舞台に響く、ただ一つの歌声

作者:久澄零太

「歌は一人であるべきだ」
 躍動感あふれる歌詞のはずなのに、どこか切なさを覚える歌を歌い終えた鳥おばけはため息をつく。
「ハーモニーなんて言葉もあるだろう。事実、旋律を重ねるのもまた美しい……だがな」
 もの寂しげに目を伏せる異形はじっと楽譜を見つめる。
「歌はやはり、一人に限る。旋律は一つでいい、歌声は一つでいい、歌い手は一人でいい……全てがただ一つの、音楽。それこそが至高なのだ……」
 語り終えた異形は軽く喉を叩いた。
「さぁ、同志達よ。ただ一つの音色を紡ぐのだ……」
『イェス歌唱、ゴーソロ!!』

「皆大変だよ!」
 大神・ユキ(元気印のヘリオライダー・en0168)はコロコロと地図を広げて、とあるビルを示した。
「このビル、今は使われてないんだけど中に劇場があって、そこに一人で歌う歌こそが至高ってビルシャナが現れて、信者を増やそうとするの!」
「歌を教義にするなんて……」
 疲れ切った人の側で歌う。そんな『支えるための歌』を信条とする上里・もも(遍く照らせ・e08616) には、思うところがあるのかもしれない。
「敵は一人の歌声こそが至高って教義の通り、ソロの歌が一番だって思ってるから、その逆。何人かで一緒に歌えば信者の目を覚まさせることができるよ!」
 ここで、ももが違和感に気づいた。
「歌うの? 語るんじゃなくて?」
「うん、今回のビルシャナはクロエディーヴァっていう『音楽による救済』を教義とするビルシャナの信者からビルシャナ化したみたいで、信者の方も言葉じゃダメなの。歌で勝負する必要があるよ!」
 まさかの事態に番犬達にも動揺が走るが、ダメならダメで物理的説得と言う最終手段もなくはない為一先ず落ち着き、それを見計らってユキは続きを語る。
「敵は二人目以降の歌声を封じる術みたいなものと、周囲の気温を引き下げて呼吸をしづらくして歌いにくくする力、あと相棒がいると声が出なくなる呪いを使って来るの」
 戦術すらもソロの歌を崇拝するかのような力である。しかし同時に。
「二人以上で歌って、ビルシャナを感動させることができれば戦う前に消えちゃうよ。簡単ではないけど……ソロにこだわる理由とか見抜けたら楽かもね?」
 説明を終えたユキは番犬達に喉飴を配る。
「歌い過ぎて喉を潰して、風邪引いちゃダメだからね? あ、それと、ビルシャナは皆が歌ってる時は邪魔して来ないの。ソロこそ至高って思ってるから、戦闘に入るまではそれを見下す為に、わざと歌わせるみたい。そこで心を揺さぶって、やっつけちゃお!」


参加者
ネロ・ダハーカ(マグメルの柩・e00662)
アイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841)
樫木・正彦(牡羊座のシャドウチェイサー・e00916)
シィ・ブラントネール(星天のノルフェーン・e03575)
黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)
上里・もも(遍く照らせ・e08616)
猫夜敷・愛楽礼(吼える詩声・e31454)
天乃原・周(食いしん坊・e35675)

■リプレイ

●同じ星の上で
 静寂が支配する劇場。異形とその信徒たちの会合に、闖入者がある。
「まぁ大変! お客さんはもう待ってるわ!」
 なんだこいつは? そんな視線を身に受けて、シィ・ブラントネール(星天のノルフェーン・e03575)は巫霊とともに客席を駆け抜け壇上に飛び乗った。
「貴様、ここは……」
「自ら飛び込んできたのだ、何かあるのだろう?」
 信者を制した異形が客席に降りれば、信者達も付き従い舞台にはシィとレトラだけが残される。
「一夜限りの特別ライブ、盛り上げるわよレトラ! さあ、最初の曲は……『同じ星の上で』!!」
 相棒にむけてふんす、気合十分なお嬢様は舞台袖に下がる。劇場の扉を開いたのは三人の番犬と二体の従属。
「スサノオ、お前もなんか歌うんだからな?」
「シラユキはタンバリン係。困り顔でしゃんしゃんする係な」
 上里・もも(遍く照らせ・e08616)の無理難題に白焔のような霊犬は虚ろな眼差しを返し、天乃原・周(食いしん坊・e35675)の無茶振りに雪の妖精のような巫霊は既におろおろ。ふと目が合った従属達は前脚と片手を重ねた。
「普段しないことをやるというのはやっぱりちょっと胸が踊ってしまうな……ちゃんと出来るかどうか、不安でもあるのだけれど」
 深呼吸するネロ・ダハーカ(マグメルの柩・e00662)の背中をももがパァン! 驚いた拍子にむせてしまうネロへ、無邪気に笑う。
「楽しくいこう。いまこの瞬間、歌は芸術作品じゃなくてみんなの遊び場だ。失敗したらしたで、それもいい思い出だって!」
「えぇ……?」
 それはそれで恥ずかしいような……そんな想いを吐露する前に、音楽が始まってしまう。
『死と隣り合わせの生き方を これがぼくらの仕事さ 戦う理由は何のため? それは世界を守るため キミの笑顔を守るため キミ達の笑顔を守るため』
 歌い出しは目を瞑り、音程を合わせる事よりも大声を出す事を意識した、合唱のような歌声を響かせる周。ネロが自分の出番に備えて息を吸い込む。
『ひとりでなんて さみしくない? ふたりで唄えば 響くユニゾン 絡む歌声 蕩けるハーモニー ひとりじゃないと思えるのは 誰かの声が聞こえるから』
 応えるように歌声を紡ぐネロ。どことなく震えながらも楽し気に音色が跳ねるのは、初めて人前で歌う不安と、誰かと歌う事の楽しさの両方に包まれているからかもしれない。
『傷ついて欲しくないだけなのに 背を向けて遠ざけてしまう』
『側に居て欲しいだけなのに 君は一人戦場へ向かう』
『なぜ』
『どうして』
『想い』
『温もり』
『『すれ違うの?』』
 その瞬間、二人の目がわずかに開かれる。重ねる音程が微かにずれて、不協和音になってしまったのだ。焦り、歌詞の続きが止まりかけた二人を包み込むように、ももの声が響く。
『きみとここで 笑うために ぼくは生まれてきたんだ』
 伸びる歌声が二人の手を引くように、添えた微笑みを指揮の代わりにして三人の歌は続いていく。
『今ならいえる 迷いはもうない だって こんなにも愛おしい』
 いくよ。もものアイコンタクトに、ネロと周はブレス。瞳を閉じてその瞬間を待つ。
『『『伸びるメロディ 天まで届け君の声 足りない距離はきっと 誰かが手を取り縮めてくれる 立てない場所へ立つ為の 隙間埋めてくれるよな てっぺんへ至る切符は誰の声?』』』
 わずかにずれるネロと周のハーモニー。歌い慣れない二人の旋律を、ももの歌声が繋ぎ止める事で、開いてしまった音程は壮大な情景を思わせるメロディへ……ふと、ももは舞台に向けて囁く様に、語りかけるように。
『それはきっと 大切な……』
『『『君の声なんだ』』』

●孤高
 三つの重なった声の余韻が残る中、三人は舞台を降りていった。代わりに飛び出したシィは客席にマイクを向ける。
「いい曲よね! アナタ達に聞かせるために作った特別な曲なのよ!」
「ふん、三人でなければ歌えな……」
「そうよね! いい歌よね!!」
「聞いておいてそれか!?」
 テンション高めに勝手に進めるシィに、開いた嘴が閉まらない鳥オバケ。
「さぁ、続いては『孤高』。よろしく!」
 シィが引っ込むと舞台が暗転。照明が消えた劇場に歌が聞こえる。
『孤高にて立つ境地 隣に立つ者は無し されど極みに非ず 一人で至れるものか』
 静かな歌い出しと共に、突然のスポットライトが照らし出したのは番犬外套に身を包んだアイン・オルキス(誇りの帆を上げて・e00841)ただ一人。
『束ね 束ね Visionを紡ぎ 重ね 重ね 高みへ昇れ 調和調律にて 響き輝いて さぁ……聞かせよう』
 消え入るように伸びる声の中、アインが囁いた。
「行くぞ黒斑」
「オゥイェ!」
 アインを背中合わせに立ち、照明の影に姿を隠していた黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)がくるりと身を翻し、互いの拳の裏をぶつけた。
「「――マテリアライズ!」」
 二着の外套が宙を舞う。黒染めの甚平姿の物九郎がマイクを短く握り、アインは黒のフィルムスーツに獣のようなヘッドギア、指先が銃口になったガントレット、爪先を絞ったようなレッグパーツ……漆黒のアーマーに換装してマイクを構え、曲調が急激に速度を上げた。
『握る拳は何の為? 力だけじゃ救えない 振るう剣は誰の為? 傷つけるだけじゃ進めない』
『力任せ 人任せ 迷うテメェに道示せ 迷うな 止まんな したい事しな 遠慮しなさんな テメェの意思示せ』
 アインの声が高らかに言の葉を紡ぎ、物九郎のラップが続いて留まることを知らない、突き進む為の歌を描く。
『孤独にて見る景色 隣に立つ者は無し されど完成に非ず 一人で満たせるものか 競い 競い 力を求め 強き 強き 思いを飛ばせ 切磋琢磨にて 火花を散らし さぁ、聞かせよう』
 一度目と違い、アップテンポのまま同じリズムを刻み、そっと肩を並べてアインが微笑む。
「更に早くいくぞ?」
「なんなら追い越しますでよ?」
「それでこそだッ!」
『抱く願いは誰の為? 欲しがるだけじゃ届かない 秘めた意思は何の為? 奪うだけじゃ満たされない』
『抗え 振るえ その手握って 隠すな 退くな 諦めんな 今更手放すな 紡いだ約束』
 ブレスを挟み、アインは目を伏せる。
「柄でもないと私を笑うか?」
「そっスね、笑顔になりますわ」
「なに、たまには悪くないな。何も考えずに歌うというのは!」
「あれはナシ、これはアリ。そも四の五の考えながら歌ってちゃツマンネーでしょうわ!」
 二人がマイクを手放し、腕を交差して互いの物と交換。額を突き合わせるようにしてクライマックスへ。
『『鍛えた力はお前の為 だから隣に立たせろよ 磨いた技は君の為 今こそ想い重ねよう』』
 一瞬、音楽が止まる。
『『紡いだ約束果たす為 ここまで進んだこの道を 交わした心守るため 登り切った頂点を』』
『誰も』
『否定』
『『できやしない』』
『ここは!』
『二人!』
『『だけの場所!!』』
 爆発的な再開と共に一気に歌いきった二人はそっと離れ、それぞれ異形に向けて手を伸ばす。
「「――さぁ、聞かせよう」」

●けるべろす
「感想きかせてくれる? とっても楽しそうでしょ?」
 二人が壇上を降りると、一緒に飛び降りたシィがマイクを向ける。目を泳がせる信者を見る限り、確かに届いてはいるのだろう。貰えなかった返答に微笑みを捧げて、シィは再び舞台袖に消えて行きながら。
「次は本日の目玉かもしれないわね! 『けるべろす』! マチャヒコPの作詞作曲の自信作に期待ね!!」
「ハードルあげとか鬼畜ですお!?」
 絶叫しながら壇上に上がる樫木・正彦(牡羊座のシャドウチェイサー・e00916)。あわあわしながらギターのような器材にスマホをセット。
「人前で歌う事ってあんまり無いので、緊張しますね……! ギターはやっぱりちゃんと弾いた方がいいでしょうか!? ……現状だとグラビティの曲ぐらいしか弾けませんけど! 練習期間が欲しいです!」
「愛楽礼たん、手遅れだお……!」
 壇上でギター構えてテンパる猫夜敷・愛楽礼(吼える詩声・e31454)に、プルプルしてるマチャヒコP。ギターを叩いてリズムを取るフリをしてスマホを操作。流れるメロディにエアギターを合わせる。
『俺達 みんなケルベロス ぶっちゃけアンタをよく知らない よかったら 教えてくれないか こうみえてもオラトリオ』
『猫が招いたこの縁 太陽のように狼が見てやる 犬が詩に紡いでやる 大丈夫さ 豚だっているし お前の隣には地球人 楽しもうぜドラゴニアンと 一緒に居ようぜレプリカントと』
 正彦が弾き語りを始めれば、愛楽礼が声を重ねながら番犬達を指し示す。そう、この歌は今作戦の部隊を表した一曲なのである。
『こんなにそろったケルベロス 握った拳には羽毛しか乗らないけれど 開いたその手にマイクは握れる』
『聞かせておくれよ君の事 重ねる旋律 知ってるお前 どうして歌わせないよう拒んでる』
 ゆっくり響くギターの音色に乗せて、語りかけるように紡ぐ歌詞。二人は歌いながら壇上から降りて、異形の前に立つ。
『聞かせておくれよあなたの事 歌の良さを知ってるアンタ どうして一人で歌ってる』
『OK 分かった後は任せろ 私達猟犬ケルベロス お前の戒め解き放つ』
 返答は待たない。あくまでもこれは歌だから。けれど勝手に進むのではなく、異形を誘うようにそっと手を差し伸べて。
『だけど それだけじゃ足りない 必要なんだ 君の歌 一緒に歌おう その声で』
『私には』
『あなたの』
『『歌が必要なんだ マイクを取ろうぜ』』
 愛楽礼がマイクを差し出して、正彦が待つように音楽を止た。
『『さぁ、セッションだ』』
 異形は応えず、やがて愛楽礼の手を払いのける。ユラリ立ち上がる異形はギョロリと真紅の瞳を向けた。
「一緒に? セッション? 笑わせるな! ……彼から声を奪った私に、今更誰かと歌う資格など……ぐ!?」
「あなた……」
「愛楽礼たん、離れるんだお!」
 異形が急に苦しみ、正彦が愛楽礼を引き寄せて距離をとった直後、異形から噴き出した黒い瘴気が巨大な鳥を形作り、血の塊のような眼球が番犬を見下ろした。
「うわ……うわぁあああ!!」
 もはや洗脳など残っていないのだろう。その姿を見た信者達が逃げ出して、番犬達が身構える。
「マチャヒコなんかやっちゃった!?」
「あー……これ猫の噂に聞いたアレですかいね」
「知っているのかモノクロ!?」
 目を細める物九郎に、バッと劇画タッチで振り向く正彦。斑猫曰く。
「ビルシャナの中の人が自分が間違ってるって気づくとバグるんだとか……」
「つ、つまりどういうことなんだお?」
 物九郎、にゃまり。
「つまり、今ぶちのめせば中の人を助けられるって事でさァ!!」

●ヘリオライト
「そう言う事なら……」
「ちょーっと待ったぁあああ!!」
 全身を覆い隠すコートの袖口から淡い光を漏らす周。僅かに眉を顰めて、手を翳した彼女の前にももが立ちはだかる。
「ここまで来たら、これで勝負でしょ!」
「え、ちょ、わ……!」
 投げ渡されたマイクをお手玉してから両手で構える周。ももはギターを弾き始める。
「ふふ、そうね。まだ一曲残ってたものね!」
 シィもマイクを手にすれば、レトラがピアノを呼び出してももに合わせる。そのメロディは、番犬に広まっている一曲。
「こうなったらみんなで歌うんですお!」
 正彦がスマホに指を走らせて、ドラムの音色を重ねれば、アインが息を吸い込んで。
『言葉にならない 想いはいつも めくれた空のオレンジ色に 飲み込まれて』
『掲げた理想は 誰かを傷付けて かすれた地図の上を ずっと彷徨っているだけ』
 アイコンタクトを受けた物九郎が続き、手を向けてシィに促した。
『巻き戻すことは もう出来ないけど 創造する世界は きっと運命を変えるんだ』
「みんな行くよー!!」
 ももの声に、八人は一斉にブレス。
『ヘリオライトが僕を照らすように 君の未来へ届くように 強く光を放てたら 欠けた地球が僕を笑っても それでもずっと輝いて ちぎれそうな空の隙間に 虹をかけるよ』
「ヤメロォオオオ!!」
 巨大な翼が振るわれて、その一撃がももへ……。
「モノクロ、サポートするんだお!」
「合点!!」
 正彦が鉄板染みた大剣の腹を打ち付けて防ぐが、膂力が違い過ぎる。そのまま横滑りさせられてしまう。
「ここだけは……通せないんだお!!」
 意地で舞台を踏み抜き自分を固定。ももに衝突する寸前で踏みとどまる。その彼の肩を足場に、物九郎が跳んだ。
「いかんせん室内で振るうにゃ向かないもんで……!」
 右腕に重力鎖を集中。巨大な猫の手に変えて異形の横っ面をぶん殴る!
『声にならない 願いはいつも しわがれた夜にかき消されて  眠っていたんだ』
『自分の弱さを 認められずに でたらめな夢の中で ずっともがいているだけ』
 淡い微笑みと共にワンフレーズ紡いで、ネロは落下する物九郎へ反撃に振るわれる翼を炎で包み込み、押し返した。異形の悲鳴に負けないよう、周は歌声を張り上げてジッと見つめる。
『繰り返す過ちに気付いたとき 想像する世界は きっと 運命を超えるんだ』
 抜けなくなった脚に冷や汗を流しながら歌う正彦に合わせ、再び八人は呼吸を重ねた。
『月の灯が僕を照らすように 遠い未来へ届くように 強く光を放てたら』
 番犬達に殺意をむき出しに吼える異形を、愛楽礼は真っ直ぐ見つめ返す。
『割れた地球が僕を拒んでも それでもずっと瞬いて 壊れた星のかけら集め つないでみせるよ』
 ももの奏でる間奏の間、異形は番犬達に迫る。迎え撃とうとするネロを手で制した愛楽礼はそっと首を左右に振り、突進を受け止めるように前に出た。
『ヘリオライトが僕を照らすように 君の未来へ届くように 強く光を放てたら』
「あなたも本当は、愛する人と歌いたかったのでしょう?」
 問いかけに、異形は応えない。しかし、動きが止まった。
『欠けた地球が僕を笑っても それでもずっと輝いて ちぎれそうな空の隙間に』
「話してはくれませんか? あなたの、相棒の事」
『虹をかけるよ』
 歌い終わりと同時に異形は崩れ去り、後には一人の女性が残されていた。
「マチャヒコさん傷はもう大丈夫……?」
 静かになった劇場でももはふと心配そうに近づくのだが。
「焼豚になってるー!?」
 真っ白に燃え尽きない辺り、マチャヒコだよね。
「あっ、そうですわ。ももおねーさん、お誕生日おめ!」
 物九郎はももにリボンが巻かれた焼き肉用のトングを渡す。なんでよりによって今!? あ、お誕生日おめでとうございます。
「じゃあ、折角だしお祝いって事でカラオケは……どうかな? ぼく、行ったことなくて……」
「オッケー、じゃあこのまま行っちゃおうか!!」
 さりげなく挙手する周に、ももは微笑みを返すのだった。

作者:久澄零太 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年11月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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