●サーフィンと武道を組み合わせた全く新しい格闘術
男は飛ぶ。
急な斜面の上から。
サーフボードを両足の下に携えて。
吹き付ける風に乗りながら、横切る木々に拳を叩き込みながら。
着地のたびに跳ね上がり、下へ、下へ。
やがて下へと到達し、地面を削りながら止まっていく。
しばしの間己の拳を見つめた後、深い息を吐き出した。
「今一度……今度こそ、コツを」
「お前の、最高の武術を見せてみな!」
「っ!」
不意に声をかけられ、振り向いた。
不敵な笑みを浮かべ佇む少女が、そこにいた。
男は空気で察する、彼女が強者であることを。
「……」
サーフボードを少女へ向け、ゆっくりと体を沈めていく。
「はあああああ!!」
気合を入れ、サーフボードごと跳躍。
少女の横を通り抜ける形で飛び、すれ違いざまに拳を放つ。
手応えを感じながら着地し、地面を削りながら旋回すれば……静かに佇み続ける少女が、そこにいた。
サーフボードを傾けたまま、男は構え直す。
枝葉のざわめきが聞こえる静寂に抱かれながら、仕掛ける機会を――。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
――見出す暇もなく距離を詰められ、鍵で胸を貫かれた。
男は倒れる。
代わりに、1人の男が出現した。
サーフボードに乗る、海パン姿のサーファーといった出で立ちに両足がモザイクに覆われているという姿を持つドリームイーターは、巧みな足さばきで風を受け……。
「はああああああ!!」
加速し、木々の群れを飛び回る。
一本、また一本と木々が倒れていく。
そんな光景を眺めていた少女は、山の麓へと視線を向けた。
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
頷き、ドリームイーターは再び風に乗る。
波乗りでもしているかのようにサーフボードを操りながら、山の麓を目指していく……。
●ドリームイーター討伐作戦
「ほんとにいるんだな、そういう人」
「うん、ですから……」
鉄砲小路・万里矢(てっぽうはつかえません・e32099) と会話していた笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は、足を運んできたケルベロスたちと挨拶を交わしていく。
メンバーが揃ったことを確認し、説明を開始した。
「万里矢さんの様相をもとに、武術を極めようと修業を行っている武術家さんが襲われる事件が起きることがわかったんです」
今回襲われたのは二十代の男性武術家。格闘術を磨いてきた他、学生時代はサーフィンを趣味としており……ある日、その2つを組み合わせた武術を開発しようと考えた。そして、山でその修業をしていたのだ。
そんな武術家を襲うのはドリームイーターで、名は幻武極。自分に欠損している武術を奪い、モザイクを晴らそうとしているようだ。
「今回襲撃した武術家さんの武術ではモザイクは晴れないみたいなのですが、代わりに、武術家のドリームイーターを生み出して暴れさせようとするみたいなんです」
出現するドリームイーターは、襲われた武術家が目指す究極の武術家のような技を使いこなすため、なかなかの強敵となるだろう。
「ですが、このドリームイーターが人里へと襲撃をかける前に迎撃できます! なので、周囲の被害を気にせずに戦って下さい!」
撃破すれば、武術を奪われた武術家も目を覚ましてくれることだろう。
「それから……」
ねむは地図を取り出し、迎撃地点となる場所に丸をつけていく。
「この、山道から離れた山林の中で場所で待機していれば、迎え撃つことができると思います」
木々が多く視界が悪い、その辺りも考慮に入れておくと良いだろう。
「最後に、ドリームイーターの戦力について説明しますね」
姿はサーフボードを携えている海パン姿の男。両足がモザイクになっている。
戦いにおいてはそのサーフボードを用いて風や空気に乗り、向かい来る攻撃をいなしながら的確な一撃を叩き込んでくるだろう。
使ってくる技は3種。
空気の波に乗り、加速し、進路上にいる敵をなぎ倒し加護を砕く。
空気の波を足場に跳躍し、サーフボード越しに相手を押しつぶし威圧する。
空気の波を自由自在に操り、敵1人に対して四方八方からの連撃を仕掛ける。
「これで説明は終了になります!」
ねむは資料を纏め、締めくくった。
「武術家さんの目指した果てが、どのようなものかはわかりません。ですが、こんな形で終わっていいものであるはずがありません。どうか、全力での戦いをお願いします!」
参加者 | |
---|---|
燈家・陽葉(光響射て・e02459) |
シャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104) |
鈴木・犬太郎(超人・e05685) |
アンジェラ・コルレアーニ(泉の奏者・e05715) |
荊・綺華(エウカリスティカ・e19440) |
ユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025) |
鉄砲小路・万里矢(てっぽうはつかえません・e32099) |
レベッカ・ウィンドワード(精霊の詠み手・e40084) |
●エアサーファーのいる山で
色づく木々に満たされた、山道から少し離れた場所にある林の中。涼しやかな風に抱かれながら、鈴木・犬太郎(超人・e05685)が会話の口火を切っていく。
「サーフボードを使う武術、そんなのもあるんだな。どう考えても地上向きじゃなさそうなんだが」
「やー、マジで試そうとする奴がいるとは思ってなかったなー。モザイクとはいえ、それを完成させた奴がどんな戦い方すんのか気になるなー」
今回の相手、サーフィンと武術を合わせた全く新しい格闘術の完成形を操るというドリームイーター発見のきっかけとなった鉄砲小路・万里矢(てっぽうはつかえません・e32099)は肩をすくめ、山頂の方角へと視線を向けた。
耳をすませば聞こえてくる、木々のざわめきに混じる形で、何かが地面をこすりながら滑降してくる音が。
来るべき戦いの時に、レベッカ・ウィンドワード(精霊の詠み手・e40084)は胸を躍らせながらも憤る。
「己の道を突き進んでおったというのに、理不尽な話じゃの。じゃが、わらわも武道を嗜む故、その技術からは学ぶ所もあろう」
「武道の高みを志す人が汚される、そんなことは許せない。モザイクから解放してあげないと……」
シャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104)もまた決意とともに、黒い戦闘服に白銀の鎧を纏っていく。
各々が決意を口にする中、大樹がなぎ倒されたかのような音が響いた。
視線を向ければ、5つほど木々を挟んだ山頂側の獣道を滑り降りてくる、両足がモザイクに覆われている海パン姿のサーファー……という出で立ちのドリームイーターを発見した。
巧みにサーフボードを操り、時に宙を滑るかのように近づいてくるドリームイーターを見つめながら、燈家・陽葉(光響射て・e02459)は落ち着いた声音でつぶやいた。
「へぇ、たしかにこれは……巧いね」
空気の波と言っても、人間一人の体重を支えることは普通はできない。
たとえドリームイーターだとしても、その姿が格闘術を奪われた武道家の行く末であるならば……それはきっと、すごい技術を持っているがゆえの極みとなるのだろう。
いずれその高みへと至らせる事ができるよう……ケルベロスたちは、武道家に格闘術を返すための戦いを始めていく……。
●空気に乗り、虚空を駆ける
ケルベロスたちを瞳に写しても、ドリームイーターが止まる気配はない。
正面から迎え撃つために、荊・綺華(エウカリスティカ・e19440)はオウガ粒子で自分を含む前衛陣を抱いていく。
「海でなくても……波に乗れるとは……びっくりです……」
「同じ空を飛べる人として、負けるわけにはいきません、です」
受け取りながらアンジェラ・コルレアーニ(泉の奏者・e05715)は飛ぶ。
木の幹を足場に高く高く。
自らの翼をはためかせ。
向かい来るドリームイーターの中心を目指して滑空した!
されど止まる気配のないドリームイーターと正面からぶつかり合い……。
「はぅっ!?」
大きな音を立てて後方へと弾かれる。
翼をはためかせながら姿勢を正す中、ドリームイーターの側も山頂側へ弾かれ着地していくさまが見えた。
さなかにはシャルロッテが踏み込み、再び空気の波に乗ろうとしたドリームイーターの脇腹に蹴りを放った!
「……武の高みを目指した相手……そのままだったらよかったのだけど……!」
揺るがぬ手応えを受け瞳に寂しげな光を走らせながら飛び退いていく。
後は追わせぬとばかりに犬太郎が飛び込んだ。
「武術を極めるその気持は好きだけど、ドリームイーターに喰われた以上、好き勝手にはさせない」
ドリームイーターがサーフボードごと跳躍しようとしていくさまを横目に巨大な剣を抜刀一閃!
右肩へと深く食い込ませるも、皮膚を切り裂いた感触すら訪れない。
ただただドリームイーターは犬太郎を跳ね除け、跳躍。
大樹へとサーフボードを押し付け、跳ね跳んだ。
空気の砲弾と化して前衛陣の隙間をかすめさせながら、ドリームイーターはアンジェラのもとへと向かっていく。
アンジェラは前方をオーラで固め、加速により微妙にずれていくタイミングを調整し……。
「っ!」
正面から受け止めた。
3歩分ほど後退したけれど、翼を激しく羽ばたかせて吹き飛ぶことなく留まった。
「ふふ、同じ空を飛ぶものとして、置いていかれるわけにはいきません、です♪」
即座にボードを返し最前線からの離脱を図っていくドリームイーターを、アンジェラは一直線に追いかける。
そんな彼女を含む前衛陣の治療が陽葉を中心に行われていく中、レベッカは黄金の錫杖と赤の短剣をクロスさせた姿勢のままドリームイーターの動きを観察し続けていた。
今回のドリームイーターは、向かい来る攻撃をいなしながら的確な一撃を与えてくると聞いている。
避ける技術の他に、身体の硬い所で受けたり肉体を硬化させたりする術も持ち合わせているのだろう。
決定打を与えるためには、それらをくぐり抜けなければならない。
故に見つめていく。
空気の波に乗り、仕掛ける機会を伺ってきているドリームイーターを。
仲間たちの猛攻を時にかわし、時に受け止め、時にサーフボードを軸に受け流しているドリームイーターを。
「……!」
視線の先、綺華の拳がドリームイーターの右腕を捉えサーフボードの高度が僅かに下がった。
即座にレベッカは踏み込んだ。
ドリームイーターの中心へと狙いを定めて。
十字描く斬撃を浴びせかけていく。
「……手応え、ありじゃ」
レベッカが2本の得物を振り抜けば、ドリームイーターは山頂の方角へと後退する。
耐性を整えんとばかりにドリームイーターがサーフボードを動かし始めた時、Vの字を描くかのような傷跡がその胸に刻まれた。
「ほんと、珍妙なのに素早い、珍妙だから捉えどころがない……ふふっ、これからも同じような戦い方をしてくれるかしら」
斬撃の担い手たるユリア・ベルンシュタイン(奥様は魔女ときどき剣鬼・e22025)は二振りの刃をきらめかせ、曇りのない笑みを浮かべていく。
2人に反応することなく、ドリームイーターは再び虚空を滑り始めた。
傷を受けても動きを淀ませることなく仲間たちの攻撃を捌いていくさまを見つめながら、レベッカは再び仕掛ける隙を伺っていく。
可能な限り狙いを定めて。
その際には呪縛も刻んで。
重ねていけば余裕を持って捉えられる様になるはずだから。
呪縛を編み、戦場を観察し続ける。
的確に一撃一撃を叩き込んでくれるだろう仲間を導くため、綺華はウイングキャットのばすてとさまに治療を任せつつドリームイーターの正面へと回り込んだ。
「っ!」
勢いを殺さず滑空してきたドリームイーターを、盾のように構築したオウガ粒子越しに受け止める。
貫くような衝撃を全身に感じながらも、にやりと口の端を持ち上げた。
もう、地面は削れない。
風切音も止んでいる。
オウガ粒子越しにドリームイーターを掴み取る事によって、その動きを止めさせることができたのだから……。
猛攻から逃れるかのように、綺華を振り払い背の高い樹の枝の高さへとドリームイーターが飛び退いた。
それよりも高い場所にいたアンジェラが虹を導き、無防備な脳天に蹴りを突き出していく。
僅かに体を沈ませる様子を見せながらも、ドリームイーターは高度を落さない。
ただただアンジェラへと視線を、サーフボードの先を向け、大樹を足場に跳躍した。
負けじと上昇したアンジェラを追い抜いて、太陽を背負う形で滑空。
アンジェラのそばを掠めた直後に上昇、また滑空。
何度も、何度も繰り返し、右へ左へと体をひねるアンジェラに一撃、二撃と鍛えた技を叩き込んできた。
すかさず陽葉は矢をつがえる。
暁の霊力を込めた、傷を癒やし毒などに抗う加護を与えるための矢だ。
ドリームイーターがアンジェラの近くを離脱したタイミングで解き放ち、傷ついた彼女の体を治療していく。
さらにはばすてとさまが翼をはためかせ、細かな傷を拭っていった。
力量や戦闘方針を考えれば、治療は欠かせない。
だからこそ確実に癒やしていくのだと、陽葉は戦場を観察し続ける。
地上へと滑降してきたドリームイーターが、犬太郎の放つ重々しい斬撃を体を捻り回避した。
「あらあら、本当に素早いのね。真似はできないけれど、えぇと――こうかしら」
即座にユリアが踏み込み剣を振るう。
技はなく、力もさほど強くはなく、けれど……。
生半な鍛錬では到達し得ない流麗なる斬撃を、ドリームイーターの背中に刻み込む。
若干バランスを崩す気配を伺わせながらも、ドリームイーターはサーフボードを操り離脱。
行き掛けの駄賃とばかりに綺華の頭上へと落下してきた。
綺華は素早くオウガ粒子を展開し、ドリームイーターを受け止めていく。
貫く衝撃に体を沈ませながら、全身に力を込めていく。
「重い、です……」
「んーむ、思ったより厄介な戦い方だよなー。けど……」
綺華を押しつぶさんとしているために動けぬドリームイーターの中心めがけ、万里矢が竜の咆哮がごとき轟音鳴り響く砲弾をぶっ放した。
すかさず飛び退いたドリームイーターのサーフボードをかすめるに留まったけれど、内包していた呪縛を刻んだ手応えはある。
正確に記すのならば、呪縛を刻んできたからこそ手応えを得ることができた……といったところだろう。
巧みなサーフボード捌きを前に、ケルベロスたちは後方にて気を伺うレベッカとユリアを除いて攻めあぐねていたのだから。
陽葉もそれを感じているのか、少しずつ治療の比重をばすてとさまに任せ攻撃にシフトしようか考えている様子を見せている。
攻撃を行う者が増えれば、それだけ勝利へと近づいていく。
万里矢は御業を構築し、前衛陣の中心を貫くかのように突撃してきたドリームイーターめがけて解き放った。
御業は半ばにて幾本もの縄に分裂し、大樹の前で旋回したドリームイーターの体に絡みついていく。
「よしっ」
「行くわよ!」
すかさずユリアが斬風を放ち、ドリームイーターの背中を切り裂いた。
全身に傷を負いながらも、ドリームイーターは再び空気の波に乗り始める。
変わらぬ勢いをつけるためか、先程までよりも距離を取り始め……。
対象を中心として縦横無尽に飛び回り、捉えきれぬほどの連撃を叩き込んでくるドリームイーターの技。
最後に大きく距離を取り振り向けば……。
「……見切りました、です」
……綺華が、肩で息をしながらも立っていた。
その体に、新しい傷はない。
全て防ぎきった証を前に、初めて驚く様子を見せていくドリームイーター。
すかさずシャルロットが踏み込んだ。
得物に火花散らす雷撃を走らせて。
「常在戦場! 隙を見せた奴からやられていくのよ!」
次の刹那にはドリームイーターの中心を突き、ひときわ大きな大樹の幹へと叩きつけた。
ボールのように跳ね返ってきたドリームイーターは犬太郎が迎え撃つ。
言葉はなく、ただ体中から炎をたぎらせ。
握る剣で斬り上げる。
剣の示す先へとドリームイーターは向かっていった。
コントロールが聞かないらしくもがいていくドリームイーターの眼前には、人型の影が出現する。
「とてがんはそもれきこげ――ま、気付かない方がいい事というのもあるんだよ」
担い手たる万里矢が語る中、ドリームイーターは影を振り払う素振りを見せ……姿勢を正すことも忘れ、地面へと叩きつけられていく。
全身に痛みを感じているような素振りを見せながらも、ドリームイーターは再び立ち上がり空気の波に乗り始めた。
空飛ぶアンジェラの頭上を取り、押しつぶすかのように落下してきた。
翼を操り、アンジェラは後方へと回避する。
地面を押しつぶしたドリームイーターの喉元めがけて滑空する。
「今一度勝負、です!」
重力を乗せ、速度を増し、小さな体に全てを込めてドリームイーターの喉元へと激突した。
うめき声を漏らしながらのけぞるドリームイーターの背後には、陽葉が回り込んでいる。
「終わらせましょう。彼が、自身の力で高みへと到れるように」
鎖を巻かれた剣を振るい、ドリームイーターを地面へと叩き落としていく。
腐葉土を掴みながらも立ち上がろうとしていくドリームイーターの背中には、レベッカが十文字を刻み込んだ。
「もしも、こんな出会いでなければ……是非、一対一で技を競い合いたかったところじゃな」
「そうですね。そのためにも……」
頷き、シャルロッテは全身にオーラを走らせる。
立ち上がり空気の波に乗り始めたドリームイーターの懐へと入り込み……。
「竜の羽ばたきの如く、敵を圧倒し、翼風と共に散れ!」
右へ飛び、得物を横に薙ぎ払う。
後方へ飛ぶさまを見つめながら目の求まらぬ速さで腕を戻し、突き出した。
ドリームイーターが再び飛び退るよりも早く切っ先は身体の中心を捉え、穿ち貫く。
小さなうめき声が漏れる中、両者の身体に影が差した。
即座にシャルロッテは得物を抜き、バックステップ。
代わりに犬太郎が着地した。
拳に炎を降魔の力を走らせて。
「一撃だ、俺のたった一撃を全力で完璧にお前にブチ込む」
ドリームイーターの右頬をぶん殴る。
顔を歪ませ、空気の抜けるような音を漏らし、ドリームイーターはサーフボードを置き去りにする形で大樹へと叩きつけられて……。
……ケルベロスたちが見つめる中、光の粒子と化して消滅した。
●さらなる高みへ
大樹や木々に刻まれた跡、ケルベロスたちに残された傷。
それらの治療を行いながら、アンジェラはつぶやいていく。
「恐ろしい相手、でした……」
「そうね。これが、ドリームイーターならともかく、あの動きが人間にできる技なのかどうか、ちょっとわからないけれど」
でも……と、ユリアは山頂の方角へ視線を向けて微笑んだ。
「――もしできたのなら、それはきっととても美味しそう」
だから、やるべきことを終えたら会いに行こう。
格闘術を奪われていた武道家に会うために。
彼が、更なる高みへと登れるように。
いつの日か、その努力が実を結び日を夢見て……。
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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