失伝攻防戦~争奪のマトリョーシカ

作者:日野木尾


 ぱらぱらと、剥がれ落ちるかのようにモザイクが徐々に宙へと溶けていく。
 此処は某中学校の旧い講堂。床はぎしぎしと軋み、壁材・天井材は至るところが欠けており、すっかり無惨を晒している。それでもほんの数年前までは現役だったが、流石に機能を他所へと移動される事が決定。新たな講堂も完成した今、取り壊される時をただひっそりと待っている。
 そんな場所の前方。舞台の隅、袖幕の影に隠れた用具入れ。その狭く暗い箱の中に、ワイルドスペースは有った。極小規模、ひと一人を収めるのにようやくといったその空間は、これまで誰の目にも触れる事なく、そして今消滅しようとしている。
 ワイルドスペースが消えていくと共に、モザイクによって切り取られていたその内部空間が露わになっていく。暴かれたそれは、まるで棺桶のような入れ物。箱の中に見えたものは、それもまた箱だった。
 時を同じくして、講堂扉の前に魔空回廊が開く。現れたのは邪悪な道化師。鮮やかな紫と緑を纏い、手には大鎌を携える。そして口が裂けたようなメイクを施されたその顔には、本当に口が裂けんばかり唇を釣り上がらせた笑みを貼り付けていた。
 やがて道化師は歩き始める。腕を大仰に振り、脚を高くあげながら、一歩一歩を陽気に刻んでいく。
 その歩みの先に有るのは、件の棺桶。その中で眠る少女だった。


「今回の目的は、ドリームイーターの最高戦力『ジグラットゼクス』が密かに対ケルベロスの切り札として用意し、隠匿していた人間の救出。及びその回収を試みるドリームイーターの撃破です」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は集まったケルベロス達にそう告げた。
 現状は激動の中にある。ジグラットゼクスの『王子様』が斃れたのと同時に、東京上空5000mにドリームイーター、即ちジュエルジグラットの『ゲート』が出現した。そしてそのゲートからは、『巨大な腕』が地上へとまさしく魔の手を伸ばしている。恐らくはこの『腕』こそが、『王子様』が言い遺した『世界を覆い尽くすジュエルジグラットの抱擁』であるのだろう。
 『腕』の脅威は途方もなく、危険規模は打破のために全世界決戦体制を必要とする。一方で、戦場がジュエルジグラットのゲートとなる以上、勝利出来ればドリームイーターに対して致命的な一撃を与える事が可能でもある。
「つまりは決戦間近。勿論、ドリームイーター側もそれは理解しているのでしょう。戦力をゲートへと結集させるべく動き出したようです」
 その戦力というのが、件の人間達。そしてその者達は、二藤・樹(不動の仕事人・e03613) が調査し、それに基づいて探索が進められていた『失踪していた失伝したジョブに関わりのある人物』達であるらしい。
 本来ならばこの回収は介入の余地のないタイミングで行われるはずであったが、ケルベロスが日本中で探索を行っていたために予知及び阻止が可能となった。
「場所は某県某市にある某中学校の旧講堂です。校舎からは距離が有り、また立ち入りが禁止されている場所でもあります。救出対象はその内部にある舞台袖、敵の出現位置は講堂外の扉前。敵側の回収地点である魔空回廊もその位置にあります」
 敵はジグラットゼクス『継母(悪い王妃)』配下の道化師1体である。『継母』の命令の下、その手足となってあらゆる悪事を行う特殊部隊員であるようだ。
「交戦状態に突入した場合、まず敵はケルベロス達の排除してから回収を行おうとします。しかし敵の目的は回収。窮地に陥った場合、陥りそうな場合はそちらを優先するでしょう」
 具体的には、敵は『敗色が濃厚である』と判断した場合に『失伝したジョブに関わりのある人物』を魔空回廊からゲートに送り届ける事を優先する。これには2分程度の時間を要するようで、その間敵は全くの無防備になる。上手く敵の判断を誘導出来れば、戦闘を有利に運ぶ事が出来るだろう。
「『創世濁流』の阻止、『王子様』の撃破により、ドリームイーターに大きな打撃を与える事に成功しました。彼らと雌雄を決する日も近いでしょう。その前哨戦ともなるべき作戦です。どうかよろしくお願いします」


参加者
大弓・言葉(ナチュラル擬態少女・e00431)
シェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122)
浅川・恭介(ジザニオン・e01367)
メアリベル・マリス(グースハンプス・e05959)
ヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816)
ヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046)
月影・環(神霊纏いし月の巫女・e20994)
セレネー・ルナエクリプス(機械仕掛けのオオガラス・e41784)

■リプレイ


「きゃー、たすけてなのー!」
 道化師に追われて、大袈裟にすっ転ぶ大弓・言葉(ナチュラル擬態少女・e00431)の頭上を斬撃の嵐が吹き抜ける。まさに間一髪。僅かに切り飛ばされた温かな橙色の髪が宙に舞った。
 獲物を見失った刃は宙を翻り、逃げ惑う背中の中から次なる獲物を見定める。
「こっちに来ましたか!」
「メアリに任せるのよ!」
 飛来する大鎌を前に慌てふためく浅川・恭介(ジザニオン・e01367)。幸い、メアリベル・マリス(グースハンプス・e05959)の小さな体が割って入り、ハンマーで凶刃を叩き落とした。その反動で彼女の体は仰け反り、ぽてんと尻もちをつく。
「くぁ、隙あり! ヒナタさん今必殺の一撃のオチ!」
「くくく、これには耐えられまい!」
 束の間武器を失い無防備になった道化師に、二対の赤い翼が迫る。片や燃え盛る地獄の炎、片やペンぐるみの柔らかい手羽先。しかし――、
「ファ~~全然効いてね~~!」
「馬鹿な、我の攻撃が!」
 思ったほどのダメージを与えられなかった、といった様子でヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816)とシェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122)は並んで狼狽する。
 そんな二人を前に、付けられた傷に構わず腹を抱えて転げ回る道化師。嘲笑のジェスチャーだろうか。大口を開けて嗤う化粧塗れの顔前に、同じく大口を開けたサメが現れる。
「サメも一応お魚なのですが、これはあんまり食べたくないのですよ」
 自らが作り出したものを前に、小さく首を傾げるヒマラヤン・サイアミーゼス(カオスウィザード・e16046)。彼女の言う通りだった。何故ならそのサメは機械仕掛け。フカであるがメカでもあり、よってフカヒレにはなり得ない。
 道化師に齧りついたサメは鎌によって振り払われる。残るのは痛々しい傷と歯型。
 しかしそれも、道化が笑い声をあげると徐々にだが塞がっていく。
「こ、これなら、どうですか?!」
 おどおどと自信なさげな言葉と共に、月影・環(神霊纏いし月の巫女・e20994)の両腕から遠慮がちに伸ばされた植物が、種のようにカプセルを投射する。効果は覿面、ウィルスに冒されて道化の治癒が目に見えて遅くなった。
「ひぅ?! ゆ、許してください!」
 ぎょろりと黒目の無い眼球に睨まれ、縮こまる環。小さな手で余った袖をぎゅっと握りしめ、瞳を潤ませながら蹲る。人間であるならば誰でも庇護欲を唆られて然るべき愛らしい姿だが、相手はデウスエクス。それもとびきり残虐な部類の。
 よって当然の帰結。滾る嗜虐心のままに振るわれた鎌は、環の肌とメイド服を朱に染め上げた。
「わわ、たいへんたいへん! 回復しないと!」
 怯えた様子で主の背中にしがみついていたぶーちゃんを跳ね上げる勢いで起き上がる事暫し、ドレスの前の埃を叩く事も暫し、言葉が愛嬌たっぷりにくるくると回転して一言唱える。
「可愛くなあーれっ!」
 すると、どこからともなく現れたリボンとフリル、その他女の子らしいあらゆるものが環の傷を覆い、ラッピング或いはドレスアップしていく。それらが弾けて消えた時、不思議と傷もまた消失していた。
 それを確認して、言葉はあざとくウィンクを飛ばす。
「さあ、道化師。私と遊んでちょうだい!」
 間隙を突いて、セレネー・ルナエクリプス(機械仕掛けのオオガラス・e41784)の身体が講堂の天井近くまで飛び上がる。装甲で覆われた翼を翻し、漆黒の塊が道化師目掛けて急降下した。
 突き刺さる飛び蹴りによろめく道化師の体。しかし――、
「あ、危なかったです!」
「すいません!」
 間を置かず恭介が放った竜砲弾は危うくセレネーをも焼くところだった。器用に宙を舞って危機を免れたセレネーは、どこか名残惜しそうに翼を畳むと地に降り立つ。
「…………」
 起き上がった道化は、にんまりと唇を吊り上げて邪悪な笑みを浮かべた。
 なんて事は無い。ケルベロスというのは鎌を振りかぶれば怯え、攻撃には大したダメージも無い。この獲物達は連携が不十分で、しかも闘志にも欠ける。
 一連の動きを見ていた白く濁った瞳にはそう映ったらしい。余裕綽々と言った様子で、道化は自らが派遣された目的には一瞥もくれず、大鎌をゆっくりと構え直した。
 対象的に顔をしかめるケルベロス達。
 戦況は見るからに不利即ち劣勢つまりは敗色濃厚――要するに、全て作戦通りだった。


 たとえ他に優先すべき目的があろうとも、殺戮の機会を逃さない。デウスエクスの唾棄すべき習性を利用して、ケルベロス達は作戦を立てた。
 即ち、劣勢を装いデウスエクスにその機会が有ると誤認させる。道化を演技で欺き、蟻地獄のように決して戻れぬ黄泉路へと引き摺り込む。
 偽りの焦燥と苦心の仮面を貼り付け、演技に慣れぬ者はある意味で真実の苦労を滲ませながら、道化を前にパフォーマンスに臨むケルベロス達。
 そうとは知らぬ道化は、残虐な笑みを顔に湛えて鎌を振り回す。今再び、大鎌が殺戮の風となってケルベロス達を襲った。
「くぁ~~イタァイ!」
 斬られた腕を押さえて、大袈裟に跳ね回るヒナタ。味方を庇って攻撃を受けた言葉のサーヴァント、ボクスドラゴンのぶーちゃんも半べそで飛び回る。
「ふん、この程度も避けられないとは未熟者め」
 庇われたという事実を認識しつつ、シェリアクは敢えて味方に向けて毒を吐く。それは足並みが揃っていないと敵に見せつけるために。口の中に苦いものが広がるのを感じながら、彼は強引にそれを飲み込んだ。
「我が手本を見せてやろう」
 如意棒の先端を向け、突きの構えを取るシェリアク。それをみとめた道化は奇妙な行動に出た。まるで鏡を演じるかのように、彼の構えを模倣してみせたのだ。無論、道化の手にする鎌で如意棒と同じ事が出来るはずもない。訝しむシェリアクだったが、その表情は次の瞬間本物の驚愕に染まった。
「なんだと!?」
「わわ、びっくりしたのですよ!!」
 道化がひょいと鎌を振ると、それに釣られるようにシェリアクの体も動いたのだ。如意棒はあらぬ方向へ向けて暴発、ヒマラヤンの体を掠める結果となった。
「これは……」
「催眠ですね!」
 素早く反応する癒し手達。直ちに言葉のオーロラのような輝きと環の薬液の慈雨、ヴィーくんの邪気祓うウイングキャットの羽撃きがシェリアクの身から異常を取り払った。
 その様子を目にして、はたと動きを止める道化。今のケルベロス達の動きは迅速であった。まるで、それまでとは見違えて。だからこそ、道化は訝しむ。
 看破されるには未だ早すぎる。首を捻る敵の様子にシェリアクは心を決めた。苛立ったような荒い足取りで、ヒマラヤンへと距離を詰める。
「あの程度、もっと上手く避けろ」
 触れた肩越しに接触テレパスでこっそりと詫びながら、彼女を突き飛ばす。演技とはいえ、気持ちの良い行いではない。しかし功を奏したらしく、道化は一時の疑問を忘却して再び嗜虐の悦びに浸る事を決めたようだった。
 そんな道化の前に、一つの小さな影が、否、二つの影が飛び出す。赤毛に赤いアネモネを咲かせたメアリベルと下半身の無い影法師、彼女の『ママ』であった。
「気狂いクラウン、こちらへおいで。メアリと遊んで頂戴な!」
 言うが早いか、蹴り込まれる輝く流星と講堂に散乱していた備品が道化を打ちのめす。
 挑発は十分だった。吹き荒れる斬撃が、メアリベルの小さな体を切り刻む。
「…………」
 メアリベルは当初無反応であった。此処ではない何処かを見つめながら、ぼーっと佇む事暫し、やがてその眼尻にじんわりと水滴が浮かび上がる。
「いたい、いたいわ! メアリおうちに帰りたい!」
 それはまさに滂沱の涙。その小躯のどこから湧き上がるのか、尽きせぬ涙は流血と混じり合い、斬風に撒かれて辺りに飛び散る。
 まるでバラの花輪のようね、とメアリベルの脳裏で冷静な彼女がそっと囁く。
 彼女の目は今や眼前の敵を捉えていなかった。彼女の瞳に映るのは、焼きついて決して消える事のない最悪の記憶。焼け落ちるお屋敷と、そして――。
 とびきり活きの良い反応を示す獲物を前に、道化の興奮は最高潮に達した。逃げるメアリベルを追いかけ、夢中で鎌を振り回す。
 勿論、それを黙って見ているケルベロス達ではない。ある者はメアリベルを庇うように立ち塞がり、ある者は彼女に癒しを施し、ある者は道化にグラビティを浴びせかける。
「もー、ピエロさんしつこーい! アホー、変な顔ー!」
「このままでは、やられてしまうのですよー」
 道化師の激しい攻勢に、演技では有り得ない汗を滲ませながら、言葉は女子の嗜みデコグッズを、ヒマラヤンは光り輝く盾を巧みに操ってメアリベルのダメージを軽減する。
「っ! 安田さん! 無理しないで……!」
 メアリベルを庇って地面に転がる己の半身、テレビウムの安田さんに駆け寄る恭介。安田さんはこの程度どうという事は無いと、バールのようなものを杖に雄々しく立ち上がる。
 恭介が憎々しげに視線を上げれば、道化は一瞥もせずに高笑いをしながら少女を追いかけ回していた。その体に徐々に深く傷が刻まれつつあるというのに。
「滑稽ですね……いえ、僕が」
 言い終わってから、この分なら後半の誤魔化しは必要なかったかなと恭介は頬をかく。道化は今や完全に罠に落ちた。種明かしの時は近いだろう。ああ、そもそも――、
「まったく胸糞が悪いというものです!」
 如何な作戦の範疇に有るのだとしても、齢僅か一桁の少女が凶刃に晒される光景を前に平静を保てるほど、ぼんやりしているつもりもない。恭介は暴風の如き蹴撃を、道化の顔面に見舞った。
 文字通りの意味で横面を叩かれて動きを止めた道化に、頭上から炎弾が降り注ぐ。
 義骸装甲の翼を広げ、講堂を狭しと飛び回るセレネーは地獄の火と時の凍結、相反する二種の雨を降らし続ける。
「そろそろお芝居は終わりかしら?」
 セレネーが睥睨する先では、とうとう我に返ったのか、いつの間にか随分と痛めつけられた己の肉体を確認して愕然とする道化の姿があった。
 人を小馬鹿にした仕草、態度はどこへやら。なりふり構わぬ様子で、講堂の舞台目掛けて駆け寄ろうとする。
「今更遅いのよ。あなたはここで終わる」
「その通り! のオチ!」
 先程までの如何にも三枚目な振る舞いとは打って変わって、堂々と佇むヒナタの姿がそこにあった。変わらずペンぐるみではあるのだが。
 その左腕には、講堂の柱でも分捕ってきたのか、明らかに規格外の大きさをした鉄柱のような物がドッキングされている。そして、その先端では取り付けられたブースターが今か今かと火を噴く時を待っていた。
「どうやら、赤ペンさんVS道化師、世紀の騙し合い対決は赤ペンさん達の勝ちみたいのオチね~~!」
 いとも容易く予想されるこの後の展開に、ぎくりと体を強張らせる道化。その足元から緑の鎖が這い上がる。
「ずっと我慢してたのです。植物使いの神髄、今こそお見せする、です!」
 それは月の茨。魔力によって茨の棘と姿を変えた蔓草で、道化を締め上げる環は、頬をやや紅潮させ、嬉々とした様子。
 縛り上げられ、暴れ藻掻く道化師に駄目押しとばかりに追い討ちが浴びせかけられる。
 光り輝く小鳥の群れが切り刻む。地獄の炎を纏った大剣が両断する。伸びる如意棒が喉を打ち抜く。地獄の火の雨が打ち据える。属性の息吹が包み込み、鋭い爪が顔に赤い線を引き、ママの一撃が背を裂く。
「くぁ~はっは~~! さあ、終焉の鐘を打ち鳴らせ、我が鉄槌!!」
 もはや身じろぎもしなくなった道化師を前に、とうとうブースターが点火される。使用者のヒナタすら強引に牽引する爆発的推進力が、全てを破壊し尽くしかねない質量兵器を顕現させる。
 その名を赤ペンMブレード。ブレードという名の殴打武器は、音を置き去りにするような勢いで道化師目掛けて突進。轢殺と呼ぶに相応しい一撃を受けて、道化師は木っ端微塵に砕け散り、宙に溶けていった。


「さて、それでは眠り姫と対面するか」
 他のケルベロス達が舞台袖へと向かう中、言葉はそっとメアリベルの袖を引いた。
「ねえ、大丈夫?」
 先程までのメアリベルの様子は尋常ではなかった。あれがとても、単に敵を油断させるための空泣きだったとは思えない。しかし――、
「なあに? どうかしまして?」
 泣き腫らして充血した目で、しかしケロッとした様子で何でもない風に見上げられると言葉は何も言えなくなった。ただ黙って、その小さな頭を撫でる。
「仮死状態で眠ってるのって、どうやれば起きるのです? ……とりあえず、病院とかに運んでおいた方が良いのですかね?」
 このまま目を覚ましてくれると楽なのですがそうもいかなさそうなのです、とヒマラヤンは人物の閉じ込められた棺を前に小首を傾げる。
「デウスエクス絡みですし、一旦は連れ帰るべきでしょうね」
 棺を覗き込み、中の人物の無事を確認していた恭介はそう判ずる。一同もその考えに同意した。ケルベロス達は帰路につく。
「それにしても」
 広い空の下で大きく体を伸ばしたセレネーはふと今出てきた講堂を振り返った。
「最後の演目がちっとも笑えないお芝居だったなんて、なんだか悲しいわね」
「でも、ちゃんとハッピーエンドでした、です!」

作者:日野木尾 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年12月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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