身を震わせる。
 街に戻ったらラーメンでも喰おうぜ、なんてのんきな声が上がり、どこか和らいだ空気に包まれながら、ケルベロス達は集積場を後にした。
 人の去った深夜のゴミ山の頂上に、トナカイ型のイルミネーションは横たわり続ける。くたびれきったその姿に、役目を終えた充実と矜持を、確かに宿して。

作者:そらばる 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年1月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 2/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 3
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