「んー、何か感じたんだけどな。確かこっちの方で……」
日の当たる道を進み、紅葉を始めた山にある村に軽く汗を流しながらマサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)が辿り着く。
「わー、嫌な予感はしてたけど、やっぱりモザイクだらけだ」
小さな村は丸々モザイクに覆われ中が見えない状態になっていた。
「まあ、ここまで来たんだから行くしかないよね」
最近起こっている事件からもしやと思っていたがその通りだったと、マサムネは覚悟を決めて中を見通せぬモザイクに足を踏み入れた。
内部はまとわりつくような粘液に満たされ、村はパズルのピースを混ぜ合わせたように寸断され、地面に屋根があったり、家が横転して分断していたり、車が宙に浮かんでいたりと混沌とした場所と化していた。
「これはすごいなー。こういうの前衛芸術っていうんだっけ」
目をぱちくりさせながら、なんとも気持ち悪い粘液の中を進む。そこには大きな鏡台があり自分の姿が写る。そこから自分とは違う声が響いた。
「このワイルドスペースを発見できるなんてね、まさか、この姿に因縁のある者って事かな?」
「うわー……自分と同じ顔を見る事になるなんてね。覚悟はしてたけど、あまりいい気分じゃないね」
嫌そうな顔をしながら鏡台の裏から現れた男を見る。それは自分と同じ顔をしていながら2本の角が生え、手と下半身は黒い牛のような形状で足には蹄を持ち、尻からはまるで竜のような尻尾が生えていた。それはマサムネが暴走した時の姿だった。
「確かに変な気分だな。だけどそれも少しの間だけだよ。ワイルドスペースの秘密を漏らすわけにはいかないからね。ここでワイルドハントであるオレの手で死んでもらうよ」
ワイルドハントは手に大鎌を構えるとこちらに向かって笑みを浮かべる。それに対して同じような笑みを浮かべながらマサムネはギターを手にしてジャーンッと戦いの開始を報せるように激しく掻き鳴らした。
「皆さん、ワイルドハントを調査していたマサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)さんがドリームイーターの襲撃に遭ったようです」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)がケルベロス達に事件の説明を始める。
「ドリームイーターは自らをワイルドハントと名乗り、マサムネさんが調べていた小さな村をモザイクで覆い、その内部で何らかの作戦を行っているようなのです」
ここですと資料を広げ岩手県の山にある村の場所を指差した。
「このままではマサムネさんの命が危険です。すぐに救援に向かい、ワイルドハントと名乗るドリームイーターを撃破してください」
今から出発すれば戦いが始まる頃に間に合うだろう。
「現場は特殊な地形や粘液に覆われていますが、戦いに支障はないようです」
粘液の中でも呼吸は可能で、動くのにも問題なく戦いに集中できる。
「敵は大鎌を武器に強靭な肉体で戦うようで、その太く硬い尻尾でも攻撃を行うようです」
ミノタウロスのようなタフで力強い攻撃を行ってくるようだ。
「予知でも見つけられない事件です。それを発見したというのはマサムネさんと同じ敵の姿とも関連があるのかもしれません。ですが今は詮索している時間もありません。急ぎ救出へ向かいましょう!」
セリカは出発の為ヘリオンに向かい、それを追うようにケルベロス達もそれぞれの準備に動き出した。
参加者 | |
---|---|
シエル・アラモード(碧空に謳う・e00336) |
花凪・颯音(欺花の竜医・e00599) |
巫・縁(魂の亡失者・e01047) |
マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729) |
眞山・弘幸(業火拳乱・e03070) |
リミカ・ブラックサムラ(アンブレイカブルハート・e16628) |
シャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856) |
真田・結城(白銀の狼・e36342) |
●モザイクの村
「まったく、一人で先走って窮地に陥るとは。助けることには変わりないがな。特に服を着ている方のマサムネには大事な人がいるのだからな」
軽口を叩きなながらも、巫・縁(魂の亡失者・e01047)は急いたように足を速める。
村があるはずの場所。だが今はモザイクに覆われ内部を見ることは出来ない。ケルベロス達は迷いなく足を踏み入れた。内部は粘液に満たされているが呼吸は出来る。家や地面が切り取られランダムに配置されたような不可思議な空間が広がっている。
「この粘液はいったいなんなんだ……鬱陶しい以外ねぇな」
眉間に皺を寄せた眞山・弘幸(業火拳乱・e03070)が嫌そうにしながらも先に進む。
「目にしたのは初めてだけれど、ワイルドスペースは確かに不可解な場所だね」
不思議な空間だと花凪・颯音(欺花の竜医・e00599)は興味深そうに見渡す。
「この粘液は何だろうね……空間を組成するのに必要なものか、或いは羊水の様な役割……? 疑問は尽きないが先ずは友人を護らなければ」
観察している場合ではないと、頭を振って意識を切り替えていく。
「わからないことが多いけど、今はマサムネを助けに行くロボよ! あっ! あっちからにおいがするロボ!」
今は優先すべき事があると、バイザー越しに視線を向けたリミカ・ブラックサムラ(アンブレイカブルハート・e16628)は適当な道を調べる。
「シャルフィン様の愛の力を頼りにさせていただきますわ! お二人の愛の力をもってすればきっとすぐに見つかると思いますの! で、で、マサムネ様はどちらに?」
愛の力を信じきるシエル・アラモード(碧空に謳う・e00336)は目を輝かせて尋ねる。
「運命の赤い糸の先はこっちかな?」
シャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856)が何となく流れのまま適当な方向を指差す。
「なるほど! さすがですわ!」
大きく頷いてシエルは感心する。
「運命の赤い糸でマサムネの元へたどり着くというのは迷宮からアリアドネの糸を手繰る気分だ……うん? 例えが可笑しかったか?」
こんな時でも天然っぷりを発揮してシャルフィンは首を傾げた。
「マサムネさん、大丈夫かな……」
心配そうに真田・結城(白銀の狼・e36342)は呟き、ワイルドハントがどうしてケルベロスの暴走の姿なのか考える。
「でも今は考えてる暇はなさそうです……こっちの方から音がしますよ!」
ボケ合戦をする仲間を見ながら結城が気を引き締め、誘導するように先導する。
●偽物
「ワイルドスペースの秘密を漏らすわけにはいかないからね。ここでワイルドハントであるオレの手で死んでもらうよ」
ワイルドハントがシトリンの如き瞳に笑みを浮かべて大鎌を薙ぐ。咄嗟にマサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)は地面を転がって避ける。刃は背後の家を切断した。
「ここでお前に負けるものか! シトリンだかなんだか知らないけれど!」
気迫を漲らせたマサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・e02729)が、手にしたスイッチを押し足元で爆発を起こして鏡台や周囲の壁を破壊した隙に素早く立ち上がり、ウイングキャットのネコキャットは応援するように癒しの風を送りつける。
その音に気付いたケルベロス達が駆けつける、そこにはマサムネが同じ顔に異形の体を持つワイルドハントと対峙していた。
「大変! お二人そっくりですの!? これは、困ってしまいません……?」
同じ顔をした2人を見てシエルが?を浮かべた。
「すごく……まるで、ミラー(鏡)みたい…マサムネさんにそっくり……でも裸なのがニセモノなので解りやすいですよ」
何故裸体なのかと疑問に思いながらも、結城は刃の無い模造刀を抜き放ちながら踏み込み、一閃させて脚を打ち抜いた。
「え? 裸のマサムネ様……なるほど、確かにそっくりではありますが、どちらを狙うべきかは一目瞭然。わかりやすくて助かりますわ! 間違えることもないと思いますので安心ですの♪」
なるほどとシエルはまたもや感心して巨大なハンマーを砲へと変化させ砲弾を撃ち出す。着弾と共に爆発が起こり敵の体を押し退けてマサムネとの間に空間を作る。
「やるぞアマツ、仲間を救出する」
縁の声にオルトロスのアマツが駆け出し、それに合わせて縁は地面にあるべき剣の納まっていない鞘を叩きつけた。すると衝撃波が発生し更に鞘を振るい波に指向を持たせて敵の横っ面にぶつけた。よろめいたところにアマツは銜えた剣で斬りつけ、マサムネを守るように間に着地する。
「邪魔が入ったね、だけど先にお前だけでも仕留めておこうかな!」
飛び掛かったワイルドハントがアマツを撥ね飛ばしてマサムネを押し倒し、喉を噛み千切ろうと歯を立てる。
「同じ顔でラブシーンか? あまりいい趣味じゃねぇな」
続いて弘幸が敵の後頭部を踏みつけて口を開けさせ、周囲に爆炎を巻き起こして敵の目を遮ると同時に士気を高めた。
「違うから! 自分に押し倒される趣味はないから!」
その隙にマサムネは足を間に差し込んで蹴って押し返した。
「みんな、助けてくれてありがとう」
そして感謝の言葉を述べながら起き上がる。
「かっこ悪い所見せちゃったかな」
自ら危機に飛び込んで救出されることになるとはねと、苦々し気にマサムネは自嘲する。
「マサムネの言う、カッコ悪いところがどこかはわからんが……そうだな、かっこ悪いと言えば服を着ていないところくらいだろうか。ところでどっちが本物だ?」
シャルフィンがマサムネと敵を見比べて首を傾げると、マサムネはぽかんとした顔を見せる。
「はっはっは。冗談だ、許せ」
重い空気を吹き飛ばしたシャルフィンは優しい笑みを浮かべ、マサムネに触れてオーラで包み込み傷を癒す。
「最後のお別れは終わりましたか? まあここを見られた以上、全員始末する事になるんだけど」
鼻を鳴らしたワイルドハントはケルベロス達を見渡し面倒臭そうに溜息を吐いた。
「大丈夫かいマサムネ君、治療はお任せあれ」
本当に似ていると見比べた颯音は快楽エネルギーを霧として放ちマサムネの傷を癒し清める。ボクスドラゴンのロゼもきゅっと鳴いて、光を放つ花びらを降らせ耐性を与えた。
「間に合ってよかったロボ!」
リミカはマサムネの無事を喜ぶ。
「覚悟するロボ、ワイルドハント! さあ、心燃やすロボよ!」
そして敵に向け腕を回転させてドリルと化して腹に突き入れた。ドリルのように肉を削り血を撒き散らす。
「覚悟? それはこっち台詞だよ」
ワイルドハントは大鎌を振るいリミカを肩口から切り裂き、その命を吸い上げた。
「裸のマサムネ様! 覚悟ですの!」
跳躍したシエルはハンマーに星のオーラを纏わせ敵の体に叩きつけ吹き飛ばす。
「確かに顔の造形はそっくりだね。随分露出が潔いマサムネ君が……分かってるよ、敵だね」
颯音は雷をリミカに飛ばし、電気ショックによる活性化を行って治療と共に身体能力を高めた。
「馬に蹴られるつもりは更々無い、一気に仕留める!」
長々と付き合うつもりはないと、縁は黒い液体を広げて敵を呑み込み自由を奪う。
「ここからはこちらの番だ。覚悟はいいね?」
マサムネはメタルを纏い懐に飛び込んで敵を殴りつけた。
「いいや、ずっとこちらの番だよ!」
液体を突き破ってワイルドハントは獣のように突進してマサムネを吹っ飛ばし、その勢いのまま駆け抜けていく。
その先に居たリミカは軌道を読んでサイドステップで躱す。するとドリフトするように敵が方向を変えた。
「見切ったロボ! って、追尾する体当たりとかズルくないかロボ!?」
通り過ぎた敵を後ろから攻撃しようとしたリミカは慌ててくるりと回転して受け流し、そのまま回し蹴りを脇腹に叩き込んだ。
敵の駆ける先、そこで待ち構える弘幸は撥ね上げた足を振り下ろすように叩き込み、敵を地面に突っ伏させて突進を止めた。
「テメーが近接が得意なようにこっちも割と得意でな」
さらに弘幸は飛び退きながら爆弾を放り投げ、敵が顔を上げた目前で爆発させる。
「くっ」
「仲間と同じ顔を攻撃するのは気が引けるけど……」
偽物ならば倒さなくてはと、結城は模造刀に雷を帯びさせ突きを放って肩を貫き電流を流す。
「真面目にやらないとマサムネがピンチ……という事はサボれないな。ふむ、参った」
シャルフィンは仕方ないと重い腰を上げるのに使う気合とやる気を込め、人差し指からエネルギー弾を放った。その弾は敵のこめかみを撃ち抜いた。
●本物
「一人も帰さないよ」
頭を振ったワイルドハントは地面を強く抉って前傾姿勢で駆け出そうとする。
「ワンパターンな攻撃は簡単に見切られるよ」
マサムネはスイッチを押して敵の側面に爆発を起こし、蹴り出そうとした足を空回りさせた。
「こっちは……本物のマサムネ様ですわ! 危うく敵の策略に引っ掛かってしまうところですの!」
服を見て気付いたシエルは方向を変えて死角からハンマーを振るい、傷口に叩き込んで深く抉りつけた。
「いや、流石に間違わないと思うよ?」
ツッコミを入れながら結城はすり抜け模造刀を振るい、傷口を狙って斬り込み裂傷を広げる。
「この傷み、何倍にもして返すよ」
笑みを浮かべワイルドハントは追いかけて結城を吹き飛ばした。
「荒々しい、まるで闘牛のようだね」
颯音は薬液の雨を周辺に降らせ、穢れを洗い流し傷を癒す。
「なら受け止めず力を流せばいいだけだな!」
縁は鞘で敵の横っ面を叩き突進の軌道を逸らす。
「通ると思ったか? 調子こいてんじゃねぇぞ」
その先で待ち構えた弘幸は地獄の業火を左足に纏わせ、触れたと同時に蹴り上げ敵の体を宙に浮かせた。
「さあ柔らかい所を出すロボよ、私の指が痛くならないように!」
跳んだリミカは腹に指を突き刺し、体内を流れる気脈を断って麻痺させた。
「はあ……もう十分がんばったと思うんだけど、まだ足りない?」
なけなしのやる気を振り絞り、シャルフィンは重そうに大鎌を振って落下する敵の背中に一太刀浴びせる。
「皆殺しにしてあげるよ、まずはお前以外を全員ひき肉にしてやろうか?」
凶暴性を増したワイルドハントは猛り大鎌を振り回しながら突進してくる。
「そんなこと、させるものか!」
その正面から勢いをつけマサムネは飛び蹴りを放つ。両者がぶつかりマサムネが血を流し吹き飛ばされる。だが敵も片角が折れて地面に突き刺さっていた。
「ニセモノのマサムネ様にはお仕置きですの!」
続いて突っ込んだシエルはハンマーを叩きつけ、熱を奪い一瞬にして凍りつかせた。
「どれだけ見た目を真似しようとも、本物のようにはいかないよ」
颯音は電撃をマサムネに飛ばし、全身に流れる電気が奥底から力を湧き立たせる。
「見た目は真似しても、経験まではできてねぇようだな」
弘幸は敵の鳩尾に蹴りを放ち、爪先をめり込ませて悶絶させる。
「馬の代わりにふっ飛ばしてやる!」
縁は鞘に炎を纏わせ振り下ろすと敵は腕で受け止めた。そこへアマツが駆け抜け胴を斬り抜き、力が緩んだ瞬間に押し込み鞘は敵の顔を焼き付けた。
「どうしてケルベロスの姿を真似するんです?」
疑問を口にしながら結城は雷纏う模造刀を振り抜き、背中を斬りつけた。
「死にゆくものに言っても仕方ないよね?」
苦悶に顔を歪めながらも大鎌を振りかざし駆ける。
「走り回って元気だな、服を着てないから体が軽いのかな?」
そんな惚けた事を考えながらシャルフィンは大鎌を投げつけ、回転して飛ぶ刃が敵の目の前を通り過ぎ慌てて進路を変えさせた。
「ぎゅるぎゅるのどかーんだロボ!」
そこへリミカは尻尾のコードを大鎌の柄に巻き付けて引き寄せる。そして腕をドリルにして腹に突っ込み、肉を抉り内部をズダズダに引き裂いた。
「妖精さん、妖精さん。どうか、わたくしに教えてくださいませ」
シエルが魔道書に綴られた詩を読み上げると妖精が現れその耳元に囁く。するとシエルは頷き迷いなく矢を放ち片目に突き立てた。
「ぐぅあっ」
顔を抑えながら大鎌を振るう。
「恋人がいる人を狙うとは無粋極まりないね?」
颯音は淡い青銀を腕に纏い鎌を殴って刃を砕き、同時に突進したロゼは天使の輪で斬り裂く。
「コードHTH起動! フロギストン・ハート、マキシマムドライブ! ヒートキャパシティLEVEL4、限界域! さあ、心、燃やすよ!!」
リミカはマスターコアを最大稼働し、膨大なエネルギーを身に纏いバイザーが展開し裸眼が晒される。そして一個のエネルギー弾のように突撃し敵とぶつかり、押し切って弾き飛ばした。
「これが、本気の力です。……行きます。……狼牙斬・爪牙!」
模造刀に霊力を込めた結城は振り下ろし、纏う霊力が狼の姿をとって敵の胸を引き裂いた。その傷口は獣の爪に刻まれたように抉れ血を噴き出す。
「奔れ、龍の怒りよ! 敵を討て! 龍咬地雲!」
縁は地面を鞘で叩き奔る衝撃に合わせて斬撃を放ち、衝撃の渦を飛ばして敵を地面に叩きつけた。
「何故だ、何故ここまで押される……」
「コピーはオリジナルには勝てねぇ。それも張りぼてじゃあな……お前はここで終わりだ」
弘幸は敵が飛び起きた瞬間、その機先を制して燃える左脚の回し蹴りを放ち、首を刈るように蹴り抜いた。
「顔が似てても、全くの別人だ。お前はマサムネじゃない」
断言したシャルフィンはよろめく敵の足元を溶岩に変えて動きを止める。
これが最後だとマサムネが敵の正面に立つ。
「お前は写し身のオレなのか? 偽物のオレなのか? それとも前世の記憶なのか?」
敵の顔に引き込まれるようにマサムネは目を細める。
「でもお前は別人、そう、『オレ』じゃないんだ」
迷いを吹っ切り流星の輝きを拳に纏い打ち込む、拳が食い込み心臓を捉えた。口から血を吐き出し、ワイルドハントは崩れ落ち消滅した。
●愛
村からモザイクが消え元に戻っていく。
「興味深い場所だったね、調べてみたかったけど……」
村を見渡し颯音は残念そうに息を吐いた。
「来てくれてありがとうね、シャルフィン」
「ん? 何か感謝されることでもしたか? 気にするな、マサムネの偽物が気に食わなかっただけだ」
シャルフィンが当たり前の事のように返すと、愛してるとマサムネは周囲の事など忘れて抱き寄せ2人の影が重なる。
「愛の力はすごいですの! とってもすてきですわ!」
「そういうのは人前でしない方が良いと思うがな」
目をキラキラさせシエルはじーっと見つめ、縁はやれやれと肩を竦めた。
「まあ、邪魔するのは野暮ってもんだな」
弘幸はニヤリと笑って背を向けた。
「一件落着ロボね。報告しに帰るロボよ」
うんうんと満足そうに頷いたリミカは歩き出す。
「マサムネさんも無事でよかった……」
全員無事で良かったと結城は安堵し、仲間達と共に気を利かせて先に村を出るのだった。
作者:天木一 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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