三色魔女のハロウィン~万聖節ナイトパレード!

作者:青雨緑茶

 10月30日、夜。
「あ~楽しみ! やっぱ、この季節の遊園地はサイコーだよね!」
「ね~! ナイトパレード、すっごいキレイなんだってー!」
 9月から開催しているハロウィン・ナイトパレードの最終日を明日に控えた遊園地は、平日である事も感じさせないほど今夜も盛況。
 オレンジ色のカボチャのオブジェ、ムラサキやグリーンの妖しげなライトアップ。
 涼しさを帯びてきた秋の夜気に映えるカラーリングに、大人も子供も心躍る。
 もうすぐ、幻想的でほんのり闇色の愉快なパレードが始まる時間。大通りに鈴なりになって今か今かと待つ人々の期待は、最高潮で――。

 その光景を、メリーゴーラウンドの屋根の上から見下ろす影があった。
「ハロウィンは、アタイ達の時間さ!」
 赤の見習い魔女・フォティアが、手にするフラスコを上機嫌で揺らす。
「ここもハロウィンで大賑わい。お前達は、あそこにいって、存分に暴れるんだ」
 彼女は意気揚々と、ハロウィン襲撃用量産型屍隷兵達に人々を指さしてみせる。
「お前達が暴れれば、ハロウィンの魔力を持つ魔女がきっと現れる。その力を奪えば、アタイは念願の、超越の魔女になれる。それで、いつかは『ジグラットゼクス』にだって……」
 魔女が現れたら自分が応援に行くから絶対逃がさないように、そして足止めに手は抜かないように。フォティアはパンプキョンシー達にしっかり叩き込む。
「お前達が勝てるような魔女ならいらないからね。欲しいは一番強い、すっごい魔女の力だけ! 青や緑なんかに負けないよ! わかったら、行っといで!」
「アイヤー!」「アイヤー!」「アイヤー!」
 中華めいた謎の鳴き声を上げて身軽に飛び跳ね、パンプキョンシー達は楽しそうに、一斉にトンボ返りして屋根から飛び降りていった。

「お疲れさんです、ケルベロスの皆さん! ハロウィンの力を求めて、ドリームイーターの魔女達が動き出したみたいっすよ!」
 黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は意気を上げ、集まったケルベロスに事件の概要を説明する。
 今回の依頼は、赤、青、緑の3人の魔女が起こしている事件。
 彼女達は、この時のために量産していた屍隷兵『パンプキョンシー』を使って、遊園地でハロウィンを楽しむ人々を襲撃させるようだ。
「目的は、ハロウィンの力を持つ魔女を探し出して、その力を奪う事らしいっす。
 ハロウィンで盛り上がる人々を屍隷兵が襲撃する事で、目的の魔女が現れると考えてるようっすね」
 ハロウィンの力を持つ魔女がどういうものかは不明だが、ハロウィンを楽しんでいる人達が屍隷兵に襲われるのを放置する事はできない。
「急ぎ襲撃される場所に向かって、屍隷兵を倒して人々を助けてあげて欲しいっす!
 屍隷兵『パンプキョンシー』の目的は『魔女を探し出す』事みたいなんで、皆さんが自分達こそハロウィンの魔女であるってように見せかければ、一般人を放置してケルベロスを攻撃してくるに違いないっすよ!」
 これを利用すれば、一般人に被害を出さずに屍隷兵を撃破しやすいだろう。
 また、闘いの様子を見た3色の魔女が、ハロウィンの魔力を持つ魔女であると判断すれば、戦場に現れて力を奪おうとするかもしれない。
「なんで、現れたのが『パンプキョンシー』のみなら『パンプキョンシー』の撃破が目的っすけど、もし3色の魔女も出てきたなら、可能ならばその撃破もお願いしたいっす!」
 続けて、ダンテは資料を配る。
「敵が屍隷兵の場合は、『パンプキョンシー』が3体っす。
 見た目はキョンシーっすけど、いわゆる足を揃えた不自由なピョンピョン飛びじゃなくて、中国拳法使いみたいに柔軟に動き回って飛び跳ねるっすよ!
 グラビティ攻撃は命中率の高いキックに、毒牙での噛みつき、手に持ったランタンをピカピカ光らせてのジグザグ魔法。
 まあ、屍隷兵なんでそれほど強くはないのが不幸中の幸いかもしれないっす」
 なお3色の魔女に関してはこれといって事前に伝えられる情報がない、とダンテは言う。
 もし遭遇したらその時は柔軟に戦えるように、しっかり備えておくべきだろう。
「現場はハロウィン・ナイトパレードが始まる直前の遊園地っす。せっかくの楽しい日を台無しにしないためにも、頑張って下さいっす!」
 ダンテはそう拳を握り、ケルベロス達を熱く送り出した。


参加者
イオネ・バートランド(幸福のうつわ・e02744)
葛籠川・オルン(澆薄たる影月・e03127)
カナメ・クレッセント(羅狼・e12065)
宝島・チェイン(施条痕・e13795)
愛沢・瑠璃(メロコア系地下アイドル・e19468)
詠沫・雫(海色アリア・e27940)
ルド・リード(褪火・e29528)
クラリス・レミントン(奇々快々・e35454)

■リプレイ


「アイヤー!」「アイヤー!」「アイヤー♪」
 ナイトパレードを待つ人々の前に、突如として飛び降り現れた3体のパンプキョンシー。
 逃げる一般市民に襲いかかろうとしていたパンプキョンシー達だったが、ふとその顔が一人の影に向かう。
「アイヤァー?」
 悲鳴を上げて逃げ惑う群衆の中、黒いローブを着込んだ人物が明らかに異質な佇まいで静止している。クラリス・レミントン(奇々快々・e35454)だ。
「……私のハロウィンを邪魔するなんて、無粋な者もいたものね」
 静かに告げる彼女のその隣では、愛沢・瑠璃(メロコア系地下アイドル・e19468)がサキュバスの羽と尻尾と角を活かして悪魔に扮し、高笑いをする。
「フハハハハハ! なんか弱そうなキョンシーの分際で魔女さまに逆らうなんて、身の程を知らないのかしら……? それともあなた達の主人は相当な礼儀知らずなのかしらね」
 ウイングキャットのプロデューサーさんにも翼に悪魔のような羽飾りにつけて使い魔とめかし込ませ、寡黙でミステリアスなクラリスを大物の魔女と見せるべく、崇める演技だ。
「目覚めなさい、我が眷属よ」
 パンプキョンシーが3体とも意識を向けてきたと見計らい、クラリスは何やら大掛かりな呪文を詠唱するふりをして聞こえよがしに出鱈目で唱え、黒いローブを翻す。
 バサァッ! バラバラッ!
 ハロウィンらしいカラフルなお菓子が飛び出て、逃げ遅れた数名の一般人に降り注ぐ!
 それこそが作戦開始の合図。彼らは一斉に、動き出す。
「うっ……なんだ? 力が漲る……」
 宝島・チェイン(施条痕・e13795)が、仕舞っておいたウェアライダーの耳と尻尾をピンッと出して自身を見下ろす。それから、クラリスへと銀の瞳を向ける。
「!! そこにいるアンタがまさか、俺達に力を授けてくれたハロウィンの大魔女か?」
 そう、クラリスの魔法によって力を得た一般人。それが彼らの役どころ。
「ほんとだっ、力も湧いてきてとってもHAPPYな気分♪」
 イオネ・バートランド(幸福のうつわ・e02744)も楽しそうに張り切ってみせる。元々ハロウィンのために魔法使い見習いの仮装をしていた姿がサマになる。
「……これが、魔女様のお力」
 葛籠川・オルン(澆薄たる影月・e03127)は無表情ながらも、装束の隙間からずるりと這い出るようにブラックスライムを垂らして腕に纏わせる。魔力によって新たな力を得たかのように厳かに武装を顕現させ、敵へ振り向く。
「魔女様のおかげで私、今ならなんでもできそう……」
 詠沫・雫(海色アリア・e27940)も小悪魔の仮装姿で、小さな羽と尾を頼りなさげに揺らして心酔するように声音を揺らめかせる。まだまだ未熟で、強大な力を持つ魔女には抗えなかった悪魔という設定だ。
 ルド・リード(褪火・e29528)も一般人を装うため隠しておいたドラゴニアンの角と翼を出し、ボクスドラゴンを引き連れ、クラリスへと恭しく首を垂れる。
「嗚呼、魔女様。貴女の魔力で目覚めたこの力……この竜共々、存分にお使い下さい」
 片腕を胸の前に構えて大仰に打つ芝居は、ハロウィンの夜に実によく映えた。
「アイヤー!」「アイヤー!」「アイヤァーッ!!」
 一行は申し分なく、後方で控えるクラリスこそハロウィンの魔力を持つ魔女かもしれないとパンプキョンシー達に思わせる事が出来たようだ。敵は避難する一般人をそっちのけに、一行へ向けて楽しそうに軽業めいた跳躍で飛びかかってくる。
「さあ、あなた達! 魔女さまに頂いたその力を見せて、こんなキョンシーなんて蹴散らしてしまうのよ!」
 瑠璃が意気揚々と号令する声を響かせ、配下となった演技をする面々は迅速にパンプキョンシーを迎撃すべく布陣を展開した。


 しかして交戦の前半、ケルベロスの攻撃は思うように通らなかった。
 ポンポン軽やかに跳ね回るパンプキョンシー達に対して、なかなか狙いが定まらない。
(「まずは動きを止めませんと……っ」)
 雫、それにチェインが『黒太陽』を具現化し、敵群に絶望の黒光を照射する。瑠璃はディフェンダーの1体にスターゲイザーの飛び蹴りだ。イオネのメタリックバーストも味方の命中率をアップさせて助けとなり、その他にも攻撃力の上昇やBS耐性で補助を重ねる。
「おのれ魔女め、これ以上好きにはさせんぞ!!」
 カナメ・クレッセント(羅狼・e12065)が、配下達に力を与えるクラリスに堂々とした態度で剣を突きつける。
 芝居じみた事が苦手な彼女は他の面々のようにハロウィンの魔女の配下として目覚める演技には混ざらず、魔女と闘う姫騎士として登場した。
 だが攻撃対象はあくまでもパンプキョンシー達。魔女との戦いを邪魔立てする者としてまずは貴様らから斬り捨てると、そうした空気で斬りかかる。そんな彼女の攻撃も勿論、味方の補助に密かに、しっかりと助けられていた。
「アイヤァァッ!」「アイヤー!」「アイヤー!」
 クラッシャーのパンプキョンシー壱号がクラリスへ飛び蹴りを仕掛け、ディフェンダーの弐号・参号が前衛へ噛みついてくる。
 オルンが腕に纏わせたブラックスライムを用いて壱号の蹴りを弾き飛ばすように防いでクラリスを庇い、返す動作でライトニングロッドからほとばしる雷が弐号へ爆ぜる。
「あなた方に恨みはありませんが……ハロウィンの魔女様の邪魔をさせる訳にはいきません。血祭りに上げて差し上げます」
 淡々としながらもやや据わった目で語られる台詞には妙に迫力があり、彼もまた魔女の配下としての雰囲気たっぷりだ。
 もう命中率は申し分ない。仲間に一転攻勢の準備が整ったのを受け、クラリスは纏うローブに手をかける。
「ついに本気を出す時が来た……! 黒魔女は我が仮の姿。ここからは、最終形態で相手する」
 ひらりっ……!
 黒いローブを脱ぎ捨て、下に着込んでいた衣装に『変身』するクラリス!
「ハロウィンの魔(法少)女、メディカル☆クラリス! 皆も、あいつをやっちゃって!」
 黒とオレンジのカラーでハロウィン仕様、ナースキャップを被り胸と腰に大きなリボンが結ばれた魔法少女姿で、華麗に決めポーズ!
 なおミステリアスに見えて本当は照れ屋な少女である彼女にとって、今回の扮装や演技は実は滅茶苦茶恥ずかしい――というのは、余談。だが羞恥を超えた意志を確かに持ち、ともすればぷるぷると真っ赤に赤面しそうになるのを必死でこらえ、演技に徹する。
(「ハロウィンを守るためなら、これくらい……!」)
「わぁ! すごいすごいっ、魔女さま素敵!」
 メタモルフォーゼしたクラリスに、イオネが目をきらきら輝かせて讃えて更にも偉大に見えるように声援を送る。
「魔女さまに本気を出させるなんて、終わったわねあなた達!」
 瑠璃も使い魔らしく絶賛し、光り輝くルーンの呪力を宿す斧を弐号の脳天に振り下ろす。
「アイヤァ……ッ!?」「アイヤッ!?」「アイヤッ!?」
 クラリスの変身に、パンプキョンシー達は素直に身構える。
 どうやらすっかり騙されている様子で慌てふためくようの右往左往して跳ね回った末、弐号・参号は再び前衛への噛みつき、壱号はハロウィン・ランタンを妖しくピカピカ光らせ、その輝きで噛みつき毒の効果を増す魔法を仕掛けてくる。
 毒牙に噛みつかれた仲間にクラリスがまた力を与える演技でキュアを施し、攻勢は続く。
「トリックオアトリート♪ お菓子をくれないなら悪戯(攻撃)しちゃうぞ~!」
「Trick but Treat! お菓子くれても悪戯してやるよ!」
 イオネが空天斬(ヒルフェ)を繰り出し、その攻撃に合わせてチェインが魂を抉る音の弾丸を散らす。「Cloud 9」(シコウノシアワセ)が、敵全体の行動を制限する。
「アッ、アイヤァーッ!」
 息もつかせぬ連携を防ぎきれず、弐号は撃破された。まずは1体!
「これも魔女様のお力あってのもの。そろそろ、あんたらには荷が重いんじゃないか?」
 連れのボクスドラゴンに敵へのブレスを吐かせつつ、ルドは掌から地獄の炎を噴き出させ、前衛の仲間を覆う。いかにも恐ろしげな演出だが、その実態はBurn disaster(ヤクハライ)、味方の毒を払うヒールグラビティだ。
「ほら、見て? この使い魔だって、魔女様がお力をくれたから使役できたんですよ」
 雫も自身のボクスドラゴンを小悪魔の連れらしくトンガリ帽子を被せて使役し、属性インストールで仲間の回復をさせて見せつける。その隙に自身は、理力を籠めたフォーチュンスターの蹴りをお見舞い!
 一同の次なる狙いはもう1体のディフェンダー、参号。カナメも撃破の順番は心得ていて、冷静沈着な余裕をもって、達人の一撃で参号を斬り払う。
「アイヤ……ッ!!」「アイヤッ、アァッ!」
 仲間を1体失ってもまだ怯まぬパンプキョンシー達は、今度は壱号が飛びかかってきて噛みつき攻撃、参号が後衛へ上段蹴り!
「くっ……!」
 雫を狙った蹴りを庇うルド。ディフェンダーとしての軽減はあるが、防具耐性が合わないためそれなりに苦しい。攻撃してきた敵も同じディフェンダーであった事が幸いしたが、これが運悪くクラッシャーの一撃を連続で受け止める事になっていたら、相応の蓄積で手痛いものとなっていただろう。
「でも隙あり、だよ♪」
 イオネがオウガメタルの力を拳に集中し、戦術超鋼拳でその参号を打ち据え、服を破る。
「見せてあげるわ、魔女さまの力!」
 防御力の低下した参号を瑠璃が流星煌めく蹴りで貫き、プロデューサーさんも猫ひっかきで追撃。
「大丈夫ですか?」
「ああ、問題ない。嬢ちゃん、合わせていくか」
 雫と、体勢を立て直したルドが動きを重ねる。
 ティタンの長兄(オケアノス)の祈るように紡がれる歌が大蛇の水流となり、捕らわれた参号を血襖斬りの一撃が斬り裂く。返り血が飛び散り、ルドの傷を癒す。
「今、楽にして差し上げますよ……『彼らはあなたの血肉を欲しているんだ』」
 オルンが子飼いの病魔を無数の烏とし、動けなくなった参号を喰らい尽くすかのように切り刻み――参号もまた、撃破された。これで2体、残るは1体!
「アッ、アイヤァァッ……!」
 盾役を2体とも失った壱号が流石に焦ったように鳴き喚いて、再び高く跳躍し上空からの蹴撃でクラリスを狙う。
 だが彼女は、防具に助けられて間一髪でその破壊的な一撃を避けた。
「あとは1匹……さあ、そこのあなたにも我が力を授けてあげる!」
 魔法少女風のロッドから生命を賦活する電気ショックを飛ばし、癒すと共に戦闘能力を向上させる対象は――敵対する姫騎士に扮するカナメ。
「これでアンタもハロウィンの大魔女の配下だな!」
 チェインがマインドリングから具現化した礫を目にも止まらぬ速さで放ちつつ、どうするべきか声を掛けて促す。
 不慣れな演技に奮闘して一人息が合わなかったカナメも、味方の即興での演出によって、今このタイミングで何を果たすべきか迷う事はなかった。
「――星皇十字斬!」
 星の皇の力を込めた力強い一撃が繰り出され、壱号を十字に斬り裂く。
 ライトアップされた賑やかな夜空に断末魔が響き、散る。これにてパンプキョンシー達はすべて撃破され、塵へと還った。


 赤の見習い魔女・フォティアが現れる事を想定し余力を残すよう心掛けて戦闘していたケルベロス達であったが、とうとうフォティアが姿を見せる事はなかった。
 だが大魔女とその魔力を受けて配下となった一般人という彼らの演出は一貫した作戦によりスムーズに運び、さながら一つの演舞劇のように華々しく遊園地の夜を彩ったもの。
 避難して遠巻きに応援していた市民達が歓声を上げて駆け寄り、その舞台もグランド・フィナーレ。交戦の痕が片付けられて遊園地は営業再開し、出鼻を挫かれたナイトパレードも改めて行われる運びとなる。
「あのような戦いがあった後だというのに……本当に強い人々だ」
 華やかなパレードをぼうっと見物して、オルンが訥と呟く。
 彼の言う通り、この世界の市民は逞しい。幾度となくデウスエクスの襲撃を受けても、決して希望を失わずに何度でも日常を立ち上げ直そうとする。
「ハロウィンもライブも一緒よね……。皆で一緒になって盛り上がってるところにわざわざ水を差す奴らを叩きのめせて、本当に良かったわ!」
 瑠璃がプロデューサーさんを抱えて満足そうに笑む。カナメもその意志は同じであった。
 同じ船に乗る仲間であるチェイン、ルド、イオネ、雫も、揃ってパレードを鑑賞する。
「この帽子、おっさんが被るにはハードル高くないか……?」
「ガキじゃなきゃ貰えないって決まりもねーだろ? タダだしお前らも貰っとけよ」
 イオネが用意したハロウィン魔女の帽子にルドがぼやきながらも場の雰囲気に乗せられて皆で被り、ハロウィンの曲に合わせて踊りながら菓子を配るキャストが目の前を通れば、チェインを始めとして皆でトリックオアトリート。
 飴やクッキーを頬張り、パレードが終わったらアトラクション回ろうと4人は話す。
「あ、ジェットコースターという物に興味があるので、いくつかの選択肢に加えてもらえたらいいな」
「雫が絶叫系好きなのって以外かも!? ふふ、せっかくだし、みんなで乗りに行こーよ! れっつごーごー!」
 雫もイオネも、賑やかな夜の遊園地を帰る時間まで満喫しようと楽しげだ。
(「フォティア……彼女が『究極の魔女』になる目的は、分からなかったけど……」)
 けれど、皆が楽しみにしていたハロウィンを台無しにせずに済んで、本当に良かった。
 クラリスの静かな想いも、ナイトパレードの喧騒に溶けてゆく。市民達の希望であるケルベロス達が守った万聖節前夜、お祭りはまだまだ、これからだ。

作者:青雨緑茶 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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