六本木の幻想魔獣~六柱攻防戦

作者:のずみりん

 ハロウィンのメッカ、六本木。
 今まさにハロウィンで賑わおうとする都内の中心地は、突如現れた魔獣たちの魔窟と化した。
「まさか、ジグラットゼクスが直接乗り込んでくるとは……」
 キメラ、スフィンクス、マンティコア……獣と獣、人と獣を合成した美しくもおぞましい幻想魔獣たち……それらを従える中心で、淑やかな女性の姿が呟く。
「これは、わたくし達パッチワークの魔女の作戦が滞っているのが原因なのでしょうね……こうなれば、ハロウィンの中心たる六本木の街を制圧し、パッチワークの魔女の力をジグラットゼクスに見せつけねばなりませんわ」
 雪崩れ込む幻想魔獣の大軍、制圧されていく街並み。配下の活躍を見守りながらも、そのまとう憂いとモザイクが晴れることはない。
 身にまとう毛皮から、モザイクがかった獅子の頭が心なく見やる。
「お進みなさい、その蹄で牙で爪で、勝利を勝ち取るのです」
 第一の魔女・ネメアの声をうけ、幻想魔獣たちは一段と勢いを増していった。
 ケルベロスたちが集まるなり、リリエ・グレッツェンド(シャドウエルフのヘリオライダー・en0127)は状況を示しやった。
「六本木が占拠された。ハロウィンの魔力を求めてドリームイーターの魔女達が動き出したようだ」
 敵はドリームイーター、パッチワークの魔女の一人『第一の魔女・ネメア』
 率いるは人と動物から作られた屍隷兵『幻想魔獣』の軍団。
「ネメアと幻想魔獣によって、既に六本木の中心地は制圧されてしまった。そして……ここからが重要だが、その制圧された六ヶ所から、光の柱のようなものが空へと立ち上がっている」
 恐らくはハロウィンの魔力と呼ばれるもの、それを組みだし、何処かへ送っているのだろう。あくまで推測だが、と補足してリリエは言う。
「それがどのようなものであれ、人類にとって益とはならないこと、六本木という人類の領域が脅かされている、阻止すべき事態な事は間違いない。幻想魔獣の軍勢を撃破し、光の柱を破壊してほしい」
 幻想魔獣の軍勢は強大で厳しい戦いとなるだろう。それでも黙って見過ごすわけにはいかない。
「光の柱は種別ごとの幻想魔獣の群れが護るものが五柱、全ての幻想魔獣の混成部隊と指揮するドリームイーーター『第一の魔女・ネメア』の護るものが一柱となっている」
 1本目、マンティコアの群れが守る六本木中学校の柱。
 2本目、ピッポグリフの群れが守る六本木グランドタワーの柱。
 3本目、ペガコーンの群れが守る東京都立青山公園南地区の柱。
 4本目、スフィンクスの群れが守る国立新美術館の柱。
 5本目、キメラの群れが守る東京ミッドタウンの柱。
 そして6本目、全種類の屍隷兵と第一の魔女・ネメアが守る六本木ヒルズの柱。
 柱の詳細は不明だが、物理攻撃は有効そうだ。おそらく強力な近接攻撃ならダメージを与え、破壊することができるだろう。
 もしくは恐らくは守護する敵を撃破するか、だが……。
「すべての完全制圧を狙うのは、かなり厳しいだろう。先に説明した六本の柱……もっとも与しやすいマンティコアやヒッポグリフでも制圧に三部隊は必要な規模だ」
 より強力なペガコーン、スフィンクスの柱なら四部隊、キメラの柱は更に厳しく五部隊、第一の魔女・ネメアと混成部隊に至っては六部隊は見る必要がある。真っ向勝負なら二百人近いケルベロスが連携しなければならない相手だ。
「……ただし、この人数は真っ向勝負で確実に撃破する場合だ。デウスエクスと屍隷兵を放置はできないが、今回の最重要目標は光の柱だ。そこに狙いを絞れば、より少ない人数でも何とか戦えるはずだ」
 陽動や隠密で敵軍の虚を突き、敵を食い止めている間に柱を攻撃、破壊次第に離脱。真っ向勝負か、柱狙いの強襲か、参加する部隊数によって判断する必要があるだろう。
 出来るだけ多くの光の柱を撃破するならば、戦力が低い場所を優先するのも一つの手かもしれない。
「ただ六本木ヒルズに関しては例外だ……ここを守る第一の魔女・ネメアは場を離れる気配がない。恐らく撃破しなければ柱の破壊は無理だ」
 どこを重視するか、撃破か、制圧か。考えることは多い。
「最後にだが……制圧された地域の生存者は既に救助、避難を行っている。既に生存者は残っていないと考えてくれていい」
 犠牲を考えると辛いことだが、それはデウスエクスの撃滅に全力を費やせるということでもある。
「厳しい戦いだが……これだけの大攻勢だ。乗り切れば敵の動きも出てくるはずだ。皆の力、信じている」
 命だけは忘れるな。そうつけ加え、リリエはいう。
「頼むぞ、ケルベロス」


参加者
レクシア・クーン(咲き誇る姫紫君子蘭・e00448)
ユスティーナ・ローゼ(ノーブルダンサー・e01000)
ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)
アーニャ・シュネールイーツ(時の理を壊す者・e16895)
ラズェ・ストラング(青の迫撃・e25336)
嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)
アルト・ヒートヘイズ(写し陽炎の戒焔機人・e29330)
ミン・クーワン(烟・e38007)

■リプレイ

●敵陣突入
「突破する!」
 守備に就く幻想魔獣をフレームガラスに叩きつけ、ラズェ・ストラング(青の迫撃・e25336)の身体がビルへと飛び込む。
「吹き抜けのロビーは不利だ、駆け抜けんぞ!」
 アルト・ヒートヘイズ(写し陽炎の戒焔機人・e29330)の呼びかけに仲間たちも走る。
 時間と信号弾を合図に六本木グランドタワーへと突入したケルベロスたち。タイミングは完璧、だがすべてが思惑通りというわけでもない。
「完全に敵中突破、ね」
 ルーンアックス『uruz wird』を振り下ろすユスティーナ・ローゼ(ノーブルダンサー・e01000)の元へ、歪な羽ばたきは再び、即座に襲ってくる。
 屋内への奇襲作戦で信号弾を合図に選んだのは失敗だったかもしれない。意味は分からなくとも、打ち上げられた信号弾は自分たちの動きを示唆させ、敵に行動を知らせるデメリットも大きい。
 打ち上げられた信号弾にアルトは思うが、迫る幻想魔獣の群れがそれ以上の思索を許してくれない。
「クーアァァァァアアア!」
「まだ負けやしねぇよ!」
 突っ込んでくる鳴き声へ、振り向きざまに気合一閃。
 猛禽とシマウマを継ぎ合わせた歪なピッポグリフの身体を、流星の如き飛び回し蹴りが撃ち落とす。
 落下する屍隷兵を踏み潰し、嶋田・麻代(レッサーデーモン・e28437)は跳躍。砕けた壁をくぐり、上層階へ。更に二体のピッポグリフが追いかけるが、好都合だ。
「いやアレだね。これはこれで面白くなってきましたよ。配備された中では弱い方とはいえ、楽しめるくらいはやれそうだ……やれんのですか?」
 やれないのなら、殺るまでだ。
 燃えるような赤髪と狂気を背負った彼女の斬撃が飛び出した一体を切り払う。飛び退くピッポグリフだが、既に痛みはないのか。
 そのまま翼の羽根を矢のように撃つ。撃つ。撃つ。
「っとぉ、やれるじゃあないですか」
「だがこの戦力差、何とでもなる」
 ロングコートに突き立つ羽根弾。身を固めた麻代へ飛び掛かるピッポグリフだが、ティーシャ・マグノリア(殲滅の末妹・e05827)の声と火線がそれを阻止した。
「アーニャ、状況は?」
「広域に展開……さすがに敵の数が多いですね。あと一つ!」
 ティーシャの呼びかけに、同じくアームドフォートを並べたアーニャ・シュネールイーツ(時の理を壊す者・e16895)が砲撃で応える。展開した高性能スコープが、ステーションロビーから飛び立つ影を捕捉。発砲。
「他の皆さんは無事突破したようです。後は……っ」
 幻想魔獣の羽ばたく風がレクシア・クーン(咲き誇る姫紫君子蘭・e00448)の声を遮る。攻防一体の暴風に対し、彼女は抗する紙兵の力を風の中へと散布した。
「なかなか面白いものだねぇ。俺も混ぜてよぉ」
 紙兵の霊力に風が凪ぐ。わずかな時間だが、ミン・クーワン(烟・e38007)が上階へと着地するには十分。
「ここはもう大丈夫です、お願いします……!」
「そりゃいいねぇ。八卦に凶、天には焔。あっはは、いきり立ってきたよぉ!」
 風に震えるレクシアの声に、ミンの体内で埋め込まれた魔導機構『蓮座識』が駆動する。
 高揚感と共に顕現した力は長距離、超火力の破壊。
「ギ? ギェェェー!?」
 死角……真下よりピッポグリフを包み込む蒼き火柱が、ピッポグリフを叫び声ごと焼き尽くす。
「おや、あっけないなぁ」
「……確実に落とす方針は正解のようね」
 燃え落ちた幻想魔獣を見やり、一つユスティーナは息をつく。
 グランドタワーへと突入したケルベロスは四班、三十人を超える。既に散開してはいるが、他の班も上階を抑えに回ってくれているはずだ。
「信号弾は……ビル内では無理ですね。侵攻ルートを検索……非常階段か、エレベーターか、どうします?」
 アームドフォートを格納したアーニャが指す先はエレベーターホールと、脇に置かれた階段室。
「……階段だな。狭所で真上を取られるとまずい」
 ラズェは一つ頷き、流動装甲を展開すると慎重に防火扉を引いた。

●『巣』へ分け入って
 羽ばたきと戦いの喧騒が階段室に反響する。別ルートを進む仲間たちのそれは何処か遠く、一行の進む足場は奇妙な静寂感に包まれていた。
「非常の時の非常階段ってヤツは、なんつぅか、アレですねぇ」
「ここを逃げた人も、いたのでしょうか……いや」
 幻想魔獣の存在と思惑を試作する麻代の手に、手すりからヌルリとした感触が伝わる。彼女のかざした手の鮮血に、レクシアは目を伏せ……ふと上階を見上げて気づく。
「フーゥ!」
 唸りを上げ、ウイングキャット『アイゼン』がアルトの傍らを飛び出した。
「おい、アイゼン……コイツは!」
 鯖虎柄を逆立て、主人を呼ぶアイゼン。数階を追いかけ昇った先に、血の源はあった。
「これは……すべて、屍隷兵の」
「ぁぁ、うん……アレですね」
 ユスティーナの震える声に、麻代は言葉を濁した。
 崩落した踊り場にあったものは乱雑に積まれた死体。そのどれもがついばまれ、ひどく傷ついていた。
 怒り、衝撃、心の底に納めた恐怖が首をもたげ、ユスティーナの翠眼に影をおとす。
「さながらピッポグリフの巣……だな」
「周辺に敵影無し……その推理が正しそうだ」
 目を潜め、ぽつりとつぶやくラズェ。索敵を終えたティーシャが似たような顔で頷いた。繰り広げた殲虐の痕は、他人とはいえ思う所がある。

「これは出遅れちゃったかなぁ?」
 肩透かしにミンはつぶやく。
 暫しの黙祷の後に手近の防火扉を開けると、そこはエレベーターホールの反対側だった。
 人気のないオフィスルームには見知った大企業のロゴと、荒らされたデスク、書類棚。
「まぁ……手間は省けたわね」
 ミンと対照的に、ユスティーナは少しほっとした様子で応える。
 割れたガラスや破壊の方向を見るに、巣くっていたピッポグリフは他の班の迎撃に向かったのだろう。恐らく仇は仲間たちがとってくれたはずだ。
「それで、どうすんだ? 階段は潰れちまってるし、反対側も……ダメそうだが」
「と、なると昇るしかないな。外壁よりはマシだろう」
 通路の先を見て首を振るアルトにラズェの決断は素早かった。『試製十式重粒子演算機関』を嵌めた指を鳴らせば、爆発がゆがんだエレベーターの扉を吹き飛ばす。
 現れるのは昇降する小部屋……ではなく、暗く狭い縦穴。電気の止まった現状、自力での昇降となるがケルベロスの身体能力なら、数階程度の移動はわけもないだろう。
「背中は引き受けます、お気を付けて」
「アイゼン、お前は前だ。レクシアたちを頼む」
 任せろ、と短い手足でジェスチャーする相棒を投げ、アルトは身を躍らせる。既に羽音と鳴き声はそこまで迫っていた。
「戒めるは焔気、刻むは遺恨の傷、滅ぼすは怨敵! ……ロビーと同じ手でいく、最寄り階までぶち抜け!」
『戒焔剣:焔讐』を起動しつつ、アルトは壁を蹴ったユスティーナに叫ぶ。降り注ぐ羽矢の雨のなか、ユスティーナは唄い、飛んだ。
「クァァァ……!」
「どんな暗闇でも、心に宿した光がある限り歩もう――」
 上着が裂け、鮮血を散らしながら駆ける『聖光のセレナーデ』魂のアーツ。襲い掛かるピッポグリフの身体の向こうに彼女は漏れる光を見た。
「アーニャ、あそこ!」
「確認しました! テロス・クロノス!」
 砕け落ちる壁材、落ちていくピッポグリフの身体。
 アイゼンの猫の手、もとい猫の羽ばたき支えられたアーニャの周囲すべてが静止する。凍った時の世界で彼女は素早く照準し、全砲門を開放した。

●空を見下ろす
 時は爆発と共に動き出す。
 フロアへと貫通する『テロス・クロノス・ゼロバースト』の爆風を煙幕に、ケルベロスたちは再び開かれた戦場へ躍り出た。
「この階は……」
 制動するレクシアの足下、エアシューズから火花が散る。地獄の蒼炎に照らされたプレートからは『29』という数字が読み取れた。
「スカイロビー……上層階の中継エリアのようだ」
「へぇ……じゃあアレは門番みたいなもんだねぇ!」
 ラズェの解説する端から、ミンは地獄の炎弾を窓の影へと叩きつけた。
「クァッ!?」
「おぉ!? ナンかめっちゃきてますよ! そぉい!」
 砕けるガラス。燃え上がりながらも身を突っ込ませるピッポグリフの群れに、喜々として麻代は身を晒す。
「ちょ、ちょっと麻代さん!?」
 彼女が剣を引き抜くのはなんと自分の腹部から。もちろん割腹などではなく、地獄の炎を噴出させる『気合をぶち込む一撃』なのだが……傍目にみるレクシアには心臓に悪い光景である。
「くはぁ……効きますねぇ。よーし……」
「あまり余裕はないとはいえ……無茶はダメですよ。根気強くいきましょう」
 文字通り身を切っての居合がピッポグリフの蹴爪を受ける。一手遅れていれば危なかった……レクシアの言葉通り、都合三度目の戦いは消耗が募りつつある。
「目標数3、エネルギー残……少々厳しいか」
「四十階建てだから、あと十階ちょっとか。最後はドツキあいだが……」
 アルトに頷き、ティーシャは新たな武装を展開した。
 専用のライフルとアームドフォート『Mark9』シリーズを収納し、ドラゴニックハンマー『カアス・シャアガ』に換装、脚部より『Iron Nemesis』を起動。超合金の踵が火花を散らす。
「あまり時間もない。手早く処理する」
 地面すれすれの宙返りでピッポグリフの飛びつきを回避。胸元をかすられながらも、オーバーヘッドの軌道で蹴り飛ばす。
「これで二つ、だねぇ」
 よろめき浮いた身体に叩きこまれるミンのフォーチュンスター。星形のオーラが正中を貫き、ピッポグリフを元の死体へと破砕する。
 これで残りは一つ、だが。
「下からも来てます! 急いで……っ、護り、燃やせ!」
「あーもう、お代わり早すぎですって!」
 音を増す羽ばたきの方角にレクシアが叫ぶ。水晶石からの炎を絡めた麻代は、押し合うピッポグリフを両断し叫んだ。
「あったぞ、階段だ!」
「了解です……時間が、もう……!」
 追撃を潰しラズェの指し示す階段室へ、ケルベロスたちは走る。
 アーニャが確認した銀嶺の懐中時計の短針は、既に半周を超えていた。

●屋上より見上げるもの
 勢いのまま、屋上に飛び出した一行を迎えたのは、天空に伸びる光の柱だった。
「まだ上があんのか、って感じだぜ……」
 アルトの呟きに、息を吐くように『爆熱エンジンV8』が排熱する。空に伸びる光の柱は透明なストローか、展望エレベーターのチューブにも見える。
 もちろんケルベロスたちがこれを上ることはない。中を立ち上るのはハロウィンの魔力であり、彼らはこれを破壊、阻止するために集結したのだから。
「いやでもよかった、まだ祭りは続いてるようだねぇ」
 声に出したミンの愉悦に『蓮座識』が応える。最終防衛ラインのピッポグリフと戦う同胞たちに加勢すべく、八人は柱へと駆けだした。
「ピッポグリフは一掃します! 皆さんは柱へ!」
 アーニャのアームドフォートと機銃、全武装が火を噴いた。砲撃仕様の彼女では柱に有効打は与えられない以上、もう出し惜しみは必要ない。
「グォアァァァーッ!」
 ミサイルとビームの描く光の軌道、叫びと爆発を突き破りアルトとティーシャは柱へと喰らいつく。
「駆けろ、ダインスレイヴ!」
「ここが最後だ、終わらせる!」
 疾走する『戒焔剣:焔讐』の焔刃をティーシャの破砕アームが追い抜き、一体化させて加速する。焔気をともなった『全て破砕する剛腕』が光の柱をゆるがした。
「ここが最後だ、いくぞ!」
 誰ともない声に、護りを突破したケルベロスたちの息を合わせた連続攻撃が炸裂した。
 瞬く間にひび割れていく光の柱。
 捨て身で突っ込んでくるピッポグリフたちの妨害は激しさを増すが、ここまで戦い抜いてきたケルベロスたちの連携に死角はない。
「後ろよ、ラズェ!」
「はいそこ、邪魔です。さっさと死ね!」
 ユスティーナと麻代の声よりも早く、ラズェは突進するピッポグリフの進路を跳躍していた。その後ろを追いかけるルーンアックスと刀の軌道がピッポグリフを貫き、柱めがけて投げ飛ばす。
「まだまだぁっ! 消し炭も残さねぇ!」
 着地と同時、制御を開放された重粒子相転移が零距離から放たれる。
 一斉攻撃の中、光が弾けた。

「柱が……!」
 何人かと同時、レクシアは息をのむ。それは光の柱の残滓か、解放されたハロウィンの魔力か。
 砕けた柱の光の雨は、惨劇を洗い流すかのように静かに天空より降り注いでいった。

作者:のずみりん 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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