希望の灯火、絶望の狂夜

作者:森下映

 日暮れとともに訪れる幻想的な世界。
 関西地方の山の麓にあるこの公園は、秋から冬にかけて人気のイルミネーションスポットとなる。
 色づいてきた木々を含む自然豊かな場所が彩り豊かにライトアップされ、
「わあーーーー!」
 見ていた子どもの目が丸くなり、次々歓声が上がった。プロジェクションマッピングによるオーロラが降りてきたのだ。
 笑顔と煌めきの溢れるひととき。それを絶望と恐怖をもたらす尖兵が破壊する。
「随分と派手じゃねーの」
 闇に溶けそうな紺色の鎧に身体の殆どの部分を包み、ところどころ白い束が混じる黒髪を無造作に長く伸ばした背丈3メートル程の男。顔の上半分は兜で隠されているが、口元から十分過ぎる程の凶悪さが滲み出ていた。
 多くの人々がいた。広い公園でもあった。それでもこの殺戮だけを目的に送り込まれてきたエインヘリアルは、青々と光る巨大な剣を振るい、突き刺し、首を刎ね、僅かな時間に人々を、無残な骸へと変えてしまった。
 惨劇の後には、地に落ち壊れたイルミネーションの残骸が、狂った様に瞬いていた。

「もうイルミネーションなんて季節か……にしても懲りずに馬鹿な野郎が来たもんだぜ」
 戦いを前に既に言葉遣いは見た目の端麗さを裏切る様に荒い。深幸・迅(罪咎遊戯・e39251)。セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、
「このエインヘリアルの名前はクトーパといいます。急ぎ現場に向かい、撃破をお願いします」

 出現するエインヘリアルは1体のみ。ゾディアックソード片手装備相当のグラビティを使用する。ポジションはクラッシャー。
 かつてアスガルドで重罪を起こした凶悪なエインヘリアルであり、使い捨ての戦力として送りこまれているため、戦闘で不利な状況になっても撤退、逃走することはない。

「こんな奴を野放しにするわけにはいかねぇな。それに、」
 できればイルミネーションも再開させてやりたいと迅は言う。セリカは頷き、
「エインヘリアルの襲撃は日暮れ直後、イルミネーションの点灯が開始されたばかりのタイミングです。迅速に撃破できれば、再開も可能でしょう」
 よろしければ皆さんも楽しんでいらしてはいかがでしょうか、とセリカは締めくくった。


参加者
周防・碧生(ハーミット・e02227)
翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)
レイヴン・クロークル(水月・e23527)
時雨・バルバトス(居場所を求める戦鬼・e33394)
エング・セナレグ(重装前進踏襲制圧・e35745)
深幸・迅(罪咎遊戯・e39251)
ブレイズ・オブジェクト(レプリカントのブレイズキャリバー・e39915)
カレン・フェブラリー(七色の妖精・e40065)

■リプレイ


「全く弱者を虐げて悦にいる小物ってなぁ、どこにだっているモンだよなぁ」
「チッ、番犬か」
 威嚇する様に吐き出し、クトーパは深幸・迅(罪咎遊戯・e39251)へ剣先を向けた。
「凶悪なエインヘリアルと聞いていたが、所詮はこの程度か」
 地獄化した左眼、銀なりし白い毛並み。
「大方、弱い者ばかりを選んで虐殺していたんだろう?」
 漆黒の装いは聖職服でありながら死刑執行人の名を冠し、銀揺れる白革のブレスレットは漆黒と対の誓いの品。レイヴン・クロークル(水月・e23527)が挑発するとテレビウムのミュゲまでイー! とやっている。
「夜の闇に、黒く溶け込む緋色の鎧、か」
 モノトーンに赤がアクセントの機体のレプリカント。テレビウムの『彼』に導かれて今がある。エング・セナレグ(重装前進踏襲制圧・e35745)。
「己の巨躯を闇に隠さねば、人を襲うこともできぬ小心者のようだな」
「ハッ」
 クトーパは笑いながら剣を肩の上へ戻し、
「身のほど知らずもここまでかよ。ま、とっとと片付けてやるよ」
「弱い犬程喧しく良く吠える……のもセオリー通りだな」
「何だと?」
「黙っていろ、耳障りだ」
 今度はレイヴンとクトーパが睨み合う。と、
「成る程、こいつも……この光景は好きなんかね」
 オーロラが映し出された瞬間、呟くような声がした。クトーパの腰よりも高い長身、さらにその身の丈程もある打突用ピック付きの斧を構え、両腕は白地に赤と黒が入った鋼鉄の装甲で覆われている。赤い瞳、右目の地獄。時雨・バルバトス(居場所を求める戦鬼・e33394)。
 そして。
「変身! プリンセスモード!」
 ちりんと鈴の音、黒いドレスに尖耳覗く金の髪。紫陽花と山吹色のリボンを髪に飾り、頭のてっぺんにはひよこのぴよこ。高く放ったプリズム☆プリンセスカードが回ればシトラスの香りがふわり、パステルカラーの光がカレン・フェブラリー(七色の妖精・e40065)のドレスを包む。ぴよこはカレンの両手の中へジャンプ! 途端ピンクのステッキに。
「魔法少女プリンセス☆カレンだよ!」
 右手にステッキ、白いレースを重ねたピンクのフリルとリボンのドレス。揃いのショートブーツで降り立つと、
「やーい、雑魚ヘリアル! こっちまで来なさい!」
 好戦的にクトーパを指差した。途端カレンの背後、ピンクの煙が大爆発!
「頑張って足止めするよ!」
 小さな身体で立ち向かう魔法少女に、恐怖を忘れて歓声さえ起こる。
「ここは必ず、番犬が守ります。どうか信じて、再開を待っていて下さい」
 周防・碧生(ハーミット・e02227)も精一杯声を張る。引っ込み思案ではあるけれど子ども達や家族の心に影を落としたくない一心で。
(「惨たる彩りなど許せる筈もない。何一つあれの望み通りにはさせない」)
「リアン、力を――」
 金の瞳持つ黒鷲の様な箱竜のリアンは親友の周りを旋回、先に戦いへ。また逆側では、
「敵は番犬が包囲している。危険はない。焦らず進んでくれ」
 黒髪に褐色の肌、赤い瞳が目をひく。擦り切れたケルベロスコートの下には数多の地獄と機械を隠す。ブレイズ・オブジェクト(レプリカントのブレイズキャリバー・e39915)。
(「重犯罪者の使い捨て作戦か。件数自体もかなりの数が報告されているな」)
 人々の安全に留意しながらブレイズは考える。
(「エインヘリアルは戦闘種族と聞くが、その分血に酔う者も多いのだろうか」)
 自分には理解できない感覚だと思う。戦闘狂である自覚はあるが、あくまでも冷静だ。
「折角の美しい場を惨劇の場になどさせません」
 名前の通りの翡翠の髪。白いブラウスの胸元には受け継いだ翡翠の葉に青い雫揺れるブローチが留められ、青みを帯びた細身の三揃は翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)の身体にも、少々男性寄りと本人が表現する性分にも合っている。
「この場と人々を護りましょう」
 緑の小竜シャティレが鳴いて応えた。無邪気に見上げるつぶらな瞳ともこもこの毛並み、好奇心旺盛な様子は仔犬の様。花を抱き瑞々しい茎葉の尻尾を持つ。シャティレとの出会いと覚醒を経て、風音は過去から立ち直った。
「小物じゃねぇってんなら遊んでくれんだろ?」
 迅がフィンガーレスグローブの片手を顔の前へ持ち上げると拳を作る。そこへオーラが集い燃え始めた。
「俺達とよォ」
「クソが」
 クトーパが剣を振りかぶる。迅の拳との間重力が動き激しく光が散った。ように見えた。が。
「『エル・エステル・プリズマ・アステリア』」
 光はパステルカラーの虹色の魔法陣から。その後ろにはステッキで剣を防御するカレンの姿。刃は止まれど重い斬撃はカレンの頰に手足に傷を刻むがなんのその、
「『魔法陣よ、親愛なる者を守りたまえ』」
 星がカレンに力をくれる。詠唱が完成、仲間の前には一回り小さい魔法陣が現れた。クトーパはさらに剣に力をかけながら、
「チビを身代わりに逃げるとはな!」
「逃げてねぇよバァカ」
 クトーパの視線が移る。その隙カレンは身を沈め剣を蹴り込んで宙へ後転、間合いを抜けた。
 迅が電飾に照らされ立っていた。クトーパが駆け出す。が刹那、
「グアッ!」
 砲撃に脇腹を殴られクトーパの足は止まった。レイヴンは砲撃形態のハンマーを下ろし迅は九尾の扇を開く。
 テレビウム達クトーパめがけて一直線。ミュゲはパラソル、彼はスパナ。工具を持っているのがエングを『直した』彼らしい。
 途端出現したトラウマに無闇にクトーパが振り回した剣が空を切った。陣形を見出した迅は扇をそよがせ後衛に破魔の力を宿す。そして、
「他愛もない」
 いつの間にかクトーパの懐へバルバトスが潜り込んでいた。フラウロスから黒いルーン文字が泳ぎ出し、戦いの場に意気揚々と身を置くバルバトスを鼓舞するように輝き回る。
 バルバトスがフラウロスを振り下ろした。だが、クトーパが巨体で横へ跳び斧は地面を叩き割る。バルバトスは間髪いれずにピック側で顎を狙うがクトーパは剣を盾と逆に踏み込んだ。その時。
「『我が体躯は重鈍。されど刃は飛燕の如く!』」
 時が止まった様な一瞬。クトーパの背側、エングが深々と刀を突き刺す。
「ぐっ、」
 全重量と勢いを‘のせた突きにクトーパは思わず前へのめった。逃さずクトーパの右肩を叩き割る。
「『数多なる生命よ、どうか力を……』」
 翡翠のカフスが煌めいた。数多の自然が風音の歌に応え、騒めき、緑が辺りを取り囲み、木漏れ日が差し。花さえ咲く中をシャティレが飛び抜ける。生命の叙唱は風音と仲間に加護を与えシャティレはクトーパへブレスを吐きかけた。と、リアンも鋭い嘴を開き正確に傷を狙ってブレスを見舞う。
「鬱陶しい!」
 クトーパが竜達へ手を伸ばした。2匹の竜は交差して飛びそれを躱し、
「グウッ!」
 高所から飛びかかったブレイズのハンマーの一撃。クトーパの全身を霜が覆う。クトーパは咄嗟に膝蹴りを試みるがブレイズはシールドクローで防ぐと、
(「俺は心を地獄化している。故に、感情的な行動を取ることは稀なはずなのだが…… 」)
 着地即横転、間合いを抜けて様子を窺う。
(「俺はエインヘリアルとは相容れないと感じる。平時の俺の状態と比較及び分析するに、」)
「……どうやら俺はこいつが嫌いらしい」
 そして二重の月が宙を舞った。碧生の黒鎖がクトーパの両脚を絡めとる。
 クトーパの歯軋りが聞こえた。続き剣を頭上で回した軌跡が陣となり傷や鎧を修復するとともに黒い呪が身体をとりまく。
 しかし。
「待たせたなぁ!」
 踏切り、飛び上がった迅が、今度こそ拳で呪を打ち砕き、クトーパの鳩尾へも撃ち込んだ。


 イルミネーションの変化が時間の経過を告げる。
「喰らえ!」
 クトーパが剣を薙ぎ払う。鋭利な氷弾群を見て風音の顔色が変わった。故郷の森と愛する家族を弟に氷漬けにされ滅ぼされた過去がある。
「させん、このまま前線を維持する」
 立ちはだかったエングの機体に氷弾がぶつかり、
「こっちはカレンにおまかせだよ!」
 別の氷弾の前にはカレンが飛び込み両手で握ったステッキで叩き割った。ミュゲはパラソルを広げて防御、ブレイズはシールドクローでダメージを最小限に留める。
 残る1つは風音に向かった。風音は迷わず黒鎖で守護陣を描き出す。氷も寒さも苦手。だがそれよりも仲間を同じ目に遭わせたくない思いが強い。
 盾役達の氷が溶ける。エングも自身と同じカラーリングの治癒ドローンを出現させ、ミュゲと彼も動画を流して万全を期す。風音は胸のうちで安堵し橙の瞳を改めて迫り来る氷弾に向けた。
 瞬間考えるでもなく護り人の腕輪をはめた手首が持ち上がり、片腕が上がり掌からオーラが発射。オーラとぶつかり氷弾は静かに消えた。シャティレは安心した様に鼻を鳴らし、くるり箱に入って体当たり。眼前を白狼の尾が掠めクトーパが気をとられた隙、迅の槍が穿ち抜く。
 紫電が全身を震わせ鎧のヒビから血が噴き出した。レイヴンは獣化した足で後ろ蹴りを放つ。
 序盤からの行動阻害に加え、回復要の風音は役割を完璧に理解し的確と、番犬は常に優位だった。カレンは何度も魔法陣を出現させ、彼とミュゲは勇敢に壁となりつつ動画を流し、エングも小型治療機へグラビティを惜しまない。
 カレンのステッキから石化の光線が放たれると同時、走り込んだブレイズが五角盾の先端をクローアームに変形させて削り取ると石と化した鎧の一部がクトーパの肉を連れて落ちた。返り血を浴びたブレイズはクトーパの生命力を自分へ還元する。
「く、」
 クトーパが間合いをとった。だが、
「『とっとと消えろ。俺は短気なんだよ』」
 バルバトスが斧を振りかぶる。集うは全身全霊の力と闘気、それは距離を無いものとする程の。斬撃の雨をくぐりぬける恍惚、死と向き合って生を知る幸福。その後には勝利あるのみ、
「俺はもう、骨の髄まで闘いに染まってんのさ!」
 早くよこせ、解放感を。斧を振り下ろすと地割れがクトーパへ迫り斬撃が兜を真っ二つに叩き割った。
 乱れた髪の間、灰の瞳。それが見たものは。
「『我が敵を、捕らえよ』」
 厭う月の様な銀眼が帽子の鍔と前髪の影、眼鏡の奥で光を放つ。碧生の差し向けた月光の如き魔力は、
「ギャアアアアア!」
 狼がクトーパに喰らいつく。逃さずリアンもブレスを吐きかけた。
「ユル、サヌ」
 兜を失ったクトーパは一気に年老いて見えた。しかし激昂の猛攻が開始する。


 盾役はきつい時間をすごした。
「絶対負けない!」
 カレンが叫び、
「大丈夫ですか」
 風音は光盾をエングへ送る。
「心配ない。これが俺の役割だ」
 エングは風音に頷くとクトーパへ向き直り、
「俺はまだ立てる。何度でも貴様の前に立ち塞がってみせる」
 自己回復も重ね、耐え抜く。長引けば戦闘不能の危機もある。
「畳みかけます」
 碧生のコートの内側からブラックスライムが槍の如く伸びた。剣で対抗しようとするクトーパ。しかしバルバトスが片腕を斬り落とさんばかりの斧の一撃を食らわせ、混沌の槍はクトーパの胸を貫く。続きブレイズが足場を2回取り冷静にクローアームで生身の部分を斬り裂いた。
「フザケルナアア!」
 絶叫と撃ち出される氷弾。風音は既に森の力を喚ぶ詠唱に入っている。だから、
「怖くないんだからね!」
 もうドレスはボロボロだけど、これは魔法少女の勲章。カレンがステッキで空中に描いた陣から矢が発射された。エングが振り抜いた刀の斬撃がそれを追いクトーパを捉えた途端、矢が次々に突き刺さる。
 そして、
「『逃れてみせろ、出来るものなら』」
 不義を撃ち滅ぼすは白狼也。レイヴンの構えた二丁のリボルバーから次々と撃ち出される弾丸は左眼から溢れる地獄の焔。身を焦がし灼け続ける神経の痛みに狂い暴れる敵を前にもまだ撃ち続ける。だが術は代償を求める。とはいえ大したことじゃない。何故ならもう、
「しっかり目を開けとけよ?」
 膝を折ったクトーパの眉間に迅が人差し指を当てた。
「何てったって、大悪党サマの最期だ」
 クトーパの頭部が爆発した。


「心配するな。必ず見つかる」
 そう言うと迷子の少年がブレイズを見上げた。返り血のついたコートは怖がらせない様予備に代え武器も収納している。
 と、少年がブレイズの手を握った。ブレイズも一瞬間を置いて握り返し輝き降る中を歩き始めた。
 一方、碧生とリアンは片隅のベンチに腰掛けていた。碧生は冷えないようにとリアンと自分に揃いのマフラーを巻く。
(「大丈夫……怖くない、寂しくない」)
 君がいるからこそ、この光景も楽しめる。
「いつも付き合ってくれて有難う、リアン」
 リアンは小首を傾げ、どこまでも続くような光の世界に目を瞬いた。
 すっかりいつもの調子に戻ったバルバトスは、斧を立てかけ自分も樹に寄りかかると、ぼうっとイルミネーションを瞳に映している。エングは彼と静かにイルミネーションを見つめ、
(「俺は敵の前に立つことしか出来ない。この光景のように、人々の心を癒すことはできない。なればこそ、」)
 この光景を守れたことを、今は誇りに思う。


「イルミネーション、守れて良かったね!」
「ええ、本当に」
 黒いドレス姿に戻ったカレン。そしてシャティレと寄り添う風音。自然だけでも美しいけれど、音楽と、趣向の凝らされた光達と、人々の幸せな表情が合わさった場所もかけがえのないものだと風音は思う。
 カレンは無数の光の中踊り出す。つま先でくるくると、ドレスの裾を膨らませ。白銀の煌めき、不思議な夜の力が集っていく。
「ねえ、ママ、みて!」
 女の子が母親の袖を引っ張る。
「冬の妖精さんだよ!」


「それじゃままなんねぇだろ?」
 はしゃぐミュゲを抱えながらの撮影に苦戦していたレイヴンに迅が言う。そしてミュゲに両腕を差し出し、
「くるか? ん?」
「え、いいのか」
 返事を聞く前にミュゲは迅の腕の中へダイブ!
「すまない、頼む」
「構わねえよ。 なー、ミュゲ?」
 レイヴンは思わずじっと2人を見る。戦闘時の迅は初めてな為に『普段』とのギャップにまだ戸惑いがある。
「あー、成る程な」
 察した迅が艶やかに笑う。
「普段と違うからってそりゃなくね? 俺は俺、俺でも『私』でも一緒」
 そしてよく見えるようにとミュゲを高く抱え上げると、
「アイツがお前らにとって特別だけど、普通なのと一緒。ってこと」
「一緒……それもそうだな」
「そーそー。 お、オーロラだぞミュゲ」
「オーロラ……綺麗だな……ミュゲ、来年は3人で此処に来るか」
「いーんじゃね? アイツもこーゆーんは好きそうだしな」
 そう言って迅も光のカーテンに瞳を向ける。
(「オーロラ、か」)
 もし光に身を委ねたならば、何かを教えてくれるのだろうか。だが今は例えばこの一途な白狼の様に、例えば腕の中の温もりの様に、そんな者達が与えてくれるもののほうが多い気もするのだ。

作者:森下映 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年11月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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