燃えろストーブ! 失った熱を取り戻せ!

作者:青葉桂都

●もっと熱くなれよ
 秋も終わりに近づき、気温は徐々に下がってきていた。
 夏の間はしまい込まれていた暖房器具が引っ張り出され、活躍し始める時期。
 けれども、必ずしも使うために出されるばかりとは限らない。
 空が白み始める頃、とあるアパートの前に古い型の電気ストーブが置かれていた。
 シールがはられており、粗大ゴミに出されるものだということがわかる。
 持ち主は買い替えを決断し、それを処分することに決めたのだろう。
 回収よりもずいぶんと早い時間に出されたそのストーブに、近づく者があった。
 拳大の宝石――コギトエルゴスムに、手足が生えたような形状をしたダモクレス。
 ストーブの上に乗ったダモクレスは工具らしきものを生やし、ストーブを別のものに作り替えていく。
「ハーロ・ゲーン!」
 やがて、大きな叫び声が早朝の空気を震わせた。
 3m近い大きさとなった電気ストーブには四肢が生えていた。
 横格子状に並んだ太いパイプが前面を覆っており、3本の巨大な管がオレンジ色の光を放っている。一番上の1本はまるで鼓動のように明滅を繰り返していた。
 強い熱が建物に向けられ、やがてアパートから火の手が上がった。

●電気ストーブを停止せよ
「皆様、ストーブのつけっぱなしには注意であります!」
 集まったケルベロスたちに元気よく告げたのは、クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)だった。
「粗大ごみとして出されていた電気ストーブがダモクレスになる事件が起こるのが予知されたのであります!」
 放置されたり廃棄された家電製品がダモクレスとなる事件は、小規模ながら長いこと発生し続けている。
 彼女の調査で、また1つ事件が起こることが分かったようだった。
 幸いなことに被害はまだ起こっていないが、放置すれば周辺の住民を襲い始めることは想像に難くない。
「早急に対処が必要なのであります!」
 力強い言葉で少女騎士は告げた。
 クリームヒルトの後ろに控えていたドラゴニアンのヘリオライダーが、予知した事件について詳しい説明を始めた。
 現場はとある平和な町の住宅街にあるアパート。
 建物の前で回収を待っていた粗大ごみの電気ストーブがダモクレス化してしまう。
「敵は巨大な電気ストーブに、手足が生えたような姿をしています。内部にある蛍光灯のような管の1つが明滅しており、それが目に当たるのかもしれません」
 ストーブだからその攻撃手段は当然熱によるものになる。
「まずは、体当たりと共に高熱を熱を放つ体を直接押し付ける攻撃ができます。威力が高いうえ、食らえば服や体が燃え出してしまうでしょう」
 もちろん近距離だけでなく遠距離まで熱波を飛ばすこともできる。しかも温度を調節することで攻撃も回復も思いのままらしい。
 他に、熱だけでなく橙色の光を放つことで近距離に範囲攻撃も行えるらしい。目も眩むほどの光には人を麻痺させる効果もあるようだ。
「時刻が早朝なので、まだ住民が多くいます。避難活動は手配しておきますが、寝ていて逃げ遅れる人がいるかもしれないので多少注意していただいた方がいいかもしれません」
 現場は道路に面しており、戦闘の邪魔になるものは特にないという。
 寄り道せず急げば、ダモクレスが出現した直後には現場に到着できるはずだ。
 ヘリオライダーは説明を終えた。
「気温が下がってきたからと言って、火事になるような高熱はお断りなのであります! よろしくお願いするのでありますよ!」
 クリームヒルトが、最後にケルベロスたちへと力強く呼びかけていた。


参加者
リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)
八崎・伶(放浪酒人・e06365)
ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)
藤林・シェーラ(曖昧模糊として羊と知れず・e20440)
アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)
天喰・雨生(雨渡り・e36450)
簾森・夜江(残月・e37211)
レム・ベルニカ(アリスの睡魔・e40126)

■リプレイ

●寒い朝が熱くなる
 冷たい空気の中、ケルベロスたちはヘリオンから現場に降り立った。
「早朝の住宅街なんて、また厄介な場所に現れたねェ……」
 藤林・シェーラ(曖昧模糊として羊と知れず・e20440)はゆったりとした動きで住宅地を見回した。
(「これから通勤だったり通学だったりで忙しい時間だろうに。私も眠い!」)
 大人びた少年でも……いや、大人だって、こんな時間に起きれば眠いだろう。
「……ウン、兎も角。被害を最小限に抑えるためにも、急がないといけないね」
 すでに警察による避難活動は始まっているようだ。
 ケルベロスたちは現場であるアパートへ向かい、足早に動き出した。
「寒い時期のヒーターには毎年お世話になってるけど、燃やされるのなんて御免だね」
 三角の模様で縁取りされたローブをかぶった少年が言った。
 天喰・雨生(雨渡り・e36450)の言葉に、ウサギの耳を頭の左右に垂らした女性が元気よく答える。
「折角この寒い時期に人心地を付けるいい機会だというのに。暴走してしまったら台無しですね! 被害が広がる前に廃棄処分にしてしまわないとですね」
 アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)の元気な声が、寒い空気の中に響く。
「うん、被害が出る前に片付けよう」
 雨生が頷いた。
 現場であるアパートにたどり着くまで、さほどの時間はかからなかった。
 シェーラだけはまだ来ていない。逃げ遅れた人がいないか避難者に確認しているのだ。
「ハーロ・ゲーン!」
 巨大な四角いヒーターはすでに姿を現していた。
「冬の必需品のストーブが敵として立ちはだかるとは。長く使われていたのでしょうが、敵となったからには破壊するしかありません」
 中性的な顔立ちをした簾森・夜江(残月・e37211)が、静かに敵を見つめていた。
「被害が広がる前に手早く片付けてしまいましょう。ストーブ然り、冬場の火災は厄介だからね」
 三角帽子のリシティア・ローランド(異界図書館・e00054)は、敵の姿を認めてもなんら感情を見せなかった。
「人様の家電品に乗っ取るだなんて失礼な敵だよね!」
 ミリム・ウィアテスト(リベレーショントルーパー・e07815)の力強い言葉が響いた。
「気づかれないうちに、ボクは逃げ遅れた人がいないか確かめてくるよ。よろしくね」
 仲間たちに頼んで、ミリムは移動していく。
 ダモクレスはアパートに向かって炎を放とうとしてているようだった。
「いくら寒いからって、ちょいと熱すぎるだろ。適温大事。調整してやるから、そこのストーブちょっとコッチ来いな?」
 声をかけたのは、八崎・伶(放浪酒人・e06365)だ。
 群雲のオーラを身にまとい、ボクスドラゴンを傍らに連れた男は武器を構える。
 他のケルベロスたちも、すでに抜いていた武器をそれぞれに敵へと向ける。
 夜江と雨生は、殺気を放って人が戻ってこられないようにしていた。
 振り向いた敵の見た目はコミカルなものだが、戦闘能力がそうでないことは皆、わかっている。
「ハロゲン、ちょっと可哀想な気もするけど、誰かを傷つけるのは止めさせないと」
 レム・ベルニカ(アリスの睡魔・e40126)が言った。
「絶対、周辺住民のみんなを守る!」
 中距離まで踏み込むと、若草色のエプロンドレスの裾が舞う。
 輝きを放ちながら、敵もまたケルベロスたちへと接近してきた。

●燃えろストーブ
 リシティアに向かって突進してきたダモクレスを、夜江が受け止める。
「助かったわ」
「いえ、気にしないでください」
 かばったほうもかばわれたほうも、表情を変えずに言葉を交わす。
「煤で汚れるのも面倒だわ。なるべく近づきたくないわね……」
 石化の魔法を放つリシティアを残して、夜江が跳躍した。雨生の飛ばした気弾を飛び越えながら、彼女は急降下蹴りを浴びせる。
 他のケルベロスたちも攻撃を仕掛けていた。
「アリシアの蹴りは結構重いですよ。その脚、止めさせていただきます」
 鋭くアリシアが蹴りを放つ。
「ボクたちを見ろ、いくらでも相手してやる!」
 たんぽぽ型をしたレムの砲が、伶の展開したドローンをすり抜けて敵に命中した。
「こっちは危ないから、そっちから逃げて! いい?」
 後方から、ミリムの声が聞こえてきた。
 伶は反射的に移動して、声が聞こえた方への射線を体で閉ざした。
 直後、ダモクレスの内部にある管が眩く輝く。
 物理的な衝撃すら伴って襲いかかる光が正面から浴びせられて、それでも伶の顔には笑みが浮かんでいた。
 助けになることが、支えになることが、ただ純粋に嬉しかったからだ。
 笑顔のままで、彼は炸裂するかのごとき変身をしてみせる。
 ミリムは敵の攻撃に巻き込まれないように逃がしているはずだ。
 だから、後ろにいる者たちから姿が見えているかどうかはわからない。
 それでも、逃げていく人々が少しでもおびえずにすむなら、やる価値はある。
「焔、後ろから狙ってくれ。頼んだぜ」
 言葉に応じて、彼のサーヴァントであるボクスドラゴンがブレスを放つ。
 ブレスが敵をとらえたことを確かめながら、伶は如意棒をヌンチャク型に変えた。
 逃げ遅れた者は、見つかっただけで数人いた。
 少しでも戦場から離れようと家の奥に閉じこもり、出るに出られない状態だった者を救出して、シェーラは仲間の元へと急ぐ。
 灰色をした少年の瞳に、オレンジ色の光が飛び込んできた。
 シェーラは強ばりそうになった体を動かして、仲間たちに声をかける。
「お待たせして申し訳ないね。私は大丈夫だけど、みんなは平気かな?」
 芝居がかった調子で問いかけながら、彼はオーロラを呼ぶ。
「あめつちにやどりししんれいにねがいたてまつる。はらいたまえ、きよめたまえ、いやしたまえ」
 仰々しい祝詞に合わせて、少年の背中に光が宿り、荘厳な雰囲気をかもし出す。
 もっとも、それはただ見かけだけの幻だ。
 普通に治癒の光を放つよりもよく治る気がするそうだが、思いこみの産物だろう。
「ハロー・ゲーン! ……もいいけどボクは石油ストーブが好きだね」
 回復しきれなかった者の前に、同じく遅れて合流したミリムのドローンが張り付いて盾となり、支援していた。
 最初の数分、回復を重視して行動していたケルベロスたちだったが、誘導に協力していた者たちが合流したことで余裕ができた。
 リシティアの華麗な一撃が、雨生が加速から起こした炎がダモクレスに命中する。
 アリシアは天真爛漫な笑みを浮かべたまま、アパートの柱の陰に素早く飛び込んだ。
 完全に身を隠せるほど太い柱ではないが、乱戦の中で一瞬惑わすくらいの効果はある。
「そろそろアリシアも本領発揮させてもらいますよ。鈍器の扱いは余り得意じゃないんですけど……。きっつい、一撃。いきますよ!」
 ドラゴニックハンマーを軽々と振り回して、彼女は一気に敵へと接近する。
 普段は優しい少女が秘めているのは、敵を切り刻みたいと望む殺人衝動。
 今日用意してきた得物が切り刻むナイフでないことが残念だが、殺人兎は素早く踏み込みハンマーを振るった。
 ほぼ同時に二度打ち込んだ打撃は確実に敵を打ち、元がプラスチックとはとても思えないほど硬いボディを大きくへこませていた。
 さらに、伶の回転する腕が、夜江の放つ星が敵のボディを損傷させる。
 レムは直前に攻撃した2人とは反対側に、回りこんでいた。
「相手はそっちだけじゃないぞ! さあ、つまづいてしまえ!」
 仲間の攻撃にあわせて、逆側から催眠音波を送り込む。
 ダモクレスは反射的に振り向こうとしたが、それはレレムの思うつぼだった。
 睡魔と呼ばれる少女の催眠は、敵の認識能力を狂わせる。
 敵は自らの力で、ボディの破損を広げてしまっていた。
「うまくいったね!」
「おう、この調子で行こうぜ!」
 レムの声に伶が応じ、夜江も静かに頷いた。

●燃え尽きろストーブ
「ハーロ・ゲーン!」
 ケルベロスたちの猛攻に対して、ダモクレスは負けじと炎や光を放って反撃していた。
 攻撃を受けているのは主に夜江だったが、シェーラや伶が時折かばってはダメージを分散する。
 幾度目か、ストーブ型ダモクレスはオレンジの光を放ってきた。
 前衛に向けて放たれた光に対して、シェーラがリシティアを、伶が雨生をかばう。
 ミリムは仲間たちを癒すべく、フェアリーブーツでステップを踏み始めた。
 ドローンを展開して守るのはもう十分。今は確実に麻痺させられた仲間たちを回復すべき場面である。
 とはいえ……女性でありながらも『男らしく』と育てられてきたミリムにとって、美しく舞い踊って回復するその技は、なかなかに難易度が高かった。
 技術的にはともかく、心理的な意味で。
「こ、こんな感じでどうでしょうか?」
 可愛らしい花を散らしながら、普段は男らしい少女は問いかける。
「素敵な花だね、ミリム。私たちはとても助かっているのだケド……そう恥ずかしがることはないんじゃないかな?」
 拳を獣のものへと変化させながら、シェーラがかけてきた言葉に、ミリムは思わずうつむく。頬に少しだけ、血が上っているような気がした。
 ミリムの支援を受けながら、ケルベロスたちは攻撃を続ける。
 戦場では敵も味方も動き回っており、舞台は徐々に移動していく。
 リシティアはその中で、必要最小限の動きで敵との距離を詰めていく。
 書物以外のものに興味がない彼女は、優勢であろうと劣勢であろうとただ淡々と攻撃を続けるだけだった。
「月の光は狂気の光。貴方は自ら生み出した幻像に斬られて果てなさい」
 光を集めて、巨大な光の刃を形成する。
 敵に近づくのは刃がちょうど届く距離までだ。
 光を見た者は、狂気に魅了され蝕まれる……心のないダモクレスであっても、そうなるのかどうか、リシティアは別に考えなかった。
 少なくとも……光の刃は確かに敵をとらえたのだから。
「真昼の月の煌めきは、夜に輝くものよりも一層の輝きを見せるものよ」
 ストーブの全面を覆う横格子に切り飛ばして、リシティアは告げた。
 夜江は攻撃を受け続けていたが、中性的なその顔は苦痛に歪むことはなかった。
 展開されているドローンに勢いをそがれながらも、また一度赤熱化した格子が夜江の体に押し付けられた。
 別に痛くないわけではない。ただ、仲間が傷つくくらいなら、自分が傷ついた方がましだと思っているだけだ。
「無理しないでね、夜江。辛くなったらボクも回復するよ」
「ええ、大丈夫です。ありがとう、レムさん」
 後方から声をかけてきたレムに答えながら、彼女は斬霊刀を鞘に収めた。
 打撃役の仲間たちが攻撃している合間に、ミリムが満月に似たエネルギー球で夜江の傷を癒してくれる。レムもそれに合わせて舞い踊り、花を降らせてくれた。
 エネルギー球の影響で凶暴な心が沸き起こる。夜江はそれをすべて刃に込めた。
「我が刃、風の如く」
 居合の一閃が天地を切り裂く風の刃を巻き起こす。触れた者の命を奪うという風の流れは、途切れることなくダモクレスへと襲いかかる。
 風の刃のそばを、輪っかが飛んでいく。
 彼女のサーヴァントであるウイングキャットが飛ばしたものだ。
 ダモクレスの硬い体を、風と猫の輪が立て続けに切り裂く。
 敵がボロボロなのは見て取れるが、どれだけの体力を残しているか、戦いがどれだけ続くかは想像するしかない……だが、夜江はひるむことなく矢面に立ち続けた。
 回転する伶の腕がまた敵の装甲に大きく穴を開け、防御を弱める。
「アリシアに斬れぬものはありません。その首を貰い受けます」
 重ねあわされたアリシアの打撃が、じわじわと、しかし確実に敵の体力を削っていく。
 他の者たちの攻撃も、回避されることも時折あったがダモクレスを追い詰めていた。
 雨生は命中よりも威力を重視して畳みかけていた。
 多少攻撃を回避されても、もうすぐ倒しきれる……そう判断して少年は小柄な体で素早く戦場を駆け抜ける。
 ダモクレスが適温の熱波で自分自身を回復しようとした――だが、ボロボロになったその機体は、きしむ音と共に動きを止めた。
 無表情に、容赦なくリシティアが光の刃で敵を切り裂く。
 彼女に続いて接近する雨生の左半身で、梵字の魔術回路が赤黒く輝いた。
「血に応えよ――天を喰らえ、雨を喚べ。我が名は天喰。雨を喚ぶ者」
 一族に伝わる『雨呪』を用いて、敵の周囲を水で包み込む。
 ダモクレスに気道はないだろうが――水の塊で覆ってしまえばただではすむまい。
「これで、お仕舞い――さよなら」
 冷たい雨は、ストーブの熱を奪い、その光を消し去っていた。

●戻ってきた寒さ
 雨水が消えても、もうストーブが動くことはなかった。
「無事に、片付いたみたいですね」
 アリシアが言った。
「ええ。終わったわ」
 平坦な声で告げるリシティアからは、相変わらず勝利の喜びは感じられない。
 ダモクレスに利用されたストーブに同情を抱いている者もあからさまに喜びはしなかったが、リシティアの態度はただの無関心だった。
「さて、まずは壊れた場所を直しておく必要があるね」
 大仰な動きでシェーラが周囲を見回す。
「そうだね。片付けられる範囲で片付けよう」
「ああ。さっむいのに朝からお騒がせして申し訳ねぇしな」
 雨生や伶が、もともとヒーターをゴミに出していたアパートを中心に、戦いの余波で壊れた建物を直して回る。
「避難した中にケガ人が出ていないといいのですが」
「まあ、もしもいたとしたらこの後、治しに行くつもりだケドね」
 夜江の呟きを聞いて、シェーラが告げる。
 壊れた場所を修復して自分たちの手当ても終えるまで、さして時間はかからなかった。
「役目を終えたこいつも、丁重にお片付けしてやらなきゃな」
 その後、ミリムが敵の残骸へと近づく。
「うん。ストーブだって巻き込まれただけだもの。今まで頑張ってくれて、ありがとう」
 礼の言葉を呟いて、レムはミリムと共に壊れたストーブを供養してやった。
「ねえ、帰りに、何か暖かいものでも食べて帰ろうか」
 供養を終えたレムが、仲間たちに呼びかける。
「悪くないね。そろそろ朝ごはんの時間だし」
「暖まるなら酒がいいぜ。一仕事終えた後だし、たまには朝酒も悪くないよな? ……つっても、まだ飲めねえ歳の奴が多いな」
 雨生や伶、他にも何人かが同意していた。
 体が暖まれば、きっと心も温まる。
 冷たい空気の中、ケルベロスたちは歩き出した。

作者:青葉桂都 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年11月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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