「出でよ風の剣よ! 我が腕は天を揺らすなり」
薄暗がりの洞窟で、蝋燭に向けて少女がフリルたっぷりの腕を振るうと、チっと小さな音を立てた後、寸断されてポロリと半分ほどが落ちた。
何故か洞窟の奥の方で、トランプが落ちているが気にしてはいけない。
「来たれ炎の眷族! 我が両手は竜を現すなり」
少女が複雑な印を切りながら、掌を重ね合わせた後、上下に拳を半開きにして影絵で竜か何かに見える態勢を取った。
その時、シューッという風を切る音の後で、ボっ! と火が走って落ちた蝋燭の先に火が付いた。
何故かその辺りで、ガスの臭いがするが気にしてはいけない。
『お前……』
「誰!?」
後ろの方でガサリと音がした後、少女はビクリと恥ずかしそうな顔をした。
そしてフリルで隠れた何かを背中に回しつつ、音の正体を確認する。
『お前の、最高の『武術』を見せてみな!』
「っ……」
後ろから現われたのは鍵を持った少女で、その言葉を聞いた瞬間にフリルの少女は手にしたスプレーとライターをコトンと取り落とした。
そしてキスをしそうな程に接近するや、髪の毛に仕込んだ丈夫な紐で首を締め始めたのである。
人間ならばそれで十分に通用しただろう。だが鍵を持つ少女はドリームイーターであり通じる筈も無い。
『僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで面白かったよ』
暫く経った後で鍵を持つ少女は手に在るソレを突き刺し、フリルの少女にそっくりな何かを作り出した。
『せっかくだ、お前の武術を見せ付けてきなよ』
そういうとナニカは頷いて、町の方を目指したのである。
●
「魔法を使ってみたい、あるいは不思議な武術を使ってみたいと言う少女がドリームイーターの幻武極に襲われますのや」
ユエ・シャンティエは巻物を広げながら説明を始めた。
「幻武極はモザイクが晴れなかったのか立ち去ったのですが、代わりに武術家型ドリームイーターを作り出しましたん。これは夢の様な武術を再現するようで、武術かの理想であったり少年少女が特訓する技を実現する用ですなぁ」
理想的な武術や夢の様な武術だけに強敵らしい。
強化されているだけではなく、理想の姿を実現して居る為に厄介なことこの上ない。
「ただ、場所的に人は近くに居らしませんので巻き込まんのだけは救いですわ」
そういうと、被害者の少女は恥ずかしかったのか郊外に在る洞窟で特訓をしていたらしいと教えてくれた。
「強敵ですが敵は一体。武術家の中でも暗器使いゆう感じですわ。握り込んだ武器を使い、隠した武器を投げてきます。ただし、その能力や効果にはデウスエクスに相応しいモノがあります」
どうやら被害者の少女は、夢を見るだけでなく現実的に実行可能な技術を探していたらしい。
手品を覚え隠し芸を覚え、本を読んで暗器を用いることで再現しようとしていたようだ。
そこに現実的な力と、手品の種の代わりにグラビティが上乗せされることになったらしい。まさに暗器を使った武術家の完成である。
「このドリームイーターは、被害者が為し得なかった自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えているようなので、戦いの場を用意すれば挑んで来るでしょう。よろしうお願いしますえ」
どうやら恰好良いセリフとかを考えて、技のポーズとかも考慮していたらしい。
同じ様な恰好良いセリフを言いながら挑めば効果的かもしれない。ユエはそう言いながら地図を置いて出発の準備を始めた。
参加者 | |
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写譜麗春・在宅聖生救世主(誰が為に麗春の花は歌を唄う・e00309) |
ヴォル・シュヴァルツ(黒狗・e00428) |
鳴神・猛(バーニングブレイカー・e01245) |
ウォリア・トゥバーン(獄界の流浪者・e12736) |
イアニス・ユーグ(赤毛・e18749) |
ユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025) |
如月・環(プライドバウト・e29408) |
リン・イスハガル(凶星の氷闇龍・e29560) |
●
「終わったぞ。で、敵を惹き付ける格好良い台詞だッたか?」
道路への入り口に人払いの結界を張り終わったヴォル・シュヴァルツ(黒狗・e00428)は、歩きながらあーあーと発声練習。
洞窟に向けて移動しつつ、お芝居の練習を始めた。
「魔法の如き妖術を武に乗せた闇の姫。オレ達がお前の妙技、見極めてくれよう! どうした臆し……くっ」
だがヴォルは動か無くなる。
なんというか、どんな敵にも臆する事は無いが今回は勝手が違った。
痛みに耐える覚悟はある! だがしかし羞恥には……。
「……リン、ウォリア、やッぱり代わッてくれ」
「別に構わんが……。しかし、いきなり格好良いセリフをこちらに振るでないわ、ヴォル」
ヴォルの要請にリン・イスハガル(凶星の氷闇龍・e29560)は苦笑して肩をすくめる。
「えぇと……あー……。無限の暗器を精製せし漆黒の闇よ。主の力ごと我が凍てつかせようぞ」
リンは何とか言い切ったものの、頭に翼猫のハルを載せたまま、うむむと唸った。
「意外と恥ずかしいのう、これ。さにあればウォリアの方が得意そうな気がするぞえ」
「だろ? 仕方無い。ここはアレだな。先生……お願いします! 的な」
二人は顔を見合わせ、朋が居る方向を見やった。
そこには尻尾をブラブラさせて、猫が鼠を待ちわびる様に強者を待つ漢が居る。
「?」
友人たちの気持ちが理解できないのか、漢は真顔で口を開いた。
「どれ、やってきたようだし、……本物を御目に掛けよう」
なんとも奇妙なニンゲンだが、振る舞いは悪くないと思うがな。
ウォリア・トゥバーン(獄界の流浪者・e12736)は鼻息荒く、やってきた小娘を眺めた。
フリルとリボンがタップリで、羽の付いたカチューシャに靴には小さな翼のアクセサリー。なんとも趣味的である。
「汝の魂に響く此の声が聞こえるか……世界を厭えし隠者よ……穢れ無き闇の姫君よ……」
『冥府を照らす黒陽の眷属か? 夜の帳に住まいし我に呼びかけたるは何に用か?』
その少女は黒き鱗と地獄の炎を持つウォリアのことを、黒き太陽の使者だと評した。
そしてドリームイーターである自分の事を、人々が眠る夜の一幕に住む住人であると号する。
その言葉を聞いた瞬間に、『あ、こいつ本物だ』と周囲は察した。
(「そういう年頃なんだよね、わかるんだよー。でも実際に実現するために努力するってのは凄いよねー」)
その様子を空から眺め、写譜麗春・在宅聖生救世主(誰が為に麗春の花は歌を唄う・e00309)はなんとなく微笑ましいモノを感じた。
彼女の言葉は何処かで聞いた様な単語であり、ある種、無難な言葉だ。良く勉強していると言えるがそれではいけない。
先駆者(え?)として見るならば、自分自身の中から捻り出したオンリーワンでなければ!
「我こそは地獄を引き連れし凶星の魔王……さぁ、我が星の裁きに抗って見せよ。磨き上げし業を、闇を炎を風を地獄で覆い……汝の死を赦そう……!」
『笑止、腹筋に来るわ。定めの子よ、亢龍悔いありという言葉を教えてくれる!』
不死者に死をと告げれば、強さを誇る者に敗北をと切り返す。
激しい蹴りと共にその言葉の応酬が終わりを迎えた時、誰もがホっと溜息をついて戦いが始まった。
●
「新月の夜空の乙女よ、無限の闇の器の担い手よ! 我は世に生命の息吹を与える春を詠う、光の天使なり。汝の夢の果ての更なる果て、いざ魅せてみよ!」
空から様子を見て居た在宅聖生救世主は、翼を畳んで滑空。降臨者というイメージを作り出した。
奇襲出来るかもしれないのにやらないのは正々堂々と戦う為ではない!
恰好良く登場して注目を浴びる為だ!
「闇よりなお昏き姫君よ! その漆黒に沈みし深淵-モザイク-の奥底まで、輝ける十字架が照らし尽してくれよう!!」
『ククク。来るが良い。我勝利せし暁には、その翼を黒く染め闇の狭間に堕してくれようぞ!』
売り言葉に買い言葉。
恰好良い言葉を吐きながら威光(飛び蹴り)を食らわせ、倒せなかったら捕まえて悪に染め上げてやると受け止める。
『諸天は堕ちよ。いざ暗き闇の底より我は招聘する!』
少女がフリルの中からネイルアート風の爪刃を出して迫る。
そこに百合百合しい厭らしさは無い、単に堕天使は恰好良いというやつだ。
「俺の目が赤い内は、やらせはせん!」
そこへ敢然と立ち塞がる男が一人。
赤いマフラー靡かせて仁王立ちに構える。
「天知る地知る俺が知る! 悪を倒せと人が呼ぶ! 闇の暗器使い、ひとつ手合せ願おうか!」
暗い闇を切り割いて、明るい朝日が立つように!
地獄から蘇りしイアニス・ユーグ(赤毛・e18749)が、爪刃をその肉体で受け止めた!
『我が逢瀬を邪魔する者は何者!』
「名乗る程の者ではない。だが、自然の力を思い知れ! ストラグルヴァイン!」
爪刃が引き抜かれた場所から、炎を吹き出しながら不敵に笑う。
滴り堕ちる血が反応するよりも早く、掌に握り込んだ種から植物を伸ばして行った!
「逃げるか? させぬよ。しかし……暗器。忍びなれば再現に憧れる種類のものよな。これを武術に組み込むとは……」
暗器が技とは……なんともまぁ、不思議な武術よな。
そう苦笑いながら、リンは凍結波を放って牽制し避けられぬように挟み討ちを掛けた。
「アティルト、ブリアー、イェツラー、アッシャー」
鳴神・猛(バーニングブレイカー・e01245)はキーワードを唱えながら、ケルベロスコートを取り払って防具を起動。
勿論そんな事をする必要は全くないのだが、そこは様式美である。
「流れ出て創れよ造れ、形を成して活き動けよ」
猛はポーズを決めると、完全状態になったことに満足し今度は拳を構える。
燃え上がる炎の中から、流体金属が染み出し拳を強固にしていった。
「顕現せよ! わが焔!!」
猛の思いと共に、拳に宿った流体金属が巨大な籠手になる。
それは彼女の能力を引き出す為の武器であり、溢れかえる暴力を形にしたものだ。
殴り掛ると同時に炎のように揺らめき、逃げることを許さない!
ケルベロス達は踊る様に走り、飛び、立ち上がってドリームイーターを包囲する。
それは愛の戦士であり、平和の使者であるからこそだ。
「ウーン、カッコいいことを言いながら使えばいいのかぁ、そうッスねぇ……」
如月・環(プライドバウト・e29408)は仲間達が真っ二つに分かれ、自分はその岐路に立って居るのを感じた。
恰好良いセリフや仕草に態勢の無い者、素で行動して居るので気にもして居ない者だ。
彼としてはどっちでも良いのだが、考え始めると前者に傾いてしまう。
「ふーむ、それじゃあ……『漆黒の祭壇よ、我が力を糧に皆を守護れッ!』……とかこんなもんスかね?」
環は黒く塗っておいた籠手で、懐に入れておいた折り紙を取り出す。
白い紙で作ったソレは、四方に散ってまさしく祭壇を作り始めた。
そしてもう一組、紙の人形を用意して仲間達の分身を作る準備をしておく。
「ううん、また架空の武術……とはいえ、それはそれで純度は高く……楽しめるかしら?」
一方、ユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025)は少しだけ残念に思いながら、それはそれとして愉しむことにした。
才能だけで剣を振るっている彼女にとって、現実の技ならば参考に出来ることもある。
だから架空の技というのは無理がある分だけ残念ではあるし、純粋な思いの産物だけに見るのは愉しかったのだ。
「ふふ。おばさんと、遊んで頂戴?」
『そなた天……いや羅刹女か。来るが好い共に戯れようぞ』
じゃ、遠慮なく。
ユリアは無造作に引き抜くと、一息に踏み出して刃を掛けた。
途中で強引に機動を変えて、白い肌を切り割き赤い花を散らせる。
●
「ハル、仕事だ……ッて、いい加減リンの頭から離れて手伝え!」
「我としてはいつまでも頭の上に乗せておきたいのじゃが……致し方なし」
ヴォルが星剣を振るって足元に一文字を描くと、周囲に煌めく結界が張られて行く。
頭に載せた翼猫を降ろしながら、リンはふと理解してしまった。
「考えるのではない、感じるのじゃ。ヴォルならば……きっといけるじゃろ」
リンはいつも通り掌底を浴びせるのではなく、クワっと拳を開く状態からやってみた。
貴人の前で手を開く様な仕草は暗器での暗殺術とか、どこかで聞いたのを思い出したのだ。
しかし、生憎と思いつかなかったので、結局は普通に殴りつけただけであっと言う。
「……? なんのことかは知らねえが……痺れるだろ? 黒い雷の力はよ」
『これは縮地と経絡の複合技か!?』
ヴォルは体を流れる体内電流を活性化させ、高速で走り抜けると同時に剣先から放出させて帯電させる。
バリバリと黒く尾を引く雷電が迸り、ダーク・プリンセスの姿を森の中に怪しく映し出した。
「むう。暗躍する闇の姫と、それを撃つ黒き雷……。めっちゃかっこよくないか?」
「素質はあると思うんだよねえ。でもねーマイ・ワールドと強引グ・マイ・ウェイが重要なんだよー」
イアニスの呟きを拾って在宅聖生救世主はそれでは五十点だと辛口の評価を付け加えた。
何故か? それは自分なりの評価と、自分流の世界を作りあげる強引さがあってこそなのだから!
「天よ天よ。遍く我等を見守り包む優しき光よ、我等を見届け慈しむ暖かき光よ。今一時、その身を刃へと変え、あれなるものを切り裂き給え!」
見るが良い!
在宅聖生救世主の祈りにより、天は巨大な十字架を現出させた。
それを手に取った瞬間に、光は巨大な剣と化して触れる物みな切り裂いて行く。
「なんだか判らんが、とにかく良し! 受けよ、その身を切り裂く痛撃! 絶空斬!」
イアニスは在宅聖生救世主の言うことが理解でき無いなりに、斬撃を浴びせつつ必死になって体得しようとした。
敵が振る舞う一連の流れ、そして在宅聖生救世主の言葉や仕草。
例えるなら空を翔ける一筋の流れ星や、荒れ狂う稲妻の如き感性ではないか。
なんと美しい世界があるのだろうか……。イアニスは特殊な病に罹患した重症患者の言う事を真に受けようとしていた。
戦いは半ばを過ぎ去り、一進一退の攻防が続く。
何手目かのサイクルで同じ技を繰り出し合うが、当たらなかった攻撃が当たったりと結果は少しずつ傾いて行く。
『来たれ炎の眷族! 我が両手は竜を現すなり』
ダーク・プリンセスは手と手を組んで、龍の顎を作りあげた。
中の人と言うか被害者はスプレーを使ったが、ドリームイーターならばそんな物は不要。ゴウっと火を吹いて燃え盛る!
「ひゃー! 髪の毛がパーマになっちゃうっ! やったなー!」
「はーい、ちょっと待ってー。庇えなかったお詫びに、梳いてあげますからね~。大丈夫、可愛いままだからね」
猛の肩に直撃し、髪の毛に火が付いてボーボーと燃え始める。
ガードできなかったユリアは、大丈夫ですからねーと撫で撫で。
いかにもお母さんッポイ仕草で、オラトリオ・ベールならぬエールを贈るのであった。
「うっー。にゃーっ!」
猛は自慢の髪を燃やされそうになって、涙目になりながら回し蹴りを浴びせた。
そこに容赦は無く、いかに女の髪が重要か判ろうものだ。なお肩の火傷は良いのか? とか言ってはいけない。
「フフフハハハ! 我と戦うならば、こうで無くてはな!」
ウォリアは両手を掲げる、荒らぶる三頭竜の構えを取った。
右手の竜形・左手の竜形・自前の口と合わせて三つの射出口を作り、どこから来るか判らないようにして闘気を放出する!
「シハン、次は止めるッスよ! おーい、シハーン」
動か無い。
なんということだろう、環がローストビーフサンドを見せても翼猫はピクリともしない。
「くっ仕方無い。仲間を守り切ったら……いや一撃止めるごとに一チュールッスよ。来たれ、夜の護り手!」
ピクリ。
シハンは環の言葉を無視して居たが、謎の単位を出された瞬間にやる気を出した。
そして踊りながら癒す環と共に、仲間を守る壁と成ることを決意したのである!
「まッ、待てハル。お前は関係な……」
「諦メロ」
なんということだろう、ヴォルの連れて居るハルもまた一チュールという謎の単語に反応。
治療する度にくれと主張し、ウォリアは肩を叩いてもう遅いと無情な言葉を告げたのであった。
●
『おのれ、闇を束ねしクチナワを見るが良い!』
「おおっと、キューティクル・ブラスターっス!」
ゾワリと震えて髪の毛が延び始める。
怒涛の波を受け止めて、環は指先で絡め取る!
そして髪の毛に隠された針金や剃刀をそっと抜き出すと……。
「はあい、そのまま押さえておいてねー」
「了解っス」
ユリアが無造作に剣を振り降ろし、大蛇のように暴れる髪を切り割いて行った。
安物の鈍い切れ味でやり遂げる様は凄まじい。
「見るが良い」
イアニスは剣を片手に駆け寄るとクルリと回して千切れた髪に突き立てる。
「お前の後ろに目を向けてみろ。お前への怨念もまたお前を見ているだろう」
『貴様は、我か!?』
イアニスが作り出した姿は少女そのもの。
力を抜き出され盗まれたが、努力に努力を重ねた本人の姿だ。その姿を尊敬の目で見つめながら復讐せよとグラビティが吠える!
「傷はこッちで治す。後は攻めて攻めるだけだ! ……お前の武術が凄かろうとな、仲間を倒させるつもりはねェよ」
「ヨカロウ! 天に輝く我が映し身の星を見よ……オマエに死を告げる赫赫たる凶星を……」
ヴォルが剣を輝かせて絡みついた髪を切って行くと、ウォリアは吠えて走り出した。
「地獄に堕ちる覚悟はできているな? ……さぁ、オレ/我がオマエを此処で殺す……終焉の時は、来たれり」
ウォリアが殴り飛ばすと、着地点に刀を持った分身が襲来。更に大鋏や金槌を持って次々に挑んで行く。
それはまるで、寿命を定める北斗七星の双子星が現れたかのようだ。
「相変わらずウォリアの攻撃は見事よな。羨ましい限りぞえ」
リンは滅多打ちにする友人を褒めると同時に、ソレを囮に使い忍び寄った。
動きに紛れナイフを持って小さく内側をショートカット。抉りながら一撃離脱で抜けて行く。
「これで最後なんだよっ」
「全力全壊!!」
在宅聖生救世主が翼を輝かせて顔の前に手を掲げて決めポーズ。
キラっと輝く光をバックに、猛は走り出した。
「立ち塞がる何もかもを撃ち砕く!」
体内電流をコントロールして加速すると、打撃の瞬間に解放!
更に炸裂した衝撃を追い越して、山際に叩きつけたのである!
「日輪が昇る……長き眠りを恐れるな。誇れ、オマエの生き様を。……素晴らしかったぞ、闇の姫君。……刻の行く末でまた会おう」
「行きつけるところまで行けるといいね」
「いつか完成させてほしーよね」
ケルベロス達はそんな風に呟きながら、被害者を助けるために洞窟の中に向かうのであった。
作者:baron |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年11月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 0
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