喰えば喰うほど強くなる! スイーツ拳法!

作者:baron

「あーダル。腹減った」
 とある町の郊外、公園で拳法の練習をしていた男が動きを止める。
「ちっ! やっぱり腹が減って全力が出せねぇ。……一個だけ喰うか」
 男は用意して居る瓦を殴って見たがヒビが入るだけだ。
 溜息をつくとベンチに置いてあった袋からチョコを取り出した。
「へへっ……。やっぱコレがなくちゃな。全部割れたらもう一個喰っていいことにするか」
 バリボリと階層仕立てで厚みのあるチョコレートを食べた後、今度は瓦を砕いて行った。
 そんな時、誰かがやってくるのが見える。
「何者だ! 俺の限定スイーツは渡さねえぞ! ……じゃなくて、果たし合いか?」
『……喰い物が欲しいわけじゃない。お前の、最高の『武術』を見せてみな!』
 やって来たのは一人の少女。
 ただものではない雰囲気に、男は並んで買った限定スイーツを守ろうと……。
 じゃなくて、力を付ける為にムシャムシャと食べ始めた。
 あれほど理屈を付けて温存していたチョレートだったのに。
「ウオー!」
 ズン!
 男は少女に体当たりを掛けた後、肘打ち・裏拳・正拳突きと怒涛の攻めを見せた。
 だが少女は吹っ飛ぶこともぐらつくことも無く、平然としていたのである。
 そして手にした鍵を突き刺すと、男にそっくりなナニカを造り出した。
『僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ』
 少女が「お前の武術を見せ付けてきなよ」と口にすると、そのナニカは街を目指して歩いて行った。


「武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起こります。ドリームイーターの幻武極が起こす事件ですね」
 セリカ・リュミエールが説明を始めた。
 自分に欠損している『武術』を奪ってモザイクを晴らそうとしているらしいが、武術家が理想とする姿の偽物を造り出すそうで、なかなかに強力らしい。
「幸いにも特訓中で郊外の公園付近です。このドリームイーターが人里に到着する前に迎撃する事が可能なので、周囲の被害を気にせずに戦う事が出来るでしょう」」
 幻武極の造り出す武術家型ドリームイーターは厄介だが、たいていは迷惑が掛らない……というか邪魔されないように特訓しているような相手が多い。
 お陰で一般人の避難誘導などは不要だそうである。
「この武術家型ドリームイーターは強力ですが一人で部下などは居ません。基本的には拳法使いの用ですが……。御褒美効果というか、我慢した後で美味しいモノを口にするのが好きだったようですね」
「あー。ドリームイーター化したことで、それも武術になったのね」
「うちらの甘いモンも狙われそう……」
 一部のケルベロスが苦笑する。
 スイーツを食べて強くなるなどあまり聞いたことが無いが、理想を取り入れたことで武術になってしまったらしい。
「このドリームイーターは、自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えているようなので、戦いの場を用意すれば、向こうから戦いを挑んでくるでしょう」
「せや、甘いモン食べながら特訓してたら襲って来ぃいへんかな」
「それもいいけど経費にはならないと思うよ」
 そんなこんなで一同は相談に移るのであった。


参加者
パティ・パンプキン(ハロウィンの魔女っ娘・e00506)
癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)
アルケミア・シェロウ(トリックギャング・e02488)
氷鏡・緋桜(矛盾を背負う緋き悪魔・e18103)
カシオペア・ネレイス(秘密結社オリュンポスメイド長・e23468)
葛之葉・咲耶(野に咲く藤の花のように・e32485)
鬼灯・こよみ(カガチの裔・e39618)
雨野・狭霧(黒銀の霧・e42380)

■リプレイ


「あれですかね、所謂頑張った自分へのご褒美戦法ですかね?」
「だろうな。只の人間がやる分には報酬効果を利用したモチベーションの維持法なんだろうが」
 雨野・狭霧(黒銀の霧・e42380)の疑念に氷鏡・緋桜(矛盾を背負う緋き悪魔・e18103)は頷いた。
「デウスエクスがやると武術ではなく単なるドーピングだな。まぁ、今までのビックリ技と比べれば常識の範囲の拳法家の様だし、ある程度予測する事は可能なはずだ」
 緋桜が苦笑すると狭霧は肩をすくめてショルダーザックを降ろした。
「見返りがあれば色々頑張れますよね。最も、管理するのが自分だと自制するのが大変そうなんですけど。私もこの依頼が終わったら何かスイーツ食べましょうかねー」
 狭霧はそう言いながら、ザックの中に入れておいた紅茶とロールケーキが崩れたりしないように置いておく。
「おや、考えることは同じですね。全員分なので大したものではありませんが」
 カシオペア・ネレイス(秘密結社オリュンポスメイド長・e23468)が用意したのは、ケーキの耳と呼ばれるタイプのスイーツだ。
 クレープなどのケーキを成形する時に出る端っこを切り落とした物で、カシオペアが秘密基地……じゃやなくてお家で作った物を詰めた品。
「戦うたびに食べていては、カロリー云々もあってないような気もしますね……。ドリームイーターだからこそ出来る芸当でしょうが」
 スイーツに対する執着でもあったのでしょうか?
 カシオペアは軽く思案していたが、やがて考えるのを止めた。
 それは答えが出る類のものではないし、被害者に聞いたとしても素直に答える筈が無い。

『お前は何者だ?』
「俺は強い奴と闘いたいだけで、別にあんたを殺したい訳じゃないんだ。だからさ、投降してくんない?」
 やがて現れた男に対し、緋桜は駄目もとで尋ねて見た。
 無理だとは思うが、それで成仏(?)してくれて戦いが避けられるならば無駄な努力ではないはずだ。
「してくれたらあんぱんやるよ。してくれないなら、あんたを殺してでも止めなくちゃならん」
『駄目だな。食い物を差別する気は無いが、そいつじゃ俺の意欲が湧かねえんだ』
 上位者の命令ゆえか断ったが、どうやら男が報酬効果を求めるという推測は正しいようだ。
 緋桜は髪の毛をかきあげ意識を切り替えると戦闘準備に入る。
「ほほぉ、限定スイーツを持っておるのだ……ずるいのだ」
 しかし、このやり取りにパティ・パンプキン(ハロウィンの魔女っ娘・e00506)は刺激された様子。
 やはり限定という言葉にもスイーツという言葉にも、女の子は弱いのである。
 ああ、ごめん。パティは立派な大人大人。
「ではケルベロスとの一番勝負! 戦いの勝者には豪華景品手作りスイーツ進呈とかではどうでしょう』
『それは良いな。お前達を倒し、心のこもった手作りの品を奪うとしよう』
 一方で戦えという命令と、自分達と戦えという要望は問題無く通るらしい。
「スイーツを食えば食う程強くなる?? それならパティも一緒なのだ! ジャーック!」
 パティは右手に身長よりも長い大鎌を掲げ、左手で箱竜のジャックに手を伸ばしお菓子を受け取ると空に舞う。
「捧げよお菓子、今宵は夜通しティータイムなり!」
 そして刃を振るって戦いの幕を切って落とし、お茶会の開催も宣言するのであった。


『チョコ、キャンディー、マシュマロ!』
「わっわっわっ! ぬわんとぅ。ふう、危なかったぁぁ」
 男が菓子を摘みながら鉄拳を繰り出すと、葛之葉・咲耶(野に咲く藤の花のように・e32485)は慌てて両手に御札を構えた。
 正拳突きを受け止めると、即座に肘打ちが飛んでくる。
 間に合わないので仕方無く、札の犠牲でなんとかブロック。
「甘いものを食べれば食べるほど強くなる……うーん、正直ちょっと羨ましいねぇ……」
 ボフっと音を立てて咲耶の立てた壁が一枚ほど消滅する。
 盾としての機能は残ってるが、かなりの量を削られてしまった。
「戦いと、それに向いた体を作るということとは不可分……」
 鬼灯・こよみ(カガチの裔・e39618)は僅かに小首を傾げ、仲間の声に耳を傾ける。
「ちゃうちゃう。そんなんがあったらアタイならどんどん強くなっちゃうのに。っと、いけないいけないお仕事に集中しなきゃっ」
「え、違いますか。甘いものが好きなだけですね、はい」
 咲耶が慌てて否定すると、こよみは得心したと言わんばかりにコクンと頷く。
「戦闘開始。ですね」
 こよみは抜刀せずに飛び出し、腰を浮かせて相手に飛びのる様な蹴りを放つ。
 そして胸板を蹴りつけバックステップし、そこで初めて愛用の太刀を引き抜くのであった。

 一般人の元には向かわせまいと生きる壁と化し、手分けして三方へ別れる。
 三人がそれぞれの配置に付くと、仲間達はその後ろや脇に点いて包囲網を作る。
「甘いものでパワーアップ……凄い能力なのです。……でもでも暴れちゃったらパワーを与えてくれるスイーツが浮かばれないのですっ!」
 癒伽・ゆゆこ(湯治杜の人形巫女・e00730)は敵の能力に感心しつつも、お菓子に対して申し訳なく思った。
 お米には八十八の神様が宿ると言うが、どんなスイーツであれ誰かが大切に作った物なのだ。
 それを虐殺の為のエネルギー源にしては、申し訳ないではないか。
「誰かが傷ついて、辛くなるのは……私だって辛いから……!」
 ゆゆこは神に祈り、咲耶に神の力の一部を与えることで傷を癒し、災いを避ける為の加護をもたらすため結界を張って行く。
 例え傷付くのがディフェンダーの役目であろうとも、本当は誰にも傷付いて欲しくないのだ。
「わたしも甘いものは大好きだけどさ」
 アルケミア・シェロウ(トリックギャング・e02488)は何か言おうとして、ふと考えてしまった。
 幾つか理屈を付けようとしたが、彼女はとんでもない甘党なのだ。
 良く考えたら限定スイーツを求める事も、鍛える時に報酬効果を付けるとか否定することができない。
「食べながら戦うのはちょっと、そのね。行儀悪いよ」
 仕方無いので自分がやらないことを理由にして戦いに意識を切り替えた。
「刻め、黄道十二の加護を命じます」
 そして星剣を大地に刺し光の結界を広げ始めた。
 周囲を輪転する輝きは、十二かそれとも十三か。いずれであっても星は煌めき仲間を守るだろう。
「確かにながらの鍛錬などは、個人的にアウトかなと思います。武術自体が真っ当だった筈でも、趣向やらが原因でこのような無作法とは」
「「そ、そうだね……」」
 カシオペアは自らの所感を述べた後、スカートの端をつまんで蹴りと共に風を流星にして撃ち込んだ。
 しかし、何故かアルケミアやパティ達が眼を反らせているのはなぜだろう?
 不思議だが『今はその時ではない』という大首領の万能コメントを思い出しつつ、戦いに専念するのであった。


「しかし勿体ないな。これだけ腕が立つのによ」
 緋桜は虹をまとったカカト落としを食らわせた後、次なる攻撃に移る前に腕をクロスさせた。
『渡しはせん、渡しはせんぞお!』
「やらせっかよ!」
 仲間へ向かった連続蹴りを受け止めると、ズッシリした感触と共に足元のブーツが砂でも入っているかのごとく歪むのが判る。
 ややあって衝撃を半減させたことで、ブーツの歪みが消えて緋桜は反動を殺しきった。
 ブーツが持つ堅さと柔らかさを活かし、彼は攻防に使い分けるのだ。
「渡さなくても良いですが、スイーツを食べた分のカロリー消費が必要でしょう。私たちが遊んであげますよ」
 狭霧の放つ火は、先ほど強化したおかげで業炎と化す。
 ボウっと激しい火は周囲を焦がしながら武術家型ドリームイーターへ!
「キヒヒ。危ない危ない。もうちょっとでまきこまれて頭がパーマになる所だった。寒いからチョードよいかもしんないけどねぇ。さて、どうしょ」
「お互いに認識している状態なら大丈夫だと思いますよ? とりあえず、手分けしましょうか」
 咲耶の冗談にゆゆこは真面目に答えつつ、払い給え清め給えと御幣を振りかざした。
 すると雷電が迸り、仲間達には活力を分け与えそして病魔を退ける結界を築く。
「りょーかいっ。アタイもこっちの方が得意だし、そんじゃいくよー」
 咲耶は御札をもったまま、パンと両手を打ち合わせた。
 そして右の手を上に回転させながら符を半分上向きに、左の手を下向きに回転させて残り半分を下向きに。
 ここで手と手の距離を開くと、まるで一繋ぎの鎖であるかのように一定の間隔で御札が浮かんで行く。
「でも。スイーツ袋、凄い大きさなのです……! 確かにあれだけあればものすごいパワーになりそうなのです……」
 ゆゆこは二人掛りでようやく癒せる攻撃力を見て驚きを隠せなかった。
 それだけドリームイーターが凄いのか、それとも被害者のスイーツ愛ゆえか。

 攻撃を防ぎあるいは直撃してしまったケルベロス達も、二人の力で態勢を立て直した。
「大丈夫ですか? 必要なら治癒しますが」
「もう十分でしょうから不要です。御心遣いだけいただきます」
 こよみはカバーが間にあわなかったことで、カシオペアは問題無いと首を振った。
 流石には攻撃を全て防ぐのは無理だし、範囲攻撃だとこう言うことは良くある。
 こよみがそうしているように、同じ壁役の咲耶たちも治癒の用意をし回復を厚めにする作戦なのだ。
「なら攻撃ですね」
 こよみは気を溜めていた指先を、太刀に添えて両手で構えたる。
 そして刃に闘気を滾らせ、空を切り裂きそうな勢いで振るった。
「手癖に加えて足癖とは。メイドとしては、その行儀の悪さを正さなくてはいけませんね」
 カシオペアはハンマーを振り降ろしたが避けられてしまったので、ブースターを吹かし軌道修正。
 すかさず体を回転させて、鉄槌を食らわせつつ膝を上手く使ってスカートの揺れを制御する。
「さ、徹底的に邪魔してあげるよ?」
 アルケミアは腰を落として突撃態勢を取ったと見せかけて、スっと腕を動かした。
「せいぜいいい声で嫌がってくれると、嬉しいなァ!! 此処から先は『生き』止まり」
『ぬお!?』
 アルケミアが仕掛けた極細のワイヤーは、ドリームイーターの動きを絡めとり、あらぬ方向へと折り曲げる。
 傷はそれほどでもないが、動いた瞬間に傷が付いたと言うのが重要だ。


「戦闘中に限定スイーツを食べるだなんて……あっ、それ! パティも食べたかったヤツ!!」
 何度目かの攻撃の時、パティは大鎌で色々吸収できないかと試みていた時に奇妙なことに気が付いた。
 何しろ敵が袋に手を突っ込んで、中から見事な飴細工を取り出したのだ。
「このスイーツは最高だ! ああ、この味この触感っ……なんという至福』
「スイーツ独り占めもなかなかかもですけど……皆でシェアした方がしあわせパワーぐぐぐーっとアップしちゃうのですー!」
 グングン回復して居るのも驚きだが、とても幸せそうな顔だ。
 ゆゆこはその幸せを他の人間達に分け与えてあげれなかったのかと残念に思いつつ、代わりに自分が仲間達に神の加護を分け与えた。
「結構回復されちゃったかー。でもまあ、おかげで手が空いたかな。雷纏いし精霊を、振り切れぬ物はないと知れ!」
 咲耶は御札の周囲に雷球を構成。
 雷は場に残る敵の静電気を目指して追尾を始め、ヴォンヴォンと工業用蛍光灯のような音を立てて直撃する!
「回復されても全部じゃないですよね? ならまた削るだけです。雑に潰しますよ」
『まだまだ。俺はこの世のスイーツを……』
 狭霧は右手の刀をワザと受け止めさせた後、左手で一瞬で無数の剣戟を放った。
 別に武術家になったつもりはないので、踊りながら切ったり舞ったりしない。ただ何度も何度も繰り返す様に高速で切りつける。
「時間も惜しいし、強化するね。……研ぎ澄ませ、その意志をわたしは尊重します」
 負荷の一部が剥がされたが全て消されていないと見て、アルケミアは仲間を強化する。ここで攻め立てれば回復したことは、一手無駄にしたのと同じだからだ。
「帰ってからすることも山積みですからね。一気に削り取りましょう」
 カシオペアは意識と気力が活性化したことを受けて、再び烈風を星に変えて解き放った。
 戦場を箒星が飛ぶように翔け、逆巻く風が刃となって敵の護りを切り裂いて行く。
「消えたら何度でも浴びせるまでだ。デウスエクスになったこと無限に後悔しやがれ!」
 緋桜はダークエネルギーを掌に集め、敵の内部に打ちこむと同時に反発させる。
 それはデウスエクスのグラビティと乱反射を起こし、内部を次第に焼いて行く。
 狂った力は連鎖を引き起こし、先ほどの様にやがて外面にも見え隠れするだろう。
『まだまだ、まだ俺は全てのスイーツを……そいつはもらった!』
「それは本人がすればいい。被害者の方」
 こよみは再び太刀で切り裂いた後、右手で刀を返しつつ左手は拳を固めた。
 そして相手の繰り出すアイアンクローに向かって、叩きつける様に踏み出して行く。
「ふあー!? これはパティの……」
「相手はこっち」
 流石に後ろに向けての突撃を、こよみが目の前に居るのにやらせるわけがない。
 叩きつけた拳を取られて態勢を崩すが、無理やり足を振りあげてハイキックでお返しする。
「助かったのだ。不毛な戦いはこれまでにして、お茶会におくれないようにしてやるのだ!」
 パティは最初に来た時のように、ジャンプして大鎌を振り被る。
 そしてグルグル回転しながら落下して、ジャックと一緒に敵に飛び付いていく。
「いい加減飽きたわよね。協力して倒しましょうか」
「はい! スイーツ悪用しちゃうのはめっ、なのですー!」
 ここまで来れば回復するよりも倒した方が早いだろう。
 アルケミアは仲間の攻撃に合わせて壁を公園のフェンスを蹴って飛びあがり、ゆゆこは重力波を放ってオシオキすることにした。

「これでお終い」
「こいつでもあの世で食ってくれ」
 アルケミアの蹴りが男の延髄を狩り、その姿も袋も消え失せて行く。
 緋桜はその様子を眺めた後、あんぱんを備えて髪形を元に戻した。
「あ、これ、パティが食べたかった限定品なのだ♪」
 パティが拾い上げたお菓子は最後の最後で消滅。
「最後まで残るとは執念を感じます。……後処理をしましょうか」
「公園は綺麗でなくちゃぁねぇ」
 こよみがヒールを促すと咲耶たちは修復を始めていく。
「いい運動になりましたよ。私は被害者でも見に行ってきます」
 全て終わった後で狭霧はザックを取りあげた。
「パティもいつもお菓子持っておるのだ♪ あんなふうにやられては、パティ達も食べたくなるのだ。違うのだ?」
「そうですね。私も提供しましょう」
「わーいなのです!」
 パティが御茶会の用意を始めるとカシオペアも持って来たスイーツを広げ始める。
 ブルーシート一杯に並べられたお菓子を見て、ゆゆこは微笑むのであった。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年12月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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