庭先のヒイラギは自然破壊の証?

作者:なちゅい

●鬼百合の陽ちゃん出現
 ヒイラギといえば、西日本の広く棲息する常緑小高木 。
 ギザギザの葉が特徴的で、その名は葉に触れるとずきずきして疼ぐ(ひいらぐ)という言葉から来ているとされる。初冬に花を咲かせることもあり、冬の訪れを感じさせる植物だ。
 鹿児島県某所の住宅地。
 庭先に生えたヒイラギの木の下で、1人の少年がボール遊びなどしている。
 軽く蹴っているのは、サッカーの真似事らしい。庭の端から端までボールを蹴るのを繰り返す。
 少しして始めたのは、リフティングの真似事だろうか。何かテレビかゲームなどで影響を受けたのかもしれない。
 そんな彼の背後へといつの間にか、葉を翼のようにして背負う、赤い服の少女の姿があった。
 周囲にクルマユリのような花を咲かせた彼女が庭のヒイラギに謎の花粉を振りかけると、その木はめきめきと音を立てて異形化して動き始めた。
「わぁっ!!」
 驚いた少年が声を上げた次の瞬間、攻性植物と成り果てたヒイラギは少年をその体に取り込んでしまう。
「いっちょあがりー。それじゃ、景気よくいっちゃおー」
 葉の翼を持つ少女は攻性植物。鬼百合の陽ちゃんが家の外を指差して。
「自然を破壊してきた文明とか、ドッカーンって破壊しちゃってね!」
 陽ちゃんの声に応じた攻性植物はその根を動かし、家の敷地から飛び出していったのだった。

 寒さ感じるとある日の朝。
 ヘリポートにて、温かそうな毛皮のコートを着たリーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)が白い息を吐くケルベロス達を出迎える。
「こんな寒い中、来てくれて本当にありがとう」
 にこやかに笑う彼女へ、ケルベロス達は早速依頼の説明を求めた。
「柊の攻性植物が出そうかなと思ったのだけれど」
 そこで、津雲・しらべ(さっぱりしました・e35874)がそんな話を持ちかけると、すでに予知を行っていたリーゼリットが頷く。
「すごいね。現れる敵をズバリ言い当てるなんて」
 とはいえ、状況はそれほどおだやかではないよと一言忠告してから、彼女は予知について語り出す。
 鹿児島県の山間に近い一軒屋が事件の舞台となる。
「その家の庭に植えられた1本のヒイラギの木に、植物を攻性植物へと作り変えてしまう謎の胞子をばら撒く人型の攻性植物が出現するようだよ」
 胞子を受けたヒイラギの木が攻性植物に変貌して、近くにいた男の子を宿主にしてしまう。
 被害が大きくなる前に取り急ぎ現場に向かい、この攻性植物を倒すことが今回の目的だ。
「攻性植物に配下などはいなくて、相手するのは1体だけだね」
 戦いではスナイパーとして攻撃を行い、光花、舞葉、埋葬という3種の形態で襲い掛かってくる。
 取り込まれた男の子は攻性植物の幹に取り込まれてしまっており、普通に攻性植物を倒すと共に命を落としてしまう。
「ただ、相手にヒールをかけながら戦えば、戦いの後にその男の子を助け出せる可能性が生まれるよ」
 現場は周囲にあまり家がない山間の一軒家の庭だ。その家の住人も息子の安否を気遣いながらも避難を行っている状況である。到着直後に、簡単な人払いを行うだけで問題ないだろう。
「事件を引き起こした人型攻性植物も気になるけれど……、少なくとも現場にはもう姿はないようだよ」
 この為、今はヒイラギの攻性植物の対処に集中したい。
 被害の拡大は避けたいが、やはり寄生された男の子は気になるところ。
「男の子の救出は簡単ではないけれど……、できるなら、救ってあげて欲しいかな」
 皆でうまく連携し、辛抱強く戦うことで、男の子を救い出すことができるかもしれない。
 そして、リーゼリットはヘリオンのタラップに足をかけ、ケルベロス達へと手を伸ばす。
「行こう。攻性植物の討伐に」
 参加を決意したケルベロス達はその手をとり、ヘリオンへと搭乗していく……。


参加者
ディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121)
月宮・朔耶(天狼の黒魔女・e00132)
エイダ・トンプソン(夢見る胡蝶・e00330)
アルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・e00783)
戯・久遠(紫唐揚羽師団のヤブ医者・e02253)
ファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)
六・鹵(術者・e27523)
津雲・しらべ(さっぱりしました・e35874)

■リプレイ

●依頼に当たって……
 鹿児島県の山間部。
 ケルベロス達は、攻性植物が現れた一軒屋へと急行する。
「……無辜の人々を取り込み、宿主とする攻性植物か」
 眉が特徴的なディディエ・ジケル(緋の誓約・e00121)は、独りごちる。デウスエクスの侵略は一体、どこまで続くのだろうと。
「純粋に遊んでいた子を巻き込むとは、何事じゃー! 絶対に助けますよー」
 その近くで、髪を纏めたアグレッシブな少女、アルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・e00783)が叫ぶ。
 それに、ディディエもやや静かで気だるげな声音で同意して。
「……このままにはしておけまい。目の前のものごとを、ひとつひとつ解決していくとしよう」
 同じ旅団のフレンズである、エイダ・トンプソン(夢見る胡蝶・e00330)も笑顔で頷いていたようだ。
「本当に出てくるとは思わなかったや……」
 ショートヘアに男装姿の津雲・しらべ(さっぱりしました・e35874)がやや驚きを見せると、胡散臭いオーラを放つ戯・久遠(紫唐揚羽師団のヤブ医者・e02253)が少しにやけて。
「しらべが見つけた案件だ。きっちり解決しないとな」
 彼は柔軟しつつ、戦いに向けて身体をほぐす。
「でも、絶対に助けるし、傷つけない」
 今回は大切な友人であるアルマニアと、大切な人である久遠と一緒の依頼。大好きな人と一緒の依頼だから。
「……うん、頑張れる!」
 しらべは爽やかに微笑み、仲間と共に現場へと向かう。

●ヒイラギに捕らわれた少年
 現場の一軒家に到着したケルベロス達は攻性植物の姿を探す。
「ここは私達に任せて、安全な場所に避難して下さい!」
 それほど人のいる場所ではないが、エイダは近場の人々へと声をかけて近辺からの退避を促していた。
 すると、家の庭でなにやら破壊音が聞こえ、メンバー達は敷地内に足を踏み入れる。
 そこには、枝や根を広げて暴れるヒイラギがあり、太い幹と同化してしまった少年の姿があった。
「あんま猶予はなさそうやな」
 月宮・朔耶(天狼の黒魔女・e00132)はある程度、救助に当たる時間を逆算しようとする。
 とはいえ、攻性植物とて少年と同化していることから、相手も少年の命を奪いつくすことはないはず。
 後はどの程度攻性植物を弱らせ、少年を救出できるか、だが。そちらはやってみないと分からないと朔耶は悟る。
「あくまで植物の駆除が主目的であり、失敗が見えたときは速やかに殲滅を優先……だな」
 赤目白髪喪服姿のファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)が仲間に伝えつつ、前に出て構えを取る。
 仮にそうなった場合には、盾役の自分が倒れていると想定の上でファルゼンは仲間達に確認を取っていたのだ。
 とはいえ、それを是とするケルベロスではない。
「必ず助けます」
「助ける。待ってて、ね」
 エイダの言葉に、六・鹵(術者・e27523)が無表情のまま頷き、少年へとぽつりぽつりと呼びかける。
「君、聞こえてるー? お姉さんたちが助けに来たぞー!」
 アルマニアも鹵に続いて声をかけてみたが、少年は反応しない。どうやら、気を失ってしまっているらしい。
「ゲン担ぎってな」
 久遠は道中で買って来たと思われるから揚げを頬張り、眼鏡を外す。そして、これから始まる戦いの為に意識を切り替えた。
「やれるだけやるんだし! なんとかなる!」
 そんな恋人に従うように、後方に布陣するしらべもまた気合を入れ、少年の救出に当たるのである。

●ほのかなヒイラギの香りの中で
 狂ったように枝を揺らすヒイラギの攻性植物。
 そいつはまず、枝に咲かせた花を揺らし、光を集めて撃ち放ってくる。
 身を挺して飛び込み、仲間の盾となったのはファルゼンだ。光に貫かれ、彼女は僅かに顔をしかめるも、冷静さを崩さない。
(「これで、少しでも戦況がよくなるなら」)
 ボクスドラゴン、フレイヤがすぐにファルゼンへと属性注入で支援を始める。
 ある程度持ち直したファルゼンはさらに構え、まずは雷を纏わせたゲシュタルトグレイブを振るい、攻性植物の根元を突き刺し、その身体に電撃を駆け巡らせていく。
 隣では、オルトロスのリキが続いて口にくわえた剣で攻性植物の枝を切り払う。
「あ、柊の香りがしよる……」
 敵の動きに合わせ、ほのかな香りを実感しながらも、朔耶はその幹に捕らわれた少年を見据えて。
「星霊よ……お願い! 歌を聴かせて!!」
 朔耶が呼び出すは、故郷の里で星霊と呼ばれていた存在。呼び出された半透明の御業の踊りで、捕らわれの少年の体力を回復させていた。
 だが、それは同化した攻性植物の体力も活性化させることとなる。
「……一体化とは、聊か難儀か」
 ディディエは陰鬱そうな表情をしているが、これは少年が捕らわれているからと言うわけではなく、普段の地だ。
「……意識をしっかり保て。今、必ず助けよう」
 少年に声をかけながらも、ディディエは爆破スイッチを手にして敵の枝葉へと爆発を起こして相手を威圧しようとする。
 逆に、そのダメージは少年の体力を削ってしまうはず。意識のない少年にとって、それは幸いといえるのかどうか……。
「今から植物から貴方を助ける為にちょっと攻撃しますけど、すぐに出られますからね! 注射だと思って我慢して下さい」
 弟妹を抱える一家の長でもあるエイダ。
 彼女は少年が不安がらないようにと気遣いながら、攻性植物のグラビティ対策として、自らを中心にして足元に守護星座を描く。
 展開される星の光が線で繋がり、煌く光によって不浄に対する強い力となる。
「さて、術式開始だ」
 やや出遅れはしたものの、久遠も仲間の盾として攻性植物の手前で身構える。
 そして、久遠は一度、捕らわれの少年の状態を見た後、そばにいるファルゼンの為に、緊急手術を行う。
「回復は引き受ける。存分にやってくれ」
 少年と味方の回復に当たるべく、後方のしらべもまた右腕に装着した九十九式を構える。
 綺麗な蜻蛉の飾りの付いた赤い飾り紐。それで装飾された縛霊手から、彼女は霊力を帯びた紙兵を散布する。
 しばらくはそれらが攻性植物の攻撃から耐えてくれるはず。その間に状況を打開したいところだ。
「助けるから、ね」
 戦場を自在に動く鹵が魔導書を手に力を込めながらも跳び上がり、足元に浮かび上がらせた魔法陣を浮かばせたままで相手の体を蹴り飛ばす。
 だが、攻性植物は根で踏ん張る。多少動きは鈍らせたはずだが、それが一見して分かるほどのダメージではない様子。
 着地した鹵は再度魔導書を広げ、自らの名前にも使われている鹵獲術士としての魔法を展開していく。
 じっと少年を見つめるアルマニアは、彼が苦しんでいないかと注視しつつ、飛び込む。
 ボクスドラゴンのフリツェルがタックルしていくのに合わせ、アルマニアは槍(仮名)を振り回し、その尖端に雷を纏わせて木の幹上部を突き刺す。
 体内に痺れが駆け巡るも、ヒイラギの木はどっしりと構えたままだ。
 そいつはさらに大きく根を周囲に広げると、地面は黒く濁り、大地は攻性植物によって侵食されてしまう。
 その大地の上で、ケルベロス達は少年を取り戻す為、さらに応戦を続けるのである。

 侵食された地面の上、ヒイラギのほのかな香りが漂う。
 その中で、ケルベロス達は自分達をも侵食してこようとしてくる攻性植物の攻撃に耐えながらも、少年の救出を目指してグラビティを繰り出す。
「長期戦は覚悟の上だ。しっかりと回復していくぞ」
 とにかく、侵食によって、こちらの思考を惑わされてしまうのは痛い。
 まず、久遠がメンバーの状況を立て直そうと、味方に雨を降らせる。
「何もかも 騙してしまえ それが為人(ひととなり)の証明……♪」
 しらべも「ブラッドスター」の歌詞を歌い、仲間達を元気付ける。幾分か侵食による影響も取り去ることができたようだ。
 その間に、鹵は魔導書を広げ、石化光線を発射する。一直線に飛ぶその光は、敵の枝を所々石へと変えていく。
 アルマニアが地中から攻性植物の足元に溶岩を噴き出させると、攻性植物は僅かに態勢を崩すも、少年が苦しそうに呻いていた。
「苦しんでるよ。攻撃止めて!」
 そのアルマニアの呼びかけを受けて、メンバーが攻撃を控えたところで、朔耶が再度、星霊の力で少年に癒しをもたらす。
「あと、どの程度かかるやろな」
 朔耶がそう漏らす。後は攻性植物のしぶとさ如何といったところか。
 少年のピンチはある程度察することができるが、さすがに敵の体力までは……。
 そうこうしている間にも、敵はギザギザの葉を降らし、前線メンバーの体を傷つけてくる。
 久遠や、箱竜のフレイヤ、フリツェル、そして、番犬リキがケルベロス達の盾となり、戦線を支えるが、一番率先して身を挺していたのは、ファルゼンだろう。
(「たとえ、どれほどボロボロに成ろうと、手足がもげようと」)
 傷が増えてきてはいるが、常に冷静に立ち回るファルゼン。
 それは、彼女に元々のデウスエクス時代の感覚が残っており、命の感覚がとても曖昧なものになっているから、らしい。
 少年の命を危機にさらすことになろうとも、最悪その命を摘み取ることになろうとも、彼女は冷静沈着に戦場で立ち振る舞うのだろう。
「……削る」
 ディディエは隙を見て仕掛ける。呼び出した御業によって敵の巨体を鷲掴みさせ、さらに体力を削っていく。
「……さて、如何か」
 しかしながら、まだまだ攻性植物は暴れ狂うのに対し、少年はかなり苦しみ悶えている。すかさず、エイダが光の盾を展開して持ち直していた。
「頑張ってください!」
 その上で彼女もまた、気力を失わせないようにと少年に呼びかけていたようだ。

 ケルベロス達によって繰り返される回復と攻撃。
 メンバー達は声を掛け合い、少年の状態を逐一確認する。
「気をつけろ。男の子の状態が芳しくないぞ」
 大声で久遠は敵の侵食から仲間を庇いながら、癒しの雨を自分達へと降らせていく。
「頑張れ頑張れ! もうちょっとだ」
 少年の回復には、後方のアルマニアが動いていた。
「不思議で素敵な音色をあなたにっ。サモンっ! コンチェルトバブル!」
 彼女の言葉によって、攻性植物の……少年の周囲に現れるたくさんのしゃぼん玉。それが、次々に弾けて癒しの音色となり、少年の体を癒していく。
「落ち着け。合わせろ。呼吸を。意識を」
 こちらは、侵食に耐えたファルゼン。呼吸を落ち着かせた彼女は箱竜フレイヤの属性注入の力を受けながらも、正気を取り戻して光の剣で敵の根を切り払う。
 しらべも壁となってくれる仲間の為に歌い続け、紙兵を巻く。朔耶も仲間の強化と少年の回復に全力を尽くし続け、戦況を見守る。
 膠着した攻防が続くと、精神的な緊張もかなり高まってしまう。
 鹵がさらに、魔法陣を伴った蹴りを浴びせかけていくと、攻性植物の体が揺らぐ。その時、少年の体が幹から少し浮き出ているのがわかった。
「あと、少し」
 それを感じていたのは、鹵だけではない。皆、少年をあと一歩で救出できると実感する。
「……ボールを蹴っていただろう。あれを、もう一度見せてはくれないか」
 ディディエは呼びかけながらスイッチを押し、戦いの最中に攻性植物の仕掛けていた不可視の爆弾を爆発させた。
 それによって、大きく攻性植物の体が煽られる。
「あともう少し、もう少しですから!」
 飛び込んだエイダがヒイラギの木の根元へと、音速の拳を叩きこむ。
 ぐらりと揺らいだ敵の体。攻性植物が枯れ果てて崩れ落ちるものの、剥がれ落ちた少年の体はその場に留まり、前のめりに倒れる。
 しかしながら、ディディエが前のめりに倒れる少年の体を受け止めて。
「エイダ」
「ディディエさん」
 2人は高く片手を上げてハイタッチし、互いの健闘を称え合うのだった。

●少年と一緒にティータイム
 朔耶は一度、少年の為に御業によって回復を行った後、戦場となった庭へとオウガ粒子を振り撒き、幻想交じりに修復する。
 程なく、少年、久保田・譲が目を覚ます。彼に光の盾を展開して癒していたエイダもほっと一息つく。
「大丈夫そうか?」
 眼鏡を再びかけた久遠が声をかけると、譲はこくりと頷いた。
 念の為にと鹵が魔導書を紐解き、譲の体力を回復させる。しらべも手術によって彼の容態を見ていたようだ。
「やれやれ、何とかなったな」
 久遠も少年の体調は問題ないと判断して、仲間の傷の手当てに当たっていたようだ。
「あっ、そういえば……」
 少年はそこで、木に襲われた事実を思い出して庭を眺める。そこにあったはずの木は、きれいさっぱりなくなってしまっていた。
「あんまり有名と違うが、先見の明や保護や魔除け以外に柊には剛直や歓迎という花言葉もある」
 朔耶がそう語りかけるものの、譲はよく分からずに首を傾げる。
「まぁ、要するに……、コレを怖いだけの記憶で終わらせるかどうかは君次第という事やね?」
「うん……」
 いつか彼にも、朔耶の言葉の意味が分かるときが来るかもしれない。

 程なく、デウスエクス出現の経緯を聞いた譲の両親が駆けつける。
 両親へとエイダやアルマニアが経緯を説明している間に、譲は庭に出てボール遊びを再開する。
「フリツェル、遊び相手よろしくね?」
 主であるアルマニアの要望もあり、箱竜のフリツェルが相手となってボールの蹴り合いを行っていたようだ。
「リフティングを見てみたい……自分には縁のなかったものゆえ」
 ボール遊びを眺めていたディディエがふと譲に頼むと、彼は得意げにリフティングを行う。とはいえ、まだまだ10~20回程度しか続かず、要練習といった様子である。
 そこで、譲の両親がケルベロス達へとお茶とかるかんを差し出してくれる。エイダは両親に対して礼を述べつつ、早速それを口にして。
「働いた後のお茶は美味しいです~」
 鹵もまたお茶をすすり、縁側でのんびりと過ごす。
 経緯説明を終えたアルマニアは、縁側で2人一緒に過ごす久遠としらべの姿を見て。
「平和ですなぁ」
 彼女はお茶を飲みつつ、彼らを温かく見守るのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年12月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。