女湯覗いて一体何が悪いんだよ!!

作者:柊暮葉


「女湯を覗くのは浪漫なのでどんどんやるべきである!」
 廃寺でビルシャナが叫んでいる。
「男が女の裸を見たいのは本能なので仕方ない。もしも本能がなくなったらどうなると思う。全人類が滅びるだろう! 人類の繁栄のためにも、人は本能に従って生きていくべきである。そして俺は本能的に女の裸がみたい。男だったら誰でもそうであろう。だから女湯は覗くべき、覗いていいのである! そこには無限の浪漫があるのだ!」
 ビルシャナは何言ってるんだか分からないが、信者達10名は真剣な顔をして話を聞いていた。
「俺はこれまで何十軒もの女湯を覗いてきて、しょっぴかれたが、それでよかったと思っている! 何故なら俺は建前を打ち破って本能に従った勇者だからだ! こうして女湯を男が覗くのは常識になっていくことであろう。だから皆、女湯を覗け! 覗いていいのだ! 覗いた奴こそ救われる! 大体覗いたところで減るもんじゃなし、何をそんなに怒る必要があるんだよ!」


「女湯を覗くのは浪漫なのでどんどんやるべきというビルシャナが発生しました問題を解決してください」
 御嶽・忍(オラトリオの巫術士・en0236)が集めたケルベロス達に説明を開始した。
 天霧・愛樹(明日から本気出すわよ・e19865)は真面目な顔で話を聞いている。
「悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。このビルシャナ化した人間が、周囲の人間に自分の考えを布教して、配下を増やそうとしている所に乗り込む事になります。ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 それから忍はつけくわえた。
「今回現れたビルシャナは、ヴィゾフニル明王という悪人を救うビルシャナの信者からビルシャナ化したらしい……ですね」


「ビルシャナの能力は?」
 誰かの質問に対して、忍はすぐに資料を広げてくれた。
 ビルシャナ閃光……敵を退ける、破壊の光を放ちます。
 八寒氷輪……氷の輪を飛ばし、敵を凍りつけさせます。
 浄罪の鐘……鐘の音を鳴り響かせ、敵のトラウマを具現化させます。
 これらの力で戦うらしい。
「今回のビルシャナは、本人が主張するように覗きの常習犯が、今までは色々とお目こぼしされていたのですが、そろそろ実刑を受ける際に、『だって本能なんだから仕方ないだろう!』と開き直ったところ、ビルシャナ化した模様です」
 忍はパラパラと資料をめくる。
「配下の10名も、あまりそのあたりのセーブが効かない人間のようですね。老若男女10名乱れており、女性は同性愛の傾向がある模様です。彼らは、温泉街の廃寺を乗っ取り、覗きこそ本能に従った正義であるというような教義を布教し、今にも本当に近くの温泉宿に乗り込みそうな勢いです。このままでは犯罪が起きかねませんので、配下達には大きなインパクトを与えて正気に返し、ビルシャナは退治してください」


 最後にセリカはこう締めくくった。
「教義を聞いている一般人は、ビルシャナの影響を受けているため、理屈だけでは説得することは出来ないでしょう。重要なのは、インパクトになるので、そのための演出を考えてみるのが良いかもしれませんね」


参加者
榊・凛那(神刀一閃・e00303)
リシア・アルトカーシャ(オラトリオのウィッチドクター・e00500)
ミリア・シェルテッド(ドリアッドのウィッチドクター・e00892)
香祭・悠花(ジュエルコンダクター・e01845)
天霧・愛樹(明日から本気出すわよ・e19865)
エンジュ・グリオイース(醒天を駆けし刃翼・e21923)
リョウ・カリン(蓮華・e29534)
アザレア・エルシード(紅玉の龍拳士・e33359)

■リプレイ


 ケルベロス達は現場の廃寺に到着した。
 すると、山門から本堂まで、ビルシャナと信者達のばかでかい声が響き渡ってきた。
「女湯を覗くのは浪漫なのでどんどんやるべきである!」
「それは本能なのだー! 本能だから仕方ないんだ」
 ケルベロス達は顔を見合わせた。
「本能は否定しないけど、ちょっとそれは……悪人正機と言うけど、それじゃない感すごいよ!」
 榊・凛那(神刀一閃・e00303)はヒいている。
「あ、蘭華姉のお風呂覗いたら……」
 その後は延々と過激な言葉が並んだ。
「相変わらずビルシャナさんはくだらない方が多いのです……とりあえず、犯罪行為に走る前に信者さんを止めないとですね」
 リシア・アルトカーシャ(オラトリオのウィッチドクター・e00500)は、ビルシャナ達に呆れているようだ。
「なんか、知り合いのドラゴニアンがビルシャナ化したような気がします……知り合いでもそうでなくても、変態な主張なので情け容赦無く殴りますが。むしろ知り合いなら、助走つけて殴りかかりたいですが……」
 ミリア・シェルテッド(ドリアッドのウィッチドクター・e00892)は、誰かを思い出しているようだった。
「浪漫を求める心! その向上心は買ってあげましょう! だがしかし、覗いていい奴は除かれる(誤字にあらず)覚悟のあるものだけだ! 徹底的に排除しちゃいましょう!!」
 香祭・悠花(ジュエルコンダクター・e01845)はそう断言した。
「……ねぇ、帰っていい? ダメ? あーあ……なんでこんなの見つけちゃったのかしら……帰りたい」
 天霧・愛樹(明日から本気出すわよ・e19865)は既にやる気をなくしている。
「覗き、つまりは女の敵!! って言いたいけど、女の人も混ざってるんだよね……同性なら堂々と見ればいいのに」
 リョウ・カリン(蓮華・e29534)は首を傾げている。
「見つけちゃったのは仕方ないし……帰りたくなる気持ちはわかるけど…放ってはおけないでしょう、コレ……一応ビルシャナだし……」
 アザレア・エルシード(紅玉の龍拳士・e33359)は、愛樹の方を振り返った後、……ンを仰ぎ、どう説教したものか考えこんだ。
「流石に覗きはご遠慮願いたいですね」
 エンジュ・グリオイース(醒天を駆けし刃翼・e21923)も困惑顔である。種族柄快楽エネルギーについては色々あれど犯罪に手を染める人からは遠慮したいと考えている。
 こうしていても仕方がないので、ケルベロス達は、全員で本堂の方へと向かった。

 本堂ではビルシャナと信者達が女湯女湯、覗き覗きと騒いでいる。また、女性の前は普通言わないような卑猥な言語も叫んでいた。
 その下品さにケルベロス達はどん引き。
 中でも怒りを感じたアザレアは、本堂の引き戸を思い切りよく開けた。
 凄まじい音を立てて壁に激突する戸。
 呆気に取られるビルシャナと信者達。
 アザレアはつかつかと本堂の中に入っていった。その後、他のケルベロスがぞろぞろと突入。
「な、なんだ?」
 目をぱちくりさせるビルシャナと信者達。
「私達はケルベロスです。あなたたちを説得しに来ました」
 アザレアはきっぱりそう言った。
「な、何! 俺達を……」
 ビルシャナが何か言いかけたがそれよりも早く。
「まったく、覗きはあくまで漫画とかのギャグだからまだ笑いごとで済むのでしょうに……全員そこに直りなさい……!」
 凄い迫力でアザレアが説教を開始したので、ビルシャナは嘴だけぱくぱくさせている。
「本能と嘯いたとて、覗きを実行しようとしたからには……そこに明確な『悪意』が存在するわ。特にそこの貴女! ええ、同性でも覗きたいとする方! 貴女は温泉でともに入る方に悪意を振りまくおつもりで?」
 アザレアは女性の覗き志願者を指差してこんこんと説教。
 本物のシスターの説教に気をつけの姿勢になりながら涙目になる信者達。
「……覗きたいほど好きなのなら、明確に自分は女性が好きだ、と公言しても今の世の中は、優しくなっていますよ?」
 アザレアはそんな信者をぎゅっと一度だけ抱き締めてそう言った。
「す、好きぃいいっ!!」
 途端に、その信者がそう叫んでアザレアの事を抱き締め返した。
「!?」
 硬直するアザレア。元々そのケがあった信者がアザレアの真剣な説教で惚れてしまったらしい。
「あー、そこまで」
 そこで愛樹がスマホ片手に操作しながら信者のほっぺたを引っ張ってアザレアから引きはがした。
 そこでエンジュが苦笑しつつその女性信者達の前に出た。
「何となくですが貴女はこっちの気が有るのかしら。もしそうなら私もそうだから女性愛については好きよ。でも、私がもし悪人やデウスエクスならそれを逆手に覗きを誘って犯罪に巻き込ませたりグラビティ・チェインを得る為に覗いた人物を殺すわ。実際覗いた人が後日社会的信用を失ったり、最悪、殺された事件も有りますし、貴女自身の為にも止めませんか?」
 エンジュの言葉に女性達は顔を見合わせる。
 確かに、同性愛というものはただでさえ偏見をもたれやすいもの。そこで社会的信用を失ったらどうなるか。
「屁理屈はどーでもいいんだ! 好きな人の裸を見たい! 女湯を覗きたい! そういう基本的欲求、本能を満たせないで何が人生だー!」
 ビルシャナが喚く。
「好きな人の風呂を覗いたなら、それで殺されても本望だろうが!」
 そのビルシャナの発言にエンジュはよりも信者達がどん引き。
「覗きは犯罪なのです。そして覗かれた方は心に傷を負いますし、人によっては自殺しちゃう方もいらっしゃるかもしれません」
 リシアがそんなビルシャナと信者達に向かって言った。
「もし、あなた方が覗いてしまった方が目の前で自殺でもしちゃったら、どう責任を取るおつもりなのですか?」
「それは覗きぐらいで死ぬ奴が悪い!!」
 ビルシャナはそう怒鳴った。
「じ、自殺……」
 その言葉にやはり信者達は男女問わずにひいている。
「男性はひとまず、屈強なホモを思い浮かべてください。……そんな人が貴方の入浴を覗いてて、隙きあらば掘ろうとしてくると考えると、恐怖でしかありませんよね?」
 ミリアはその中でも男達に絞って説得を始めた。
「覗く側にその気はなくても、覗かれる側にはわかりませんよ?」
 ミリアが迫りながら言うと、男達はさーっと青ざめて、半笑い。結構、きいているらしい。
「男が女の裸をみたいのは本能だろうがー! ああ、みたいみたいみたみたい……」
 ビルシャナは身もだえながら女の裸を見たいと叫んだ。
「本能だー!」
「そんなに本能をさらけ出してたら何時迄も独り身で過ごすことになるよ? 覗き履歴のある人に配偶者ができるかな? 恋人は?」
 リョウがそんなビルシャナに呆れてそう言った。
「そう言えば近々クリスマスだね。君らは寄り添う人もなく犯罪に精を出すのかな? 寂しいことだね。同情はしないよ。だって覗きは君らのやりたいことだもんね? でも世間はそれを許さないんだよ。そして私も許さない。もし、万が一、私達の説得を押し切ってでも、己が欲望を満たそうというのであれば、仕方ないね。老若男女平等に、二度とそんなことを考えられないように、少しばかり入院してもらおうか」
 そう言って、リョウは指の骨をコキコキ鳴らした。
「大丈夫、クリスマスまでには退院できるように加減はしてあげるからさ。だから、真に覚悟のある人は掛かってきなよ」
「まあまあ……説得はまだ終わっていないよ」
 凛那が苦笑しながら今にも殴りかかりそうなリョウを制した。
「実力行使とは野蛮な! これだから覗きの浪漫を理解しない人間は!」
 ビルシャナはひかない。
「覗きは浪漫! やっている事は最低ですがその気持ちはよくわかります!」
 そこで悠花が一歩前に出た。
「しかーし!! 何をどうやっても覗きをしているだけではできないことがあります! それは…スキンシップ!!」
 叫ぶなり、悠花は正に実力行使に移った。
「つまり、こう!!」
 エンジュに抱きつく悠花。
「そして、こう!!」
 アザレアの胸を揉む悠花。
 コンプレックスのあるアザレアは無意識に胸を隠していたのだが、しっかり揉まれてしまう。
「だからって触っていいわけじゃ…ひゃ!? ゃ、んっ!?」
 びくりっと反応を示してしまうアザレア。
「羨ましいですか? 羨ましいですか? 覗きしているような人達には一生辿り着けない幸せ感ですよ? さあ、今すぐ覗きをやめて、生身の柔らかさに目覚めるのです!!」
 ビルシャナはなんだか真っ白になって悠花を見ている。
 そんなビルシャナを置いておいて、悠花は信者達に振り返った。
「あと、そこの鳥、自分の事勇者って言ってますけど勇者以外は死んじゃったら生き返れないんですよ!! そこの勇者、何回教会(=刑務所)行ってると思ってるんですか!!」
 信者達は女体に触れる事が出来ずに石灰みたいになっているビルシャナを見つめて考えこんだ。一体何回なんだろう。
 その後も悠花は見せ付けるために、OKしてくれそうな女性陣に抱きついて回った。
「なるほど、本能は大事だね、うん。うんうん」
 そこで凛那が大きく何度も頷いた。
「丁度、あたしも本能に従おうと思ってるんだ。こう、あたしや蘭華姉、お嬢様や仕事仲間たち、この場にいるみんなのお風呂を覗こうとする不埒者を成敗したくてたまらないんだ」
 クールに笑いながら凛那は刀をすらりと抜き放つ。
「本能は大事なんだよね? 建前を破って本能に従うのが勇者なんだよね? じゃぁ、あたしも成敗しちゃいけないって建前を破って、バッサリとやっちゃっていいんだよね?」
 アルカイックスマイルを崩さず、笑いながらジリジリと信者に近寄っていく凛那であった。
(「……正直、あたし自身が見てて怖いだろうなって思うけど、我慢我慢。まぁ、覗かせたくないのは事実なんだけどね!」)
 脅されて信者達は引きつり笑いを浮かべながら、どんどん壁際の方へと近づいて行く。
 一方、悠花は色々な女性に触りまくって今度は愛樹の乳を揉もうとしていた。
 愛樹は呆れたジト目で睨み付けてスルー。
 ……しかけたが、アザレアの方に寄っていった。
「でもアザレアのは触りたくなる気持ちわかるかしら?」
 脇からむんずと掴む愛樹。
「揉んで言い訳じゃありませんっ!」
 怒って聖書で叩こうとするアザレアから愛樹はさっと離れる。
「これだけ散々言われてもまだ覗きやりたいなんて人には、もうこれしかないでしょ」
 おもむろにスマホを取り出して、見えるようにぴぽぱぽやり始める愛樹。
「警察に通報しておくわね」
 ……一応振りだが本当に通報しようかとも考える愛樹。
「や、やめてくれー!」
 ビルシャナと信者達が一斉に制止にかかった。
「……なんで今更慌ててるわけ? 犯罪なのはわかってるでしょ? 許されるのは漫画の中だけよ。なら当然お縄になるのもわかるわよね?」
 愛樹は冷めた口調で言う。
「覗いたところで減るもんじゃない ?違うわね。覗いたら貴方達の人生が減るのよ」
 震え上がって慌てるビルシャナと信者達を見て、愛樹は心の中で冷たく言い放つ。
(「ま、痛いやつには現実見せるのが親切よね」)
 そんな愛樹の冷め切った態度を見て、同情を引けないと判断したのか、信者達は次々とケルベロスの前に投降した。
「通報だけは勘弁してください!」
「もう覗きなんてしませんから!!」
 ケルベロスの陣地に走り寄って泣きながらそう訴える。
「貴様らー! 本能はどうした! 浪漫はどうした! 覗きだからこそ得られるドキドキがあるだろう! リスクなくして、何が浪漫だ!!」
 ビルシャナだけが叫んでいる。
 それはどう考えても変態なので、ケルベロス達は変態を成敗することにした。


 愛樹が優しい世界を投稿しまくり、ケルベロス達の力を高めていく。
『患者さんの苦しみを、貴方も味わいなさい……』
 ミリアが病魔の弾丸を撃ち出して、ビルシャナにアンチヒール。
 目に激痛を感じ、のけぞるビルシャナ。
 エンジュがメタリックバーストを回す。
 リシアはペトリフィケイションを撃った。
 アザレアは降魔真拳でビルシャナを殴りつける。
 悠花はグラインドファイアで炎の回し蹴り。
『陰を守護せし影の虎、その牙は精神を噛み砕く!』
 陰虎影牙撃で、リョウは左手に虎の影を纏いビルシャナを攻撃。
 手首と足首の地獄の炎が彼女の感情で色を変えつつ激しさを増す。
 ビルシャナに向けて蔑みと冷酷の青白い炎が揺らめく。
『我が剣、我が心、束ねて一刀と為さん。されど、我が剣は曇りを許さず。其は唯、守(も)る者の為、道を拓く刃なれば! たぁぁぁぁっ!』
 さらに凛那が神刀一閃・神魔調伏・弐式でビルシャナを斬るTケタ。

「の~ぞ~き~最高ォオ! 貴様らだって~のぞかせろ~~!!」
 懲りないビルシャナはそう叫ぶと、ビルシャナ閃光をぶっ放してケルベロス前衛を攻撃。
 八寒氷輪を見切りに使いながら、ひたすら吹っ飛ばして凍らせ、吹っ飛ばして凍らせ。
 そこで愛樹のテレビウムのティーレが応援動画を懸命に回して主人の仲間達を回復し始めた。
 悠花のオルトロスのコセイは距離を取りながらパイロキネシスを撃ちまくる。

 愛樹は優しい世界を次々に投降していく。
 ミリアはメディカルレインを使った。
『お願い、みんなを守ってっ!』
 天使再誕・散でリシアは天使の加護で仲間達を一気に回復。
 リョウはドレインスラッシュでビルシャナの体力を吸い上げながら攻撃。
 凛那は雷刃突を繰り出す。
 悠花は時空凍結弾を撃ち放つ。
『心地良さと痛み、どちらを所望かしら?』
 エンジュは氷血の投刃で深紅のオーラを纏った魔法の短剣をビルシャナに投げつけた。大ダメージを受けるビルシャナ。
「ビルシャナには容赦不要よね…」
 足に炎をともすアザレア。
「煩悩ごと……退散、なさいっ!」
 アザレアは劫崩脚でビルシャナの股間めがけハイキックを決めた。
 ビルシャナは股間を燃え上がらせながらうずくまり、そのまま、二度と動く事はなかった。


 戦闘後、リシアが周囲の被害状況を確認し、ケルベロス達は廃寺の壊れた箇所などをヒールで片付けた。
「はぁぁ、悪人正機って、こういうのじゃないんだけどなぁ」
 その後、凛那はつくづくため息をついてそう言った。
(「愛樹がめんどくさがるのも分かる気がする……まぁ、彼女はいつもだけどね!」)
 その愛樹の方は相変わらずスマホをいじっている。
「ん? 終わった? それじゃ温泉入って帰りましょうか?」
 ずっとスマホしていただけで、その後温泉に入ろうと言い出す彼女。
 いつものことだが……。
「折角の温泉街ですし、帰りに何処か温泉に寄りましょうか?」
 そこでエンジュもそう言ったので、ケルベロスの有志達は、そろって温泉に入っていく事にしたのであった。
 彼女達の風呂に覗きが出ませんように。

作者:柊暮葉 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年11月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 2
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