失伝攻防戦~廃ビルに眠る者と赤ずきん

作者:小茄


 取り壊される事もないまま、長い年月が経った廃ビル。
 内部は机や椅子と言った家具類、その他一切の什器もすっかり撤去されており、空箱の様相を呈している。
 そんな廃墟の片隅に、モザイク状に切り取られた様なスペースが存在している事も、知る者は居ないだろう。
 しかしある時、モザイク空間は何の前触れも無く突如として消滅し、代わりに出現したのは丁度人間が1人すっぽり収りそうな木製の箱。
 有り体に言えば、棺桶の様だ。

「やれやれ、一体一体回収する事になるとは……っと、コイツか」
 魔空回廊によって、木箱のあるフロアに姿を現わしたのは赤いフードを被った少女。
 片手にバスケット、背中には猟銃を背負っている。
 そしてやはり、目当てはその棺桶めいた箱であったらしく、歩み寄って行く。
「ま、『切り札』は大事にしないとなぁ」


「状況は切迫しています。ジグラットゼクスの『王子様』撃破とほぼ同時に、東京上空にジュエルジグラットの『ゲート』が姿を現したのです」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)によると、そのゲートから出現した『巨大な腕』が、地上へ伸び始めているのだと言う。
 おそらくこれが、『王子様』が最後に言い残した『この世界を覆い尽くすジュエルジグラットの抱擁』なのだろう。
「本来であれば、この『ジュエルジグラットの抱擁』は創世濁流によってワイルドスペースに覆い尽くされた日本列島を完全に支配下に収める為の、とどめの一撃だったのだと思います」
 幸い、ケルベロスは創世濁流を阻止する事に成功した。このピンチをチャンスに変える事も可能な状況だ。
「ジュエルジグラットのゲートが戦場となった戦いに勝利すれば、ドリームイーターには致命的な一撃を与える事が可能なはずですから」
 ただし当然、厳しい状況である事は相手も理解しているだろう。
「『ジグラットゼクス』達は、戦いの切り札として仮死状態で隠して居た人間達を、急遽、ゲートに集めるべく動き出したようです。これは二藤・樹(不動の仕事人・e03613)さんの調査によって探索が進められていた『失踪していた失伝したジョブに関わりのある人物』達です」
 探索を行っていた事が幸いして、襲撃を予知し、連れ去られる前に駆けつける事が可能となった。
 ドリームイーターが彼らを連れ去り、ジュエルジグラットのゲートの防衛を固める前に、これを救出すると言うのが本作戦だ。

「皆さんに対応して頂く現場は、廃ビルの1フロアです。内部はがらんどうとなっており、移動、戦闘の妨げになる様な物は有りません」
 出現するのはジグラットゼクス『赤ずきん』の配下だ。
「相手は1体、戦闘力はやや高めですが、皆さんが力を合わせれば討伐は可能なはずです。ただ……敵は自分が敗北する可能性が高いと判断した場合、回収中の人物のみを魔空回廊によって転送しようとすると予想されます」
 彼らもまた必死なのだ。自分を犠牲にしてでも、役目は果たそうとするだろう。
「転送の為には2分程無防備になりますので、戦いの面ではかなり有利になりますね」
 しかしケルベロスが序盤から圧倒してしまうと、敵は早めに転送を開始し、完了までに倒しきれず、任務を完遂させてしまう事になるかも知れない。
 良い頃合いまでは相手が圧倒しているかの様に演出する事が出来れば、転送を阻止するチャンスも掴めそうだが……。
「もし、転送を絶対に阻止すると言う点のみを重視するのであれば……ですが、仮死状態の人物自体を攻撃し、死亡させる事も方法の一つとしては有り得ます。ドリームイーター側も、ケルベロスが彼らを攻撃すると言うのは想定していないでしょうから、防ぐ事も出来ないでしょう……」
 どの様な方針で臨むのかは、現場の判断に一任すると言う。

「失伝ジョブの探索がこのような状況で活きてくるとは思いませんでしたが、いずれにしてもドリームイーターの切り札を封じる事ができれば、今後の戦いにも有益かも知れません」
 ドリームイーターとの決戦を見据えても、今回の作戦が及ぼす影響は小さくないだろう。


参加者
ミオリ・ノウムカストゥルム(銀のテスタメント・e00629)
月枷・澄佳(天舞月華・e01311)
小早川・里桜(焔獄桜鬼・e02138)
デフェール・グラッジ(ペネトレイトバレット・e02355)
カナメ・クレッセント(羅狼・e12065)
深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)
ラズェ・ストラング(青の迫撃・e25336)
リール・ヴァン(良物件求ム・e39275)

■リプレイ


「ちゃんと生きてんだろうなぁ?」
 人も立ち入らない廃ビルの片隅で、木箱の蓋を開ける少女。赤いフード付きのマントにエプロンドレス。この場所には不釣り合いな、学芸会かコスプレ衣装の様な出で立ちだ。
 木棺めいた箱の中には、女性だろうか、眠るように横たわる人物の姿。
「ま、こんなんで生きてるもクソもねーか……よいしょ、っと」
 赤ずきんは言いながらも、その人物を抱き上げようと腰を屈める。
「拉致監禁とかイイ趣味してんじゃねーか。赤ずきんチャンよォ」
「っ?!」
 そんなタイミングで、柱の陰から姿を現わすのはデフェール・グラッジ(ペネトレイトバレット・e02355)。
「何だお前……ら?」
 立ち上がり、身構える赤ずきん。
「ねぇねぇ物騒な赤ずきーん! 私達と勝負しよ! そのマスケット銃、飾りじゃないんでしょ?」
 遊びをせがむ子供のように、無邪気に笑う小早川・里桜(焔獄桜鬼・e02138)。
「ただの人間がこんな所にいる訳ねぇよな……ケルベロスか?」
「デウスエクスの好きになんか好きになんかさせねーんだぜ!」
 こちらは年相応と言うべきか、燃える正義感そのままに言い放つ深宮司・蒼(綿津見降ろし・e16730)。
「そのたくらみを打ち砕いてあげましょう」
「わざわざこんな所まで邪魔しに来るとは、ご苦労なこったぜ」
 騎士道精神に則り、敵に対しても礼を欠くことの無いカナメ・クレッセント(羅狼・e12065)。
(「こいつら、一人一人は大した事ねーが……」)
 ケルベロスは8人。赤ずきんは彼らを見回して考える。
 仮死状態の被検体を回収する事が任務ではあるが、ついでにケルベロスを蹴散らす事が出来れば手柄としては十分。
 万が一、万が一の事があったとしても、被検体だけなら短時間での転送が可能だ。
「どうした、怖じ気づいたか? 哀れな愚物」
 思案を巡らせる様子の赤ずきんに、リール・ヴァン(良物件求ム・e39275)は挑発的に告げる。
「怖じ気づくだぁ……? 笑わせるなよ、雑魚どもが。どう料理してやるか考えてただけだぜ」
 背負っていた猟銃を手にしつつ、口の端を歪める赤ずきん。
「回復と支援は任されました」
 月枷・澄佳(天舞月華・e01311)が大量の紙兵を散布したのを合図に、ケルベロス、赤ずきん共に戦闘態勢に入る。
「慎重に行きましょう・オープン・コンバット。照準支援」
 次いでオウガ粒子により、仲間の超感覚を覚醒させるミオリ・ノウムカストゥルム(銀のテスタメント・e00629)。
「ヘイ赤頭巾のねーちゃん、俺たちの全身全霊を受け止めておくれよ」
 更にオウガ粒子の濃度を高めつつ、ラズェ・ストラング(青の迫撃・e25336)はじわりと間合いを詰める。
 廃ビルの一角で、両者の思惑が交差する戦いの幕が切って落とされた。


「なんだぁ? 威勢が良いのは口だけかよ。そっちが来ねぇなら、こっちから行くぜ!」
 仲間への支援に注力し、中々仕掛けて来ないケルベロスに拍子抜けした赤ずきん。
 狙うと言うより突き出す様にして猟銃を撃つ。
「その程度の銃弾……!」
 唸りを上げつつ迫る弾丸の前で身構えるのは、重武装モードを起動し、砦の如き鎧装を纏うリール。
 銃弾を真っ向から受け止める。
「はっ! コイツはただの猟銃じゃねーんだよ!」
「……っ!」
 装甲にめり込んだ銃弾が、尚も高速回転して鎧装を破壊してゆく。吸収し切れない衝撃を腹部に受け、リールも微かに表情を歪める。
「咲け……薄氷の弐式、破軍氷紋! こっちも反撃しないと!」
 すかさず、彼に氷を纏わせつつ促す蒼。
「出来たらしてるけどさ!」
 ブレイブマインを炸裂させながら、そんな言葉を返す里桜。
(「なんだコイツら、大した事ない? いや、これまでに多くのデウスエクスを屠ってきたのは事実……」)
 微かに怪訝そうな表情を浮かべつつ、目にも留まらぬ動作で弾を込める赤ずきん。
「では、こちらも全力で参りましょう」
 蒼い刀身の剣、『蒼の運命』を抜き放ったカナメは、急速に間合いを詰めた勢いそのままに、鋭い突きを繰り出す。
「なかなかの早撃ちじゃねーか……だが、オレの方が数倍速ぇぜ!」
 これに呼応する様に、リボルバーを連射するデフェール。
「この、程度で……かよっ!」
 しかし赤ずきんはカナメの刺突を銃で受け流しつつ、バスケットでデフェールの銃弾の直撃をも防いで行く。
(「攻撃力もこんなもんか……連携と回復力は厄介だが、苦戦する程の相手では……」)
「見事な体捌き、ですが……まだまだここからです」
「負け惜しみじゃなきゃ良いがなぁ?」
 カナメの言葉に再び傲岸な口調の赤ずきんは、今度は銃ではなく果物の意匠を取り込んだらしい鍵を手にし……。
「食らえっ!」
 ブンッと唸りを上げて振るえば、巻き起こるのはカマイタチの如き風刃。
 広範囲にわたってケルベロスの身体を切り刻む。
「くっ!」
「聖域結界演算開始」
 すかさず守護星座の輝きで復元を試みるミオリと、肩で息をしつつも不敵に笑むラズェ。
「我が身に宿すは、天眼統べる電子の乙女。……予想以上に攻撃が重すぎます、このままでは」
 澄佳はかつての戦いで喰らったダモクレスの魂を憑依させ、無数のドローンを展開しつつ仲間へ告げる。
「どうしたんだよ、マジでこの程度なのかぁ? 戦うのは好きだけどよぉ、雑魚をいたぶるのは趣味じゃねぇんだよなぁ」
 散発的な反撃はしつつも、防戦一方のケルベロス。一方の赤ずきんは、失望めいた表情と口調で言う。
「そこまで言うなら……こっちだって、攻撃するんだから!」
「はっ、アタシの銃が飾りじゃないって事、アンタの身体で確かめるんだな!」
 里桜は言うが早いか、前衛のポジションに進み出て接近戦を挑む。
「デフェ!」
「おう!」
 呼びかけと同時に跳躍する里桜。応えたデフェールのリボルバーが再び3発の弾丸を放つ。
「単調な同時攻撃なんざ、無駄だって言ってんだろうが!」
 2発の銃弾をバスケットで防ぎながら、空中の里桜に向けて引き金を引く赤ずきん。
「っ?!」
 が、その瞬間、3発目の銃弾は赤ずきんの銃身に命中。衝撃によって、あさっての方向へ放たれる弾丸。
「はぁっ!」
 そしてオウガメタルを纏った里桜の拳が、バランスを崩した赤ずきんの頬を打ち抜いた。
「ぐ、っ……!」
 クリーンヒットによって吹き飛ばされ、床を数回転がった赤ずきんだが、すぐさま立ち上がって体勢を立て直す。
「……最初から銃身を狙ってやがったのか、中々面白いが……この程度じゃアタシは倒せねぇな」
「それはこちらも同じ事だ。ご自慢の銃もその程度か」
 先ほどの銃撃で傷ついた鎧装を庇う様に、しかし敢然と赤ずきんへ迫るリール。
「そう言うのをな、やせ我慢って言うんだよ。てめぇからスクラップにしてやるよ!」
 またも放たれる弾丸が、リールの鎧装に突き刺さる。
「っ……」
 装甲が砕け散り、アームドフォートの砲身の一部が崩れ落ちて床に転がる。
「リールさん!」
 仲間を助けんと、悲痛な声を上げつつ割って入る蒼。雷を帯びた島渡の刃が赤ずきんの肩口を掠める。
 加えてラズェがすぐさま、リールを庇う様に立ちはだかる。
「ちっ! だが、まず1匹……まぁまぁ楽しませてくれたよ」
 勝利を確信した様に、笑みを深くする赤ずきん。
「これ以上は……」
 癒やしのオーラを放ちつつ、焦りの色を露わにする澄佳。
(「こいつらの事だ、仲間を庇いながらの戦いになるはず……後は時間の問題だな。こっちも回復しつつゆっくり愉しむか」)
「おや? どうされましたか、我々に負けるのが怖いのですか? 情けないですね」
「あぁ?」
 冷静に分析を始めた刹那、赤ずきんに声を掛けるのはカナメ。
 至る所に手傷を負っては居るものの、焦りや怯えの表情も無く真っ向から敵を見据えている。
「失礼。情けないからコソコソした戦法しか取れないのでしたね。配慮が足りませんでした」
「……状況を理解出来てんのか? お前らがまだ生きてられんのも、アタシが少し猶予を与えてやってるだけだってのによぉ」
 赤ずきんは笑みを消すと、低い声で言いながら眉間に皺を寄せる。
「いいぜ、アンタには仲間がくたばる所をたっぷり見せてから、最後に殺してやるよ」
 先ほど以上に冷徹さを帯びた笑みを戻した赤ずきんは、再び鍵を握った腕を振り上げる。


「てめぇらに、手こずる要素なんざ……!」
 苛烈な攻撃によってケルベロスを圧倒する赤ずきんは、確かにそう考えつつも、奇妙な違和感を覚え始めていた。
(「コイツら、どう見たって限界だろうに……なんでまだ倒れねぇ? 細々と反撃してきやがって……いい加減に……」)
「くっ……」
 リールの鎧装はことごとく砕け、ラズェも片膝をつく。
「まだ戦える……! お前なんかに、負けたりしねーっつーの!」
 挑発を続ける蒼も、それが虚勢である事は明白。
「くたばれってんだよ!」
 右手の鍵を銃に持ち替えた赤ずきんは、みたびリールに弾丸を放つ。
 既にそれを防ぐ鎧装を失った彼に迫る弾丸。ラズェ、蒼ともに庇える距離では無い。
「なっ?!」
 が、鈍い金属音を響かせた後、弾丸は天井へと突き刺さる。リールは鉄塊剣の腹を盾代わりにこれを弾いたのだ。
 しかし赤ずきんを驚かせたのは攻撃を防いだ事ではなく、そのまま彼が立ち上がって剣を構えた事。
「そうだ……いいぞ、もっと撃ってこい!」
「なんで立てる!? お前、瀕死のはず……ぐうっ!?」
 驚愕の赤ずきんが、言葉を途切れさせて数歩よろめき、僅かに間があって、足元に数的の血が滴り落ちる。
「後ろがお留守ですね」
 言うのは、煙をくゆらせるリボルバーを手にしたミオリ。
「まさか……『フリ』……だってのか」
「形態移行、熱量収束、抜剣領域形成完了……我が罪と我が心を、風よ、嗤いたまえ」
「何の為に……っ!」
「貴様が赤ずきんなら、こちらはマッチ売りとでも言わせてもらおうか!」
 リールはいまだ状況を掴みかねていない敵目掛け、獄炎を纏う鉄塊剣を抜き放ちざまに切り上げ、そのまま振り下ろしの追撃を見舞う。
「ぐうっ!」
 振り下ろしを防いだ銃がバキリとへし折れ、衝撃で再び吹き飛ぶ赤ずきん。
「アタシが……負けるのかよ!? ……いや、だとしても……!」
「残り2分です」
 赤ずきんが立ち上がりざま、転送行動を開始したのを確認し、カウントダウンを始めるミオリ。
「せめてコイツだけは、届けねぇと……一人送るくらいなら!」
 両手を掲げ、魔空回廊を開きに掛かる赤ずきん。
「転送は、させません。一気に攻撃を」
「うん、絶対止めるよ! 招風鋭刃、疾く刻めッ!」
 澄佳の手から放たれた闘気が、赤ずきんの腕に食らい付くと同時、魔力を籠めた緑色の符を腹部に叩きつける里桜。
「ぐあぁぁっ……さっきまでの攻撃と……大分違うじゃねぇかよ。……まさか、この為か……」
 夥しい量の血だまりを作りながらも、転送を途切れさせる事の無い赤ずきん。
(「アタシに勝つ事は大前提かよ……むかつくやつらだ。転送だけは……絶対に!」)
「よーするに全部ぶっ壊せばいいんだろ? じゃあやるしかネェな!」
「仲間を利用される訳にはいきません。星皇十字斬!」
 地獄の焔を纏った弾丸を装填し、続けざまに6発叩き込むデフェール。カナメは星の皇の力を篭めた斬撃によって、敵の身体を十字に斬り刻む。
「間に合え!」
 波状攻撃によって身体をグラつかせる相手に、蒼は掌から螺旋の力を送り込む。
「う……ぐふっ!」
 膝を折って、その場に崩れ落ちる赤ずきん。
「やった……?」
「いえ、まだです」
 澄佳は、敵の手にまだ力が籠められているのを見逃さず、攻撃を促す。
「く、くそ……」
「消し炭も残さねぇよ!」
「砲撃パラメータ問題なし、セイフティリリース、撃ち方、始め」
 これに応えるように、制御を解放した重粒子相転移による巨大な火柱を発生させるラズェ。同時に、ミオリの放つレールガンが、敵の身体を跡形も無く消し去った。


「残り20秒……周囲に敵性存在なし、クローズ・コンバット、お疲れ様でした」
 ミオリの言葉に、改めて安堵の吐息をつく一同。
 眠れる被検体の姿は、依然として木棺の中にある。
「お疲れ様でした。皆さん、お怪我はありませんか?」
「あぁ、お陰でな。感謝する」
 澄佳の言葉に、頷きつつ応えるリール。
「お疲れー、デフェ」
「おう、お疲れ」
 こちらは拳を合わせて、互いに労をねぎらう里桜とデフェール。
「どうにか阻止はできたか……。一件落着なべて世はこともなし、ならいいんだがな」
「殺さねーで済んで良かったよ」
 ラズェの呟きに相槌を打つ蒼。
「この方、お連れしないといけませんね。目覚めそうにはありませんし、どなたかお手伝い頂けますか?」
 木棺の端に手を掛けつつ言うカナメ。

 かくして、巧妙な戦術によりグリーディー配下の赤ずきんを倒し、また凍結状態の被験体を保護する事に成功したケルベロス。
 いまだ眠りについたままのその人物を伴い、一行は廃ビルを後にするのだった。

作者:小茄 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年12月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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