「フン! ぬうううう!」
一人の漢(性別は女性)が砂浜でタックルをしていた。
マットを大きな岩に張りつけて、ドンドンと押し込んで行く。
奇妙なのは、その間もナニカが振り子の様にやってくることだ。
木に括りつけられたソレは、いかにも重そうなサンドバックだった。
「ヌン! ぬわりゃあ!」
バシン! バシン!
漢はサンドバックを避けもせず、自分の体が軋むのもお構いなしに、投げ返して再び大岩にタックル。
またやって来るサンドバックを受け止めて投げ返しと、ひたすら足腰を鍛え続けていた。
もはやその胸板は、バストというより大胸筋である!
「お前の、最高の『武術』を見せてみな!」
そんな時、いつのまにか後ろから近づいた少女が漢に声を掛けた。
「……」
漢は不思議と素直に頷き、サンドバックが頭に直撃するのも気にせずに、少女に向けて体当たりを掛けた。
いや、それだけでは無い!
「ぬううあああ!!」
少女の体が僅かに浮いた時、両腕で抱え込みバックブリーカーの態勢で飛び上がった。
通常であれば腹なり背骨を強打して、とんでもない大怪我に成るはずだが……。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
少女は何ごともなかったように、パンパンと砂を落として立ち上がった。
ドリームイーターである少女に取ってこの程度は意味を為さないのであろう。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
少しだけ見上げながら、手にした鍵を漢に突き刺して漢に似たナニカを作りだした。
そいつはマスクを被っており髪が長く、漢よりも軽快そうな以外はソックリであったという。
●
「ドリームイーターの幻武極によって、武術を極めようとして修行を行っている武術家が襲われる事件が起きる」
ザイフリート王子が地図を手に説明を始めた。
「出現するドリームイーターは武術家型とでも言うべき屈強な存在で、かなりの強敵に成るだろう。幸いにも修行していた場所が浜辺とあって周囲の被害を勧化ずに戦えるのが幸いと言うべきか」
王子基準で屈強とか強敵と聞いた時点で、戦闘好きの何人かが嬉しそうな顔を浮かべ、同じくらいに面倒くさがりが嫌そうな顔を浮かべた。
エインヘリアルであった王子だけに、竜牙兵にしろこの武術家型ドリームイーターにしろ、彼が評価する敵は大抵ロクでもない。
「敵はプロレスとかパンクラチオンという武術を元にしているようだな。とてもタフネスで、避けるよりは受け止めて攻撃に繋いて来るタイプだ」
当然のように部下などは居らず、肉体一つで襲いかかって来るらしい。
「基本的には肉体と肉体のぶつかり合いになるだろうが、完全な武術では無く、作られたドリームイーターなので油断は禁物だ。本人が無理だと諦めた武術も組み入れられてる可能性があるからな」
ドリームイーターとして作られた時点で、理想を組み込んで技にしてしまうらしい。
なんとも厄介なことである。あえていうならば、訓練で身につけてないので、それほど得意ではないだろうということだ。
「このドリームイーターは、自らの武道の真髄を見せ付けたいと考えているようなので、戦いの場を用意すれば、向こうから戦いを挑んでくることだろう。厄介な敵だが頼んだぞ」
ザイフリート王子はそういうと出発の準備を始めた。
参加者 | |
---|---|
トリスタン・ブラッグ(ラスティウェッジ・e01246) |
ヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638) |
伏見・万(万獣の檻・e02075) |
神宮寺・結里花(目指せ大和撫子・e07405) |
ウォリア・トゥバーン(獄界の流浪者・e12736) |
トライリゥト・リヴィンズ(炎武帝の末裔・e20989) |
愛澤・心恋(夢幻の煌き・e34053) |
伽藍堂・いなせ(不機嫌な騎士・e35000) |
●
「……ハアア、ンンン!!!」
「うおりあああ!!」
見事に鍛え抜かれた体と体。
あらゆる武道武術の達人たちが求めて止まぬ逞しいボディ。
ローマの軍神マルスもかくやという、漢たちのぶつかり合いがそこにあった。
「本番はまだ先なのですけどね……。しかし滾ってしまうのも判ります」
「そうかぁ? 見てるよりも実際に暴れる方が好きなんだが……。そうだな俺らもやるか」
やりましょうか!
組み付き殴り合う黒竜たちに触発されたのか、トリスタン・ブラッグ(ラスティウェッジ・e01246)と伏見・万(万獣の檻・e02075)も浴衣やシャツを肌蹴てスパーリング。
睨み合うや荒々しく指先が絡め力試し。その動きは肉を貪るように腕から胴部にシフトし、ボディーブローと膝蹴りが炸裂し合う。
砂浜に作った大きめのリングが、たちまち踏み荒らされた。
「いま自分で言ってたろ。戦闘前なのに何暑くなってんだよ」
伽藍堂・いなせ(不機嫌な騎士・e35000)は万とは違い、見る方は良くても戦う方はそうでもない。
男の子然とした彼らの暑さに、へきへきとして眺めた。
「強さ、強さねェ……」
理解出来ねェな。ンなに強くなってどーすんだつーの。
そう思いはするが、仕事は仕事だ。
手を抜くつもりは無いし戦えば組み付かれない程度に荒事をこなすつもりはある。
そんな中、一同の勲しを耳にして駆け付けて来たモノが居た。
『待たせたな!』
理由も聞かずにそう応える。
自分を待ち受けていたのだろうと断言するその言葉には、傲慢なのにどこか説得力が漂っていた。
「中々インパクトのある敵っすね。ガチムチの漢女とか中々珍しいと思うっす」
よくも見つけてきたっすね、あのドリームイーター。
神宮寺・結里花(目指せ大和撫子・e07405)は呆れながら魁偉な容貌を眺めた。
『不服か?』
「あるとしてもやっつけるだけっす」
マスクはヒーローグッズの色を塗り替えただけの、ごくごく単純なリングコスチューム。
そこにあるのは比類なき無敵のボディ。
こちらの男性陣がマルスの肉体であるならば、この女はアマゾネス……それも女王級であろう。
頑健にしてしなやか。その優美さを獰猛な笑顔が裏切る。
「たまには肉体の鍔迫り合いも悪くない。一つニンゲンの文化に則って『りんぐねーむ』でも名乗ってみるか」
「そうっすね。天猛星のとか天暴星のとかどうっすか? もちろん爆走する重戦車とかでもいっすけど」
ケルベロス同士の殴り逢いを止めたウォリア・トゥバーン(獄界の流浪者・e12736)は、結里花に獣めいた笑顔を向けた。
そうだ。あの漢が向ける笑顔と同様の獰猛な笑み。
笑顔とは本来、獣が浮かべる捕食の貌だと誰が言ったのだろうか。
「……ああ、そういう話ではないのか……」
「そうだ。後は全て肉体で語ればいい」
ウォリアが軽く首を傾げると、先ほどまで向かいあっていたヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638)は今度は肩を並べ似たような笑顔を浮かべた。
ああ、ここには本当に、阿呆ばっかりだ!
「俺達にはそれで十分だ。そうだろう?」
『そうだ。それだけが真実だ!』
阿呆とは本来、途方も無い大きさの器。空前絶後の大宮殿だ。
おお、愛すべき敵よ、同胞ならぬ同志よ!
ならば、最高の戦いに興じようではないか!!
●
『フン!』
「くはは! 強いな、俺が挑戦者か。それは良い!」
ヴァジュラの拳は敵のこめかみに先制で決めたはずだが、そのまま組み付かれてあっさり投げ落とされた。
そのままガシリと掴まれて、腕ひしぎの態勢に持って行かれる。
「審判無し、リングは荒野。しかし仲間がいると言うのは心強いですね」
もしストリートファイトなら、あれで決まっていただろう。
トリスタンはケルベロス随一の体力を誇るヴァジュラが、早くも窮地に立たされた事に軽い戦慄を覚える。
エインヘリアルであるザイフリート王子が強敵だと言うので覚悟はしていたが、よもやこのレベルとは!
「おおっとやらせねえ! 卑怯だァ? 知らねェよ! なあ!」
ここでリング外に居た万からのカットイン!
ハンマーを変形させると、轟音を立てて仲間に組付いている敵へぶっ放す。
「悪ィなァ、そんなにお行儀のいいタチじゃなくてよ」
『構わん。私を倒したければ三倍持って来い!』
その酔狂な傾奇者ぶりに、万は思わず酒をかっ喰らいたくなった。
血が登ってしまうのを覚ます為に、あと一口あと一口と、スキットル一本空けてしまいそうだ。
「なんというか、歪んでいるのに真っ直ぐな……」
漢らの様子に愛澤・心恋(夢幻の煌き・e34053)は思わず目眩を覚えた。
その在り用は余りにも真っすぐで、前のめりで、付いて行けないが引っ込み思案の自分としては時に羨ましくなる。
「武術にのめり込むとこういう風になりやすいのでしょうか?」
「違ウ。理屈ではないな。アぁ、そうダ。我が、オレが求める戦いは……。こうでナクテハナ!」
心恋の問いを置き去りにして、ウォリアは顔を炎で滾らせて飛び込んで行った。
全体重を掛けたドロップキック!
避けられるものなら、否、受けられるものならば受けて見よ!
いきなりテンションMAX!
意地と意地のぶつかり逢いがそこにあり、肉体と肉体で語る言語がそこにある。
「レスラーの流儀は知らねぇが、堂々とした相手は嫌いじゃねぇ」
トライリゥト・リヴィンズ(炎武帝の末裔・e20989)……ことトライはゾクリとしたものを感じ、我知らず戦いに飛び込んだ。
汗が弾け飛び、肉体は竜の様に空を掛け、虎の様に大地に爪を立てる。
その姿に突き動かされるように肩に抱きついている箱竜をポムっと叩いてリングに飛び込んだのだ。
「こっちも全力で打ち倒す。いくぜ、セイ!」
トライは籠手の霊威を全開にし、物理的な力に加えてグラビティも全開にしてブンなぐった!
返ってくる手応えは肉というよりも、粘土岩や敷き布団を叩いた様なズッシリ感。
箱竜のセイに援護を任せて自らは戦いに専念する。
「いくぞぉぉ!」
トリスタンも行儀の良さを忘れ戦いに飛び込んで行った。
相手が女性だろうと関係ない! 胸元に飛び込むや背後に回ってドラゴンス-プレックス!
「あーあー。誰も彼もすっ飛んじまって。バトルジャンキーなんだろうけど、これも在る種のビッチなのかもな。マッスルビッチとか」
「ビッチ……? ですか? 良く判りませんが、た、耐えるだけなら、私だって簡単には折れません……!」
いなせが恐るべきパワーワードを生み出しながらドローンを展開。
心恋は花火を焚いて仲間を鼓舞しながら、思わず首を傾げる。
そして二人は同時に溜息を突くと、何かあれば即座に介入すべく見守ったのであった。
「ふむ。結局は単純な殴り合いっすか。腕が鳴るっすね。それじゃあ、ちゃんぽん武術とドリームイーター式レスリングの異種格闘技戦っ。全力でやるっすよ」
脳筋的流れに懐疑的な彼女達と違って、結里花は比較的早くに順応した。
伊達にメイドからいつも注意を受けて居ないのだ(褒めて居ない)。
考えるのを止めて、『残念、逃がしませんよ』と闘気を練り上げたあと、わざわざ至近距離まで近寄って零距離発射!!
こうして戦いのゴングが鳴った。
●
『クローッス……』
「やらせねえっつのっ!」
あーっと、いなせさん吹っ飛ばされた!
ロープに仲間をバウンドさせて放つラリアットに割り込んだが物の見事にダウン。
だが、それでやられはしない!
「……やってくれたじゃねえの」
プっと歯を血と共に吐き出しながらも立ち上がった!
既に何分も経過し、攻撃を受けたのは一度ではないが顔面に喰らったのは今回が初めてだ。
「もー芸能人と女の子は歯が命なんですよ? 回復だって、お手の物です」
そんなヤンキー染みた様子に溜息ついて、心恋は落ちた歯を拾い砂を落とし始めた。
そして明日に向けた歌を唄うことで、力をリンクさせてヒールを掛けて行く。
「カカカせっかくダ。オレと我たちと合わせロ。逆襲ダ」
「そういうのはどうでもいいけど、舐められたままってのは示しつかねーからな」
顔面を炎に染めたままのウォリアが流体金属を出しながら腕を叩くと、いなせは迷惑そうな顔をしながらも同じく流体金属を腕に絡めていく。
そしてツープラトンのラリアットを前後から決めて、金属腕での挟み討ちだ!
「いいじゃん、戦いはこう楽しくなくっちゃな!」
「敵ながら大したものです。時々デウスエクスと戦っている事を忘れそうになりますよ。……そいやっ!」
雷鳴の様に飛び込んで行くトライに合わせ、トリスタンは回し蹴りを繰り出した。
トライの一撃でロープに振り、そこをトリスタンが延髄斬りの形で迎え討つ!
交錯する技と技、ぶつかり合う筋肉と熱き血潮。
リングの上に立つ獣たちは、お互いに相手を貪ろうと全力でぶつかりあう。
「おっと、隙だらけですよ。しかし残念ですね。もうちょっと早ければ回し蹴りのコンビアタックだったのですが」
「その時は御一緒しましょう、レディ?」
それは喜んで。
もちのロンな提案だったので結里花はトリスタンの誘いに頷き、スカートを優雅に回転させながら蹴りを繰り出して体面を保った。
「よう。塩梅はどうよ大将。……一本いっとく?」
「絶好調だ。一対一で戦えないのが残念だがな。……頭から頼む。くくっく、樽酒を祝杯にしてる気分だよ」
コーナーポストでセコンドについて居た万が、月光の加護と共に新しいスキットルを見せると、ヴァジュラは頭に掛けてもらいながら冷静さを取り戻す。
そして大剣を振り回しどてっぱらに喰らわせた。
彼の方も相手が女性とかまるで気にした様子が無く、己と同じタイプとの戦いと言う美酒に酔いしれた。
「全てを堪え抜き立ち上がれたなら俺の勝ちだ。貴様の理想のその上を体現してやる!」
俺は昨日までの俺自身を越えていく!
その言葉に対する言葉はただ一つ!
『佳いねえ、佳いじゃないか。戦いってのはこうじゃないとな! 見せてやるよストレンクス・KUBOTAの真骨頂!』
この漢のリングネームは、当時一世を風靡した重機メーカーから取ったと言う。
掌をぶつけ合って相手に向かって開くだけの、武骨で力強いアピールがその首を示した。
●
「来るか! こっちだ、こっちに来い!」
トライは仲間に向かって掌が挿し出された時、真横に滑りながら注意を引いた。
そしてターンを掛けて横薙ぎに振るった刀を強制的に構え直し、今度は突撃態勢で急加速を掛ける。
『仲間へと届かせない? 温いな!』
「くっそおっ!」
ギチリ。
筋肉で刃が咥え込まれて致命傷には至らない。
その間にも、びたーんびたーんと死地に向かう漢たちの挽歌が聞こえた。
「聞いたか? 本気で来ルノダト。心躍らないカ?」
「応ともよ。いつ以来だ? そうだ。初めて竜牙兵や大型ダモクレスと戦って以来だ」
怪獣たちが己を地獄の炎で焼きながら吠え猛ける。
尻尾をびたーんびたーんと砂浜に叩き付け、一人はギリギリのタイミングで飛び掛る気で、もう一人は今か今かと待ち受けて居た。
「本当に、馬鹿ばっかりだぜ」
「そう言ってやんなよ。連中も判っちゃ居るのさ、救いようが無いってな」
ソレは望んで死地に向かう漢たちの美学。
いなせは呆れ、万は笑って済ませておいた。
「んで、どうするよ? 銃後を見守るか?」
「冗談。……横合いから思いっきり、殴りつけるさ」
チンピラとヤンキーは救いようのない美学を無視する事にした。
それこそが彼と彼女の流儀であり、美学とは別ベクトルの譲れないモノだ。
「ビタも参加しな」
いなせは翼猫のビタにも声を掛け、八つ裂きにしろと命じて自分は飛び出した。
本人は背中に回って爪を立て、更に仲間達の攻撃を誘う。
「俺りゃあ別に借りとかないんだがよ。これも世間のしがらみだ、恨まんでくれよ」
『構うか、好きなだけ来い!』
あと少しで倒せるのに、時間を長引かせる趣味はねーんでな。
万は回り込んで後ろから近寄ると、足払い気味に炎を宿した蹴りを放つ。
だが大木を蹴りつけたよう感触に、マジかよっと苦笑いを浮かべた。
「メロディ、いざとなったらお願い!」
心恋は爆裂を伴う煙幕を張って、攻撃しつつ敵の邪魔をする。
狙われているのはディフェンダーゆえに大丈夫だとは思うが、回復不能ダメージも累積して居るので不安がなくもない。
ゆえにテレビウムのメロディに声をかけつつ攻撃したのである。
「お嬢様、お手を拝借……と行きたい所ですが、予定が変わりました」
「あら、奇遇ですね。ではよしなに」
トリスタンはツープラトンの回し蹴りを中断すると、天を掴むように掌を掲げた。
そして結里花は闘気を練り上げ雷鳴へと変化させる。
「さあ、神宮寺の雷で灰にしてあげましょう。迅きこと、雷の如く!! はためけ! 雷装天女よ!!」
紫電の衣をまとう結里花は疾風迅雷!
目で追いつかないほどの神速で連続攻撃を叩き込むが、敵は身を縮めて耐え忍んでいる。
「Deprived force type Grendel」
そこへ押し寄せるのは、トリスタンが解放した巨人の力。
猛威をその身に宿し、鉄拳で殴りつけるとようやく相手の上体が揺らいで反れる。
……否!
それは体力を残す為の受け身に過ぎぬ!
『逝くぞ!』
「この時を待って居た! 悪ク思ウナヨ!」
地獄の炎を仮初の我身として異世界から自分を呼び寄せたウォリアは、並行世界ごとに違う武器で攻め立てる。
ファイトアピールの時に回復して居なければ、ここで終っただろう。
刀が、槍が、長巻きが突き刺したまま、漢は一歩一歩前に進みとうとう捕まえてしまった。
『ハア!』
「ぐおお……おお!」
ヴァジュラの巨体が宙を舞う。
背中に担ぎ上げたままジャンプを掛け、着地時点では膝の上に背骨を落とす。
しかし彼もツワモノだ、同時に腹も割きそうな衝撃を受けながら咄嗟に腕を振るった。
「この時間が終わるのが残念だ」
ヴァジュラが転がったまま繰り出した爪が漢にトドメを刺す。
夢はいつか覚める物だ。
ストレンクス・KUBOTAは結局、最後まで立ったまま逝った。
「こと戦う、という点には純粋なんですかねぇ? 私には水に合わない世界ですけど……アイドルが新曲を披露したいような気持ちなんでしょうか」
「どちらかというと手に入れた武器じゃねーかな」
「歌と違って道具だしな」
心恋が盗んだ曲を披露するような真似はできないと言うと、いなせと万は煙草に火を点けあるいは酒を煽った。
「修復終了っす」
最後に残った部分を結里花がヒール。
「たまにはプロレスでも観にいってみるか」
「プロレスと言えばやっぱりステーキですね。皆で食事でも行きましょう」
トライが箱竜を撫でながら撤収の準備を始めると、トリスタンは食事に誘って一同はその場を後にした。
作者:baron |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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