●ラディカル・パンプキン
ギャギャギャッ、ギャリギャリギャリギャリギャリ――!!
高らかに車輪を回転させながら、台車に乗った奇妙なカボチャが大阪市内を爆走していた。
「え、なにあれ? でっかいジャックオランタン?」
「……嘘だろ、こっちに突っ込んでくるぞ!!」
ハロウィン一色に飾り付けられた商店街に突撃してくる、全長1mほどの巨大南瓜。人々を嘲笑うように商店街を駆けずり回り、いたずらに蛇行を繰り返したり、装飾めがけて突進したり、時に全身をスピンさせて出店や商店を掠めていきながら、ご機嫌なスピードであっという間に去って行った。
その場に残された商店街は、商品や装飾に多少の損害はありつつも、人々はほぼ無傷。
「……なん……だったんだ?」
現れたと思えば瞬く間に去った嵐を、人々は呆然と見送るのだった。
●ヘスペリデスを継ぐ者
――ハロウィンの力を求めて、ドリームイーターの魔女達が動き出した。
集まったケルベロス達を前に、戸賀・鬼灯(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0096)はそう告げた。
「大阪市内においては、攻性植物の南瓜の爆車(ハロウィンキャレイジ)が大量発生、市民に被害が出ております」
幸い死者は出ていないが、ハロウィンの飾りつけをした商店街や、ハロウィンパーティーの会場、コスプレした人々の行列などをめがけて暴走を繰り返しているという。
「現状、詳細な総数は不明。概算にして100体以上が大阪市内を駆け回っていると想定されます」
南瓜の爆車は単体で移動しており、一個体ごとの強さは大したことはないようだ。
「致命的な被害は出ていないとはいえ、この数の多さは見過ごせませぬ。大阪市内を警備しつつ、出来るだけ多くの敵の撃破をお願い致します」
南瓜の爆車を放ったのは、ヘスペリデス・アバター。パッチワークの魔女に新たに加わったドリームイーターであるらしい。
ヘスペリデス・アバターは、カンギ戦士団に加わりケルベロスによって撃破された、第11の魔女・ヘスペリデスの力を受け継いでいる可能性が高い。今回の事件も、その力によるものであろうと、鬼灯は推測する。
今回の暴走事件も、かつてヘスペリデスが目論んだように、ハロウィンの魔力を集める目的で行われるようだ。それが証拠に、南瓜の爆車達は10月31日の深夜12時、一斉に自爆する事で、集めた魔力をヘスペリデス・アバターへと届けようとするという。
「この魔力を受け取る為、ヘスペリデス・アバターもまた大阪市内に潜伏していると考えられます。潜伏場所を発見する事が叶えば、ヘスペリデス・アバターを撃破する事も不可能ではございません」
南瓜の爆車が出没するのは、大阪市内。ハロウィンらしい雰囲気の場所を襲撃する可能性が高いが、移動中に見つけて撃破する事もできるだろう。
「幸い、携帯電話での通話が可能でございますゆえ、市民からの目撃情報があれば、随時、付近のチームに連絡が入る態勢を整えております」
ただ、敵は常に移動している。通報を受けてから駆け付ける、というばかりでは間に合わない可能性も高いので、通報に頼り過ぎないようにする必要はありそうだ。
ちなみに、大阪城付近は攻性植物に制圧されている為、その周辺では南瓜の暴車は活動していないようだ。
また、ヘスペリデス・アバターさえ撃破してしまえば、深夜12時に南瓜の爆車が爆発しても、魔力の受け取り手が無い為に四散してしまうと想定される。
爆発の被害を防ぐには全ての爆車を撃破するのが理想だが、難しいと思われる場合は、アバターの撃破を優先する手もあるだろう。
少人数での活動は、複数の爆車による挟撃を呼び込む可能性がある為、作戦行動時は、ここにいる全員で固まって行動する事が推奨される。
「魔女の策略を摘み取り、街の平穏の奪還を、皆様、よろしくお願い致します」
参加者 | |
---|---|
西水・祥空(クロームロータス・e01423) |
藤原・雅(無色の散華・e01652) |
市松・重臣(爺児・e03058) |
嵐城・タツマ(ヘルヴァフィスト・e03283) |
館花・詩月(咲杜の巫女・e03451) |
黒江・カルナ(黒猫輪舞・e04859) |
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176) |
蔵城・雪都(宵の語り手・e40496) |
●緑地探索
大阪市鶴見区、鶴見緑地。
午前九時頃、広大な敷地を豊かな自然に満たされたその都市公園に、ケルベロス達の姿はあった。
「今年も懲りずに動きましたか……」
地図を片手に、双眼鏡越しに周囲へ目を光らせる黒江・カルナ(黒猫輪舞・e04859)は、魔女の仮装。
「折角のハロウィンに傍迷惑な連中だのう」
同じく双眼鏡を覗き込む市松・重臣(爺児・e03058)は、オルトロスの八雲共々、ちょんまげ・羽織の殿様装束である。
「子の悪戯ならまだしも、彼奴らの悪巧みなぞ言語道断。菓子の代わりに、きつい灸で持て成してやるとしようか」
「ええ。悪戯者というには余りに危険な存在を、野放しには出来ませんね。必ず止めましょう」
衣装はちぐはぐながら、それでいて老人とその孫娘といった雰囲気の重臣とカルナは、互いに決意を交わしあう。
「ここでもハロウィンイベントを開催するようですね。警戒を厳に保たねば」
気難しげな雰囲気を醸しつつ辺りを見て回るシーツおばけ……もとい、頭からすっぽりとおばけに扮する西水・祥空(クロームロータス・e01423)は、ふと、傍らの二人へと視線を向けた。
「ところで、お二方、それはどういう仮装なのですか?」
「……これかい? 死神だよ」
「吸血鬼のつもりだけれど」
不意に水を向けられた藤原・雅(無色の散華・e01652)と蔵城・雪都(宵の語り手・e40496)は、涼やかに微笑み返す。雅は長々とした黒ローブ姿に黒いフードを被ったのみ、雪都はいつもの着物の上から真っ黒なマントを羽織ったのみで、双方、仮装と言い張るにはずいぶんと簡素ないでたちであった。
「武装も隠れるし一石二鳥だろう? ……見えない? はは、まあ仮装であれば何でも良いのではないかな」
泰然自若として拘らず、雅はスマートフォンを駆使した情報収集に余念がない。
「簡易だけれど、まあきっと大丈夫だよね」
雪都も飄々と胡散臭い笑顔を崩すことなく、ヘッドセットに耳を澄ましながら、潜伏できるような怪しげな場所はないか、しらみつぶしに探索していく。
本日はハロウィン。緑地内でも大々的なイベントが行われるらしく、ハロウィンの装飾や仮装した一般人の姿をそこここで見受ける事ができた。どこを狙って『南瓜の爆車』が現れるや、ケルベロス達は付かず離れず概ね固まって動きながら、神経を尖らせる。
包帯ぐるぐる巻きのミイラに扮し、冷静な眼差しで辺りを警戒する館花・詩月(咲杜の巫女・e03451)も、その胸中は穏やかでない。
(「深夜十二時がタイムリミット……それまでに、何としても敵の思惑を阻止しなければ」)
ケルベロス達の探索と緑地の平穏は、遠くからの騒音によって破られた。
「むっ。来よった、西じゃ!」
翼で上空からの周辺確認をしていた重臣が指し示す先には、遊歩道をトップスピードに乗って駆け抜ける、ご機嫌な南瓜の爆車が一台。
「出やがったな――今年も存分に暴れさせてもらおうじゃねぇか!」
黙々と周囲に目を光らせていた嵐城・タツマ(ヘルヴァフィスト・e03283)は、凶暴な笑みを浮かべて、皆と共に爆車の元へと走り出した。
●一体目遭遇
一般人をからかうような軌道で動き回る爆車の進路上に、ケルベロス達が回り込む。
八人の姿を発見した爆車の南瓜頭が、ニシャリ、と心なしかより深く笑み歪んだように見えた。
ケルベロスだと認識したはずはない。おそらく、仮装が遠目に『ハロウィンぽく』見えたのだろう。からかってやろうとばかりに、真っ直ぐに突っ込んでくる。
「SYSTEM COMBAT MODE」
マーク・ナイン(取り残された戦闘マシン・e21176)が機械的に呟き、バレットタイムで己の知覚を拡張する。
それが戦闘開始の合図となった。
「今宵が悪夢に飲まれぬよう、災いの芽は一つ残らず摘取るのみ。おいたが過ぎる連中は沈めてくれよう!」
全速力の爆車へと、重臣が全力でバールを投擲。回転するバールを前頭部に食らい、台車の上で南瓜頭がぐるんと一回転しながら目を白黒させた。
なおも直進を止めぬ爆車の進路に待ち受けるのは、おばけ仮装を脱いだ、ケルベロスコート姿の祥空。
「この先は通しません」
突っ込んでくる爆車に、鋭い達人の一撃が叩き込まれる。ぎゃひんっ。甲高い悲鳴を上げ、頭部から白い冷気をたなびかせながら、爆車は急旋回して軌道を逸れた。
「おいで――」
カルナの静かな声音に、喚ばれ出づるは黒猫の幻影。小さくも俊敏な狩猟者は、爆車の『影』へと飛び込み、気儘にじゃれつき翻弄、その動きを縫い留める。
明らかに動きを鈍らせた爆車を、詩月の簒奪者の鎌が捉える。
「特に恨み辛みはないけど……容赦はしないよ」
事件解決の為、冷徹に振り下ろされた刃が、南瓜頭を激しく斬りつける。
「去年の今日も、魔女のカボチャと遊んだもんだよな、あぁ!?」
もはやハロウィン云々関係なしに暴れてやろうという凶悪な投げバールで、さらなる追い討ちをかけるタツマ。
爆車はピーピーと非難するような声を上げながら、ケルベロス達の間を縫うように駆けずり回り、小型のカボチャボムを投げ込んできた。人を食ったような笑い声付きの炸裂が、前衛全体を巻き込んでいく。
「……やれやれ、イベントの度に要らぬ真似ばかりしてくれる。……祭りだからと言って、はしゃぎ過ぎは良くないね」
ぼやく雅の声が響いたかと思えば、巨大光弾が煙くぼやけた視界を割って、爆車の横っ面に直撃、台車の軌道を大きく乱させた。その隙に、雪都のマインドシールドが前衛に行き渡る。
「TARGET LOCK-ON」
マークの轟竜砲が台車の車輪に的確に着弾。爆車の動きがさらに鈍った。
ケルベロス達は包囲も抜かりなく、次々と攻撃を浴びせていく。逃げ場をなくし、いいように痛めつけられていく爆車の応戦ぶりは、次第に腹立ちまぎれの荒っぽいものへと変じていった。
――ギャギャギャッ、ギャルギャルギャルギャル!!
片時も立ち止まらない爆車は、一度ケルベロス達から距離を取ったかと思えば、トップスピードに乗りかけた瞬間に急旋回、ボロボロになった全身で突撃してくる――!
「――DEFENSE MODE」
機械的な音声。仲間に被弾する直前に立ちはだかり、爆車を全身で受け止めたのは、巌の如きマークの体。
爆車が一瞬動きを止めたその瞬間を狙い澄まして、響くは雪都の詠唱。
「ぬばたまの夜霧の狭間に見ゆ月は……八千代に、八千代に」
紡がれる言の葉は即ち言霊。グラビティを乗せた黒静の言祝ぎに呪縛され、自由と生命を奪われていく――。
南瓜の爆車はぱっかり大口を開けた間抜け顔でしばし硬直したのち、ポンッポポンッ、と小規模の花火のような爆発を上げてバラバラに壊れながら、最後には塵も残さず消滅していった。
●東西大移動
南瓜の爆車は撃破され、遊歩道はとりあえずの平穏を取り戻した。
「ずいぶんと騒がしいハロウィンになったものだ。とは言え、起源は悪霊払いの収穫祭。私達も悪霊に出逢えるやもしれないね?」
仲間達に治癒を広げながら、意味深に微笑む雪都。
大物の悪霊……ヘスペリデス・アバターはいずこか。それはケルベロス達にとって大きな関心事だった。
とはいえ爆車退治も忘れてはいない。ケルベロス達は緑地近隣からもたらされる目撃情報にも耳を澄まし、絶えず動き回った。
「てめぇで三体目だ――釣りはいらねぇ、遠慮せずくたばれ!」
握り込んで圧縮・結晶化したグラビティ・チェインを敵に叩きつけ、爆発四散させるタツマ。緑地を出てすぐの道路で遭遇した三体目が、弾けるように撃沈した。
「……この付近の爆車は、ほとんど片づけたと思う。アバターも見つからなかったし、移動するべきじゃないかな」
地図に書き込んだ爆車の撃破・目撃情報の分布を確かめながら、詩月は制限時間への焦りはおくびにも出さずに、朴訥と提案した。
「そうですね、時間が惜しい。もう一つの候補地に急ぎましょう」
エイムインフェルノで治癒を手伝っていた祥空は、いそいそとおばけ装束を被り直し、移動の先導を買って出た。
ケルベロス達は午前中のうちに、平穏を取り戻した鶴見緑地を後にした。
目的地は、大阪市最西端に位置する舞洲緑地及び新夕陽ヶ丘。東端の鶴見緑地から、大阪市を大きく横断する道程となる。
移動中も、爆車の目撃情報はたびたびもたらされた。
「おや。今さっき、近隣の大型スーパーに現れたようだよ」
「二本先の通りを右に行ったところですね」
「待って。……そこから一ブロック挟んだところに、パーティ会場があるみたい」
「……ああ、いかにもだね。向かってみる価値はありそうだ」
そうして運よく爆車に遭遇する事もあれば、当てが外れて逃げられた後という事もあった。しかし市街を長距離移動することで、目撃情報の入る頻度や遭遇率が高くなっているのは確かだった。
「……音が聞こえます。こちらに向かっている……?」
「ほう。飛んで火に入る、じゃのう?」
「ハッ、正面から来やがった。間抜けなヤツめ」
「迎え撃とう。――SYSTEM COMBAT MODE」
南瓜の爆車達はいずれの個体も戦闘力に大きな差はなく、ケルベロス達は危なげなく敵を撃破していった。
「楽しい時を台無しにする行いを――貴方達の夢と悪行を、許す訳には行きません」
クールな無表情の底に人々を護る強い意志を秘めて、カルナはドラゴンの幻影を召喚する。
「儚く、砕け散って頂きましょう。お休みなさい」
業火が焼き払ったのは、道中の商店街を爆走していた九体目。
その頃には、目前に緑豊かな人工島――目的地である舞洲が迫っていた。
●人工島の戦い
一行が舞洲に辿り着いたのは、午後二時過ぎ。
深夜十二時までには十分に時間があったが、ケルベロス達はたゆまず精力的に探索を続けた。
十体目はすぐに見つかった。新夕陽ヶ丘に到着するや、見通しの良い丘を、傍若無人かつ縦横無尽に疾走しているのが嫌でも目に入ったのだ。
「おーおー、全く派手にやってやがるじゃねぇかッ」
タツマがぶん投げたバールが南瓜頭の脳天に直撃し、怒り心頭の十体目との戦闘の火蓋は切って落とされた。
これまでに何度となく爆車との戦いを繰り返し撃破してきた一行は、瞬く間に十体目を追い詰めていく。
「MODE ASSAULT READY」
マークは特殊バスターライフルに搭載されたパイルバンカーで爆車を貫き、そのまま接射、極めて高い殺傷能力で敵を打ち据える。
「戦闘も多くて骨が折れるね。全部終わったら、温泉にでも行きたいな」
飄々とぼやきながら、雪都も積極的に攻撃に参加し、斬霊刀を振るって敵の霊体を汚染破壊する。
「遠からん者は音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ! これぞ、本家家伝の龍詞咆なり!」
詩月が声を張り上げた。詞を凝縮・蓄積した光球が咆哮と共に解き放たれ、龍の咆哮の如く爆車を破壊し尽くした。
十体目を破壊した一行は、新夕陽ヶ丘を後にし、舞洲緑地の奥へと向かった。
緑地内を探索し始めてしばしして、頻繁に目撃情報が上がってくるようになったが、多数の爆車が一度に暴れているというのではなく、どうやら一つの個体があちこちを走り回っているらしかった。情報を総合するに、気まぐれな軌道ながら、概ね島の南から西端へと向かっているようだった。
ケルベロス達は緑地をつぶさに見て回りながら、爆車の進路に回り込む形で、西端の広場へと向かった。
広大な平地では、例によってハロウィンの催しが開催されており、仮装に身を包んだ人々が屋台を楽しんだりランニングに勤しんだりしている。
そして、案の定、徐々に迫りくる車輪の嘶き。
「来ましたね……ここが爆走の終点です!」
いち早く爆車の姿を認めた祥空が、人々を背に負う形で駆け出し、敵の機先を制して一撃を叩き込んだ。
広場の外周道路で爆走を食い止める形で、一行は十一体目と事構えた。
もはや手慣れた手順で余裕を持ってグラビティを打ち込んでいくも、敵も必死に抵抗してくる。爆車の強烈なスピン攻撃に足元を斬り裂かれ、タツマは鋭く舌打ちした。
「爆弾カボチャの分際が! 原形が残らねぇようにぶっ潰してやるよ!」
変形したオウガメタルによる猛攻。ボコボコに凹まされた南瓜頭へ、さらなるグラビティが殺到する。
「……これ以上の狼藉は、赦さないよ」
続けざま、優美な物腰でありながら、一切の容赦のない斬撃。雅の斬霊刀が、爆車を毒で汚染していく。
突如、攻性植物の蔓触手が台車に絡みついた。敵の車輪をしっかり縛り上げ、空回りさせたカルナは、頼れる年長者とその名犬を呼ぶ。
「――重臣様、八雲様」
応えて、あたかも児童の如く元気に躍り出る重臣。
「任された! ――今年も収穫を得られぬまま、消え失せるが良い!」
本日の得物は殿様装備に合わせた日の丸ハリセン。破天荒かつ出鱈目な一撃を南瓜頭に打ち下ろした直後を、八雲の神器の剣が台車部分を斬り伏せる。
南瓜の爆車は雷に打たれたようにぴたりと静止し、軽快な爆発を起こしながら崩壊していった。
「十一体目、撃破完了だな」
人間らしい口調を取り戻し、マークが呟いた。
「……六根清浄、急急如律令――皆、お疲れ様」
雅は結んだ刀印で空を切り払った。心身の汚れが祓い清められ、陣営は素早く回復していく。
「それにしても、さっきから他の目撃情報が上がってこないね?」
「……確かに。もしかして、もう全て倒してしまったのかな」
各々に情報機器を操りながら、首を傾げる雪都と雅。
一行は急ぎリアルタイムの情報を突き合わせた。
出した結論は、『十六時現在をもって、大阪市内全域の南瓜の爆車は全て撃破完了』。
加えて、ヘスペリデス・アバターも別班によって発見されたようだった。
「通天閣ですか。あちらの方面は警戒しているチームが多かったはずですね」
「応援に向かう必要はなさそうだね。早めに蹴りがついて良かった……」
祥空と詩月は、制限時間から開放された安堵を零した。
「ならばこの足でハロウィンを楽しんで帰ろうかのう。殿は菓子を所望じゃぞい!」
「お供します」
年甲斐なくはしゃぐ重臣とその名犬に、カルナはわずかに表情を緩めて後に続いた。
かくて平和を取り戻した大阪市内のあちこちで、各々にハロウィンを楽しむケルベロス達の姿が見られるのだった。
作者:そらばる |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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