スリット・チラリズム

作者:小茄


「どうです社長、中々良い子が揃ってるでしょう? 今日は商談成立を祝してパーッとやりましょう」
「いや、まったく。このチャイナドレス言うんですか? スタイルの良い娘さんが着るとサマになりますなぁ」
 ソファに腰掛けてそんなやり取りをするのは、背広姿の中年男性と、恰幅の良い初老の男性。
 どうやら接待の目的で、このキャバクラへとやって来た様だ。
「それにしても、男の好みは加齢と共に下へ下がって行くと言うのは、ほんまやね。子供の頃は、クラスの顔の可愛い子に恋をして、それからちょっとませてくると胸の大きい子が気になって、大人になるとお尻……わしくらいのおっちゃんになると、断然脚や。ちょい捲って見してーな」
「やぁん、社長さんのえっち♪」
「触ってへんからセーフやセーフ」
 と、お酒を飲みつつチャイナドレスの美女達と会話を楽しむ男性2人。
 ちなみに店内は、ホールスタッフなども全て、チャイナドレスの若い女性達だ。
 そして露出度の高い女性が大勢居る場所に引き寄せられるのは、人間の男性ばかりとは限らない。
「グヒヒヒッ! 美味そうなあんよじゃねぇか!」
 地面から湧き出るように出現したのは、ぶよぶよの巨体に、一目でそれと分かる悪役面。背中からは8本のうごめく触手を生やしたオーク達。
「うわぁっ!?」「きゃあぁぁっ!」
 和やかな店内のムードは一変。
 女性達はうねる触手から逃れようとするけれど、地下に存在するこの店に窓は無く、脱出は店の入り口と、スタッフ通用口の二カ所に限られる。
「だが脚だけじゃ足りねぇ……もっと良く見える様にしてやるブヒィ!」
 触手は女体を傷つける事無く、素早く手脚を絡め取ると、そのままチャイナドレスを引き千切り初め……。


「新たなオーク襲撃事件を察知しました。彼らは例によって魔空回廊により現場……今回はキアラさんの予想通り、チャイナドレス……これを従業員に着用させて営業中の、接待飲食店が標的となっています」
「接待……飲食?」
 聞き慣れない言葉に小首を傾げるのは、キアラ・エスタリン(光放つ蝶の騎士・e36085)。
「いわゆるキャバクラと呼ばれるお店です。女性キャストが(主に男性)客をもてなしながら、お酒等を提供する様な」
 この店はいわゆる「普通の」キャバクラなので、客が店員に対し過度の接触を行う事は認められて居ない。
「出入り禁止では済みませんね……」
「えぇ、1体残らず退治して頂く必要が有ります」
 オーク出現時、店内には女性従業員10名が存在するが、事前に彼女達を避難させてしまうとオークは別の場所に襲撃先を変更してしまい、そちらへの対応が不可能になる。
 なので、オーク出現後に対応しなければならない。


「オークも数は10体。戦闘力も知能も高くありませんが、触手の扱いに関しては精度も高く、戦闘時は鞭や棘の様に、また女性を捕えたり……いやらしい悪戯をする際にも利用します」
 彼らにリーダー格は居らず、統制も連携も最低限の稚拙なものだ。
 目の前に捕獲対象となる女性が居れば、各々が好き勝手に悪戯を始めようとする事も想像に難くない。
 ただ、オークの狙いはあくまで彼女達を巣に連れ帰る事。
 悪戯の一線を超える行為に及ぶとか、戦闘に巻き込んで一般女性を怪我させる様な事は無いだろう。
「オークは『外見、実年齢共に15歳以上の女性』を捕獲対象と看做します。これはケルベロスであろうと一般人であろうと区別はありません。15歳未満の女性や、男性は眼中に無いと言った状態ですね」
 無論、攻撃を行うなど明らかな敵対行動を取れば話は別だが、そうでない限りは見向きもしないだろう。
 条件を満たすケルベロスは、露出度を高める、オークに対し挑発的態度で臨むと言った行動によって囮の役目を果たす事が可能になる。
 逆に条件を満たさない(また条件を満たしても肌の露出を抑えたり、男装した)ケルベロスは、避難誘導や一般人の救助を目立たずに行う事が出来そうだ。
「オークの略奪を看過する訳にはいきません。何としても、阻止しましょう!」


参加者
アイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)
ウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)
蒼樹・凛子(無敵のメイド長・e01227)
イピナ・ウィンテール(眩き剣よ希望を照らせ・e03513)
ユーロ・シャルラッハロート(スカーレットデストラクション・e21365)
夢見・カンナ(北の大地の雷・e28700)
キアラ・エスタリン(光放つ蝶の騎士・e36085)
フィルメリア・ミストレス(夜の一族・e39789)

■リプレイ


 日も落ちきらない夕暮れ時に、開店直後のその店へ潜入したケルベロス。
 店員の殆どは、現時点で唯一の客である男性2人組を総出でもてなして居る様だった。
「思って居たよりは、綺麗な感じですね」
 店員等がそうである様に、こちらもかなり露出度の高いチャイナドレス姿のウォーグ・レイヘリオス(山吹の竜騎を継ぐもの・e01045)。
 物珍しげに店内を見回して、そんな感想を呟く。
「こーゆうお店って、やっぱえっちぃおじさんが多いのかな?」
 ユーロ・シャルラッハロート(スカーレットデストラクション・e21365)は、胸元がキツいのを気にしつつヒソヒソ声でそんな問い掛け。
 オークの対象年齢にはギリギリ届かない彼女だが、小柄な体格に似合わぬ豊かな胸の持ち主。そのお陰もあって「なぜ子供がこんな所に?」と言う様な注目はされずに済みそうだ。
「うん……お触りとかはNGみたいだけど、服のデザイン自体がギリギリポイント多いよ……」
 一方夢見・カンナ(北の大地の雷・e28700)は、初めて着用したチャイナドレスの無防備さにモジモジと落ち着かない様子。
 こちらは年齢より幼く見られてしまう事も有る、小柄で華奢な体型。しかし抜かりなくプラチナチケットを用いて居る。
 ともあれ、客には一定の紳士性が求められ、女性店員に対して悪質なアプローチをした場合は、出入り禁止になる事もあるらしい。
「悪く無いかもなぁ……」
 アイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)は、チャイナドレスを着てのこうしたお仕事にもやや前向きな印象を持った様子。
 実際、黒地に金刺繍のゴージャス感漂うドレス姿は、中々堂に入っている。
「今回のチャイナドレスもお似合いですよ、凛子さん」
「そう言うあなたも……今日はさすがにスパッツは履いてないですね?」
 イピナ・ウィンテール(眩き剣よ希望を照らせ・e03513)と蒼樹・凛子(無敵のメイド長・e01227)は、互いのドレス姿をチェックして賛辞を送り合う。
「えぇ、今回はコンセプトの都合で」
 2人は以前にも共にチャイナドレスを纏う機会が有ったが、その時は武具を手にしたアクティブな装いだった。
 しかし今回は、エレガントさやお色気重視という点で、共に腰辺りまでのスリットから艶めかしく覗くのは白い脚だ。
「何しろマニアックなオークみたいで心配でしたから、微力ながらお手伝いさせて頂きますよ」
「ご一緒出来て心強いです」
 イピナの言葉に微笑んで応えるキアラ・エスタリン(光放つ蝶の騎士・e36085)は、今回の事件を察知する切っ掛けとなった当人。
 年齢以上に成熟した美しいスタイルの持ち主である為、オトナの美女が多い今回の面子でも決して見劣りはしていない。
「そこのキミ達、そんな所に立ってても退屈でしょ。こっちにおいでなさい」
 手招きされて、客達の方へ移動する一行。
「せや、今日はパーッと盛り上がろ。そこのべっぴんさん、ほれ駆けつけ三杯や」
「あら……私三杯も飲んだら酔ってしまいますわ」
 フィルメリア・ミストレス(夜の一族・e39789)は一際高い露出と、サキュバスの名に恥じない色香で男性客を魅了する。
 しかしお酒に弱いと言うのは、フリではなく本当の事らしい。
「グヒヒヒッ! 美味そうなあんよ見せびらかしてぇ、誘ってやがるのかぁ?」
「そうに違いねぇブヒ!」
 そんなタイミングでとうとう出現したのは、招かれざる下品な団体客。ケルベロスは静かに、速やかに行動を開始する。


「きゃあぁっ!」
「なんやこの化物は!?」
 悲鳴を上げて逃げ惑ったり、その場で固まったり、混乱状態と化す店内。
「アイリさん、ユーロさん、誘導お願いします」
「うん。皆、大丈夫だから落ち着いて」
「任せておいて! 私達についてきて」
 キアラに頷いたアイリとユーロは、一般人達を落ち着かせに掛かる。
「このスリット、そんなに気になりますか?」
「あぁ……気になるぜぇ。でも服なんて着てねぇのが一番だがなぁ!」
 挑発的に太股をチラ見せするキアラに、オークは涎を垂らしつつ歩み寄る。
「ほぉーら、俺様が剥いてやる!」
 シュルシュルと伸ばされた触手が、彼女の手足に絡みつこうとする。
「……ぶひっ?!」
 が、キアラは最小限の動きでそれを見切る。
「す、すばしっこいメスだブヒ。だが活きの良いのは大歓迎だぜぇ」
 数匹のオークが彼女を取り囲む様にして、触手をにゅるにゅるとうごめかす。
「い、いやぁーっ!」
「おーっと、逃がさないぜぇ?」
 一方、出口近くに居たホールスタッフの女性が、単独で逃走を試みるもオークに通せんぼされて立ち往生してしまう。
「悪質なお客さんはお断りですよ」
 ウォーグは竦んで動けない彼女の前に割り込んで、立ち塞がる。
「ほーう、勇ましいじゃねぇか? メスは気が強いくらいが良いんだ」
 じゅるりと舌舐めずりをしながら、激しく触手をうねらせるオーク。
「お、おさわりえぬじーですのでっ、き、清く正しいキャバクライフでお願いしますっ」
 問題のある客には、まずは波風が立たない範囲で注意する。
 カンナの対応も全く正しい物だったが、何しろ相手はケダモノだ。
「メスを見つけたらお触りしてお持ち帰り、これが俺達のルールだブヒ!」
「そ、そんなのダメです!」
「ちょっと細っこいが、なぁに問題ねぇブヒ」
 かぶりを振って尚も訴えるカンナに取り合わず、触手を絡みつかせて行くオーク。
「ひゃうぅっ!?」
「グヒヒ、この服どうなってんだぁ?」
「そんな……ギリギリどころか完全アウトに、ひゅぅぅんっ!」
 手足を拘束して軽々と持ち上げると、そのままスカートの前部分を捲り上げようとする。
「皆さん、さあ慌てず急いであちらへ」
 オーク達が囮に食い付いたのを確認し、凛子は孤立した位置に居たホール係達を出口に誘導する。
「おぉ? どこ行くつもりだぁ! まとめて味見してやるかぁー?」
「きゃあっ!?」
 しかし数匹のオークが、それに気付いて近づいてくる。
「わたくしの身体を前にして、他の人に目移りするなんてダメですよ?」
 凛子はその前に立ちはだかり、生足のチラリズムや豊かな胸で注意を引く。
「ぶひぃっ! 積極的なメスも良いんだな……いただきまぁす!」
「くっ……この……!」
「きゃあっ……こ、来ないで下さいまし」
 こちらは逆に、逃げようとして転倒してしまったフリをするフィルメリア。
 艶めかしく露わになった脚にオークが惹かれないはずもなく。
「おぉっ、怪我はねぇかぁ? 診察してやるから大人しくするブヒィ!」
 触手を伸ばしたオークは、さする様に足首、そしてふくらはぎへとそれを這わせてゆく。
「んんっ……ぁ、そこは」
「どうしたぁ? ここが痛いのかぁ? それともここかぁーん?」
 鼻から蒸気めいた息を吹かしながら、彼女の脚に夢中のオーク。どこまで意識して居るかは不明だが、フィルメリアの誘惑にすっかり乗せられて居る様だ。
 彼女らの献身によって、一般人達はからくもオークの追撃を逃れて再び出口へ移動する。
「グヒヒ、鬼ごっこは終わりだ。手こずらせてくれた分、じっくり味見させて貰うブヒ」
「くっ」
 こちらもピンヒールでオークを誘引し続けたイピナだが、店内の限られたスペースで一般人を庇いつつ逃げ続けるのは至難の業。
 ついに壁際に追い込まれてしまう。
「皆さんの避難は、まだ……」
「おっけー、避難完了だよ!」
 丁度その時、ユーロの声が店内に響く。
「オーク相手なのが癪ですが……耐久ライブスタートです!」
 イピナは待ちかねたとばかりにギターを抱え、演奏を開始する。


「ん、くっ……やめて下さい……」
「ブヒヒ。いい加減諦めて、素直になれよぉ」
 太股を這う触手を手で抑え、抗い続けるキアラ。
「ん? なんだこの音」
 そこへ聞こえてくるのは、イピナの演奏と歌声。
「っ……この深いスリットは不浄な豚さんのためにあるわけではないことを教えてあげましょう!」
「あぁん? 何を言って……フゴッ?!」
 キアラが召喚した御業は、まだ状況を把握しきれていないオークの顔面に業炎砲を叩き込む。
「んんっ……離し、て下さい」
「良い乳してやがる、連れて帰ってからたっぷり可愛がってやるブヒ……ん? 何の騒ぎだ」
 ウォーグの両手を拘束していたオークも、何やら状況の異変に気付いて振り返る。
「誰も連れて行かせませんし、あなたが帰る事も有りません」
「な、何を言っでぶっ!?」
 ウォーグは触手の縛めを力尽くで振りほどくと、聖斧形態となった竜騎の御旗をオークの脳天へと振り下ろす。
「む、むりれひゅぅ……それいじょ、は、ほんとに、あう、あううぅ!!」
「グヒャヒャ。こいつはイジメ甲斐のあるメスだブヒ」
 一方、カンナを拘束しているオークは彼女に夢中で状況の異変にも気づいて居ないらしい。
「その触手、全部膾斬りにしてあげるよ。……宵の闇にて咲き誇れ」
 アイリは愛刀『宵桜』を抜き放ち、無数の触手を断ち切る。
「ほげぇっ!? な、何をしやがるブヒィィ!」
「うぅ……集中集中……狙いを澄まして……今だっ!」
 触手が断ち切られた事で、手足が自由になったカンナ。
 呼吸を落ち着けると、高周波ブレード「ライデン」にてオークの首筋を斬り裂く。
「な、何だ。何が起こっているブヒ」
「どうやら報いを受ける時が来た様ですわね? さぁ、いらっしゃい。私のかわいいワンちゃんたち」
 フィルメリアはおもむろに身体を起こすと、自身の影より無数の猟犬達を出現させる。
「ピギィッ!? お、お前らただのメスじゃなかったのか!」
「お行きなさい、今日のご飯は豚さんですわ!」
 幻影の猟犬らは、怯えて後ずさるオークの喉元に牙を突立て、そのまま次々と食らい付き、貪ってゆく。
「ま、待て……話せば解る。2人か3人だけ頂いて、後は逃がすブヒ」
「えっちぃ豚は一匹残らず殲滅よ!」
 無意味な交渉を持ちかけてくるオークをスルーし、ユーロは両手に燃えさかる炎の剣を握る。
「わ、解った1人だけでいいブヒ!」
「全て焼き尽くす! この真紅の炎で!!」
「ほ、ほげぇーっ!!」
 あたかも彼女自身が火の玉と化した様な勢いで、オークに突撃すると、一片の容赦も無く炎剣で切り刻む。
「~♪ ひぁっ!? んっ……♪」
「も、もっと良い声で唄わせてやるブヒィ」
 仲間達の為に旋律を紡ぐイピナだが、そんな彼女の身体を縛めんとする触手。
「も、もうやめてぇ……っ!」
「た、ただでは死なんブヒィ……!」
 斬霊刀を抜き放って、触手を断ち切りに掛かるイピナ。しかしオークも必死で触手を絡みつかせる。
「……いつまで不埒な真似を続けるつもりですか?」
「フゴッ?」
 そんなオークの背後に立つのは凛子。
 刀身に纏う氷の吐息同様、その表情には温度を感じさせない静かな怒りが見て取れる。
「我は水と氷を司りし蒼き鋼の龍神。我が名において集え氷よ。凛と舞い踊れ!」
「ギョばぁっ!」
 深々と斬り付けられたオークの背だが、血が噴き出すより先に傷口を覆う氷の華。
 そのままオークは絶命し、倒れ伏した。
 気付けば、店内に跳梁したオークらは1匹残らず討伐されていたのだった。


「これで良し……かな?」
 改めて店内を見回すアイリ。戦闘自体もやや一方的な展開だった事もあり、店への被害は軽微で済んだ様だ。
「全て終わりました、もう大丈夫ですよ」
「あ、あいつらはもう居ないのか?」
 イピナはテーブルの下に隠れていた男性客に手を差し伸べ、安堵させる。
「ただ……今日の出来事、言いふらしたりしないでくださいね?」
「い、言わない言わない。ずっと隠れて居たから何が起きたかも知らんよ!」
 抜き身の刀を手にしたまま要請する彼女に、客らは慌てて頷く。
「本当に助かりました。キャスト達を助けて貰ったばかりか、片付けまでして頂いて」
「いえ、これくらいは当然の務めです」
 支配人と思しき男性がペコペコと頭を下げるのに、かえって恐縮しつつ応じるキアラ。
 結局、せめてものお礼という事で軽くご馳走になる事になった。
「では、これを1本」
 どうせタダだからとバブリーなオーダーの凛子。しかしキャスト達も盛り上がっているので良いだろう。
「え、14歳なの? やー、可愛い! ほら、店長の奢りだから飲んで飲んで」
「うん、頂きまーす」
「他にもリンゴとかパイナップルとか、一杯あるからね」
「そうだ、お菓子もあるよ」
 オレンジジュースを飲んでいるユーロ。両脇にお姉さん達をはべらせて、お大尽遊びの様相を呈している。
「私達の代わりに変な事されなかった?」
「だ、大丈夫大丈夫……」
 一方のカンナもジュースを飲んでクールダウンしつつ、お姉さん達に答える。もっともまだ顔は赤いままだが。
「意外やなぁ、姉さんいかにもいけそうやのになぁ」
「いえ、お酒は好きなのですけれど、飲むとすぐに酔って……熱くなってしまいますわ」
「……ごくっ」
 触れなば落ちんとばかりに、色っぽくため息をつくフィルメリア。思わず生唾を呑む男性客。
「こう言うお店の是非はさておき……無事片付いて良かったです」
 そんな男性達の様子に軽く呆れた様なトーンを含ませつつも、安堵の吐息をつくウォーグ。
「ウォーグさんも、ジュースか……せめてお茶でもどう?」
「あ、有り難うございます。私もお注ぎします」
 グラスにお茶を注ぐアイリに返杯していると、店には新たな客達がやって来た。
 表はすっかり夜のとばりが降りた時間帯だが、この街はこれからが本番なのだろう。

 かくして接待飲食店を襲撃したオークを討伐し、チャイナドレスの女性達を守る事に成功したケルベロス。
 しばらく店の歓待を受けた後、凱旋の途に就いたのだった。

作者:小茄 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年11月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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