都内某所、とあるキッチン付きのレンタルスペース。
『クリスマス料理教室』と掲げられて、料理好きの奥様やお嬢さんが集うその場所に、羽毛の鳥野郎が信者引き連れて現れた。
「クリスマス料理だとぉ!? なんと愚かな衆生か、嘆かわしい! クリスマスにはフライドチキンである!」
でっぷり太ったファットな雄鶏のビルシャナが、紙製バケツに山盛り入ったフライドチキンを貪り食らいながら説法する。
「特製スパイスの効いたサクサクの衣、手づかみで豪快にかぶりつけば熱々ジューシーなお肉の旨味ほとばしる! 家族揃ってフライドチキン、大人も子供もみんな大好きフライドチキン、お父さんが箱で買って帰れば大喜び間違いなしなフライドチキン様のための日であるぞ! 聖なる夜にはこの鶏料理の王様だけが君臨しておればよい!」
『その通りです、教祖様!』
『フライドチキン最高です、教祖様!』
口々に称賛する信者達と鳥に扇動され、料理教室に参加していた方々の一部も、あらそうかしら、なんて影響される。なお影響されなかった人々は早々に逃げ出した。
ビルシャナは満足そうにトサカを揺すり、主張を続ける。
「というわけで、フライドチキン以外のクリスマス料理など許さない!
さあ、揚げろ! 鶏だけを揚げろ! 今これより聖夜に向けて、美味なるフライドチキンだけを作る教室に生まれ変わるのだッ!!」
このままでは他のクリスマス料理が駆逐されてしまう。ケルベロス出動である!
●
「ねむ知ってます。こういうの、共食いっていうんです」
笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は微妙にシュールな予知に大真面目な顔でそう言ってから、更に詳しい説明をする。
「みんな聞いての通り、また変な悟りを開いてビルシャナ化した人間が現れたんです!
今回は襲撃事件です、クリスマス料理をテーマに開催されていたお料理教室ですね!
いつもみたいに何とか解決して欲しいんですけど、やっぱりいつもみたいに、主張に賛同してる一般人を信者として連れてます!」
信者は戦闘になるとビルシャナのサーヴァントとして動く。ビルシャナさえ倒せば元に戻るが、何しろ普通に弱い一般人。できる限り戦闘前に説得して引き離した方が被害が軽微で済むとねむは述べる。
「ビルシャナの主張を覆すようなインパクトのある主張をすれば、きっと正気に戻ってビルシャナから離れてくれますよ!」
続けて、ねむは資料を配る。
「ビルシャナは熱々のフライドチキンの形の炎を飛ばしたり、ビルシャナ以外には理解不能な経文を唱えて心を乱したりしてきます。光を放って傷を癒す事もあるみたいですね。
信者は大体20代~50代の男女10名。ビルシャナが連れてきた男性5名と、料理教室の先生や参加者だった女性5名です。
それで今回の説得方法なんですけど……言うまでもなく! 『フライドチキン以外のクリスマス料理のプレゼン』でいきましょう!」
ビルシャナが否定しているものが、フライドチキンよりも素晴らしく美味しそうだと思わせるのだ。幸い場所は元から料理教室の開催場所、実際に料理を持ち込んで信者達に振る舞うには充分な設備がある。何なら簡単なものならばその場で作るのも大いに有効。
「信者さん達はビルシャナの影響力を受けてるので、理屈だけじゃダメだと思います。
見た目、匂い、美味しそうな説明、メリット……もちろん、みんなで一緒に食べてみせるのも良い方法ですし、素敵な演出と一緒に提供してハートを掴むっていうのもアリです。とにかく、これでもかってぐらい誘惑するんです!
世界各国のクリスマス料理を参照してみるのもいいですし、フライドチキン以外のチキン料理って観点でもいいですね。その他でも、お祝いっぽい華やかさや豪快さ、オシャレさなんかのある料理なら魅力が伝わりやすいと思いますし、最終的には勢いで押し切っちゃっても構いません!」
皆で思い思いの素晴らしい料理を持ち寄って、クリスマスパーティー先取り気分でワイワイ楽しんで勧めてやれば、信者達もきっと振り向いてくれるだろう、とねむは言う。
一通りの説明をして、ねむはケルベロスに元気良くエールを送る。
「フライドチキンも美味しいですけど、それだけがクリスマスの料理じゃないと思います!上手く信者のみなさんを説得して、ビルシャナを倒して下さいね!」
参加者 | |
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キーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080) |
アルシェール・アリストクラット(自宅貴族・e00684) |
ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544) |
バジル・ハーバルガーデン(薔薇庭園の守り人・e05462) |
フォン・エンペリウス(生粋の動物好き・e07703) |
霧城・ちさ(夢見るお嬢様・e18388) |
神野・雅(玲瓏たる雪華・e24167) |
七々美・七喜(黒炎の幼狐・e35457) |
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「ビルシャナがフライドチキン。確かにねむが言う通り、共食いだな。肉食いに行くぞ……じゃなくて、ビルシャナ退治だ、うん」
神野・雅(玲瓏たる雪華・e24167)は凛々しくも、大好きなお肉への欲求から意気を昂揚させる。
「クリスマスといえばイタズラだろ! サンタなんてオイシイターゲットまで来るんだろ!? にっしっし、もちろん今回も準備万端だぜ!」
やんちゃなガキ大将気質の七々美・七喜(黒炎の幼狐・e35457)は、持参した説得アイテムの入った箱を楽しげな企み顔で抱えていた。
「クリスマスは楽しみですわね。クリスマスといえば日本ではフライドチキンですが今は多様化で好きなものを食べる傾向もありますの」
霧城・ちさ(夢見るお嬢様・e18388)は、クリスマスっぽい変わった食べものとか注目ですわね、と思いを馳せる。
「さぁ皆、突入といこうじゃないか。執事、扉を開けたまえ」
アルシェール・アリストクラット(自宅貴族・e00684)がビハインドに命じて、料理教室の扉を開けさせる。なおサンタはあまり信じていない派だったが、仲間の手前、野暮は言わない。
「な、何者だ!?」
「ケルベロスだ!」
鳥どもは今まさに大量のチキンを揚げていた最中で、室内は揚げたてフライドチキンの匂い充満。さあ、説得だ!
●
「フライドチキンだけでは、脂が濃すぎて胃もたれしてしまいますよ。年に一度の大切な日には、もっと自分の好きなものを食べていいと思います」
「同感だ。少量なら美味いが、全てがそれではな」
まずはバジル・ハーバルガーデン(薔薇庭園の守り人・e05462)が行儀よく語り、ディークス・カフェイン(月影宿す白狼・e01544)も同意する。
「そんな事はなぁーい! フライドチキン様は至高の美食! 少量などといわず、山盛りを腹一杯食らうべきなのである!」
ファットな鳥は受け入れる余地なく、高らかに反論する。
「そもそも、フライドチキンを貴方が食べては共食いって事になりそうな……」
「何を言うか、我はビルシャナぞ! この姿はあくまでもチキン様に対する敬意のなせる技よ!」
バジルの控えめなツッコミに、鳥自身は共食いの認識はないらしい。見た目はどう見てもそうでしかないのだが。ともあれ当然、それで引き下がるケルベロスではない。
「いいえ、フライドチキンだけというのは楽しくありませんわ。クリスマスにはフライドチキン以外の料理もいいはずですの。好きな食べ物をいっぱい用意して、好きなように楽しむのが一番ですの」
ちさの主張に、アルシェールも乗じる。
「クリスマスに食べるフライドチキンは確かに格別だろう。しかし世の中には美味しいクリスマス料理はまだまだある! っていうかそもそもクリスマスに食べるのはターキーであってチキンじゃない!」
フォン・エンペリウス(生粋の動物好き・e07703)もそれに頷く。
「ん、フライドチキンも美味しいけど…やっぱりクリスマスはターキー食べないと!」
「ターキーだと? そのようなものより、フライドチキンの方が――」
不機嫌になる鳥を遮り、キーラ・ヘザーリンク(幻想のオニキス・e00080)が歩み出る。
「年一度の特別な日を、比較的年中手に入るフライドチキンのようなもので過ごすのですか?」
フライドチキンと七面鳥との特別感を比較して説く。なるほど、確かに七面鳥は日本ではあまり日常的には出回らない食材だ。
「それに、海外でクリスマス等に七面鳥を食べるのは、それが縁起の良いこととされているからです。歴史上の理由があります」
『あら、そうなの?』
縁起が良い。何人かの信者が反応する。そういった事は妙に気になってしまうのが日本人というものである。
掴みは良し。今度は雅が注目を集める。
「その通り。そこの鳥が言うように、クリスマスにフライドチキン……日本では多いらしい。だが、クリスマスの本場――欧米では七面鳥がメインだ」
持ち込んだ食材をドーンと調理台に出す。まるまる大きな七面鳥の肉!
「すげー! でかい肉!」
歓声を上げる七喜に、雅は頷く。
「そう、ローストターキーはフライドチキンより大きい。フライドチキンよりもお腹一杯になるぞ?」
手際良くローストターキーの調理を始める。基本的に料理は出来ない彼女だが、肉料理だけは例外である。
「ん、お手伝いするの」
「ええ、私も」
フォン、キーラが手伝う。信者の半数は料理教室の女性、目の前で開始される調理の実演に意識は自然と集まる。それに男性陣も、視覚的に大きな肉の塊というのは惹かれるものがある!
ターキーが調理される間にディークスは、山盛りフライドチキンを見遣る。
「殺風景じゃないか…? クリスマスと云えば華やかな食事も魅力的だと思うぞ。例えばこれだ」
持参したクーラーボックスを開け、予め仕込んでおいた料理や食材を取り出す。
鴨とオレンジのミルフィーユ、キノコのペペロンチーノにサーモンと水菜の生春巻き、ミートローフにシチュー、グラタンサラダ。
出来ているものは温め直し、簡単なものはその場で作って、並べてみせる。
「食卓は彩られてこそだろう」
『わぁ、綺麗!』
『華やかねぇ』
揚げ物の茶色一色だったテーブルが、パッと華やぐ。女性陣の顔が一気に明るくなる!
「クラスマスらしさを、さらに追加してみましょう」
キーラは手伝いの合間に、お皿にポテトサラダを円錐状に盛る。その表面にリーフレタスを茎が上、葉が下になるように覆っていき、プチトマトやチーズをあしらう。
「ツリーサラダの完成です。いかがでしょうか?」
『素敵ね! 子供が喜びそうだわ』
クリスマスパーティーらしさを演出する視覚的効果、上々だ!
「後はシャンパン……未成年ならノンアルコールシャンパンで、優雅なクリスマスの夜というのも雰囲気があって良いと思います」
バジルがアピールするクリスマスの雰囲気は、若い女性信者の胸に甘く響く。
『やっぱり彼と過ごす夜に作ってあげるなら、こういうお洒落なメニューに、シャンパンかなぁ』
この女性は彼氏とのお家デートに向けて料理教室に通っていたようだ。ディークスがすかさず背中を押す。
「男女で楽しむなら……見た目も楽しい方が良いと思わないか? もちろん、作る時もな」
『うん、そうよね! SNS映えしそうだし!』
女性は携帯を取り出し、素敵なパーティーメニューを一枚パシャリ。はい、陥落!
「ぐぬぬ……いや騙されるな諸君! 華やかさなら、ほら! フライドチキン様だって、こうすればクリスマス仕様だ!」
赤や緑でツリーやサンタの描かれた紙バケツにフライドチキンを盛り、アピールする鳥。お店で買ったらまさしく、こんな感じだろう。
「入れ物だけじゃないか! 第一に君たちはクリスマスケーキ無しでその日を過ごそうというのかい!?」
アルシェールの意見に、七喜、ちさ、バジルも待ってましたとばかりに声を重ねる。
「クリスマスって言ったら、やっぱケーキだろ!」
「そうですの。やっぱりクリスマスにはクリスマスケーキが必須ですわっ」
「ええ、折角の年に一度のクリスマスなのですから」
だが、鳥は彼らのその主張を一笑した。
「笑止、情けないなケルベロスよ! 良いか、ケーキはあくまでもデサートである! 別腹である! 料理ではなぁーい!」
そう勝ち誇って腹の脂肪を揺らすが、信者の反応は――。
『でも、やっぱりケーキは欲しいよなあ』
『これだけクリスマスらしい食卓だと、ケーキがない方がかえって不自然なような』
教祖が認めなくても、一般人の彼らのクリスマス観にはケーキも充分入り込めるものだったようだ。いい感じだ!
「甘いモンは大人も子供も大好きだぜ! コドモとかヨメさんとかに持っていくのもいいんじゃねーか?」
七喜は持参したケーキを乗せた皿を持って、いかにも美味しそうに頬張る。ケーキの上には、きちんとチョコのプレートも忘れずに。
「買うなら予約しようと選んでいる時も楽しいですし、みんなで作る自分だけのケーキもよりおいしく感じると思いますの。フライドチキンはいっぱい食べられなくてもケーキは別ですの」
ちさの言葉に何人かの信者が頷く。七喜が食べる姿も、親心には効果的だったようだ。
『うちの子もケーキが大好きでねえ』
「い、いや待て、しかしだな……!」
「ほら、一口食ってみろって。そしたら良さも分かるだろ!」
焦る鳥に、七喜が近寄っていく。自分が食べているのとは別のケーキ皿を、鳥の口に向かってぐいぐい。
「む? こんなものより、我はチキン様を……ギャー!?」
うっかり押され、ケーキを口にしてしまった鳥が悲鳴上げる!
七喜がプレゼンツしたのは普通のケーキではなく、わざわざ用意してきたわさびケーキ!
「ほーれ、こういうイタズラ、サプライズはチキンには真似できねーだろ?」
イタズラ成功で誇らしげな姿に、年配の女性が歩み寄る。
「こら、お嬢ちゃん。食べ物をそんなイタズラに使っちゃダメよ?」
「うっ……ご、ごめんなさい」
女性はこの料理教室の先生だったようだ。窘められ、七喜は耳を伏せて謝る。やんちゃで悪びれようとも、根は素直なものである。
再び信者達に向き直り、ディークスは諭す。
「クリスマスは世界中で祝われる催しだ。これを機会に他国の料理や文化に触れるのも面白い」
ノルウェーならトナカイ肉のステーキをクリスマスビールをお供に。アメリカンなら、ピザも加えビールにコーラで楽しんでも良い。世界各国のクリスマス料理の文化を紹介し、信者の気を惹く。
「デザートも、グリューワインに果実たっぷりのシュトーレンや、レープクーヘン……色々と目を楽しませてくれる」
『へえ、トナカイの肉ってどんな味なんだろうな』
『シュトーレンってここ数年で有名になったわよねえ』
頷く信者達に、バジルが声を掛ける。
「それに、肉ならやはり七面鳥が豪華で美味しいと思いますよ」
辺りにはいつの間にか、良い香りが漂う。
雅の手でテーブルに供される、スパイスを塗ってこんがりと焼き上げた本格的なローストターキー!
『おおー!』
信者達だけでなく、仲間からも歓声が上がる。
「はいはい、がきんちょ達からなー」
雅はターキーを切り分けて、子供達から順に配る。フォンが一口食べてみせて、その美味しさを伝える。
「ローストターキーは、鶏とは違った食べごたえ、あっさりとした中の濃厚な旨みがあるの。教えてあげるの」
手慣れた感じで切り分けを手伝い、信者達にもターキーを配る。フォンと雅は元同旅団員、調理の際から説得まで仲が良さそうで微笑ましい。
『うう! お、美味しそう……!』
目に焼き付き、鼻腔をくすぐり、その上手元にまで出されるこんがりターキー。信者達はもう、ぐらぐらに揺らぐ! これで揺らぐなという方が難しい!
「また、鶏と比較して七面鳥は手に入りにくく高価でもあります。いかがでしょう、どちらがより特別感があるでしょうか?」
「それと揚げたフライドチキンよりも、ローストしたターキーの方がヘルシーなので、食べ終わった後の女性にも安心だと思うの」
キーラ、フォンが後押しする。男性にも女性にも、幅広い年齢層で受け入れたくなる説明が響く。
「ディークスさんのお料理の数々も、皆さんに実際に食べて頂いてはいかがでしょう」
「ああ、好きに食べてくれ。喜んでもらえるなら嬉しいな」
バジルの言葉にディークスは快諾し、何名かが手伝って人数分の取り皿を用意。
すっかりクリスマスパーティー開催の空気。後はもう食べるばかり、文字通りの据え膳に、信者達は垂涎だ。
「信者のみなさまもフライドチキンばかりのクリスマスでなく、楽しく好きなものを食べたりしたくありませんの?」
ちさが問いかける。もう限界、その一言で瓦解するには充分過ぎた。
『た、食べたいです!』
『こんなに美味しそうな料理を前にして……』
『食わずにいられるかぁぁ!』
満場一致。信者達はこれでもかと畳みかけられたクリスマスパーティーメニューの魅力に抗えなかった、フライドチキンだけよりも、こちらの方が良いに決まっている!
「おのれ、ケルベロスめ! 後少しだったというのに!」
一羽きりとなった雄鶏ビルシャナは、忌々しそうにドスンドスン飛び跳ねる。戦闘開始!
「さて、生きの良い鳥だ。羽根は抜いて綺麗に調理しないとな? 丁度、肉が足りなくてなぁ……ってのは、冗談だが」
「ん、動けずこんがりと焼いてあげるの」
「『見切った処で躱せるもんじゃない』!」
雅の轟竜砲を皮切りに、フォンの雷吼狐尾(ライコウコッポ)が襲い、叩き込まれるアルシェールの運命の誤作動・白化(サナトスグリッジ・アルベド)。
「『Is de tijd van het oordeel...(今、裁きの時…)』」
キーラの審判の時(タイト・ファン・ヘット・オーディール)が炸裂したのを最後に、チキンビルシャナは香ばしく倒され、塵へと消えた。
●
戦闘を終え片付けるものは片付けて、さて一同はというと。
「美味しそうな食べ物が沢山ですね。このまま、少し早いクリスマスパーティーでもしましょうか?」
「食べ物は粗末にしてはいけませんわね。賛成ですわ」
バジルの提案にちさが乗り、改めて準備を整えて、室内は俄かに華やぐ。
「それにしても、カフェイン卿の料理は美味しそうだな。慣れているのかい?」
「1年ほどカフェで料理人を。創作料理が得意だな」
アルシェールの問いに、答えるディークス。婚約者がグルメ好きな事から食に対する興味は拍車がかかっている今日この頃、今回の説得でも実に貢献した。
「ん、ありがとうなの」
フォンは戦闘で逆立ってしまった自慢の尻尾を雅に直してもらい、嬉しそうに振る。
「どういたしまして。肉…肉は美味い。クリスマスじゃなくても、肉が腹一杯食えたら幸せだ」
その雅は肉への率直な思いを隠さず、共に着席して、ローストターキーを始めとして料理を楽しむ。
「クリスマスは最高だな! ケーキ、もっと持って来ればよかったぜ!」
「やはり何事も、普通が一番平和で良いものです」
七喜も子供らしい素直さで楽しんでいるようだ。一息ついて、キーラも呟く。
なおビルシャナの影響で大量に用意されていたフライドチキンも、ちゃっかりテーブルに一緒に並んで手を伸ばされる。
普通で楽しい、平和なクリスマスの料理の数々。そこには決して、ビルシャナの強制など必要ないのだ。賑やかに囲むテーブルで、誰もがその事を和やかに感じているのだった。
作者:青雨緑茶 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年12月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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