郊外の山の上に廃業した……テーマパークだか装飾華美なホテルが一つ。
そこの一角に煙る、霞み掛る様なモザイクが消えて行く。
四畳半ほどの部屋の一つを覆っていたモザイクが消え去ると、中から薔薇に包まれた棺桶が現れる。
『おお、世界が消えて行く消えて行く。小さきとはいえ世界が一つ消えてしまう』
そこへ大仰な物言いでナニカがやって来た。
空を歪め魔空回廊を通って、小さな小さなワイルドスペースの消失を悲しみながら何者かがやって来た。
『さて、本当に失われるのはナニなのか? 勝利か明日かそれとも可能性。だが待つが良い。いつから失われていないと思っていたのか』
道化染みた大仰な物言いはその奇妙な服装に相応しいピエロ。
彼らの事を良く知る者であれば、ドリームイーターであると指摘しただろう。
●
「緊急事態です、ジグラットゼクスの『王子様』を撃破と時を同じくして、東京上空5000mの地点に、ジュエルジグラットの『ゲート』が姿を現しました」
セリカ・リュミエールが地図と資料を手に説明を始めた。
「そして、そのゲートから『巨大な腕』が地上へと伸び始めたのです。
この『巨大な腕』こそ、『王子様』が最後に言い残した『この世界を覆い尽くすジュエルジグラットの抱擁』である可能性が高いでしょう。
本来であれば、この『ジュエルジグラットの抱擁』は、創世濁流によってワイルドスペース化した日本全土を完全に支配する止めの一撃だったと思われます」
だがケルベロスが『創世濁流』を阻止した事で、その目論見は阻止する事に成功した。
「確かに、東京上空に現れた巨大な腕は大きな脅威ですし、打ち破るには、全世界決戦体制を行う必要がある程の危険規模です。
しかし、ジュエルジグラットのゲートを戦場として戦う以上、この戦いに勝利する事ができれば、ドリームイーターに対して致命的な一撃を与える事ができるはずです」
勿論、この状況はドリームイーター側も理解しているはずだ。
ドリームイーターの最高戦力である『ジグラットゼクス』達は、ケルベロスとの戦いの切り札として用意していた人間達を、急遽、ゲートに集めるべく動き出したらしい。
ドリームイーターが回収しようとしているのは、二藤・樹(不動の仕事人・e03613)の調査によって、探索が進められていた『失踪していた失伝したジョブに関わりのある人物』達と推測されている。
「本来ならば、介入の余地がないタイミングで行われる事件でしたが、日本中でケルベロスが探索を行っていた事で、この襲撃を予知し、連れ去られる前に駆け付ける事が可能となりました」
ドリームイーターが彼らを利用して、ジュエルジグラットのゲートの防衛を固める前に、ドリームイーターを撃破して救出してきてほしいとセリカは頭を下げたのである。
「場所は郊外にある山の上に建設された宿泊型テーマパーク跡地で、ここ数年放置されていた場所です」
セリカはそこまで説明した後、一端切って周囲が理解して居ることを確かめた。
「敵は道化師の様な姿をしたドリームイーターで、一体しか居ませんが相当な相手です。最初はケルベロスを排除してから行動する為、トランプを刃の様に投げつけ、あるいは言葉で煙に巻こうとしますが……」
戦闘力や姿はあくまで情報の一部。重要なのはここからだとセリカは付け加える。
「彼らはそこで封印され、眠っていた人物を回収する為に来ています。仮に敗北しそうであった場合、戦闘を後回しにしてゲートで移送することを優先するでしょう。無防備になる上に二分程度掛るため、ここでどうするかが分かれ目になります。場合によってはハッタリで誘導することも可能かもしれません」
二分で倒しきれない状況で移送する事を思い付かれると、眠っている人間を移動させてしまうだろう。
逆に、二分あれば倒せる場合は無防備になった二分の間に倒す事も出来るはずだ。
……苦しい判断だがギリギリで負けそうな場合は、移動させられてしまうだろうが、その間の攻撃で逆転出来る可能性は高くなる。
また言葉で攻めることで、実際よりも勝って居ると思わせたり、負けているフリでピンチであると見せかけて移送するのを送らせることも可能かもしれない。
「失伝ジョブの探索がこのような事態になるとは想像していませんでしたが、ドリームイーターの切り札を、ここで奪う事ができれば戦いは有利になるかもしれません。またそれ以上に、浚われた人々を取り返す事も出来るでしょう」
セリカはそういうと、できれば助けたいものですと付け加えた。
そうして頭を下げて、皆の相談を見守るのであった。
参加者 | |
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白銀・風音(お昼寝大好きうさぎ・e01669) |
ゼフト・ルーヴェンス(影に遊ぶ勝負師・e04499) |
アストラ・デュアプリズム(グッドナイト・e05909) |
音無・凪(片端のキツツキ・e16182) |
ルベウス・アルマンド(紅卿・e27820) |
トワ・トガサカ(ジェスターになれない案山子・e30469) |
天白・ニニギ(天孫再臨・e32529) |
アリャリァリャ・ロートクロム(悪食・e35846) |
●
「失われた伝承も大事ですが……」
天白・ニニギ(天孫再臨・e32529)はふと漏らした。
前提の一つではあるが……。
「まずはデウスエクスを倒し、連れ去られようとしてる人を救出する、という観点から負けられませんね」
「可能なら助けたいな、うんできることだけ頑張ろう」
ニニギの言葉を拾って白銀・風音(お昼寝大好きうさぎ・e01669)が頷いた。
連れて行かれると敵の強化や新たな作戦に繋がってしまう為、最悪の場合は殺害も止むなしと言う者も居るが……。やはり人命には代えられない。
できれば無事に助け出し、その上で伝承を聞ければ言うことはないだろう。
「よーし、ちょいと久々の戦闘だけど頑張るか!」
「お、ソウダな。ソレが良い」
風音が体を動かしながらしながら宿泊施設に入ろうとすると、アリャリァリャ・ロートクロム(悪食・e35846)がポムっと手を叩いた。
「どういうこと?」
「不利なフリ。下手なフリ。仲間ワレ」
「ああ、なるほど。連携が上手く行っていないフリというのは良いですね」
風音らがアリャリァリャの提案に相乗りして、形ばかりの仲違い作戦に出た。
どのみち序盤は結界とか援護が中心で、攻撃しない人も居るし丁度良いだろう。
倒されない様にだけ気を付けて、後半に向けてジックリ狙って行けばいいのだ。
そんな風に行っていると、奥の間で声がし始める。
『おお、世界が消えて行く消えて行く。小さきとはいえ世界が一つ消えてしまう』
言葉と共にナニカが失われて行くのが判る。
代わりに現れたのは、道化師の恰好をした誰かであった。
「そこまでだ。俺たちケルベロスがやらせねえ!」
『さて、本当に失われるのはナニなのか? 勝利か明日かそれとも可能性。だが待つが良い。いつから失われていないと思っていたのか』
仲間達の前に出る音無・凪(片端のキツツキ・e16182)に対して、道化は部屋の奥をチラリと見て笑い出した。
恭しく腰を曲げ御辞儀をして見せる。
『喝采せよ! 壇上に上がるはラマンチャの騎士か、はたまたドン・キホーテか? 喝采せよ喝采せよ!』
投げつけられたトランプの刃に割って入ったが、凪は思わず首を傾げる。
「えっと同じだよ」
「あん? ……そりゃどっちも同じじゃねえか!」
最初は判らなかったが、風音が障壁を張りながら後ろでコッソリ囁いたのでなんとかセーフ。
凪にしてみれば、まあ判らなくても『どっちでもいーや』と言うつもりだったので、まあ同じ結果である。
前衛へと投げつけられたトランプを体で受け止め、無機質な右手を力一杯握り締めてグラビティを奪いに掛った。
こうしてドリームイーターとの不規則な戦いは、最初は普通に始まったのである。
●
「えっと、これは中りますか……?」
ニニギは矢に『悪しきモノに中るべし』と願いを込めて撃ち放つ。
その矢は過たず命中するが、連射するほどでもなくハズレそうでも無かった。気弱なフリをしたいところなので微妙な所だ。
「臆してはなりません。我々の後ろには多くの人々が居るのです」
そこへトワ・トガサカ(ジェスターになれない案山子・e30469)が横入りし、棍を伸ばしながら殴りつける。
全員が気弱でも不自然だし、毅然と振る舞った方が陰影が出て演技が引き締まる。
「ここにもまた救うべき人がいます」
「その通りよ。こそこそと人攫いとは、感心しないわ、ね。手ぶらでお帰り願おうかしら」
トワの言葉に頷き、ルベウス・アルマンド(紅卿・e27820)は闘気を適当に練りながら解き放つ。
適当とは適切に当たると言う言葉が語源であるが、今回は間違った方の用途だ。
「この程度も避けられない相手に遠慮は不要よ」
「しかし、そうは言うがな。こいつ手強い……勝てるかどうかわからないぞ」
傲然と言い放つルベウスに対し、ゼフト・ルーヴェンス(影に遊ぶ勝負師・e04499)はあくまで慎重論を唱えた。
「ギヒヒ、こんなヤツウチだけで十分ダナ!」
「落ち付け。お前のペースに合わせて居たら、俺までこのありさまだ」
何しろアリャリァリャとゼフトの攻撃は、一度目はともかく二度目が明後日の方向に飛んでいる。
ゼフトはグラビティで結った縄を、アリャリァリャはチェンソーを最大ボリュームで振り回したが……、同じ攻撃ゆえに見切られてしまったのだ。
「むぅ……みんなもっとちゃんと戦ってよ! 相手がピエロだからって同じ攻撃を繰り返してたら当たる訳ないでしょ。JK」
JKとは、イコールノット女子高生。すなわち常識で考えろ。
携帯越しにアストラ・デュアプリズム(グッドナイト・e05909)は一部にしか通じない煽り文句を主張した。
さっきから彼女も同じことを繰り返して居るわけだが……。
「アストラも同じことしてる? 何いってんの。アストラは援護だから無問題。こらっボックスナイトも何やってんの!」
と言う感じで建物の影に隠れてやる気ナッシング。ミミックのボックスナイトにも叱咤の嵐。
まさに携帯越しのネット弁慶である。
「どうでもいいが、てめえら手なんか抜くんじゃねーぞ! 庇ってダメージくらうのは、あたしなんだからな!」
ここで凪は手を抜くと言う言葉を使って見せた。
これが作戦ならばあえて指摘する筈が無い。その裏をかいて罵倒の言葉として使用する。
それと同時に仲間達がちゃんと狙ったり、避けているのも確かなのだ。単位に同じ種類の技は避けられ易いし、格上の攻撃を避けきれないのも仕方無いだけ。
「え、えっと、今はそのような状況ではないかと、ちょ、ちょっと」
「……チッ、なんでこの程度の攻撃をいなせねーんだよ。トロい奴ァ庇う価値もねーんだが…いい加減にしてくれねぇかい?」
止めるフリをしてニニギが火に油を注ぎ込みに行った。
凪のような勝気な女の子に中途半端なフォローは逆効果である。
チームワ-クの為に静かになるが、良く聞けば鳥の様に真っ白な刀を炎で赤く染めながらブツブツと不満をぶちまけているではないか。
「……やっちゃえ凪!」
「おう! 行って来るぜ」
風音が援護すると弾丸のように飛び込んで行った。
「だ、大丈夫ですかね」
「殺されるのは嫌だからいっそ逃げちまうか? まあ押し返さないと逃げるに逃げられねーけどな」
ニニギが弱気な言葉と共に闘気を練って飛ばすと、ゼフトは肩をすくめてどうにもならんと言い返した。
こうして戦いは一見、混迷の渦の中に飛び込んでいるかのように見えたのである。
●
「回復が間に合わない……! そこで口論してるなら、せめて回復くらい手伝って!」
風音は治療をスルーペースで行い、かつ後半の巻き返しを狙って範囲系の結界を繰り返して張った。
流体金属は単体回復には及ばないが、ガイドしてくれるので心強い。
「なんですか! 真面目にやれって言って、凪ちゃんだって持って来るの忘れたのはそっちもじゃないですか」
「うるせえ!」
オマエモナー! オマエモ……。
アストラが送って来るメールを無視して、凪は仕方無く最初に使ったグラビティ奪取を試みる。
まあ回復を兼ねる技や火力の高い技をブン回す事になっているから、まあ許容範囲であろう。
「仕方無い。たまにはアストラ自ら動くよ、てい」
あんよを安全地帯から露出してみる。
おっかなビックリしつつアストラは空気を蹴って、しっしと遠距離攻撃。
「そこに居ると当たるわよ。まったく、見ていられないわ、ね」
ルベウスはこそっと出て来たアストラに声をかけつつ、ナイフを引き抜いて陽動してあげることにした。
しかしそこには、仲間がブンブンと大物を振り回して居る。
「当たルと痛いゼ!」
「危ないじゃない。何をしているの……もう」
アリャリァリャを邪魔そうに避けながら、ナイフを敵に突き立てる。
だがしかし、敵はカーテンが引き千切れる様にパサリと崩れ落ちてしまった。
代わりに部屋の中に在った人形の一つが起き上がり、ムクリと動き出す。
周囲にあるシーツをボディに、巨大化したかのようだ。
『ケケケ。何時からそいつが本体だと思っていた? そう、イッツ・ア・ショウタイム! ここからが本番!』
「なんてこと。オレ達は偽者に引掛っていたと言う事ですか。いえ、ここで下がるわけには」
トワは大仰に驚いて見せることで、不利を演出して見せた。弱気になる自分を叱咤して拳を振るわせる。
今時の物語りでは、人形の方が本体だなんて良くある話だ。
それに布に隠れて腹話術している黒子というのも、日本の古典芸能には良くあるので驚くには値しない。
作戦として不利を演出する事には意味がある。相手の方が実は不利だということを悟らせない為だ。
「なら、全員で押し返してから逃げるってのはどうだ? ここは一時退散して、人数増やしてもう一回来ればいい」
「ですが……。あの子を回収するまでは逃げるわけには行きません」
ゼフトはスライムをこっそり放ちながら逃げ腰の作戦を立て、トワはそれは真っ向から否定する。
救いを待つ誰かを助けるために逃げるわけにはいかないと、振動拳の余波も覚めやらぬ内に、奮起する決意を示すかのように棍を伸ばす。
棍が弾き飛ばされてしまうが、それで諦める彼女では無い。
(「あと少し……です。オレ達が助けますから、待って居てくださいね」)
……そう、全ての演技はその為だ。
敵はこちらを倒す程の戦力ではないが、眠っている被害者を転送するのは簡単なのだ。
仲違いも外れているのも驚いているのも、全て全て、一気に勝負を決めるためである!
●
「ま、待て……! 俺はまだ死にたくはない。どうすれば見逃してもらえる?」
『ふむ。そーですねえ。その辺の子を捕まえてくださいな。切断ショーでも披露いたしまSHOW」
ゼフトの言葉にドリームイーターは実にピエロらしい事を言い出した。
しかし手品など使えない。やったら真っ二つである。
「やれやれ……こんなイカレ道化師を手下にもつ継母とやらは、漏れなく狂ったババアなんだろうねぇ」
『命を狩る悪徳の持ち主の癖に、なんという暴言! 君たちの方こそがマーッド! マクシマム!』
凪が割って入りながら叩きつける攻撃をブリッジで避けながら、そのお腹の上に人形が飛び乗った。
黒子ボディの上で人形タップダンスさせる様は実に芸達者。
気が付けば空中をラインダンスしながら凪に襲い掛って来た。しかしこの程度の攻撃は望むところだ!!
「そうか……ならばお前を殺して生き延びよう。それが手っ取り早い」
ゼフトは敵が凪へ注意を向けている間に急接近。
眉間に銃口を当てて引き金を引いた。
「さあ、ゲームを始めよう。運命の引き金はどちらを選ぶかな」
ゼフトの放つ弾は実体のある弾丸ではない。
精神エネルギーを練り込み、悪いイメージを植え付けるために解き放たれた。
どんな夢を見るかは確実ではないが、今ならば『継母』関連なのではないだろうか。
『ええい。まずはあの方に仰せつけられた任務を全うするのみ!』
「貴様のような三流役者を抱え込む継母とやらが哀れだ。此処に訪れるは終焉なり」
トワは永劫螺旋に続く戦禍を終わらせる為、力を束ねて終焉を呼び込む。
まずは槍の様に鋭く、そして小さく細く刃の様に螺子り込み、翡翠で造られた棒クナイを生み出した。
それを手に人々の終焉を終焉させる旅に出るのだ。クナイを刃として切りかかって行く。
「演技はここまで、ね。逃がさないわ……!」
ルベウスは魔術を解禁すると、闘気ではなく時間を練り上げた。
胸の宝石が輝く時、歪む刻の狭間に敵を陥れる。それは凍れる時間の牢獄だ。
仲間を罵倒しながら攻撃なんて面倒はもうコリゴリである。
「御機嫌ジャないか、遊んでくれヨ。ダイ、コン――おろーし!!」
アリャリァリャは暴力という愛情表現を開放した。
彼女と遊ぶということは、死の淵まで楽しく殺し合いどちらかが相手を倒して、腹に納めるまで楽しむということだ。
転送を始めるドリームイーターに対し、磨り潰すような一撃を浴びせ地獄の炎で焼き焦がす。
「逃がしませんよ……、『禁』!」
ニニギは呪禁道に連なる言葉を用いた。
生き物を使う符蟲と並んで既に失われた術をしばし蘇らせて、退去を禁ずる。
グラビティで編まれた縄が夢喰いの道化師を縛りつけて行く。
「昔は遊園地だった場所で人さらいなんかさせたくないよね。……でも2分もあればカップ麺も食べれる」
アストラは魔力で無数の矢を造り出し、次々に撃ち放つ。
ただ突き立てただけの刃が、肉を抉るのは摩訶不思議? いいやこれまでに積みあげた技があったればこそ。
我慢に我慢を重ねた準備が、ようやくここに結ばれたのだ。
「ブチカマス!」
「てめえの良いようにはやらせねーぞ……置いてけよ、なァ!」
風音が兎に変身し、面積を小さくすると流体金属をまとって特攻開始。
敵の背中にぶちかまし、そこへ凪が素っ飛んでくる。
これまでの力任せな戦いと比べて、その一撃は素早く流麗であった。
「轍のように芽出生せ……彼者誰の黄金、誰彼の紅……長じて年輪を嵩塗るもの……転じて光陰を蝕むるもの……櫟の許に刺し貫け」
ルベウスは魔力を込めた宝石の元に、金色の槍を召喚した。
良く見ればそれは魔法生物であり、自由意志を持って突撃する。光の如きその姿は紅い瞳に導かれて串刺しにするのだ。
「お前はカードの使い方がなってないな。本当の切り札の使い方を教えてやろう」
最後にゼフトがカードを空に弾き、天に黄金色の竜を呼び出して喰らわせたのである。
「アぁ……あ。消えチまった。残ラないタイプか残念」
アリャリァリャは残骸が残るタイプなら良かったのにと想いつつ、祈りを捧げることにした。
全力で戦った相手には相するのが筋だろう。
「ボロボロになってしまったわ、ね。ごめんなさい」
「みんなで直せば直ぐなんだよ」
「ではオレ達は残骸の整理でも」
ルベウスやアストラは周囲のヒールを始め、トワのように用意して居ない者は残骸を抱えたり、被害者のケアに向かうことにした。
こうして最後の手段を取ることも無く、ケルベロス達は無事に帰還を果たしたのである。
作者:baron |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年12月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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